様々な想いが蘇る THE FIRST SLAM DUNK

自分の原点さえも思い出して涙


2023年も明けて、早1週間が経つところですが、皆さまはいかがお過ごしでしょうか?
私は、年末年始の6連休はあっという間すぎましたが、それなりに充電もできたので、4日から始まった仕事は早速盛りだくさんなものの、集中して業務をこなすことができていて、良いスタートを切れているなと感じています。

昨年の最後は映画について投稿しましたが、気がつけば、かなり久々の映画関連投稿でした。
2022年の始まり当初の想像以上に、怒涛に過ぎた1年だったのだな、としみじみ。

エッセンシャルワーカーという地味な職種に就いている私のような者こそ、日々の生活にインスピレーションが与えられる機会が必要だとつくづく思うので、たかが映画されど映画。
2022年は映画に終わり、映画に始まった2023年ですが、大好きな映画のお蔭で自分と向き合うことができました。

さて、2023年一番初めに観た映画は何かというと「THE FIRST SLAM DUNK」です。

中・高・短大とバスケ部マネージャーだった私は丁度、漫画「スラムダンク」世代で、漫画本は24巻全部持っていたし、スラムダンク大好きだったからこそ当時TVで公開されていたアニメもリアルタイムで楽しんではいたのですが、あの頃の日本のアニメーション技術、バスケ試合の臨場感が出し切れない映像を思い出したりして、正直言うと、映画館行ってまで見ることないかなって思ってたんです。

が、同じくバスケ部出身でスラムダンク世代だった友人が、あの頃のアニメとは全然違うし、バスケに関わった人は観た方が良いって豪語するもので。
というわけで、年始休暇に早速行ってきたわけですが、結論、感動・・・良かった・・・


漫画スラムダンク読者なら知っての通り、湘北高校山王高校の試合が漫画の山場ですが、映画THE FIRST SLAM DUNKは、この試合を中心に展開されます。

試合の内容は漫画に忠実。
井上雄彦氏によって描かれた漫画が、現代のCG技術によって、リアルに動いて、見応え抜群。
ですが一方、漫画は桜木花道が主人公でしたが、今回の映画は宮城リョータが主人公で、宮城の生い立ちや想いにスポットがあてられます。これは漫画にはなかった部分。
新鮮さもあり懐かしさもありで楽しめ、映画終了後はしばらく余韻に浸っていたいくらい、感動しました。

泣けるストーリー仕立てになってはいるのですが、バスケットボール部だった人は山王戦だけで十分泣けるかもしれません。
私なんかは、ボールがゴールの網を抜けるシーンや、タイムアウト中に戦略ボードを使われている場面だけでジーンときてしまうくらい。
現実のバスケットボール部としての活動や試合にも、漫画に負けないくらいの感動ってありますよね。
私にも素晴らしい思い出がたくさんあるし、スラムダンクファンの皆さまにもそんな人がたくさんいらっしゃることと思います。

私自身は、中学時代に画家になりたいからと思って入った美術部を辞めてバスケ部に転部したのですが、それにはそれなりの理由があってのことでしたし、高校・短大ともバスケ部のマネージャーを選びました。
チームワークの素晴らしさを感じることができるバスケットボールという観るだけでも面白いスポーツに身を注ぐプレイヤー達を支える幸せ。
そこに私の原点があります。

バスケットボールに出会ったことで、画家への道を閉ざしてしまったけれど、人を支えることで得られる感動と喜びを知ることができ、今の私がある。また明日からも頑張ろう!

THE FIRST SLAM DUNK」を観たことで、様々なことを鮮明に思い出すと共に、今の自分がある理由も再認識し、新年のスタートというベストタイミングで、これからの人生への活力を得ることができました。

THE FIRST SLAM DUNK」のパンフレットと配布数限定の映画鑑賞特典。

最後に、今回の映画鑑賞特典について。
上記画像の右上が、安西先生のタプタプシールで、右下のコースターのようなものが、実はARを楽しめるビジュアルカード。裏面にAR画像用のQRコードが付いていまして。
安西先生シールはどう使えるかわからないけれど(笑)、ARを活用した特典は初めてで、ちょっと面白い。
新技術のARも楽しめた上に、可愛くて癒されました♪


あなたは
漫画「スラムダンク」を
ご存知ですか?




家族愛❤︎本当の愛に心打たれた映画3本

アバター:ウェイ・オブ・ウォーター/フラッグ・デイ 父を想う日/泣いたり笑ったり


2022年ももう間も無く終わってしまいますが、今年は想像していた以上にあっという間で、行きたいところにも行けずなので、この年末年始休暇はせめて好きな映画をたくさん観よう!と思い、映画館に連日足を運んでいます。
気がついたら、立て続けに観た3本は、ジャンルが異なりながらも、すべて家族愛にまつわるものでした。
3本それぞれ詳しく記述したら長くなるので、私が泣けたポイントに絞って記録しておこうと思います。

まず、「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(原題:Avatar: The Way of Water)」。
現代の映画界の巨匠ジェームズ・キャメロンによる超大作「アバター」の一作目を観た時は、「マトリックス(一作目)」を観た時の衝撃に近かったですね。
それからおよそ10年後の続編、観ないわけにはいかない。
こういった類の作品は内容というより、単純にVFXの世界を楽しむだけでも良いと思うのですが、やはり続編ともなると、その物語にも力を入れられているのを感じます。

アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」チラシ(画像クリックでPDF画面が開きます)

アバター第一作目で結ばれた主人公(ジェイク)とヒロインに子供が4人でき、その一家と、彼らを助ける一団にも家族がいて、さらに、戦う相手にも家族があって・・・というのが今作の物語の核。

私が一番最初に泣けたのは、ジェイクの次男が、いじめにあった相手先をかばう発言をして親に叱られた後に、その相手になぜ自分をかばったのかと言われ、「だって親を悲しませたくないだろ」と話すシーン。
いい歳して結婚もしなければ子供もない私なのに、子が親を想う発言に涙しましたから、お子さんのいらっしゃる方は尚更と思います。
この他にも泣けてしまう場面は、たくさん。

ちなみに、映画館はTOHO仙台にて。3D×IMAX。
アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」は絶対に大画面の大音量、高質の映画館で観るべきですね。


さて次は「フラッグ・デイ 父を想う日(原題:Flag Day)」について。

フラッグ・デイ 父を想う日」チラシ(画像クリックでPDF画面が開きます)

1992年に起きたアメリカ最大級の偽札事件の、犯人であるジョン・ヴォーゲルの娘であるジェニファー・ヴォーゲルの回顧録が原作の、実話を元にした映画です。

物語の冒頭、ジェニファーが「子供の頃の私にとって、父は王子様だった」と述べる部分があり、その時点で身に覚えのある私も既に感情移入。

言ってみればダメ男の父親が、愛する娘に素晴らしい父親だと思ってほしくて、ホラを吹き、罪を繰り返し、救えない最後を迎えるという、悲しい物語ではあります。

一度投獄されて出所し、お金があるはずもないのに別荘を買い、何年もぶりに再会した娘の為にジャガー(高級車)を買ったと言うも、娘には「酔狂だ」と叱責され言い合うシーンに、愛するが故になんだろうけど、なんて虚しいのだろう、、、と胸が締め付けられました。

