2026年4月26日開始 風の時代 × 天王星双子座期

2026年4月26日開始 風の時代 × 天王星双子座期

〜 これからの7年、世の中はそして自分はどう変わるのか 〜


今日は2026年4月26日。
占星術の世界では、本日から約7年間、双子座がひとつの大きな舞台になると言われています。

今回このことについて話題にする私ですが、いわゆる「占い」をすべて信じるタイプではない、ということを初めに正直にお伝えしておきます。

けれども、占星術やスピリチュアルな世界に流れる考え方や象徴が、今の時代の空気と不思議と重なることがあるのも事実だとも感じているのです。

だから私は、自分にとって心地よいと思うものだけを、自分の感覚で都合よく取り入れます。
そんな前提で、これからの「天王星双子座期」について少し考えてみたいと思います。

天王星が移動する

まず、科学的な点から見たお話から。
天体の動きとして、天王星は太陽の周りを約84年で一周します。

その結果、

  • 約7年ごとに、地球から見て背景の星座を移動する
  • 2026年前後に「双子座方向」に見える位置に来る

これは純粋に天文学的事実なのです。

ただし、現時点で天文学的なシミュレーションで確認すると、2026年4月26日時点で天王星が位置するのは、天文学上の「牡牛座」の領域です。
天文学の定義で天王星双子座の境界を越えるのは、実際にはもう少し先のことだということです。

約2000年前の古代ギリシャ時代には、占星術のサイン(12星座の区画)と実際の星座はほぼ一致していました。
しかし、地球の自転軸が独楽(こま)のように振れる歳差運動によって春分点が少しずつ西へ移動しているため、現在では約1サイン分(約30度)のズレが生じています。

そのため、占星術で「双子座入り」と言われる時期、実際の空ではまだ「牡牛座」の中に天王星がいる、という現象が起こるのです。

2026年4月26日天体イメージ概念図
2026年4月26日天体イメージ(*天文学の厳密な星図ではなく、位置関係の概念図です)

そんな天文学的な現実との差異の理解も踏まえ、前回の天王星双子座期1940年代前半第二次世界大戦期に重なる時期)では実際にどんなことが起きたか振り返ってみましょう(私はまだ生まれてませんけど…)。

  • 通信技術の進化(レーダー・暗号)
  • 情報戦の重要性の増大
  • メディアの影響力拡大

つまり、現代とは少し異なりますが「情報が世界を動かす」時代が加速した現実がありました。

双子座と天王星が象徴するもの

それでは、星占いではこれをどのように見ているのか。

占星術においては、2026年4月26日に天王星が双子座の位置に入り、7年間をかけて移動して、2032年8月4日を最後に双子座を離れると定義しています。

双子座のキーワードは、

  • 言葉
  • 情報
  • 学び
  • コミュニケーション
  • 軽やかさ

といった、「情報のやり取り」に関わる領域です。

一方で、天王星は変化や革新を象徴するとされます。

  • 革命
  • 変化
  • テクノロジー
  • 予想外

この2つを重ねて考えると、「情報の扱い方や伝達手段が大きく変わるタイミング」と捉えることもできます。

実際、AIやSNSの進化によって、誰もが発信できる環境が整い、コミュニケーションの形はここ数年で大きく変わりました。
占星術的な解釈を離れても、このテーマは現実の変化ともリンクしているように見えます。

風の時代との重なり

さらに占星術では、数年前から「風の時代」と呼ばれる流れが始まったと言われています。
それまでの200年「地の時代」の象徴であった物質や所有よりも、情報や関係性、目に見えない価値が重視される時代。

風の時代とは、グレートコンジャンクション(木星と土星の約20年ごとの接近)が作る長期トレンドです。
2020年12月にそれが風の星座である水瓶座で起きたことで、約200年続く「風エレメント中心の時代」に切り替わったと占星術では考えます。

そんな風の時代のキーワードは、以下のとおり。

  • 情報・知性
  • ネットワーク・つながり
  • 個人の発信
  • 物質より無形価値(経験・意味)

