今年こそフランスへ

〜2023年実現へ向けて〜


2023年4月。新年度となりました。
通常の月初業務である給与計算や請求書作成に加え、年度末締め、退職者、新入職員の諸々処理、市へのたくさんの届出などなど、明日からの仕事を思うと気が重いのが正直なところですが、今日が休日で良かった。
年度末最終日が金曜だったので、いきなり新年度を迎えるよりは、しっかり切り替えして仕事に臨める気がします。

法人の管理者の一人という立場になったこの1年、プライベートでは家を買ってリノベーションして引っ越ししてで本当に目まぐるしかった。
泣きたくなるような気持ちになる日もあって、それこそ現実逃避したくて遠くへ旅したい!と思ったりもしたけれど、コロナも落ち着かない中、現実はそう簡単にいかなくて、県外に出たのは、東京と栃木への2回のみ。

一昨年の時点では友達の住むフランスへ行こうと思ってたけど、それこそ叶うわけがなく、、、
ではあったのですが、今思えば、そういうタイミングではなかったのだろうと思います。
ここで集中すべきことがあったからでもあるのだろうと。

私のような職種の立場には、コロナが5類に分類されてからが海外に行くのが相応しいし、現状では私しかできない仕事を他のスタッフにお願いすることも、昨年であれば厳しかったけど、今からなら数ヶ月あればできるはず。

今年こそフランスへ旅するタイミングだと思うので、その準備をしていこうと、仕事に追われている中でも、そんな想いを密かに高めている今日この頃です。

そのようなわけで、相変わらずブログは書けずながらも、インスタグラムへはフランスから友達が送ってくれた画像を投稿していました。

今更だけど、本当に便利な世の中ですね。
自分がいる地球の場所のほぼ反対側にいる友達と”今”を共有できる。
そして、いただいた画像を軽く編集させてもらっちゃったりして、さも自分が撮ったかのように投稿するという・・・笑

本当は現地で拝見したいところだけど、私がフランスに行った時にはきっと入居者さんもいらしてお目にかかれないでしょうから、せめてポストさせていただいて記録しておきたいと思いました。

日本で築40年以上の集合住宅というとだいぶ古い方で価値も下がりますが、フランスでは築100年越えてもその価値は高いのだそうです。
とは言え、パリの中心地に、年季の入った物件を自分で作業してリノベーションした部屋を貸し出すなんて、すごいなぁ。
しかも、パリ郊外にある自宅の方も、また自分達で修復するという話を伺い、私は本当にまだまだだなぁと思わされます。

こうやって、現地に行かずとも情報交換するだけでも良い刺激をもらえて、私も頑張ろうと思えるわけですが、やっぱり何より、百聞は一見に如かずなわけでもあり。
自分自身が、パリのアートと、ブルゴーニュの自然に触れ、旧友と語らう癒しの旅。
ますます高まるフランス旅実現への想い・・・

そして次は、久々にちゃんと自分の写真でのポストです。
「いいね!」少ないと、本の著者さんやフランスに住む友達に申し訳ない気持ちもあるのだけれど、フランス在住の日本人ユニットでいらっしゃるトリコロル・パリさんによる「フランスの小さくて温かな暮らし」は、発刊されてからしばらく経つし、私自身は人気者になりたいわけでも「いいね !」ほしくて投稿してるわけではなく(以前はセオリーに沿っていいね周りもしていたけれども、私にはしんどくて…)、むやみやたらと繋がりたくはないし、必要な情報収拾と、自分自身の意思確認、真に想いを共有できる人と繋がることが私の本来の願いなので、ご理解いただきたく。

世の中には、旅人として生きている人や、仕事上海外へ行くのが当たり前の人もいて、もちろん、普通にサラリーマンしてても海外旅行に出かける人だってたくさんいて、そんな人から見たらそこまで頑張らないとダメ?と思われるかもしれないけれど、私の現状、今の職業と立場を使命としている以上は、これくらい気持ちを高めていかないと、海外への旅は実現できないので…

でもそのお蔭で、日々を生きるテンションもモチベーションも上がっていきます。
いよいよ新年度初日、明日からも頑張っていこう✰⋆。:゚


あなたは
この新年度
何を糧に生きますか?

2022年もアートを軸に

アートのある暮らしを楽しむという抱負


新たな年2022年も、始まってから早くも既に10日が過ぎようとしています。
つくづく、時間は何より貴重だと感じます・・・

オミクロン株に続いてまた新たな変異株も認められたとかでコロナ禍は相変わらずの状況、限られた行動範囲と有限な時間の中にいるからこそ、自分にとってプライオリティーの高いもの、それを認知しているかしていないかで、人生の質って変わってくるのだろうなと思います。

新年も年明けあっという間で仕事が始まったので、この週末に、まずは、2022年に自分の軸にするものを改めて見直してみました。
とはいえ、自分にとっての軸なので、昨年からそう簡単に変わってもちょっと問題(笑)基本一緒です。

でも、設定した目標などは、文字に起こしたり可視化して、自分の中に落としこむことそれが大切かなと思います。
さらにそれを周りにも宣言するとモチベーションが高まります。

というわけで、この週末、SNS不得意ながらも細々と続けているインスタグラムに今年の抱負なるものをアップしたのですが、私同様にSNSに消極的な方もまだまだいらっしゃるでしょうし、私自身の再確認用としても、今回はインスタグラムからシェアする形でブログにまとめてみようと思います。

想いを共にしていただける方がいたら嬉しいです^ ^

以上、こんな感じでまとめてみました。

最後に、「目標設定」とはいえ、ガツガツしすぎないのが何より大切だと思っています。
頑張りすぎると、人に影響されやすくなるし、自分にとっての真実を見失いかける。
完璧な人なんていない。できないこと、叶わないことだってあるのが人間だもの、時には手放すことも大事。
自分に正直に、かつニュートラルな自分でいて、何事にもフレキシブルに、心穏やかに。
2022年も大好きなアートを軸に、与えられた使命と向き合いながら、日々を大切に過ごしていきたいと思います。



今年、あなたが
大切にしたいものは
何ですか?