私の癌で亡くなった父親も犯罪者にはならなずも(笑)、勤めていた会社で課長になったくらいで偉ぶりそのまま課長止まり、定年後会社の関係先に勤めさせてもらったものの居場所がなかったのでしょう、お酒も祟って病気になったような人でした。
でも子供の頃は私も「お父さんと結婚するー」って言ってましたね。
成長すると共に、父親の嫌な部分が見えてきてぶつかり合うことが多くなりましたが、父が亡くなる最後まで、私に対しての父からの愛はしっかり感じていたので、ジェニファーの父親を想う気持ちには共感せざるを得ませんでした。

この映画は、名優ショーン・ペンと、その実の娘ディラン・ペンと息子ホッパー・ジャック・ペンが、親子役で共演していることでも話題になってます。

名優の実の親子、姉弟による演技は、本当にリアル。
だからこそ難しいテーマの中での親子愛が違和感なく表現されていたんだろうなと思います。


そして最後は「泣いたり笑ったり(原題:Croce e delizia)」について。

泣いたり笑ったり」チラシ(画像クリックでPDF画面が開きます)

南イタリアの美しい景色を舞台に繰り広げられる、正反対の2組の家族、かたや美術商でセレブのトニ、一方は漁師のカルロという父親同士の再婚に翻弄されるという物語。

コメディと分類されてもいますが、結構シリアスな部分が多いにあって、タイトル通り、映画を観る観客もたくさん笑えて、たくさん泣けます。
個人的には3本中、一番泣けました。

セレブのトニに娘は二人いるけれど、腹違い。次女は女優で、子持ち。一方でこの物語の中心人物の一人である長女ペネロペは保育所の所長で独身。

誰よりも父の同性愛による再婚を許せないペネロペが、保育所長という設定も納得できます。
ここに気づく人がどれほどいるかわからないけれど、これも私にも身に覚えがあるからでしょう。
ペネロペが「なぜ広い心になれないの、アダルトチルドレンね」と父と離婚した母親からたしなめられるシーンには私も身がつまされる思いでした。

私も保育士資格を持ち現在は保育園でマネジメントを務めていますが、幼児教育を学びたいと思った背景には実は、親に対しての想いもありまして。
私の母は、自分の話がしたい人で、あまり人の話を聞くということができないというタイプで、私自身子供の頃から、私の話を聞いてくれない、本当の私を見てくれていないと感じ、父親の何倍も母親と喧嘩をし、その虚しさから幼児教育や福祉における心理学を学びたいとの思いが生まれました。

だから、この映画の中でペネロペが、カルロのために必死になるトニに「私を見てよ!」と嘆いた時、いたたまれない思いがしました。

終盤にはそんなペネロペも父トニを理解して、駄目になりかけたもう一方の家族の父親カルロとの復縁を応援し、子供達の前で、それまで自由奔放に恋愛してきたトニが、これこそ本当の愛だ、それに気づかせてくれたのはあなただとカルロに伝えるシーンは、泣けました。

あ・・・サックリとまとめたかったのに、盛りだくさんな内容だったこともあり、これでは長くなってしまいそう・・・

結論として、この物語はハッピーエンドなので、最終的にとてもあたたかい気持ちになれ、良い意味で感動して泣けて終わることができます。

アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」「フラッグ・デイ 父を想う日」「泣いたり笑ったり」パンフレット

家族への想い、皆さんもいろいろあることでしょう・・・
私自身は、過去にはなんで私なんてこの世にいるんだろう、産んでくれなきゃ良かったのに、と両親に対して思い、それを口にするようなこともありました。
父は15年ほど前に亡くなり、その後、母は縁を切る形で家を出て行ってしまい、さらには弟が継いだ実家は東日本大震災で跡形もなくなり、年末年始に帰省する家もない。

寂しくないと言えば嘘になるけど、父と母がいてくれたからこその私の命。与えられた命に感謝し、家族たちに感謝し、これからも愛を持って強く生きていこう。
そんな風に、改めて感じています。
今回3本続けて、家族愛に関する映画を観ることになったのは、単なる偶然じゃなかったようにも思います。
家族愛に加え友情、恋愛も含め”本当の愛”について深く考えさせられました。
私が与えれらた使命も”愛”がなければ果たせない。
私の新しい年へと繋がっていくような気がします。

どうか、皆さまの新年である2023年も、本当の愛で繋がる、幸せな1年となりますように。


あなたは
本当の愛を
持てていますか?
love meter

巨匠スピルバーグによる映画「ウエスト・サイド・ストーリー」

そして私が映画パンフレットを買う理由


今年(2022年)公開の映画の中で特に話題となっている一つ、スティーブン・スピルバーグ監督による「ウエスト・サイド・ストーリー(原題:West Side Story)」を観ました。

元祖の「ウエスト・サイド物語」は、文豪シェイクスピアによる「ロミオとジュリエット」に着想を得たブロードウェイミュージカルとして1957年に初演され、1961年にロバート・ワイズとジェローム・ロビンズ監督によって映画化されたもの。
私もまだ生まれていませんでしたが、日本も含め数々の劇団によって幾度も演じられている『これぞミュージカル!』という名作ですから、このタイトルを聞いたことがない人は少ないのではないかと思います。

そんなミュージカルの代表作を映画界の巨匠スティーブン・スピルバーグがリメイク!ということで、私も是非観たいと思っていました。


時代背景も物語も、原作に忠実に制作された今作ですが、巨匠スピルバーグによる「ウェスト・サイド・ストリー」は、やはり見応えがありました。

まず、いかにも、SF名誉の殿堂入りも果たしているスピルバーグならではなカメラワークによるオープニングに始まり、1950年代のニューヨークを見事に再現した衣装やセット、抜擢されたキャスト陣による素晴らしい歌とダンス、計算され尽くされた演出によって、2時間半を超える映画でありながらもそんな長さを感じません。
光と影のコントラストを強調したエンドロール序盤の映像もとても素敵で、最後の最後まで見飽きませんでした。

この王道の愛の物語も良いのだけど、といっても悲劇だし(私はハッピーエンドの方が好きなので)、もしかしたら、オープニングとエンドロールが、個人的には特に好きかもと思えるくらい、アーティスティック感覚が刺激されて、強烈に印象に残っています。(予告編動画にはないので、気になる方は完全版を是非ご覧ください)

映画「ウエスト・サイド・ストーリー」のチラシ
(画像をクリックするとPDF画面が開き、拡大できます)


ところで、スティーブン・スピルバーグといえば、映画好き関わらず誰もが知る名映画監督、多くの名作を生み出していますが、一般的に知られているのは、「E.T.」「インディー・ジョーンズ」「ジュラシックパーク」等、最近なら「レディ・プレイヤー1」といったところで、VFX(ビジュアルエフェクツ/視覚効果技術)を世に知らしめた監督の一人ですが、そうなる以前に、若かりしスピルバーグの名が世に知られるようになったきっかけの映画をあなたはご存知でしょうか・・・?