2020年にこの「風の時代」の幕は開けましたが、まだ「地の時代」の名残と混ざり合っている移行期のような状態です。
そこに今回、「変革」を司る天王星が、水瓶座と同じく風のエレメントである双子座に入ることで、いよいよ風の時代の本領が発揮されると言われています。

  • 天王星: 現状を打破し、アップデートする星。
  • 双子座: 風のエレメント。コミュニケーション、副業、学び、移動を司る。

いわば、2020年の水瓶座は、新しい理想やシステムの「土台」を作る時期でした。
そして、2026年から2032年の7年間は、社会の仕組みや私たちの働き方が、より「」のように軽やかで自由なスタイルへ、天王星の力で半ば強制的に、かつ劇的に書き換えられていく期間だと予測されているのです。

先ほども触れましたが、前回、天王星が双子座にいたのは1940年代のことでそれは今から約84年前ということになり、その時はまだ「地の時代」の真っ只中でした。
2020年に始まった「風の時代」は約200年続きますが、天王星の「84年」というサイクルは、その200年の中で「一度きりの特別なブースト」として機能するということのようです。

天王星の双子座入り現実との対比概念図
天王星(Uranus)の双子座(Gemini)入り占星術と天文学の対比概念図
現実の世界でも起きていること

占星術を抜きにしても、私たちはすでに変化の真ん中にいます。

誰もが発信できる時代。
AIが文章や画像を生み出す時代。
学び方も、働き方も、どんどん自由になっている。

つまり、「何を持っているか」ではなく

  • どう伝えるか
  • 誰とつながるか

そんなことが価値になっている。

これは偶然でしょうか。
それとも、人間が後から星に意味を重ねているだけでしょうか。

・・・どちらでもいいのかもしれません。

大切なのは、「今そうなっている」という事実だから。

これからの7年はどうなるか

これからの7年間は、こういう時間になる気がしています。

  • 自分の言葉を持つ人が、強くなる
  • 小さな発信が、大きなつながりになる
  • 学び続ける人だけが、変化に乗れる
  • 固定観念に囚われないことで、軽やかに生きられる

そして同時に、

  • 情報が多すぎて迷うこと
  • 表面的な言葉に疲れること

そんな側面も、きっとある。

だからこそ必要なのは、「速さ」ではなく「深さ」なのかもしれないと思うのです。

私自身の小さな決意

占星術で考えられているのと同様に、これからの時代は「言葉が大事」とよく言われます。
たしかに、そうなのだと思います。
何を感じ、何を考えているのか。
それを伝える力は、これからますます重要になっていく。

けれど私は、こうも感じています。
言葉は、体験のあとから生まれるものではないかと。

これまでの私は、どちらかというと「広く試す」時間を過ごしてきました。
やりたいことを探すように、いろいろなことに触れてみる。
それはそれで、大切な時間だったと思っています。

でも、ふと立ち止まったときに、もう少し、ひとつひとつを深く味わってみたい、と思ったのです。
深める」と言うと、何かを極めることのようにも聞こえるけれど、私が今感じているのは、もう少し静かなものです。

急がずに、わかったつもりにならずに、ちゃんと感じてみること。
触れたものを、そのまま通り過ぎさせるのではなく、一度、自分の内側に置いてみること。

では、そんな私がこれからの7年で何をするか ──
それについては、はっきり決めることもできるのかもしれませんが、あえて今はそこを絞りすぎないでおこうと思っています。

ただひとつだけ確かなのは、私はこれからも、アートに関わっていくということ。
その中で、何に惹かれるのか。何が残っていくのか。
それを、体験を通して知っていきたい。

もしかしたらこの7年の中で、自然と「自分の言葉」も生まれてくるのかもしれません。
でもそれは、最初から無理に作るものではなくて、体験の中で、少しずつ輪郭を持っていくもの。
そんな気がしています。

だから私は、この7年をこう過ごしてみようと思います。

「深く味わう7年」にする。

地味かもしれないけれど、きっと一番、自分に正直でいられる選択

最後に

私自身は、星の動きが未来を決めるわけではないと思っています。
でも、何かを見つめ直すきっかけにはなる。
もしこのタイミングが、これからの時間を少し丁寧に生きるための合図になるのなら、それはきっと、意味のあること。
そんなふうに感じています。