芸術を満喫する旅で出会えたすごい画家 吉田博

埼玉と栃木で堪能した秋の芸術と美食などなど


6年ほど前から、秋には栃木に行くのが恒例となっています。
以前勤めていた職場で心を病んで亡くなった方のご実家が栃木で、それから毎年お焼香をあげさせていただくために赴いているのですが、ご縁というのは不思議なもので、亡くなった方のご両親がお二人とも芸術好きでいらして、私も趣味が共通していたこともあって、すっかり仲が良くなり、私がお邪魔する時はほぼ丸一日、一緒に過ごしてくださいます。

私などがおもてなししていただけるなんておこがましいことですが、毎回素敵な食事をご馳走してくださり、今回もなんとまあ、贅沢なランチタイムでした。

連れて行ってくださったのは、宇都宮市にある「茶寮 やすの」という割烹店。
個室を予約してくださっていて、ご夫妻も初めてだという素敵な離れに通されました。

お部屋からは日本の四季を感じられる庭を望むことができ、もうこれだけでも満足。

この素敵な空間で味わわせていただいたのは、これぞ和食!な懐石料理でした。

栃木の郷土料理「しもつかれ」をこの時初めていただきましたが(上の写真では白い花形の小皿に盛られた料理)、見た目から想像した食感と違ってほろほろと柔らかく、すごく美味しかったです。
鮭の頭と大豆、根菜、中でも大根や人参は「鬼おろし」(竹でできた目のあらいおろし器)でおろさなきゃダメで、そこに酒粕も加えて、じっくり煮込んだ手の込んだ料理なんですって。

それにしても、季節を感じることができ、目で楽しみ、味に感動し、まさに日本の無形文化遺産「和食」、改めて日本人で良かったと、美味しい食事とともに幸せを噛み締めました。

だいぶゆっくりとランチタイムを楽しんだのちに連れて行っていただけたのは「さくら市ミュージアム-荒井寛方記念館」。

栃木県さくら市(当時は塩谷郡氏家町)出身の画家である荒井寛方が院展同人としてその名を刻んでいることが縁で、こちらの美術館では7年前から毎年「院展」が開催されているそうです。

日本画界をリードする「日本美術院」の公募展は、今年も豪華で、この国にはなんて才能豊かな人たちがいるんだろうとため息をついてばかりでした。


さて、話が前後しますが、この栃木滞在の前日は埼玉県へ行ってきました。

仙台から栃木はちょっとした旅になるので、せっかくなので、毎年栃木へ行く時期が近づくと、予め近辺で面白そうな美術展など催されていないかチェックするのですが、今回目に留まったのが、後述する川越市美術館で開催の「吉田博展」でした。

コロナもちょうど落ち着いている今、栃木の隣の埼玉なら行かない手はないなと思い、足を伸ばした川越市。

江戸時代の城下町として栄え、蔵造りと呼ばれる建築様式の古い土蔵や、伝統的な商家が連なる町並みは、風情があて素敵でした。

が、正直、車と人の多さにも圧倒され、コロナじゃなくても人混みが苦手な私は、目的地以外はほとんど寄り道することなく歩き進めました。

一つ目の目的地は「山崎美術館」。
この近辺には甘味処や料理店が並んでいて、ちょうどお昼時、どこも人が行列を作っていたにもかかわらず、こちらはひっそりとしていました。
ちょっとマニアックな美術館なので、本当にアートファンじゃない限り、素通りしてしまうのかもしれません。

川越の古い町並みの一角にある山崎美術館は、和菓子の老舗である亀屋の蔵を開放し、その山崎家代々に伝わるコレクションを展示しているこぢんまりとした美術館。

川越藩のお抱え絵師で狩野派の画家だった橋本養邦の息子、橋本雅邦の作品を収蔵しています。
橋本雅邦は、岡倉天心フェノロサらの東京美術学校設立にも携わった一人でもあり、日本美術界の歴史上で重要な人物です。

(参考)橋本雅邦「白雲紅樹」(東京藝術大学所蔵/Wikipediaより)

橋本雅邦の貴重な作品を見ることができ、土蔵の建築も趣があって、川越のいかにも観光地な賑やかな屋外からは隔離された感覚を味わうことができました。

ちなみに、入館料は大人500円で、見る所は少ししかありませんが、見学後はお茶と和菓子もいただけます(セルフサービスにて)。

ホッと一息ついて、次に向かったのが、この日の第一の目的の場所。
次の写真は、その通り道、川越の観光名所「時の鐘」です。
この写真に人は写っていませんが、名所と言われるだけに、実は写真を撮る人達が群がっていました。
焼失して再建されたものに、そんなに人が集まってどうするんだろう・・・と冷めてる私は、遠くから1枚だけ写真を撮って、目的地へと進みました。

第一の目的だった所はこちら「川越市立美術館」です。

私がすごく見たい!!と思っていた「没後70年 吉田博展」が開催されているのがこちらだったのです。

正直に言いますと、吉田博(ヨシダヒロシ)という画家については、栃木界隈で面白そうな展覧会やってるかなとWeb検索したその時に初めて知りました。
検索した時に目に飛び込んだ絵を見た時点ですごく惹かれて、是非とも実物をこの目で見たい!!と思ったのでした。

この展覧会を見たことで知りましたが、事実として、吉田博は海外では人気なのに、ここ日本ではこれまで埋もれて来た画家だったのだそうです。
私がそうであったように、知らない人が多くて当たり前だったわけだけど、なぜこんな素晴らしい作品を生み出した日本人画家が、ここ日本では日の目を見なかったのか!!というほどの、本当に素敵すぎる作品ばかりでした。

没後70年 吉田博展」のチラシ(表)
(画像をクリックするとPDF画面が開き、拡大できます)

吉田博は、1876年に福岡県久留米市に生まれ、洋画家としてデビューし、水彩、油彩で才能を発揮していましたが、アメリカに乗り込んだ時に、江戸時代の浮世絵が人気を浴びてるのを目にして、西洋画の微妙な陰影を版画で表現しようと49歳にして思い立ち、木版画に打ち込むようになったのだそうです。

・・・そうなんです、この展覧会で展示されていたほとんどが、木版画!
木版画で描いたなんて、一体どれだけの手間がかかっているのでしょう・・・

しかも、吉田博は、超現場主義だったとも言われています。
当時にには珍しく、海外を渡り歩いた吉田博は、山岳画家とも呼ばれ、壮大な自然の風景を描くために、想像ではなく、自ら現地へ赴き、険しい山をも登り、うつろいゆく風景の美を求め、本物の瞬間を捉えるために描きたい現場に滞在するなど、アーティスト魂が半端なかったそうです。

没後70年 吉田博展」のチラシ(裏)
(画像をクリックするとPDF画面が開き、拡大できます)

また、当時の日本美術界といえば、政治家でもあった洋画家の黒田清輝率いる白馬会が台頭しており、その状況に反発心を抱いた吉田博は、真っ向から対立していたそうで、そのせいもあったのでしょう。
美術好きなら黒田清輝は当たり前に知る画家(教科書等にもよく出てくるので、美術好きでなくとも絵は見たことある人が多いはず)ですが、そんな人と対立してしまった吉田博は彼らに潰されてしまうような立場だったのかもしれません・・・