それは、無名だった頃のスピルバーグが演出し、1971年にアメリカで公開された「激突!(原題: Duel)」という作品です。

この映画は、カリフォルニアのハイウェイを車で移動中の主人公が、一台のトレーラーに執拗に追いかけられるといういたってシンプルなストーリーなのですが、かつて誰も観たことがないそのハラハラドキドキの展開が視聴者の目を離さないと話題となり、それもスピルバーグ監督演出の素晴らしさによるものと賞賛を浴び、一躍有名になった作品です。

このことを、私は亡き父に教えてもらいました。
私が12・3歳だった頃、ちょうど「激突!」がTV放映されるということで、父が一緒に観ようと勧めてくれた時の話です。
放映直前に父が「これこれ!」とウキウキと見せてくれたのは、「激突!」が1973年に日本で映画公開された時のパンフレット。
当時、前知識もなくなんとなくこの映画を観に行ったそうなのですが、多くの人がそうだったように父も衝撃を受け、スピルバーグファンになったとのこと。

映画好きだった父は、観た映画のパンフレットを必ず購入する人だったので、家にはそれまで父が買いためた映画のパンフレットがたくさんありましたが、私が父と一緒にこの映画を見た時はすでにスピルバーグは有名な監督だったわけで、ゆえに父が購入したこのパンフレットってプレミア感あるのねと、子どもながらに感心したことを覚えています。
もちろん、私自身も映画「激突!」を食い入るように観て、父の話に納得しました。
ちなみに、1973年は、父が母と結婚する直前で、父の独身時代最後に観た映画だとそんな思い出話もあり(笑)。


それが記憶にあったので、私も大人になって自分で映画館へ足を運ぶようになってからは、父と同じようにパンフレットを買うようになりました。
なので、当ブログで映画を取り上げた際には、パンフレットもチラリと紹介させていただいてますが、映画を観た後にパンフレットを読んで、その制作秘話等を知るのも映画を更に楽しむ醍醐味と感じ、私の趣味の一つとなっているわけなのです。
(お父さん、ありがとう)

映画パンフレットの値段は安くて600円、高くても1,500円前後で、相場として800円くらいですし、私は前述した通り、父同様に、映画を観たらパンフレットも購入するが慣例となっているので、特に値段は確認せず購入します。

さて今回のスティーブン・スピルバーグによる「ウェスト・サイド・ストリー」も当然のごとくパンフレットも購入。
したのですが、まず「2,970円です」と値段を言われ、「たか!CD並みじゃん!!」と心で呟きつつお支払いを済ませ、続いて冊子を目の前に出され、思わず「でか!」と声に出してしまいました。

それは、ブックケースに入った、完全に立派な1冊の本でした。
後々ネットで確認したら、”今作の公式劇場パンフレットに関しては、スペシャルメイキングブックとしての発行のみ”との記載あり。なるほど、そうだったのね。

映画「ウェスト・サイド・ストリー」のパンフレット(スペシャルメイキングブック)のサイズ感がお分かりいただけるように動画に収めてみました。


私の映画パンフレット購入歴上、最も高価でゴージャスなお品。
そんなこんなあり、色々と感慨深い映画についての、簡単な感想でした☆

ウエスト・サイド・ストーリー公式WEBサイト


あなたは
スピルバーグ監督といえば
どの映画がお好きですか?

どちらもオススメ!フランスを舞台にした映画2本

フランス・スイス旅行実現への想いに拍車もかかる


ここ数日、立て続けに、フランスが舞台の映画を2本観ました。
ただし、その二つ、どちらもフランスが舞台とはいえ、それぞれ全く趣が異なります。
結論からいうと、私にとってはどちらも面白くて、観てとても良かったですが、前者はアート好きさん向け、後者はサスペンス好きさん向けという感じ。
映画全般が好きな人にはとにかくどちらもオススメです。

まずは、「フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(原題:The French Dispatch of the Liberty, Kansas Evening Sun)」をサクッとご紹介しますね。

映画「フレンチ・ディスパッチ」のチラシ(表裏)
(画像をクリックするとPDF画面が開き、拡大できます)

こちらは、フランスが舞台、とは言っても、架空の街です。
また、物語は、「フレンチ・ディスパッチ」誌(これもまた架空の雑誌)を編集するフランス在住のアメリカ人記者が中心に織りなすので、言語はほぼ英語でほんの一部がフランス語。
フランス語には苦手意識のある私にも観やすい映画でした。

でも、フランスの映画や文学、文化が好きという鬼才ウェス・アンダーソン監督(米国人)の記念すべき10作品目となる「フレンチ・ディスパッチ」は、まさにフランス的アートな映画といった感じでした。
ウェス・アンダーソンの集大成的作品、シュールな世界が大爆発。。。
というわけで、好みはあるかと思います。好きな人は好きでも、一方で、何がいいのかわからない、という人もいるかもしれません。

オムニバス形式で4つのストーリーが展開されるのですが、それぞれがある程度は時代背景など史実に基づくものの、それぞれの記者が語る物語には直接的な関連性はほとんどありません。

チラシのキャッチコピーに「世界が待っていた、映画を観る喜びと興奮のすべてがここに!」とあるように、そこに意味を見出すというよりも、アートな描写をただ楽しみ、現実と非現実の間の感覚を味わって、映画ならではの醍醐味を感じる、そんな作品でしょうか。

私はウェス・アンダーソン監督の独特の世界観については、正直時々はよくわからない…と感じてしまうこともありつつも、アーティスックな感覚が呼び起こされて面白いので、ウェス・アンダーソン監督による映画は3本のブルーレイを持っています。その辺は、また後日改めて取り上げさせていただきたいと思っています。

フレンチ・ディスパッチ」公式サイト:https://searchlightpictures.jp/movie/french_dispatch.html

さてお次、こちらは完全にフランス映画「ブラックボックス:音声分析捜査」について。
原題は「Boite noire」フランス語。英語に訳して「Black Box」。
「ブラックボックス」とは、墜落した事故機のフライトレコーダーの通称です。

映画「ブラックボックス」のチラシ(表裏)
(画像をクリックするとPDF画面が開き、拡大できます)

チラシにある「音だけで謎を解け!真実を聞き逃すな!!
まさにこの通り、音声分析官である主人公が自分の耳と経験と勘そして信念を頼りに、飛行機墜落事故の真相を突き詰めるという、今までにはありそうでなかったストーリー。

私にとっては久々に観るサスペンス映画で、「音声」を切り口にしたストーリーが興味深いと思い、気になっていました。

テーマが音声分析による捜査なんて初めてだし、映画だからこそ、その迫力の映像と音で観客もその物語の中に没入できて、新鮮な感覚を味わえます。

最終的に事件の解明はするのだけど、単なるハッピーエンドで終わらないところがフランス的だなと感じました。
でも、これ、ちょっとでも気になってるって方には絶対見た方がいいですよって言える作品です。
時々ちょっと血圧が高くなるような展開、期待を裏切らないから、是非ご覧いただきたい!と思うので、ここではあえて多くを語らないようにしておきます。
なお、ここ仙台ではフォーラムで上映中ですが、2月10日まで。見逃さないように!
(追記:じわじわ人気出てきてる故、上映期間が伸びたようです。2月17日まで!)
フォーラム仙台の WEBサイト