次の作品は静寂なエネルギーを感じるオリジナル動画です。
よかったら、あなたもここで今一度、静寂と共に、自分と正直に向き合って、これからどうしていきたいか、想い描いてみてくださいね。
(音声有りの動画です。一度再生すると停止ボタンを押さない限りループするように設定してあります)

Original movie of The Moon and the Sea with falling Stars by Seiko

これからの7年
あなたはどんな風に
過ごしていきたいですか?

ハムレット舞台で世界遺産クロンボー城への一人旅

〜 今でも心に残る旅の回顧録 〜


先日、映画『ハムネット』について記事を書きながら、私はある場所のことを思い出していました。
ウィリアム・シェイクスピアが描いた「ハムレット」の舞台として知られるデンマーク・エルシノア(Elsinore, Denmark)。

シェイクスピアの時代には「エルシノア」と呼ばれていたこの町、現在のヘルシンオアまたはヘルシンゲルに、実在するお城で、世界遺産として登録されているクロンボー城(Kronborg Castle)があります。
この地を私は数年前に一人旅にて訪れました。

*デンマークの都市、ヘルシンゲル(Helsingør)について
Wikipediaによる説明「ヘルシンゲル」

当時はただ「いつか行ってみたかった場所」として足を運んだその城が、今になって、まったく違う輪郭を帯びて思い出されてきました。


その地を訪れたのはこのブログサイトを開設する前のことでもあったので、今回は、そんなクロンボー城での記憶を、撮りためた写真とともに思い出巡りしてみたいと思います。



その日、私は滞在していたコペンハーゲン中央駅そばのホテルを朝早く出発し、電車にてヘルシンゲルへと向かいました。

コペンハーゲン中央駅(正面入口)
コペンハーゲン中央駅(プラットホーム)

Googleマップでの日本語表記はヘルシングボリとされる場所がここでいうヘルシンゲルです。

コペンハーゲン中央駅から電車に揺られ、およそ50分ほどでヘルシンゲルへ到着。

ヘルシンゲル駅(駅舎内)
ヘルシンゲル駅(正面入口)

ここは、デンマークの首都コペンハーゲンの北に約44km先のところにある港町。
ヘルシンゲル駅を出ると静かで美しい景色が広がります。

ヘルシンゲル駅前のフェリー乗り場スンドブスン・ターミナル(Sundbusserne Terminal)
町の中心にそびえる大聖堂聖オーライ教会(St. Olaf’s Church)
中世の修道院に付属していた、落ち着いた佇まいの聖マリア教会(St. Mary’s Church)
閑静な住宅街の間から見えるのがクロンボー城

クロンボー城手前の波止場には、一際目を引く海のゴミで作られた魚のオブジェが設置されていました。

公共アート作品:Garbage Fish(ガーベッジ・フィッシュ)

海洋プラスチックごみ問題への関心を喚起するために制作された巨大な魚型の彫刻作品で、訪れた時はただ印象的な作品だと感じただけでしたが、帰国してから調べて、日本のアーティスト「淀川テクニック」によるものだと知り驚きました。

遠く離れたデンマークの港で、思いがけず日本とつながった瞬間があったのだなと、不思議な感覚を得たのを今でも覚えています。

そんな印象深いオブジェの前にどっしりと佇む建物もまた奇抜でした。

Kulturværftet(カルチャーヴァーフテ/文化施設)

旧造船所(værftet:ヴァーフト)をリノベーションして建てられた、図書館+文化施設+展示スペースが一体化した施設です。

さらに進むと、旧造船所のドックをそのまま活かし、地中に潜るようにして造られたデンマーク海事博物館(M/S Maritime Museum of Denmark)があります。