脅威的とも言える情熱と、反骨精神から生み出された日本人にしか描けないオリジナリティ溢れる数々の作品の素晴らしさには、もう息を飲むばかりでした。

ご多分にもれず、吉田博の作品は実物を直接見るのが絶対に良いのですが、図録で見てもすごく良くて、もちろん今回も購入した図録、これはもう宝物です♪

没後70年 吉田博展」(川越市立美術館)で購入した図録とハガキ。
右奥が「マタホルン山(スイスのマッターホルン)」、左上が「冨士拾景 河口湖」、左下が「ナイアガラ瀑布

この没後70年 吉田博展」は山梨→福岡→京都→東京→三重→静岡と巡回し、川越が最後の会場で、今月末(2021年11月28日)まで。
最後の最後というこの貴重な機会に間に合って、本当に良かった!!
私にとっては、多分ここ数年で見た美術展の中でも一番とも言えるのではないかという感動を得ることができました。

この展覧会を見た翌日に、先に書いた、私と同じくアート好きな栃木のご夫妻に会ったので、この感動を共有したいと図録をお見せしながら話をしたのですが、お二人もやはり図録を見ただけでうなり、これは見に行きたい!行くか!!となっていました(笑)
今週末あたり行こうかっておっしゃってたけど、行かれたかしら・・・

そして来年は茨城にある岡倉天心美術館(茨城県天心記念五浦美術館)まで足を伸ばそうかというお誘いも下さいました♪
もう来年も今から、芸術の秋が楽しみでならないです。大感謝!!

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あなたが味わった
この秋の芸術は
何ですか?

映画「ザ・フォール 落下の王国」に見る世界遺産

舞台になった世界遺産は13カ所!


今年は世界遺産検定2級の合格を目標にしています。
2級は、我が国の世界遺産全て(2021年6月現在23件)を含む、世界各国の世界遺産から300件が出題範囲です。
試験は、60分間で、問題数は60問。
当然のことながら、300件の世界遺産のうち、どれが出題されるかわからないわけで、この分量はなかなか厳しいものがあります。
参考書や問題集と向かい合っているだけでは飽きてしまうのが正直なところ・・・

そんな時にふと思い出した映画「ザ・フォール 落下の王国(原題:THE FALL)」 。
2006年に公開された冒険ファンタジーです。

この映画は、世界20カ国以上が舞台となっていて、世界遺産も10件以上出てくるので、世界遺産好きにはもってこい。
壮大さも芸術的表現も圧巻な名作です。


公開前、私は映画館でこの予告編を見て、これ面白そう!公開されたら観よう!!と思ったのに、映画館へ行きそびれてしまったもの。よって、残念ながらパンフレットは無し。
現在ではDVDも高価になってしまって手を出すには躊躇するくらいの、すごく価値ある映画なので、悔やまれます。

現状、ネットでの公開もされていないようなので、見たい方はTSUTAYAでレンタルを。
特に、DVDには映像特典が付いていて、監督たちのインタビューやロケーションについての説明など、撮影秘話や世界遺産情報がとても興味深いです。
いい刺激になると思うので、映画の後は、特典も見ることをお勧めします。
(内容は一緒ですが、ブルーレイならなお良いです♪)

さて、この映画に出てくる世界遺産は以下の通り。Let’s study♪



1.イタリア:ティヴォリのハドリアヌス別荘(Repubblica Italiana:Villa Adriana (Tivoli))
  [文化遺産として1999年に登録]

イタリアの首都ローマの東方約30kmのラツィオ州ティボリは古代からのローマ人の別荘地でした。
紀元2世紀のローマ皇帝ハドリアヌスは、帝国を巡検中見聞したエジプト、ギリシア、ローマなどの優れた建造物を再現して、「理想の都市」を築こうと、ヴィッラ・アドリアーナを建設しました。
後年、ゲルマン人により破壊されましたが、イタリア統一後、本格的に発掘されたのです。
この1.2k㎡にも及ぶハドリアヌス帝の理想郷は、古代地中海世界の文化を表現した傑作です。

画像引用元:Wikipedia(by Marie-Lan Nguyen)

この場所、映画「ザ・フォール 落下の王国」では、青年が少女に空想の物語を語り始めた序盤、アレキサンダー王が迷い込んだ場所として登場します。
ほんの数秒ですが、芸術的な理想郷の跡地を垣間見ることができます。



2.ナミビア:トゥウェイフルフォンテーン(Republic of Namibia:Twyfelfontein
  [自然遺産として2007年に登録]

アフリカ大陸南部にあるナミビア共和国の北西部にあたるクネネ州ダマラランド地方のトゥウェイフルフォンテーンは、2000年以上前の岩刻画が、アフリカで最も集まった場所の一つ。現在までで、2075もの岩刻画が発見されています。
岩場からの湧水でできる泉が、満水であったり、時に枯れてしまったりと不安定だったことから「不確かな泉」という意味でTwyfelfontein(トゥウェイフルフォンテーン)と名付けられました。

引用元:Wikipedia(by Mike )

映画では、この砂漠の地でアレキサンダー王が家来たちと彷徨っているところに、一人の使者が最後の水を持ってくるのですが、アレキサンダーがその水を捨ててしまうというシーンが描かれています。



3.チェコ:プラハの歴史地区(Czech Republic:Historic Centre of Prague)
  [文化遺産として1992年に登録/2012年に範囲変更]

11世紀から18世紀の間にヴルタヴァ川(モルダウ川/ブルタバ川)沿いに建造された旧市街、城下町、新市街は、中世以来この街にもたらされた大きな建築的・文化的影響を伝えています。
プラハ城聖ヴィート大聖堂、城の前のフラッチャニ広場、左岸にあるヴァルトシュテイン宮殿、ゴシック様式のカレル橋、ロマネスク様式の聖十字架教会のロトゥンダ、スタレー・ムニェスト(旧市街)にあるゴシック最盛期の聖ヤコブ教会といった多くの壮大な建造物は、この中世都市における豊かな建築の歴史とその進化を語っているのです。

以下の写真は、ヴルタヴァ川沿いに建つプラハ城とその城下町。

引用元:Wikipedia(by Stefan Bauer)

ヴルタヴァ川はチェコ国内最長の川で、チェコ語でVltava 、ドイツ語でMoldauです。日本では「モルダウ川」として広く知られていますね。
私がこの川の名称を覚えたのは高校生の時。
音楽の授業で、巨匠スメタナの代表的な管弦楽曲「我が祖国」より第2曲「モルダウ」を聴いて、すごく感動して、CDを買いました。
今でもそのCDは愛聴しています。
クラシックCDを自分で買ったのは、この時が初めてじゃなかったかな・・・
そしてそんな人、私以外にも結構いるんじゃないかしら・・・?