ブラックボックス」公式サイト:https://bb-movie.jp/

同じフランスを舞台にした映画でも、趣が全く違う感が漂うパンフレット(笑)

最後に、映画の話ではなく、個人的な話ですが、先にも述べましたが、フランス語には苦手意識がある私。
また、私の偏見かもしれないけれど、なんというかドロドロ感があったり、ダーク寄りでシュールで難解気味な独特のフランス的世界観にも足踏みする部分もあり、いつもは後回ししがちなフランスの映画。
なのですが、今年こそは、フランスのモルヴァン地方自然公園でB&Bを営む友人に会うことも兼ねてフランス(https://calm-smile-chain.com/la-vieille-forge/)に行くのだ!という思いもあり、このタイミングでフランスが舞台の映画に興味がそそられるのはやはり縁だろうと勝手に解釈して観てきましたが、フランス映画を見た後にありがちなどんより感(偏見??笑)もなくどちらも面白かったので大満足です。

特に、「ブラックボックス」は、現代の空港業界で実在しうる問題提起的部分もあり、そういう意味でもリアルに少し怖い部分もあるのですが、スイス上空を飛ぶ飛行機の映像で物語が始まり、フランスの空港を舞台に繰り広げられるので、飛行機好き(乗っているのが)、旅行好きな私には、計画中のフランス・スイス旅行実現願望がますます高まりました。

コロナの問題もきっとクリアしてフランス・スイス旅行も叶うだろうという気もしてきて、ワクワク感倍増。
映画って、観て楽しいだけじゃなくて、心にも影響してくるツールですよね。ありがたいです。感謝!


あなたは
コロナが落ち着いたら
どこに行きますか?

2022年映画の見初めは「マトリックス レザレクションズ」!

復活と成熟した愛のストーリー、新年の幕開けで見て正解❤︎


無事2022年を迎えられたことに、心より感謝いたします。
皆さま新年、いかがお過ごしでしょうか。
私は、初売りと帰省、Uターンラッシュで人が大勢の仙台駅前は少々苦痛でしたが、この年末年始休暇中に絶対に観たい!!と思っていた映画「マトリックス レザレクションズTHE MATRIX RESURRECTIONS)」を観てきました。

まず、結論から述べますと、VFX(Visual Effects/視覚効果)もアクションも脚本も、衣装、美術、どれをとっても素晴らしい。これまでのマトリックス3部作からのさらなる進化。3部作+アニメ全てのDVDを持っているけれど、これも早く欲しい!!繰り返し観たい!!私にはそう思える作品でした。
ただし、シリーズ化される映画には必ず賛否両論ありますし、特にマトリックスシリーズを観ていない人がいきなりこれを観ても面白さはそれほど感じないかもしれません。

映画「マトリックス レザレクションズ」のチラシ(表)
(画像をクリックするとPDF画面が開き、拡大できます)

マトリックスMATRIX)の元々の意味は、 一般には「数学の行列」のことで、元来は「生み出すもの」を意味し「母体・基盤」を指します。
そして、この映画でのマトリックスとは、「マシンが支配する仮想世界」のこと。

マトリックス」第1作目が日本で公開された1999年といえば、マイクロソフト社によってWindows NT 4.0の後継として開発されたWindows2000がリリースされた年で「2000年問題」も話題だった時代、まだ社会人になってまもない私でしたが、当時、この先IT(Information Technology/情報技術)への理解が絶対重要になると感じていた私には、「マトリックス」のテーマ性にかなり惹かれました。

羅列した緑の2進数が流れ落ちる映像によって始まるオープニングは、映画の中だけの話でなく、まさにIT時代の幕開けを象徴させるもので、インターネットが普及してきた当時、電話回線を使って現実世界と仮想世界を行き来するクールなキャラクター達とストーリーの設定、弾丸をよけたり、壁をかけるアクションというこれまで見たこのない映像に衝撃を与えられました。

そして、その第1作目から最も重要になっている「」というテーマ。

「マトリックス」第1作目で、ヒロインであるトリニティが、救世主であるとともに自分の運命の人であると信じ、主人公ネオを見出し、クライマックスで命途絶えたかと思われたネオを、接吻によって蘇らせたあの美しく感動的なシーン、お姫様ストーリーでは王子様から口づけするのが定番ですが、その逆パターンもまた新鮮で、私も愛する人のために強い女性でありたい、そう思わせられました。

しかしながら、3作目で強い絆で結ばれたネオとトリニティが、自分たちの命と引き換えに人類を救って完結し、単なるハッピーエンドで終わらないというなんとも切ない感動を味わいました。
マトリックス大好きだった私には、ヒーローとヒロインが死んでしまうなんて残念でならず、本当にこれでおしまいなのか、もう今度こそ復活してくれないのか、と思ったものです。そう考えた人はきっと私だけじゃないはず・・・

そしたらなんと昨年、20年もの時を経て復活、世界に先駆け日本で2021年12月公開!と、SNSでの告知で知った時、嬉しくて何度見したことでしょう。
繰り返しになりますが、タイトルは「マトリックス レザレクションズ」。
レザレクションRESURRECTION)は、復活という意味で、今回の映画タイトルもそのままの意味です。

映画「マトリックス レザレクションズ」のチラシ(裏)
(画像をクリックするとPDF画面が開き、拡大できます)

しかしながら、期待しつつも、1作目から20年以上の時を経て、主役を務めるキアヌ・リーブス(1964年生まれ)とキャリー=アン・モス(1967年生まれ)、大丈夫なんだろうかという不安も正直あったのです・・・
が、杞憂でした!^ ^
むしろ、成熟した大人の魂で繋がれた愛がしっかりと表現されて、しかも、渋さを増した二人のアクションもカッコよく、私もたくさん勇気と希望をもらうことができました。

脚本が素晴らしく、詳しくはネタバレになるので書きませんが、ドロドロの不倫や略奪愛には私も肯定的ではないけれど、この映画の場合、ヒロインが結ばれるべく人以外と結婚し子供がいるのはマトリックスという仮の世界でのことで、そこからヒーローが自分の元へ引き戻すという、素敵なシナリオ。
ネオの愛によって真実の愛に目覚めさせられたトリニティの逞しさが今回もキーポイントになって、感動を際立たせています。

“Love is the genesis of everything.”  「すべては愛から始まる。」

これは、エンドロールで示される、監督のラナ・ウォシャウスキーによるメッセージ。
両親と友人の死を経験し、愛の大切さを身をもって感じたからこそ生み出されたのが、単なるVFXアクション超大作に終わらない「マトリックス レザレクションズ」という愛のストーリーなのです。

“Free your mind.” 「魂を解き放つんだ。」

そして、これは、第1作目でネオの師となるモーフィアスが言う言葉で、これもマトリックスで大切なテーマ。
様々なことが便利になり、人と人も簡単に繋がることができるようになった、テクノロジーの世界で生きるからこそ、人類が忘れてはならないものを信じ、とらわれない心を持つことで、本来の魂を覚醒させよとの、現代を生きる私たちへのメッセージとも感じます。