海事博物館は地下なのでその建物は地上にありませんが、その先に、クロンボー城が姿を現します。

デンマーク海事博物館(手前に見える階段を下って入館)とクロンボー城

さて、いよいよクロンボー城の敷地内へ。
(工事中でしたが)まるでおとぎ話の世界にでも入り込むような入り口でした。

クロンボー城敷地内への入り口
クロンボー城は海に囲まれているため橋を渡らなければならない
さらに堀に囲まれた城壁
敷地内にはゲートがいくつもある

ここまでは無料ですが、お城の内部に入るためには入場料を払う必要があります。

城内部へと繋がる重厚な門(ここで入場料を支払う)

なお、デンマーク観光者には便利なコペンハーゲンカード(Copenhagen Card)というものがあります。
コペンハーゲンカードは、コペンハーゲン市内および周辺の80以上の観光名所への無料入場と、公共交通機関の乗り放題がセットになったもので、24時間〜120時間の有効期間から選べ、観光スポットを効率よく巡る際に便利なパスです。

私が行った年は2019年だったので、現地の旅行会社等でコペンハーゲンカードを購入する必要がありましたが、今はスマホのアプリになっているので、現地行かずとも準備可能です。
本当に海外旅行するにも便利な時代になりました…


クロンボー城への入場料金については、2026年4月現在で、大人150DKK*ほどで、季節によって変動があったり、オンライン購入の場合の割引があったりもするようです。
コペンハーゲンカード利用可能状態であれば、無料になります。

*DKK:デンマーク通貨クローネ。2026年4月18日現在で1クローネ24.97 円です。私が行った時より1.5倍くらいになっちゃってます…

さあ、それでは城内へと向かいましょう。

中庭へと繋がるアーチから見上げた景色
中庭

建物の中の部屋はたくさんあって、限られた時間内ではとても見切れませんが、どこを巡っても「宮廷と言えば豪華絢爛」というイメージが覆されるものでした。

居住部屋
大広間(ボールルーム)

屋上に登ることもできました。

屋上に出るための螺旋状の階段

屋上に登ると、360度パノラマの素晴らしい景色が一望できます。

エーレスンド海峡(Oresund)の向こうは、もうスウェーデンです。
この城がただの宮殿ではなく、“境界を見張る場所”だったことを実感します。

屋上からの眺め(向こう岸に見えるのがスウェーデン

一方で、視線をずらすと、城の向こうに広がるのは、小さな港町の穏やかな日常。
尖塔を伸ばす聖オーライ教会が、この街の時間を静かに見守っています。

屋上からの眺め(ヘルシンゲルの街並み、フェリースウェーデン行き)

クロンボー城は宮殿であると同時に要塞でもあり、華やかさよりも防御や機能が重視された場所でした。

対岸に向かって設置されている大砲

そして、その大砲が向けられていた先に目を向けると──

クロンボー城前に広がる海(エーレスンド海峡

そこには静かな海が広がっていました。
けれどこの場所は、かつて“境界”だったのです。

見張るために築かれた城と、その向こうにある、もうひとつの国。
その距離の近さが、この場所に独特の緊張と静けさを与えているのかもしれません。

そしてこの風景は、やはりハムレットの世界とも重なって見えるのです。

境界に立つということ、その内側と外側で揺れる心。
けれど今、この海は人を隔てるものではなく、行き来するための穏やかな道になっている。

かつての緊張を知っているからこそ、この静けさを、尊く感じられるのでしょうか・・・

デンマークスウェーデンを繋ぐ、国境の船が絶え間なく行き交う海の玄関口

ところで、イギリス人であるシェイクスピア自身が、デンマークの「エルシノア(現在のヘルシンオアまたはヘルシンゲル)」を訪れたという確かな記録はないということです。

当時、イングランドとデンマークは交流があり、宮廷や商人を通じて情報が入っていた可能性が高く、シェイクスピアにとってエルシノアは、単なる観光地ではなく「王権」「監視」「閉ざされた空間」「疑念と孤独」といったテーマを象徴する場所だったと考えられます。

シェイクスピアは、この地を訪れてはいない。
しかし、なぜ彼がこの地を自分の大切な作品の舞台に選んだか。

ここに立つと、少しわかる気がすると思います。

デンマークの世界遺産クロンボー城

この度、映画『ハムネット』を観たことをきっかけに、尊い記憶を呼び起こすことができ、豊かな気持ちに浸っています。
デンマークで訪れた他の場所についても、いずれまた記録として残せればいいなと考えています。