「ザ・フォール 落下の王国」では、ヴルタヴァ川にかかるカレル橋を主人公たちが馬で渡るシーンとして登場します。

引用元:Wikipedia(by Chosovi)

プラハへは日本からの直行便はないけれど、後に記載するイスタンブールからおよそ2時間半。
是非周遊したいですね。



4.インド:ファテープル・シークリー(Republic of India:Fatehpur Sikri)
  [文化遺産として1986年に登録]

インド北部ウッタル・プラデシュ州のアーグラから南西約40kmに位置する、ムガル帝国第3代皇帝アクバルが16世紀後半に建造した城跡で、「ファテープル・シークリー」とは勝利の都シークリーという意味。勝利の都と名づけられたのは、当時、アクバル帝がグジャラート地方での戦いに勝利したため。
台地の上に建設され、直行するグリッドに則した幾何学的な都市計画が実施されており、中心部は宮廷地区とモスク地区とに分けられた、イスラムとインド建築の伝統技術の融合がなされた都市遺跡です。

引用元:Wikipedia(by Marcin Białek)

「ザ・フォール 落下の王国」ではこの場所が、青年が語る物語の悪人である総督オウディアスの領地の入り口として描かれています。



5.トルコ:イスタンブル歴史地区(Republic of Turkey:Historic Areas of Istanbul)
  [文化遺産として1985年に登録]

コンスタンティノープルとして知られたイスタンブルは、アジアとヨーロッパの境界に位置する歴史的都市。
元々はキリスト教の大聖堂だったThe Hagia Sofiaハギヤ・ソフィア/アヤ・ソフィア)は、15世紀にオスマン帝国によってイスラム教のモスクへと改修されました。

下の写真が、ビザンツ建築の最高傑作と言われるアヤ・ソフィア
年間約300万人が訪れるイスタンブルを代表する観光名所です。

引用元:Wikipedia(by Stanisloav Kozlovskiy)

「ザ・フォール 落下の王国」では、アヤ・ソフィアの内部も、総督オウディアスの所有する建物内として描かれています。

イスタンブールまでは成田から直行便が出ていて、およそ12時間で行ける所。
この美しく壮大な歴史的建造物、是非とも自分の足で訪れたいですね。



6.エジプト:メンフィスのピラミッド地帯(Arab Republic of Egypt:Memphis and its Necropolis – the Pyramid Fields from Giza to Dahshur)
  [文化遺産として1979年に登録]

エジプト古王国時代の首都メンフィスには、岩のお墓や装飾されたマスタバ(日干しれんがなどで作られた角形の墳墓)、寺院やピラミッドを含む、途方もない葬儀用モニュメントがあります。
このピラミッドとそれを取り巻く周囲の複合体は、建築家イムホテプにより設計され、飾り立てられた廟(びょう/ 死者を祀る宗教施設)として世界で最も古い建造物だとされています。
ピラミッド群は紀元前2650年から紀元前2120年にかけて、その栄光を誇示するために第3王朝の歴代のファラオの墓地として建設されました。
ギザにあるクフ王のピラミッドはエジプトのピラミッド中最大のもので、どのようにして石を積み上げたのかはわかっておらず、世界の七不思議のうち現存するただひとつのものなのです。

引用元:Wikipedia(by icardo Liberato)

日本からエジプトの首都カイロまでは直行便が出ていて、およそ13時間。カイロから1時間程度でピラビッド周辺へいけるのだそうです。
三大ピラミッド(クフ王、カフラー王、メンカウラー王の3人のピラミッド)も、死ぬ前には訪れて、ちょっと怖い気もするけれども入ってみたい所。

「ザ・フォール 落下の王国」では、このエジプトから以下に続くアメリカまで、登場人物達が一気に駆け巡る場所の背景として描かれています。
壮大さを表現するには十分すぎる・・・



7.中国:万里の長城(People’s Republic of China:The Great Wall)
  [文化遺産として1987年に登録]

日本人にとっては、お隣中国の世界遺産、知らない人はほとんどいないであろう万里の長城は、春秋時代の紀元前8~前5世紀頃に秦の始皇帝によっ原型が作られました。
土や日干しレンガなどを使って砦をつなぎ合わせ、長城を完成させました。
その後、さまざまな王朝によって改修や増築が繰り返され、焼成(しょうせい)レンガを用いた現在の形になったのは16世紀の明王朝後期のことです。
中国東部から西部までの約3,000kmに渡る遺跡、北方民族との対立と、文化交流の歴史を伝える価値があるものとして認められた世界遺産です。

引用元:Wikipedia(by Hao Wei)


8.カンボジア:アンコールの遺跡群(Kingdom of Cambodia:Angkor)
  [文化遺産として1992年に登録]

カンボジア北西部の都市シェムリアップの北側に位置する「アンコールの遺跡群」は、クメール人が興したアンコール朝の時代に築かれた都市遺跡で、歴代の王が築いた都城や寺院が残っています。
「アンコールの遺跡群」最大の寺院は、幅190mの外堀に囲まれた面積約2㎢のアンコール・ワットです。
クメール語で「アンコール」は「街」を、「ワット」は「寺院」を意味しています。アンコール・ワット本殿の回廊には、ヒンドゥー神話の「乳海撹拌(にゅうかいかくはん/不老不死の妙薬を取り出すため、神々とアスラ(阿修羅)が大蛇ナーガを綱引きして乳海をかき混ぜるというヒンドゥー教の天地創造神話)」の場面などが、精巧な浮き彫りで描かれています。
遺跡群には、他にもアンコール・トムの仏教寺院バイヨンバンテアイ・スレイなどの遺跡群が含まれています。

引用元:Wikipedia(by Javier Gil)


9.イタリア:ローマ歴史地区と教皇領、サン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂(Repubblica Italiana:Historic Centre of Rome, the Properties of the Holy See in that City Enjoying Extraterritorial Rights and San Paolo Fuori le Mura)
  [文化遺産として1980年に登録/1990年に範囲拡大および2015年に範囲変更]