この映画の中で、目覚める前の主人公が「自分のしてきたことに意味があると思えない」とネガティブな発言をする場面がありますが、そうやって苦悩しながらも生きる意味を見出せた時、人は豊かな人生を歩めるのだと思います。

過去と現在、仮想世界と現実世界、システマチックで感情のないマシンと時に葛藤も抱える情愛に溢れる人間、そのコントラストの中で描かれる物語が刺激的でありながらも心に深く染み入りました。

なお、ポストクレジットもあるので、是非、エンドロールも最後までご覧くださいね。

最後に、パンフレットについて。
通常盤と特別版が販売されていて、特別版は通常盤にプラスアルファされている感じなのかなーと思いまず特別版を購入したのですが、中を確認した後に、結局、通常盤も購入、実際中身はだいぶ異なっていて、特別版はあくまでも別冊という感じでした。
マトリックス好きとしては、両方買って正解です♪

左が特別版で1,800円、右が通常盤で880円(これが私自身への新年初の買い物!笑)

真実の愛で繋がれた運命の恋人たちが復活して人類を平和へと導く物語、私にとっては新年の幕開けには相応しい映画、観ることができて本当に良かった。
私の現実世界では、もう明日から仕事が始まるけれど、それも大事な使命、この充実のひとときに感謝して、励んで行こう、そんな豊かな気持ちになることができました。

感性を刺激するとともに、人々の感情に訴える映画という素晴らしい芸術作品、今年もたくさん触れていきたいと思います。


あなたにとっての
今年初めての感動は
なんですか?

日本の公害汚染を伝えた写真家ユージン・スミスの遺志を継ぐ映画

史実に基づく映画「MINAMATA ーミナマター」から考える生命


科学が発達した現代、私たちは生きるためにその研究や開発からたくさんの恩恵を受けることができています。
しかし人類が押し進める発展によって時に起こる公害汚染という問題。

日本で記憶に新しいのは、ここ宮城県の隣で発生した「福島第一原発事故」がありますね。
これは2011年の東北地方太平洋沖地震による原子力事故で、10年を過ぎてもなお問題は解決していないことは、日本人なら誰もが知っている通り。

しかし、日本で起きた公害汚染といえば、今からさらに遡ること65年、熊本県で発生し、1956年に公式認定された水俣病については、どれだけの人が理解をしているのでしょうね。

私はと言えば、水俣病と公害汚染については、小学校での社会科の授業を通して知った世代です。
日本の四大公害病として他に、富山のイタイイタイ病、三重の四日市ぜんそく、新潟の第二水俣病、テストに出ましたよね。

水俣病は、工場から排出された有機水銀によって体が侵され、中枢神経を中心とする神経系が障がいを受け中毒性疾患となってしまった人が大勢いる公害病で、私は子どもながらに、何となく戦争と同じような怖さを感じ、この時代の熊本の住民に生まれなくて良かったという感覚を持ったことを記憶していますが、その程度で、自国のことでも、訪れたこともない所の自分には関係のない問題といった感じで、それほど考えたことはありませんでした。

映画「MINAMATA ーミナマター」のチラシ(表)
(画像をクリックするとPDF画面が開き、拡大できます)

そんな私が、伝説の写真家とも言われるユージン・スミスが追い世界に伝えた水俣病の真実を、ジョニー・デップ主演によって映画化されたということで話題の「MINAMATA ーミナマター」を観てきました。
(私はフォーラム仙台で観ましたが、2021年9月26日現在、宮城県内では数カ所で上映中です)

映画は、ジョニー・デップ演じるユージン・スミスが、自身が撮影した写真を自宅の暗室で現像作業をしているところから始まります。
BGMに流れるロックな音楽と赤みを帯びた暗室で作業をするその姿はとてもクールで、写真が趣味の一つである私はその出だしでかなり引き込まれました。

しかし、そのかっこいいオープニングも束の間、重くて深刻な物語へと変わっていきます。

映画の中盤、公害汚染を引き起こした企業であるチッソ社の社長が、真実を知らされてはならないと、ユージンを丸め込むために「我々が行なっているのは人類のため、犠牲になるのは漁業なんかを営む少しの人達だけ」といった発言をする場面があったのですが、それには映画鑑賞者としても憤りを感じ、これが映画の中でのセリフとは言え、現実にもあんな被害を起こし、責任逃れをしてきた企業と国はやっぱりおかしいよと改めて思いました。

この映画は、あくまでも”史実に基づく物語”であり、フィクションですが、実際に当時撮影された写真や映像も挿入されており、一層胸が締め付けられる思いがしました。

映画「MINAMATA ーミナマター」のチラシ(裏)

映画にも登場するもう一人の実在の人物でもあるユージンの元妻アイリーン・美緒子・スミスさんが
”ユージンは、決して諦めず、何があっても真実と向き合う人でした。何より大切にしていたことは、被写体と写真を受け止める側、両者への責任でした。
と述べています(映画「MINAMATA ーミナマター」の公式サイトより)。

この映画でも、ユージン・スミスは、酒浸りで自分勝手、複雑な性格を持ちながらも、人との繋がりを大切にし、真実を伝えるために命をも賭けた人であったことが描かれています。

そして、こちらはこの映画のキャッチフレーズ。

” 一枚の写真が世界を呼び覚ます ”

動画が主流となった現代、TVは興味ない私でも、映画は大好きだし、インターネットにアップされた動画も観ますし、たまに自分で動画撮影することもありますが、動画よりも一瞬を切り取る写真からの方が、ずっと強いメッセージを受けると感じることがあります。
一瞬のために渾身が込められた写真にはやはり見るものを捉える力があり、人は心を動かされることがあります。

ユージン・スミスは、世界の人に真実を伝えたいと、時には重症を負いながらも写真を取り続け、報道写真家として壮絶な人生を送り、その生涯は59歳で幕を閉じてしまいますが、彼の写真と生き方は、こうして今も私たちに訴えかけています。

人としての心や生きるものの命を奪ってまでしてなされる科学と経済の発展が人類が目指すゴールなのか、本当の意味での人としての豊かさとは何なのか、生かされている私たちには忘れてはならないことがあるのではないかと深く考えさせられる映画でした。

映画「MINAMATA ーミナマター」のパンフレット

なお、この映画のエンドロールでは、ユージン・スミス氏には直接関係ありませんが、写真とともに世界で起こった数々の公害汚染事件が紹介されます。
普段はエンドロールは見ずに席を立つ人も、是非最後までご覧になって、私たちが生かされている美しく大切な地球の環境について、そして生きとし生けるものの命について、考えてみる時間にしてみてはいかがでしょうか・・・


あなたは、加速される
科学と経済の発展について
どう思いますか?
公害汚染

アートな一級品!映画「クルエラ」

ファッショナブルでスタイリッシュな新しいディズニー映画


映画ネタが続いてしまいますが、今回も観てすごく良かった!!
心からそう思えた映画ですので、書かせていただきます。

映画「クルエラ」チラシ(表)
画像をクリックするとPDF画面が開き、拡大できます

本日お勧めさせていただくのは、映画「クルエラCruella)」。
伝統を踏襲しながらも常に新境地を開拓し続けているディズニー映画からの作品で、観客はまた新しい世界を体験することができる、まさにアートな一級品とも言えるのではないかと思える映画です。

映画「クルエラ」チラシ(裏)

さて、あなたは、沢山のダルメシアンの子犬たちが活躍するアニメ映画101匹わんちゃん」を覚えていらっしゃいますか?