ちなみに、アート好きな私は旅をするときは、美術館や世界遺産など芸術を巡ることをテーマとしておりまして、世界遺産検定公式HPをよく参考にさせていただいております。

世界遺産であるクロンボー城については、世界遺産検定公式YouTnbeチャンネルのこちらの動画が参考になるかと思いますので、ご興味のある方はご覧になってみてください。



海の向こうに
あなたは
何を思い浮かべますか

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こんなに泣けるとは思わなかった 映画『ハムネット』

〜 現実の中にある物語について 〜


映画を観終えたあと、しばらく席を立てませんでした。
物語の余韻もあれば、さらには個人的な何かが胸の奥に触れていた感覚があって──
それが何なのか、すぐには言葉にできなかったのです・・・

To be, or not to be, that is the question.
生きるべきか死ぬべきか。それが問題だ。

この、あまりにも有名なセリフはいかにして生まれたのか。
映画『ハムネット(原題:Hamnet)』は、シェイクスピアの名戯曲「ハムレット」誕生の背景を描いた作品です。

けれども、単なる“偉人の物語”ではありませんでした。
むしろそこにあるのは、誰かを失うこと、残された人がそれでも生きていくこと、そしてその想いが形を変えて何かを生み出していくという、激動の中にも静けさのある、確かな人間の営み。

映画『ハムネット』予告編

観る前から泣ける映画なんだろうなとは思ってはいたものの、私にとってのそれは全く想像していた以上でした。

さて、まずこの作品を語る上で欠かせないのが、監督クロエ・ジャオ(Chloé Zhao)の存在です。
彼女の代表作で、アカデミー賞受賞も果たした『ノマドランド』を観た方ならわかると思いますが、

  • 過剰に説明しない
  • 感情を押しつけない
  • 余白の中で“感じさせる”

という独特の作風があります。

なお、映画『ノマドランド』についての私の過去記事はこちらでして、
アカデミー賞受賞作「ノマドランド」に見る壮大な風景と生きる意味
偶然ですが、『ノマドランド』にはシェイクスピアの美しい詩が引用されるのですが、そのことにも触れてます。

今回の『ハムネット』もまさにその延長線上にあって、ともすればもっとドラマチックにも描けるであろう題材を、あくまで静かに、しかし確実に心に染み込ませてくるような演出が印象的でした。

さらに、この作品で個人的にとても印象に残ったのが、配役に関するエピソードです。

物語の後半、妻アグネスが夫ウィルの舞台「ハムレット」を観に行き、舞台上のハムレット王子に亡き息子ハムネットの面影を見るシーン。
映画鑑賞中は、私は単純に「似ている俳優を選んだんだな」と思っていました。

けれど後からパンフレットを読んで知ったのは、

という兄弟俳優がキャスティングされていた、という事実。

つまり“似ている”のではなく、本当に似ている存在だったということです。

この事実を知ったとき、感じ方が少し変わりました。
あのシーンについては、この映画の原作者マギー・オファーレル(Maggie O’Farrell)の想像によるもので、完全にフィクションであることは明白です。
しかしながら、感情の部分が現実にぐっと近づいているような、そんな不思議なリアルさを感じたのです。
それは、こうした細やかな演出があってこそのことで、この作品の静かな説得力を支えているのだろうと思いました。

これは私の勝手な想像と見方ですが、現実でもシェイクスピア息子ハムネットを想いながら戯曲「ハムレット」を文章で綴って、さらにその舞台を演出した時には、やはりハムネットに似た人を配役したんじゃないかと思うんですよね。
今回の映画『ハムネット』での、クロエ・ジャオ監督によるキャスティングも、それと重なる部分があるなと。

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この映画は史実をベースにしながらも、その核心部分はあくまで“想像”で描かれています。