イタリアの都市ローマは、紀元前1〜後5世紀にかけて地中海全域を支配した古代ローマの歴史を物語る都市。
ローマには、オオカミに育てられた双子の兄弟にまつわる建国神話があります。オオカミの乳で育った兄弟ロムルスとレムスのうち、兄のロムルスが紀元前754年にローマを築いたとされ、「ローマ」の名は、そのロムロスに由来しています。

引用元:Wikipedia(by Diliff)


10.フランス:パリのセーヌ河岸(French Republic:Paris, Banks of the Seine)
  [文化遺産として1991年に登録]

フランスの首都パリを流れるセーヌ川の川岸のうち、シュリー橋からイエナ橋までのおよそ8kmほどが「パリのセーヌ河岸」として世界遺産登録されています。
セーヌ河畔に広がる2,000年の歴史都市には、パリのシンボルとも言えるエッフェル塔や、2019年の火災で屋根を焼失したノートル・ダム大聖堂なども含まれています。

パリのセーヌ河岸」のほぼ中心にあり、13世紀に頃に築かれた要塞を起源とし、フランス国王の居城として改築が繰り返されたルーブル宮は、現在、レオナルド・ダ・ヴィンチの描いた「モナ・リザ」や「ミロのヴィーナス」などが展示されているルーヴル美術館となり、構成資産に含まれています。
また、駅舎として建造され、1986年に美術館に転用されたオルセー美術館も構成資産の一つとなっています。

引用元:Wikipedia(by Savani1987)


11.アメリカ:自由の女神(United States of America:Statue of Liberty)
  [文化遺産として1984年に登録]

アメリカニューヨーク港入口のリバティ島に立つ自由の女神像(正式名称「世界を照らす自由」)は、アメリカの自由と民衆主義のシンボルです。
像は合衆国の独立100周年を祝ってフランス人民から贈られました。
左手に1776年7月4日と記された独立宣言書を抱え、希望を意味するたいまつを右手に掲げ、奴隷制を象徴する鎖を踏みつけています。


映画「ザ・フォール 落下の王国」での登場は、先ほどのカイロのピラミッドから、このニューヨークの自由の女神像まで、それぞれほんの一瞬なので、目を凝らして楽しんでくださいね。



12.インド:アーグラ城(Republic of India:Agra Fort)
  [文化遺産として1983年に登録]

インドの首都ニューデリーに近いウッタル・プラデシュ州アーグラ市に、1565年、ムガル帝国の第3代皇帝アクバル(ジャラール・アッディーン・ムハンマド)によって建設が始められた赤い城「アーグラ城」があります。
このムガル帝国の栄華を伝える赤い城は、ヒンドゥー建築とイスラム建築が融合した古代インド・ムガル帝国の代表的建物であることが評価され、世界遺産に登録されました。

引用元:Wikipedia(by A.Savin )

この城塞には見学ができる遺跡とできない遺跡がありますが、映画では、見学ができる建築物である、Diwan-i-Aam(ディワーニ・アーム/一般謁見の間)とDiwan-i-Khas(ディワーニ・カース/貴賓謁見の間)が、旅の舞台として使われています。

Diwan-i-Aam(ディワーニ・アーム)
Diwan-i-Khas(ディワーニ・カース)


13.インド:タージ・マハル(Republic of India:Taj Mahal
  [文化遺産として1983年に登録]

上記のアーグラ城から見える場所に、美しい白大理石の霊廟タージ・マハルがあります。
愛妃のムムターズ・マハルを偲んだムガル帝国皇帝シャー・ジャハーンによって建造されました。
タージ・マハルの平面図は構成において完璧な均整を示しており、インドのイスラム建築の最も偉大な達成だとみなされています。


「ザ・フォール 落下の王国」では、この美しい建築物の前で、青年が語る物語の中の主人公が、愛した女性を復讐のために銃殺しようとする場面が描かれています。



以上が、映画「ザ・フォール 落下の王国」に登場した世界遺産の数々です。

私は、これらのうち、実際にこの目で見たことがあるのは、ニューヨークの自由の女神のみ。

しかも、自由の女神像の立つリバティー島まで行ったわけではなく、マンハッタンのバッテリーパークから見ただけなので、かなり遠目。

本当は昨年、ウィーン経由でチェコに行きたいと思って、旅行本も購入し計画を練っていたのですが、生憎のコロナ禍・・・
ああ、旅がしたい!
いつか必ず行くのだという想いを胸に抱いて、世界遺産検定勉強に臨みます。


旅好きなお方は、こちらもどうぞご活用ください♪
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世界遺産の運河都市アムステルダム回顧

400年の歴史を持つオランダの環状運河都市


TVを普段ほとんど見ない私でも愛好している番組、毎週日曜の午後6時から放映されるTBSの「世界遺産」、本日(2021年5月9日)の内容は『アムステルダムの環状運河地区 〜 400年前に誕生!人工の水上都市』ですね。


オランダの首都アムステルダムは、水路が街の中にはりめぐらされた運河の街。
この運河地区は「アムステルダムの中心部:ジンフェルグラハト内部の17世紀の環状運河地区」(Seventeenth-century canal ring area of Amsterdam inside the Singelgracht)という名称で2010年に世界遺産として登録されました。

世界遺産として認められるには、「世界遺産条約履行のための作業指針」で定められた10項目登録基準の一つ以上に当てはまる必要があります。
このアムステルダム環状運河地区登録基準(ⅰ)(ⅱ)(ⅳ)

(i):人類の創造的資質を示す傑作。
(ii):建築や技術、記念碑、都市計画、景観設計の発展において、ある期間または世界の文化圏内での重要な価値観の交流を示すもの。
(iv):人類の歴史上において代表的な段階を示す、建築様式、建築技術または科学技術の総合体、もしくは景観の顕著な見本。

この世界遺産についての説明を、「世界遺産検定2級公式テキスト くわしく学ぶ世界遺産300」より参照して、以下に記載します。

アムステルダム旧市街から一番外側の運河「ジンフェルグラハト」まで扇状に広がっている環状運河は、16世紀末から17世紀初頭にかけて、新しい港湾都市プロジェクトとして整備された。
運河間の泥沢地から排水して干拓した土地に市街地を広げ、運河沿いには切り妻屋根を持つ均質的な建物が立ち並び、港から入った物資は運河を通って街の隅々にまで運ばれた。
アムステルダムの急速な拡大は、大規模な都市計画の見本として、19世紀まで世界の都市計画に影響を与えた。

さて、「緊急事態宣言」及び「まん延防止等重点措置」が発令されている、この2021年のコロナ禍中のゴールデンウィークも、何処にも行けずあっけなく終わってしまいましたので、またいつか旅行できる日を夢見て、今日は、過去に訪れたアムステルダムを、写真で回顧してみようと思います。

