私にとってアンドリュー・ワイエスは、以前から特別な画家の一人です。 初めて彼の作品を見たのは2017年にアートに特化したツアーに参加し、ニューヨークを訪れた時のことでした。 当時の私は、今ほど近現代美術に親しんでいたわけではありません。 それでも、ニューヨーク近代美術館(MoMA : Museum of Modern Art)で目にしたワイエスの作品に、不思議と心を惹かれたのです。
しかしそもそもこの展覧会には『Boundaries or Windows』という副題が添えられていました。 これを直訳したら「境界線それとも窓」となりますが、改めてチラシを見返すと”境界に立つとき、心が動き出す。”という言葉が記されていました。 「窓」こそ、今回の展覧会全体のテーマの象徴だったのです。
※本展で紹介された作品の多くは、米国ワシントンD.C.のスミソニアン国立アジア美術館(National Museum of Asian Art)所蔵。Googleマップ上では東館「Arthur M. Sackler Gallery(アーサー・M・サックラー・ギャラリー)」の名称で表示される場合があります。なお、西館は「Freer Gallery of Art(フリーア・ギャラリー・オブ・アート)」です。
翌日の朝には帰路に就くことになるので、実質フランスでの滞在最終日となる日です。 この日の目的地はヴェルサイユ宮殿(Palais de Versailles)とルーヴル美術館(Musée du Louvre)。 そしてその移動経路として、エッフェル塔(La tour Eiffel)界隈を歩くことを決めていました。
同じくアンヴァリッド(Invalides)駅よりRER(エール・ウー・エール/高速郊外鉄道)のC5線のヴェルサイユ・シャトー・リヴ・ゴーシュ(Versailles Château Rive Gauche)行きに乗り換えて30分強で、ヴェルサイユ宮殿の最寄駅であるヴェルサイユ・シャトー・リヴ・ゴーシュ駅に到着します。
販売機の画面は地下鉄に乗る時と一緒で、(フランス語はわからないため英語画面に切り替えて)よくよく見たら「Ticket for Paris region(パリ地域(郊外)行きチケット)」という選択肢があり、そこをタッチして操作を進めることでヴェルサイユ・シャトー・リヴ・ゴーシュ駅行きの往復券を買うことができました。
そこはまさに、王の権威と富を象徴する一室。 天井には、フランスの宮廷画家として活躍し、ロココ美術を代表する画家として知られるフランソワ・ルモワーヌ(François Lemoyne、1688-1737)による神話絵画「ヘラクレスの神格化(The Apotheosis of Hercules)」が描かれ、壁には、ティツィアーノやティントレットと並んで、ルネサンス後期のヴェネツィアを代表する画家として評価されるパオロ・ヴェロネーゼ(Paolo Veronese、1528-1588)作の「パリサイ人シモン家の晩餐(The Feast in the House of Simon the Pharisee)」が飾られています。
一方、造園家としてヴェルサイユ宮殿の庭園全体の設計を任されたのは、フランス式庭園の様式を完成させたと言われるアンドレ・ル・ノートル(André Le Nôtre、1613-1700)です。 ル・ノートルは、パリの1日目の記録(パリの美術館巡り1 翌朝も再びセーヌ川へと向かって)でも記述した通りチュイルリー庭園(Jardin des Tuileries)も手がけた人物です。
セーヌ川の右岸に位置するオランジュリー美術館に対し、オルセー美術館はセーヌ川の左岸に位置します。 オランジュリー美術館の正面玄関前に広がるコンコルド広場(Place de la Concorde)から対岸へと架けられた、コンコルド橋(Pont de la Concorde)を渡って向かうこととしました。
コンコルド橋 Pont de la Concorde 住所:Pont de la Concorde, 75007 Paris, France
コンコルド橋から眺めるエッフェル塔も風情あり。
コンコルド橋を渡った先に幽玄と佇み、まるでギリシャ神殿を思わせる建物は、ブルボン宮殿(Assemblée nationale – Palais Bourbon)。
最後に、オランジュリー美術館の場所について、世界遺産情報と共に補足します。 前回の記事(https://calm-smile-chain.com/paris-museum-1/)にも記した通り、オランジュリー美術館はルーブル宮殿(Palais du Louvre)の敷地西側に広がるチュイルリー庭園(Jardin des Tuileries)の西端にあります。