ウィリアム・シェイクスピアと結婚したアグネス(公的な記録としての名はアン・ハサウェイ)は、長女に男女の双子と3人の子供を儲けるが、ウィル(シェイクスピア)は一家の住まいから遠く離れたロンドンでキャリアを模索、その間に訪れる息子ハムネットの死、そしてその後に戯曲として「ハムレット」が書かれたという事実。

一方で、同時にあったはずの感情や出来事は、記録としてはほとんど残っていません。
だからこそこの作品は、

「史実の再現」ではなく、“あり得たかもしれない心の動き”を描いている

そう感じました。

シェイクスピアが息子の死をきっかけに悲劇を書くようになった、という明確な記録もないといことですが、私は、きっと無関係ではないだろうと思っています。

シェイクスピアほどの偉大な存在でなくても、私たちは日々の経験や出来事を通して、考え方や表現が少しずつ変わっていくものです。
それはきっと、アーティストであればなおさらで、人生の中で起きた出来事が、何らかの形で作品に影響を与えるというのは、ごく自然なことではないでしょうか。

戯曲「ハムレット」という作品の奥に、ひとりの父親としての想いが重なっていたとしても不思議ではない、そう思います。

flyer Hamnet 映画 ハムネット チラシ
映画『ハムネット』チラシ

そして実は、観ている最中から観終わったあともずっと、私の中で何かが揺れていたのですが──
その理由にふと気づいたのは、映画館を出た後の帰り道でした。

私は、亡き祖父母のことを思い出していました。
祖父母の間には、長男(私の父)と2人の娘、双子の点や順番は違いますが、ウィルとアグネス同様に、3人の子供がいました。

そして、私の生まれ育った家は宮城県名取市閖上(ゆりあげ)にあり(震災により今はありません)、祖母はそこで美容室を営みながら、家族を支えていました。
一方で祖父は画家として活動していて、祖母は「こんな田舎では日の目を見ないから」と、祖父の背中を押し、東京へ送り出したそうです。

映画『ハムネット』に描かれているウィル同様、祖父は時々しか家族の住む家に戻って来ない存在だったので、祖母はその間、アグネス同様に、女手一つで子どもたちを育てていました。

決して派手ではないけれど、誰かの人生を信じて支えるという、強くて静かな選択

今回の映画の中で描かれていた夫婦の関係性や家族の在り方が、どこか重なって見えたのは、きっとそのせいだと思います。

もちろん、シェイクスピアの人生と、私の祖父母の人生はまったく別のものです。
けれどこの作品を通して感じたのは、

「特別な人の物語」ではなく、「どこにでもあり得たかもしれない人間の物語」

でした。
だからこそ、こんなにも深く心に触れたのだと思います。

私の祖父母についての話は少し特殊かもしれません。
しかし、人を愛する幸福感や、大切な人を失った時の喪失感などは、多くの人が体験していることではないでしょうか。

そしてもう一つ、この映画を観て強く感じたことがあります。
それは、

人は、自分が体験したことや想ったことを通じてしか、本当の意味で何かを生み出せないのではないか

ということです。

シェイクスピアの息子を失ったという悲しみが、やがて「ハムレット」という作品へとつながっていったのだとしたら、そこには単なる創作を超えた“必然”のようなものがあったのではないかと感じずにはいられません。

映画の中の出来事はフィクションも多く含まれているはずなのに、どこか現実のように感じられたのは、そうした“あり得たかもしれない感情”が丁寧に描かれていたからなのだと思います。

また、「現実は小説より奇なり」という表現がありますけれども、

現実の中に、すでに物語はある

私はそんな風に思いました。

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映画『ハムネット』は、必ずしも全ての人に強く響くものではないかもしれません。
けれどもし、どこかで自分の中の「やわらかさ」や「痛み」に触れたことがある人なら、きっと何かを感じ取れる、静かで、あたたかくて、そして確かに胸に残る作品だと思います。

映画レビューなのに、今回はだいぶ個人的なことも書いてしまいましたが、私はこの映画を観たことで、祖父母のことを、もう一度ちゃんと書いてみたいなとも感じました。
祖父母については以前にもブログに書いたことがあるのですが、今回観た映画『ハムネット』をきっかけに、その記憶の見え方も少し変わった気がしています。
もしご興味がありましたら、そちらもあわせて読んでいただけたら嬉しいです。