私が訪れたのは2019年のちょうど今頃の時期、アムステルダム運河地区散策の当日はあいにくの空模様でした。


東京駅とよく似ていると言われるアムステルダム中央駅を中心に運河が広がっています。
駅前には運河クルーズ運行会社がたくさんあり、世界遺産運河のクルージングを楽しむことができます。


歴史を感じる美しい運河。様々な橋の形状も面白い。


ところどころに跳ね橋があります。


アムステルダムの家並みといえば、これ。
カラフルで楽しげなものもあれば、モノトーンでシックなところも。


市庁舎として建設されたアムステルダム王宮
屋根に立つギリシャ神話の巨人アトラスの像は、アムステルダムのシンボルの一つ。


今は博物館となっているアンネフランクの家
かなり人気のスポットで数週間前には予約する必要があり、私は残念ながら、入館できませんでした。


絶対に訪れたかったレンブラントの家
偉大な画家レンブラント・ファン・レインが1639年から20年間住んでいた家を利用した美術館もアムステルダムの街中にあります。


2019年はちょうどレンブラントの没後350周年だったので、レンブラント出生のオランダに是非行きたい!と思って訪れたのでした。
アムステルダム旧市街から一番外側の運河「ジンフェルグラハトSingelgrachtシンゲル運河)」沿いに、美術ファンなら必ず訪れたい「アムステルダム国立美術館Rijksmuseum)」があります。
ここでも、レンブラントの特別展が開催されていました。


アムステルダム国立美術館は、ゴッホの「自画像」や、フェルメールの「牛乳を注ぐ女」などの所蔵品はさることながら、その建物自体も素晴らしく、とても広くて数時間では見切れないけれど、ここはレンブラントの名作「夜警」が収蔵されていることでも有名です。
レンブラントの没後350周年ということもあって訪れたオランダ、この作品を見ないわけにはいかないのですが、ご覧の通り、すごい人でした。


大勢の人に圧倒されましたが、挫けずにいいポジション陣取って、しっかり堪能しました。


400年の歴史を持つアムステルダムの運河都市、素晴らしい世界遺産と芸術を味わえる旅でした。
またそんな旅に行ける日はいつだろう・・・


あなたの
旅の思い出の地は
どこですか?


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あの日からもうすぐ10年

東日本大震災から静かに復興している閖上


年明け初めて、自分の生まれた地「閖上(ゆりあげ)」に行って来ました。
閖上は、宮城県名取市の港町です。

少し雲がかってはいましたが、寒さ和らぎ爽やかなお天気に恵まれ、気持ち安らぐ時間を持つことができました。

2011年3月11日、東日本大震災が発生したあの日から、もうすぐ10年という節目を迎えます。

無慈悲にも壊滅してしまった閖上ですが、ゆっくりと静かに復興しています。

閖上の砂浜と穏やかな太平洋。
この海があのおぞましい津波と化したとは想像もしたくないです。

あの津波を受けて、長い長い堤防が設けられました。
今では、散歩、ランニングにはうってつけの環境。

そして、昨年(2020年)10月には「名取市サイクルスポーツセンター」が復活をとげました。

同施設は、1975年に開設され、私にとってはもちろん、閖上で生まれ育った人なら何度となく訪れたであろう思い出の場所。

1周4キロの「サイクリングロード」や「おもしろ自転車広場」に、スポーツコート、さらには日帰り入浴も可能な天然温泉も備えた名取ゆりあげ温泉「輪りんの宿」が併設され、震災前より充実したレクリエーション施設として復活した「名取市サイクルスポーツセンター」。
東北の新しいレジャースポットとして再出発されたこと、閖上出身者として、とても嬉しく思います。

宿泊施設「輪りんの宿」の屋上からは、広大な景色を臨むことができます。

伊達政宗の命じにより物資輸送のために開削された貞山堀(ていざんぼり/貞山運河)の周辺も、綺麗に整備され、喧騒のない静かな時間を過ごすことができます。

貞山堀を挟んで「名取市サイクルスポーツセンター」の対岸側は、釣り船の出船場となっています。
手ぶらで釣りが楽しめるサービスなどもあるそうですよ。

閖上港朝市が開かれる場所付近の堤防も整備され、そこから眺める並んだヨットと広浦湾の風景は、昔と似ている部分もあり、ノスタルジーを感じます。

あの日からもうすぐ10年。
変わってしまったけれども、懐かしい風景もあり、私のルーツはここにあることに変わりないんだなと感じるとともに、生かされていることに感謝し、この尊い命を精一杯、大切に生きようと、改めて思えました。

清々しくも穏やかで、幸せな時を過ごせたことに、心からありがとう・・・


名取市サイクルスポーツセンターのWEBサイト


あなたの
大切な場所は
どこですか?

2020年 去りゆく1年に感謝

豊かな気持ちで生きれたことに、ありがとう


思い起こせば、一昨年(2018年)の今日、私は韓国で年越しを迎えました。

2018年12月31日のソウル広場

それまでは、日本の習わしを大切にする祖母を筆頭にして年末年始を過ごしていましたが、大好きだった祖母がその年に亡くなっていたので、なんとなく、一人で静かに海外で年を越したいと思ったのです。

韓国の世界遺産 昌徳宮(チャンドックン)/2019年1月1日

その時に訪れた「南山コル韓屋村(ナムサンコルハノンマウル)」。

南山コル韓屋村の伝統家屋/2019年1月1日

そこは、各地に散らばっていたソウルの貴族の伝統家屋を移築して集め、再現したもので、ソウル市の現代の街中にあるのでちょっと不思議な空間なのですが、伝統建築・文化を再現した屋外博物館といったところで、ポピュラーな観光スポットとなっています。

そこで、たまたま、誰でも無料で願掛けができるコーナーがありまして。
ソウルの正月伝統行事の火祭りで燃やす事で叶うと言われるもので、用意されている半紙に願い事を書いて、ちょうど日本の神社でおみくじを引いた時と同じように、その場に備えれている縄に結んでおけば、あとで(韓国は陰暦で正月を祝うので2月に)燃やしてくれるから願いが叶うよと。
それで、無料だしせっかくだからと、ペンを手に取り、私が思わず書いた願い事は、

「心のあたたかくて優しい人たちに囲まれて笑って過ごせますように」

でした・・・


その頃は、安定し悪くない収入を得られる仕事についてはいたものの、精神的には全くよろしくない状況で、その収入を手放していいのか、でも、心身がダメになってはどうにもならないという悩みのはざまにあったので、そんな願い事が出てきたのでした。