1961年に公開されたディズニー映画「101匹わんちゃん」は、アニメ映画の古典的名作とも言われている作品ですから、多くの人がご存知ですよね。

この「101匹わんちゃん」の悪役として登場したクルエラを主人公として、現代の新しい解釈を交えて実写映画化されたのが、今(2021年7月23日現在)公開されている映画「クルエラ」なのです。

キャッチコピーが「ディズニー史上最も悪名高い”ヴィラン(悪役)”誕生秘話」となっているし、予告編も、何だかダークな感じがすると思いますが、本編134分の実際の中身はもっともっと深いもので、練られた脚本には拍手を贈りたい、そう感じます。

ちょっとだけネタバレになってしまいますが、「クルエラCruella)」とは「残酷・残忍」を意味するものということだけど、真のクルエラは実はあの人だ・・・、という深遠なストーリーとなっています。


私は女。心の声に従え。

I am a woman. Hear me roar.

印象に残る、このセリフ。
直訳すると、”Hear me roar.” は「私の叫びを聴け」って感じですが、この日本語字幕では「心の声に従え」と翻訳されたところがまた良いですね。

人に批判されようが、手強い敵がいようが、自分を貫く。
悪人を演じているが、実は、心の奥にはあたたかさが宿っている。
このヒロインのあり方に、ハッとさせられる人は多いと思います。

映画「クルエラ」のパンフレット
B6くらいの小ぶりなサイズ

そして、この映画、アートレベルも素晴らしい。
主人公はアートに情熱をかけるデザイナーであり、ファッション業界を舞台としているので、衣装がどれも素敵。
そして、パンクムーブメントが起きた70年代のロンドンが背景として設定されているので、当時を彷彿とさせるパンクファッションにロックな音楽もまたスタイリッシュ。

ディズニーとパンクロックが融合するなんてのも斬新ですよね。

そうそうたる俳優陣によって演じられるキャクター達のファッションもパフォーマンスもどれも素晴らしく、飽きない展開で、あっという間の2時間です。

この映画は、オープニング曲なくいきなり物語が始まる分、エンディング曲の部分が長いのですが、完全に文字だけの名前の列挙になるエンドロールの前に、エンドソング「Call me Cruella」(by Florence + The Machine)とともに流れる映像がすごくカッコイイです。
アートな映画好きには絶対に見逃せない部分。

パンフレットも、とても楽しめます。
主人公の『スケッチブック』というイメージで物語を紹介している構成が面白いです。

映画「クルエラ」のパンフレット

映画「クルエラ」。
アートな感性を刺激したい方には是非お勧めしたい映画です♪
ここ仙台では、チネ・ラヴィータにて上映中で、7月29日(木)が終了予定日となっています。



最後に余談ですが、ディズニー映画といえば、間も無く「ジャングル・クルーズ」が上映されます。
ディズニーランドに行けば、誰しも一度は乗るであろう、ジャングル・クルーズ。あのアトラクションを実写映画にしたものです。

これも絶対に観たいですね!


あなたが好きな
ディズニー映画は
何ですか?

圧倒的なパフォーマンスアート映画「アメリカン・ユートピア」

踊り奏で歌う、躍動たぎる素晴らしいパフォーマンス!!


今年は、良い映画にばかり恵まれているような気がします。
今回観た映画も、期待していた以上に良かった!

本日ご紹介するのは「アメリカン・ユートピアAMERICAN UTOPIA)」という映画です。
ただし、『映画』といっても、2019年にブロードウェイのショーとして公演されていた『音楽ライブ』を映像化したものですので、好みは完全に別れるところかとは思いますが、音楽アート好きな方には是非ともご覧いただきたい、そんな作品です。

映画「アメリカン・ユートピア」チラシ(表)
画像をクリックするとPDF画面が開き、拡大できます

さて、先ほど、期待していた以上に良かったと述べましたが、実は私、この映画を見る前は、予告編を見る限り、音楽もパフォーマンスもかっこ良さそうではあるけれど、とは言え「ライブ」を映像化されたものを映画館で見ても、それほどの感動は味わえないだろうなと、ちょっと高をくくっていたのです。

しかし、それは見当違いでした。
この作品は、およそ100分、21曲をほとんどエンドレスで鑑賞することになります。
トーキング・ヘッズ (Talking Heads:1974年に結成され1991年に解散したアメリカの人気ロックバンド)のフロントマン(ボーカルやギターを担当し、リーダー的な立場の人物)で、グラミー賞受賞ミュージシャンでもあるデヴィッド・バーンDavid Byrne)率いる11人のキャストによって繰り出される音楽パフォーマンスは、息を飲むほどに圧巻でした。

キャストは全員、グレーのスーツに素足というシンプルな出で立ちに、楽器を装着し、パントマイムやダンス的要素を取り入れたマーチングバンド形式の圧倒的なパフォーマンス、これを100分以上ぶっ通しのライブで完璧に演じるとは、驚異的としか言えません。
しかも、デヴィッド・バーンなんて、もう60歳超えてるのに・・・


また、オスカー受賞映画監督として知られるスパイク・リーSpike Lee)によるフィルムワークは、ライブ会場の客席では味わえないアングルや、ライブ終了後の様子、エンディング映像(ライブにはなかったピアノ伴奏による歌がBGMとされているのが個人的にも好き)という最後の最後まで飽きることなく映画鑑賞者を楽しませてくれます。

スパイク・リー監督がオスカーを受賞した映画「ブラック・クランズマン
主演は名優デンゼル・ワシントンの息子ジョン・デヴィッド・ワシントン

ところで、芸術家が観客を前にして行う音楽、詩、演劇、ビデオなどを自由に取り込んだ表現活動のことを「パフォーマンスアート」と言います。
ベトナム戦争によって反戦運動が目立つようになった1960年代に、政治的批判も込められた「パフォーマンスアート」が盛んになり、時代を経つつその表現技法は進化しています。

アメリカン・ユートピア」も、現代の様々な問題にフォーカスしています。
時代とともに人はどう変化して来たのか?
人間は愚かになっているのか?
選挙の問題や、人種差別、コミュニケーションの大切さなど、選曲されている音楽そのものにもメッセージ性はありますが、各曲の間のデヴィッド・バーンによるトークもユーモアありつつ、観客の意識に問いかける内容となっていて、いろんな意味で興味深く、現代の「パフォーマンスアート」の代表作とも言えるでしょう。

映画「アメリカン・ユートピア」チラシ(裏)

この映画を見ている最中、私は、
すごい!面白い!!映画館来て良かった!!!
と思う一方、
この感覚、なんだか懐かしい・・・そう、ライブだよ、やっぱり、生で味わいたい、リアルな会場でアーティストと一体化できる感覚を得たいな・・・
という気持ちも大いに湧きました。