そして2019年が始まってから間も無く、同じ職場で働く最も信頼していた唯一の心優しい人が退職したことにより、私の迷いは断ち切られ、仕事を辞める事を決意しました。

仕事を辞めてから思ったことは、辞めて良かった。それしかありませんでした。
失業給付や訓練校に通えるというありがたい制度があり、それほどお金の心配をすることもなく、心が穏やかになり心身が回復していくのを感じ、幸せなだけでした。


特に金銭面に関して認識でき、自分にとって大きな収穫だと感じているは、「自身の捉え方によるところが大きい」のだろうということ。
ないと思えばないし、あると思えばある。そういうことなんだなと。

お金にかかわらずモノ・コトなんでも、ないないと嘆き、欲して必死になると、もし得ることができたとしても、それを失わないようにもしくはその上を目指すので、代償として不安も増します。
でも、今あるものでいいじゃん、生きれるじゃん、と思うことができれば、必要以上に求めることもなくなるし、等身大の自分を心地よく感じることができるようになるので、不安もなくなります。

もちろん目標を持って進むことは必要だけれど、見失ってはならないものがあることに気をつけておかなければならないということです。
自分にとって何が本当に大事か
なんのために生きているのか
今あるものに感謝して、そういったことに意識を向けることが大切なのかなと思います。


コロナ禍にあって、仕事を失ってしまった人や、職を探しても見つからない人が大勢いる中で、私は運よく、尊敬するかたから声をかけられ、思いがけない形ではありましたが、今、働くことができています。
そこは、元気でかわいい、未来を担う子どもたちの声が、毎日、響き渡る場所。
そんな子どもたちと親御さんを支えるために、愛に満ちた保育士の先生たちが懸命に働く所。
やさしさ、あたたかさがないと成り立たない環境です。
そこで役に立つことが、今、私に与えられている使命なのだと思えますし、それは本当に幸せなことだと心から感謝しています。

以前の収入に比べたらだいぶ低いのが現状ではありますが、安定はしてるし、自分のために使える時間も増え、お蔭で、やっぱりお金が全てじゃないよねと、これまでなんとなく感じていたそれよりも、本当の意味で認知することができました。
それに、今は副業も認められ、パラレルワークも当たり前となりつつある世の中。
私のようないろいろやりたい人間にはむしろありがたいのがこれからの社会。
今の職場に貢献しつつ、あたたかくて安らげ、笑顔になれる人が増える環境、そんな裾野を広げていきたい、そう思っています。


さて、2020年も本日が最後となりました。
この2020年は、コロナに始まりコロナに終ったとして歴史上刻まれるでしょう。
世界中がこれまで陥った事のない、本当に大変な1年でした。

ちまたでは、このコロナを逆手に取り、「不安な時代を生き抜くために」と言いながら、返って不安な気持ちを助長するかのような報道やビジネスもありますが、こんな時だからこそ、周りに流されずに豊かな心を携えた自分を持つということがとても大切だと感じています。

冬らしさを感じる雪の仙台

2020年も生かしていただいたことに感謝。ありがとうございました。
明日から始まる2021年も心身豊かに過ごすことができますように。。。


2021年に向けて
あなたが願うことは
なんですか?

「希望」 旅するフォトグラファー Shu Ito のメッセージ

写真家 伊藤秀海さんの2021年カレンダー


仙台出身の写真家、伊藤秀海イトウシュウ)さんの写真が好きです。
伊藤秀海さんは、世界を旅し、国内外の自然や文化の素晴らしさを写真で伝えていらっしゃいます。

秀海さんの写真集1「LIKE NO OTHER」(ニュージーランド)

ところで、いい写真を撮るには、タイミングを狙ったり、構図を考えたり、いろいろ計算することが大事になってきます。
ワンショットのために様々な思考を巡らすことが、写真撮影の醍醐味でもあります。
また、現在では、撮影後のデジタル処理で、撮影当初の画像を相当変化させることも可能で、フィルムしかなかった頃に比べて写真の楽しみ方が増え、とても良い時代になったと思います。


ですが、あまりにも作りこまれたものはしっくりこないタイプの私。
いいね!がほしいからそれを狙って撮られてたり、目を引くため売るために修正や編集がガチガチに加えられているようなものには、すごいなーと感心はできても感動はできないのです。

その点、訪れた場所や出会った人が素敵だと感じたから撮影し、この気持ちを共有したいという想いが伝わってくるのが秀海さんの作品。
スタジオやセットでは絶対に表現できない、本物の一瞬が、たった一枚の写真から感じることができます。

秀海さんの写真集2「Just Like Sisters」(三島とニュープリマス)

周りからは「自分の好きなことで食べていくのは大変だ」と言われつつも、

一番好きで得意な事を仕事にすることが、その人にとっての一番の幸せ

写真家として写真を撮り続ける事は、夢を諦めかけている人たちに勇気を与える可能性がある

という自分自身のの声を大切にし、写真家 × 旅人 という生き方を実現させている秀海さんだからこそなのでしょう。

そして、秀海さんは今年で3作目のカレンダーを販売中です。
私も購入させていただき、手元に届いたところでした。


バインダーとセットのカレンダーなので、立てても、掛けてもOK。

バインダー背面にはShu Itoのクールなロゴが刻印されています。
2021年が終わった後も愛用させていただきましょう♪


さて、本作の写真のテーマは、「空と海と光」。私も大好きなモチーフです。
各月毎、美しい風景写真と共に秀海さんが伝えたいメッセージ付き。


秀海さんのウェブサイトにおいて各月の言葉が公開されていますので、ここでもシェアさせていただきますね。

希望に満ちた道筋を照らす光は、前を向いた時に見えてくる。
(1月 ギリシャ ケルキラ島)

誰にでも、この鳥のように世界を羽ばたく事は出来る。
それを望むか、望まないかは、自分次第。
(2月 メキシコ プエルト・バヤルタ)

忙しい生活の中で、立ち止まって空を見上げる時間は、忘れがちだけど尊い時間。
(3月 オランダ アムステルダム)

この世界は、全てが合わさって一つの奇跡なのだ。
(4月 フィジー サブサブ島)

静けさと同時に、海と空の二つの世界が交わった。
(5月 フィリピン マニラ)

朝起きて船頭へ出ると、おとぎばなしの世界に出てくるような形の島が目の前にあった。
人生は冒険なのだ。

(6月 クック諸島 ラロトンガ)

大海原にいる、一羽の海鳥の存在感は、圧倒的だった。
(7月 マニラ湾 フィリピン)