映画なのに、このライブ会場にいる観客と同じように、思わず立ち上がって、踊りたくなり、拍手もしたくなる、そんな感覚に陥いる素晴らしい作品でした。

私が生のライブコンサートというものを最後に味わったのはいつだったろう・・・
コロナ禍によって、最後に行ったライブは、いつ、どこで、誰のだったか、思い出せないくらいになっていましたが、しかし、同時に忘れていた「ライブでしか味わえない高揚感」というものをはっきりと思い出し、五感でアートを楽しむことがどれだけ人の心身を豊かにするかを再認識しました。

アメリカン・ユートピア」サントラCDジャケット

映画鑑賞後は興奮冷めやらず、自宅に帰ってから早速、iTunesで映画「アメリカン・ユートピア」のサントラを聞いて余韻に浸りました。

ただ、しかし。
ああ、あの映像を観てしまうと、何か物足りない・・・やっぱりパフォーマンスも一緒に楽しみたいなあ・・・
という気持ちが湧いてきてしまいます。
これは、DVDかBlu-rayが出たら、買うことになりそうです・・・


話は逸れますが、私、近々実現させようと思っている、マンション購入。
その時には、大好きな映像や音楽が楽しめるようにホームシアター作ってやる!
長年想い続けている願望ではあるのですが、この映画を観て、そんなことも改めて心に決めました♪


何はともあれ、映画「アメリカン・ユートピア」、時間ができたら見に行こう、程度の気持ちで観た作品ではありましたが、映画館で観て良かった!!心からそう思いました。
興味を持たれた方には是非とも映画館での鑑賞をお勧めしますが、間も無く公開が終わってしまいます。
ここ仙台では現在(2021年7月17日)、フォーラムでのみ公開中で、7月22日(木)が最終予定となっていますが、悪しからず・・・
→上映期間が延長されました!7月29日(木)まで!!
→更に延長!!8月5日(木)まで!!



あなたは
どんな音楽に
興味がありますか?


映画「HOKUSAI」に見るアート魂

北斎の生き様に学ぶ


世界で最も有名な日本人アーティスト葛飾北斎
昨年(2020年)のブログでも書きましたが、2020年は、北斎の生誕260周年、そしてオリンピックも予定されていたので、北斎にちなんだ様々なイベントが企画されていました。
しかしながら、COVID-19によってそのほとんどが中止や延期に。虚しかったですね。

昨年の記事:葛飾北斎 生誕260周年

でもようやくこの度、1年間公開延期となっていた映画「HOKUSAI」を、観ることができました。

映画「HOKUSAI」チラシ(表紙)

絵師としての腕はいいのに、食べることすらままならない生活を送っていた北斎が、もがき苦しみながらも、その才能を真の意味で開花させ、晩年を迎えるまでの、北斎の人生およそ90年間を描いたストーリーとなっています。

(チラシ画像はクリックするとPDF画面が開き拡大できます)

映画「HOKUSAI」チラシ(見開き)

若かりし頃の北斎、なぜ腕はいいのに食えることができなかったのか。
まだ北斎と名乗る前、勝川春朗(カツカワシュンロウ)として活動していた頃に、人気浮世絵の版元(出版人)、今で言う敏腕プロデューサーとして知られた蔦屋重三郎(ツタヤジュウザブロウ)に見出されたものの、叱咤されてばかりの北斎。
お前、なんで絵を描いてる」と重三郎に問われ、北斎は「絵なら下っぱから這い上がれると思ったからだ」と応えます。
まさに競争の現代を生きる我々としてみれば、その気持ち、わからないでもない。
でも、重三郎は、そんなんだからダメなんだと。
ライバル喜多川歌麿からも「お前の絵(女)には色気がない」と切り捨てられます。
なぜか。
それは、勝ち負けに固執して描く絵中身がなく上っ面の絵、要するに、描きたいのではなく描かされている絵だから。
放浪した北斎は、大自然の中でそのことに気がつき、本当の自分を見出します。
ただ描きたいと思ったものを、好きに描く
そうして北斎は、美人画や役者絵が流行っていた当時に、風景画というジャンルを切り開いたのです。

もちろん、今紹介した重三郎や歌麿たちとのやりとりは、この映画の、あくまでも作られた物語です。
でも、北斎が重三郎や歌麿たちと共に生きた江戸時代、それは描くことや出版にいたるまで自由な表現が規制されていた時代で、その中で風景画のパイオニアとして時代を切り開いたことや、この映画でも描かれていたように、脳卒中に倒れても自力で治し80歳を過ぎても旅に出て、何キロも歩いたというのは史実です。

平均寿命40歳という時代に90歳近くまで生きた、北斎の生命力。
人が見失いがちなものを決して失わず、時代とそして自分自身の人生と勝負し続けた、アート魂ともいえるブレない信念の持ち主だったからこそなのだろうと思います。

映画「HOKUSAI」チラシ(裏表紙)

ところで、北斎といえば、やはり波の絵。
最も有名なのは「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」ですね。
映画「HOKUSAI」のパンフレットもこの作品が採用されています。

映画では史実に基づいた架空の物語が展開されますが、こちらのパンフレットには様々な北斎にまつわる豆知識が掲載されていて、アートファンには嬉しい一冊です。

映画「HOKUSAI」パンフレット

繰り返しますが、北斎といえば、波の絵。
そして、なくてはならないその色「ベロ藍」。
美術ファンなら多くが知ることですが、1700年代にドイツ・ベルリン(当時はプロシア、ドイツ語でプロイセンと呼ばれた地)で発見された人口の青色顔料「プルシアン・ブルー」が1800年代に日本にもたらされ、「ベロ藍」と呼ばれ北斎が多用し、今では「北斎ブルー」、愛用者としては歌川広重も有名なので「広重ブルー」などと言われます。

映画の印象的なワンシーンに、北斎が業者から「ベロ藍」を受け取り、感動のあまり雨の中で自分にぶちまけるシーンがありますが、こういった美術知識を持っていると面白さは倍増しますね。

そういった雑学もパンフレットに掲載されているので、あわせて楽しむのも一つかなと思います。


実際に北斎がどんな性格だったのかは、その時代にでも行ってみないとわかりませんが、この映画では、北斎はプライドが高いだけではなく、自分が描きたいものを好きに描きつつも、人に喜んでもらうにはどうしたら良いか思慮し、孤高ながらもあたたかい心、人への厚い情を持った人物として描かれていたところが、私自身も生きる上での学びになりました。

アートに関心のある方、または自分の生き方に疑問を感じている方には是非ともお勧めしたい映画です。

なお、映画「HOKUSAI」は、仙台では現在(2021年6月26日)、フォーラム仙台にて上映中です。

あなたは
風景画の北斎派?
それとも
美人画の歌麿派?





アカデミー賞受賞作「ノマドランド」に見る壮大な風景と生きる意味

ドキュメンタリータッチの雄大なロードムービー


再び映画ネタではありますが、この度鑑賞してきた映画「ノマドランド(原題 Nomadland)」について、もっと早く観てもっと早めにオススメすべきだったと感じているので、遅まきながらも投稿します。

まずは、この映画の告知用チラシをご覧ください。(画像をクリックするとPDF画面が開きます)

映画「ノマドランド」チラシ(表)
映画「ノマドランド」チラシ(裏)

このチラシは、先月(2021年4月)末に行われたアカデミー賞授賞式開催前に作成されたものなので、”本年度アカデミー賞最有力”と記載されていますが、授賞式では結果、作品賞監督賞(クロエ・ジャオ)、主演女優賞(フランシス・マクドーマンド)と、主要を含む最多3部門を制覇しました。
それ以前にも数々の受賞を成し遂げ、話題となっている作品です。

映画「ノマドランド」は、アメリカのジャーナリスト ジェシカ・ブルーダーJessica Bruder)によって執筆された本「ノマド:漂流する高齢労働者たち(原題 Nomadland: Surviving America in the Twenty-First Century/2017年出版)」が元になっています。

本「ノマド:漂流する高齢労働者たち」の表紙
(春秋社出版/2018年10月)

この本は、ジェシカ・ブルーダー氏が自ら車上生活を試み、3年以上の歳月をかけてノマド数百人を取材して書かれたノンフィクションで、映画「ノマドランド」は、このノンフィクションに、主人公として架空の人物であるファーン(フランシス・マクドーマンド)を登場させて作り上げられたフィクションです。

ネバタ州のエンパイアという企業城下町が破綻し、住み慣れた住居を失ったファーンという名の、夫に先立たれた60代の女性が、キャンピングカーを生活しやすいように自分で改造しつつ、ノマドワーカーとして季節労働の現場を渡り歩いて送る路上生活の中、ゆく先々で出会うノマドたちとの心の交流を描かれた物語。

次の動画は、「ノマドランド」の特別映像です。メイキングのショート版として興味深くご覧いただけるかと思います。

実在のノマドが本人役で登場していたり、物語としての父と息子を演じる俳優たちが実際リアルな親子だったり、エンパイアの存在と破綻も現実の話で、ノンフィクションとフィクションが混ざり合い、ドキュメンタリータッチなカメラワークのなかで繰り広げられるオスカー俳優マクドーマンドの表現はあまりにも自然で、まるで、フィクションではなく本当にドキュメンタリーを見ているような感覚になります。

この映画には、フィクション特有の事件が起きるとか特別大きな盛り上がりはなく、淡々とストーリーは続くのですが、ネバダ、カリフォルニア、アリゾナ、サウスダゴタと4つの州に渡って展開される、広大なアメリカの自然を背景にした美しい映像、サウンドトラックは叙情的なピアノ音楽でシンプルにまとめられていて、焚き火の音や波や風の音とという自然の音色を感じさせ、全てが共存してそこにいるかのような安息感と共に、静かな気持ちに浸ることができます。

「ノマドランド オリジナル・サウンドトラック」ジャケット
(画像をクリックするとYouTube musicのアルバム試聴ページにリンクします)

ちなみに、クロエ・ジャオ監督、『自然にインスパイアされた美しいクラシック音楽』でググってヒットしたルドヴィコ・エイナウディLudovico Einaudi)の『Elegy for the Arctic』からエイナウディ氏がアルプスの山中を歩きながら作曲した『Seven Days Walking』というアルバムを見つけ、彼にオファーしたそうですよ。

Elegy for the Arctic』の映像、凄いです!
圧巻の大自然とコラボした繊細なピアノ演奏は、素晴らしいアート!!


ところで、ここ数年よく見聞きするようになった「ノマドライフ」という言葉。
このイメージとしては、「好きな場所に住んで、好きなように働き、自由に生きる」といった感じで、私も、過去に人の腹黒さを感じてしまう仕事や自分の人生そのものに疑問を感じた時に、憧れを抱いた生き方です。

しかし、映画「ノマドランド」を通して、本来のノマドの生き方の裏には、社会の様々な問題が隠されていることや、気軽な考えでは到底やり通せることができない実情など、深く考えさせられるものがありました。

でも一方で、この映画の主人公ファーンをはじめとする登場人物たちの、苦境にあっても自身の信念を貫き、それぞれのやり方でもってしなやかでしたたかに生きるさまは、観るものに希望を与えてくれます。

映画「ノマドランド」パンフレット

このパンフレットに記載されている監督クロエ・ジャオ氏へのインタビューによると”あなたを定義しているものを失った時、あなたは自分を取り戻せますか”という問いかけがこの映画のテーマであるとのこと。

ここ仙台での上映(フォーラム)は5月20日(木)まででもうすぐ終わってしまうので、文頭で述べましたように、もっと早くお勧めすべきだった映画「ノマドランド」ですが、このような作品こそ、是非、大きなスクリーンで観て壮大な風景を味わうとともに、人生について内省する機会にしていただければと思います。
→追記:フォーラム仙台での公開が5月27日(木)までに伸びました!人気作は公開期間が伸びることがあります。嬉しいですね♪
→→6月3日(木)までさらに延長されました!!
→→→またまた延長!6月10日(木)まで!!
→→→→さらに延長!6月17日(木)まで!!

さて、この映画の中でファーンがたくさんの人と出会い交わされる会話はどれも深いのですが、ここは是非とも記しておきたいと感じた一節を、最後に取り上げさせていただきます。

それは、ファーンが、ある青年に再会し、自分のサンドイッチと青年のビールを交換し、会話を交わすシーン。
地元に恋人がいて手紙を書くことがあるという話を聞き、今時手紙を書くとは効果が高いと褒めるのですが、青年は気が利いたことは書けないと言います。
そこで、ファーンは詩を送ったらどうだと提案します。
青年に聞かせたのは、自分の結婚式に詠んだというシェイクスピアの「ソネット18番」。
それを聞いた後に去ってゆく青年の姿は、逆光に輝いて美しく、何か吹っ切れたような力強さを感じました。

君は夏の日よりも美しく穏やかだ
風が5月のつぼみを散らし
夏の輝きはあっけなく終わる
太陽は時に照り付け
かと思えば暗く陰る

どんな美しいものもいつか衰える
偶然か自然の成り行きによって

だが君の永遠の夏は色あせず
美しさが失われることもない
ましてや死に神が君を死の影に誘うこともない
君は永遠に詩の中に生きる
人が息をし 目が見えるかぎり
詩は生き続け 君に命を与え続ける

Shall I compare thee to a summer’s day?
Thou art more lovely and more temperate.
Rough winds do shake the darling buds of May,
And summer’s lease hath all too short a date.
Sometime too hot the eye of heaven shines,
And often is his gold complexion dimmed;
And every fair from fair sometime declines,
By chance, or nature’s changing course, untrimmed;
But thy eternal summer shall not fade,
Nor lose possession of that fair thou ow’st,
Nor shall death brag thou wand’rest in his shade,
When in eternal lines to Time thou grow’st.
So long as men can breathe, or eyes can see,
So long lives this, and this gives life to thee.

ソネット集 18番 / ウィリアム・シェイクスピア(訳:牧野琴子)
The Sonnets no.18 / William Shakespeare


ノマドランド」公式サイト



あなたの人生において
美しく感じられることは
何ですか?