荒波を越えていく時こそ、力を抜いてみよう。
風や波に身を任せて。
(8月 ニュージーランド アカロア)

空を追いかける事は、夢を追いかける事。
止まることを考えず、ただ夢中になって。
(9月 ノルウェー ベルゲン)

まるでオーロラのような、オレンジ雲のカーテン。
この瞬間、時間が止まった感覚がした。
(10月 メキシコ ラパズ)

様々な形や色、性格や個性があるから面白い。
周りと違っている自分を、認めてあげよう。
(11月 アメリカ ハワイ)

見たものを美しいと思える感性と、全てに感謝出来る心。
それだけあれば、十分なのだ。
(12月 クロアチア ドブロブニク)


美しい風景写真に添えられた言葉に、希望を与えられます。
私が一番お気に入りなのは、12月の
「見たものを美しいと思える感性と、全てに感謝出来る心。それだけあれば、十分なのだ。」
世界遺産として登録されているクロアチア ドブロニクの、夕刻のアドリア海と要塞が映された写真もとても素敵です。

ちなみに、占星術では、今年(2020年)の12月22日に「土の時代」から「風の時代」へと移行すると言われていますね。
2021年は大転換の幕開けなんだそうです。
これまで続いてきた物質的なところに価値基準を置く「土の時代から離れて、空気感精神といったものに価値を持つ「風の時代へと移っていくのだとか。
まさにそんな「風の時代」という響きとメッセージ性ともに、ぴったりのカレンダー。

良い年を迎えられそうな気がします。
2021年も素敵な1年になりますように☆


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あなたは
新しい年を迎える準備
初めていますか?

旅をテーマにした春畑セロリさんのオリジナル曲

CDアルバム「~ピアノ曲集~ ぶらぶーらの地図」


最近、また仕事に追われる日々になり、音楽を楽しむ余裕もなくなりつつあることに危機感を覚え始めています。
安らぎと笑顔あふれる穏やかな日々を送りたいという心の柱をブラしたくない私には、感性豊かにする音楽は必要不可欠。

そう思って、久々に取り出したCDはこちら♪

先日ご紹介した「ピアノのお悩み解決クリニック 練習向上編」の著者、春畑セロリさんのオリジナル曲集CD「~ピアノ曲集~ ぶらぶーらの地図」です。

過去の投稿:目からウロコのピアノ練習方法/悩める奏者に嬉しい、春畑セロリさんの本「ピアノのお悩み解決クリニック」

このCDは、ピアニストの関孝弘さんより‘イタリアにちなんだピアノ曲をかいて’というお話があって誕生したのだそうです。
CDに付属されているブックレットのセロリさんのメッセージによりますと、セロリさんがイタリアを旅したのはだいぶ前だったそうですが、
「忘れかけている街もあれば、さらに鮮烈さを増して脳裏に焼き付いている光景もあります。それを掘り起こすようにして、この曲集の最後の5曲が生まれました。」とのこと。

CDジャケット(付属ブックレット表紙)

~ピアノ曲集~ ぶらぶーらの地図」は、以下の4章で成り立っています。
 I. 旅のはじまり
 II. もうすぐ発車ベル
 III. スニーカーとスケッチブック
 IV. まだ見ぬ夢、あすの想い出

旅行好きの私などにはどれもワクワクするタイトルです。

そして、先ほどの『最後の5曲』というのは、第4章の「このまだ見ぬ夢、あすの想い出」より、以下を指しています。
 グッビオの雑貨工房(グッピオはイタリアの中部にある坂道の美しい古都)
 月明かりの湖水(北イタリアの美しいコモ湖を想って生まれた作品)
 薄紅色の回廊(夕日に染まるイタリアの有名な町アッシジの回廊)
 ニンナナンナ・ディ・ブレーシャ(ニンナナンナはイタリア語で「子守唄」という意味)
 システィーナ幻想(ローマ教皇の皇帝であるバチカン宮殿の中にある「システィーナ礼拝堂」)

~ピアノ曲集~ ぶらぶーらの地図」CD裏面

さらに
「見るはずだった景色、歩くはずだった路地、渡るはずだった河だって、空想だけで音にできるはず。乗るはずだった列車、登るはずだった山、逢うはずだった人々だって、自由自在に音にできるはず。すると、想いはどんどんイタリアを飛び出して、世界中にひろがったのでした。」(「~ピアノ曲集~ ぶらぶーらの地図」付属ブックレットより)とのこと。
そうして全26曲の素敵なピアノ曲が出来上がったのだそうです。

全ての曲に心がホッとするポエムも付いていて、とっても癒されます。
YouTubeでも全曲、各曲数秒ですが配信されていますので、ご興味あるかたはご視聴くださいませ♪

また、CD付属ブックレットには、演奏者の関孝弘さんによるとても親切な演奏解説も記載されています。
全ての曲に対して演奏するときのポイントが丁寧に述べられているのが、私も弾きたい!という気持ちにさせられて、思わず楽譜冊子も購入しました。

レベルは平易なものから高度なものまで様々とはいえ、ピアノが弾けたのは過去のこととなってしまった私には全部が難しい・・・けど、曲は全て短めな分、多少難しくても終わりが見えやすいという点で意欲をそそられます。

コロナで気軽に旅行もしづらい状況ではありますが、こんな風に、聴いたり、奏でたり、素敵な旅路を想って音楽を楽しむというのもありではないでしょうか・・・?


あなたの
思い出の旅で浮かぶ
音楽はなんですか?

~ピアノ曲集~ ぶらぶーらの地図(CD)

日本が誇る23の世界遺産

島国だからこそ育まれた多様で素晴らしい自然と文化


これまでも世界遺産について取り上げ、併せて、毎週日曜午後6時から放映されるTBS番組「世界遺産」のご紹介もさせていただいております。
先週は見逃してしまったのですが、先週・今週と、「空から見る!日本の世界遺産すべて」というタイトルで2週連続のスペシャル企画として組まれていますので、本日は、見逃しません。


前編は、火山が生んだ絶景と、長崎の島々にあるいくつもの世界遺産、そして黄金にまつわるお話だったようですが、後半となる今回は、四季の絶景と、聖なる山や大都会にある世界遺産を紹介してくれるとのこと。


日本では、2020年7月現在、23件がユネスコ世界遺産として登録されています。



新型コロナによって海外へ出ることも難しくなり、ナショナリズムを改めて考え直すこととなった今、島国だからこその日本にしかない魅力と個性に溢れる自然と文化を愛(まな)で、ウィルスや度重なって起きる災害からの回復を願って、またやがて来たるグローバリゼーションに備えていたいと思います。


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