私の大切な祖父母についての過去記事はこちら:
遠距離結婚を貫いた画家と美容師 その1/おしんのような経験を持つ美容師
遠距離結婚を貫いた画家と美容師 その2/ずっと秘密にされてきた二人の馴れ初め
遠距離結婚を貫いた画家と美容師 その3/家庭を持っても単身生活を続けた画家

毎回意外なことを思い起こさせてくれる映画。
つくづく映画ってやはり素晴らしいです。
大好き。そして感謝。

✔️『ハムネット』が上映されている劇場はこちら:
https://eigakan.org/theaterpage/schedule.php?t=RsbAfzMx


あなたの身近にも
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Project Hail Mary _ Brochure & Book プロジェクト・ヘイル・メアリー パンフレット 本

まさに私も救われる、映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』

〜「理解しようとすること」が世界を救う 〜


パンフレットも一時は売り切れるほど話題となっている映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー(原題: Project Hail Mary)』を観てきました。

SF大好きな私自身、もちろん公開される前からすごく楽しみにしていたのですが、正直なところ、観る前は、名作映画『アルマゲドン』のようなシリアスな宇宙ミッションものを勝手に想像していたのです。

映画『アルマゲドン』予告編(90年代の映画ゆえか画像が荒いです😭)

しかしそれは、いい意味で裏切られました。
確かに『アルマゲドン』同様、人類の存亡をかけた物語ではあるのですが、シリアスなテーマの一方でユーモアが散りばめられていて、笑える場面がたくさんあるのです。

優しさ、温かさがあり、とても深く心に残る作品でした。
そしてやはり、壮大なSF映画ですので、IMAXで体験できたのも大正解だったと思います。

映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』予告編

ちなみにタイトルにある
「ヘイル・メアリー(Hail Mary)」
とは、もともとは祈りの言葉であり、そこから転じて
「成功するかどうかわからないが、最後に賭ける一手」
といった意味で使われる表現だそうです。
まさにこの物語の設定そのものを表している言葉だと感じました。

観終わってまず感じたのは、
「これは科学で世界を救う物語ではあるけれども、それ以上に、”理解し合うこと”で世界を救う物語なのではないか」
ということでした。

作中では各国の科学者たちが集まり、国や立場を超えて一つの目的のために動きます。
そこにあるのは私利私欲ではなく、「どうすれば人類を救えるか」という一点だけ

今(2026年4月)、私たちが置かれている現実世界では、戦争が絶えず、国同士の対立や利害が複雑に絡み合っています。
その中で、この描かれ方はどこか理想的でありながら、同時に「人間にはこういう側面もあるのではないか」と静かに問いかけてくるようにも感じられました。

flyer Project Hail Mary プロジェクト・ヘイル・メアリー チラシ
映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』チラシ(1)

そして何より胸を打たれたのが、主人公グレースとロッキーの関係です。
言葉も文化も違う存在同士が、「科学」を通じて少しずつ理解し合っていく。
その過程はとてもユーモラスでありながら、気づけば強い絆へと変わっていく。
この描き方が本当に見事でした。

特に心に残っているのは、「Brave(ブレイヴ)/勇敢」という言葉をめぐるシーンです。

自分のことを「Stupid/間抜け」だと思っているグレースが、ロッキーに対してそっと「Brave/勇敢」という言葉を示す場面。
あれは単なる単語のやりとりではなく、「人はどういうときに勇敢と言えるのか」という価値観そのものを共有する瞬間だったように思います。

自分ではそう思えなくても、他者の視点から見れば違う意味を持つ。
そのズレが優しさとして描かれているようで、観ていて胸に残りました。

flyer Project Hail Mary プロジェクト・ヘイル・メアリー チラシ
映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』チラシ(2)

また、パンフレットを読んで知ったのですが、作中の宇宙船の動きがやけに軽やかで、どこかコミカルに見えたのは、単なる演出ではなく科学的にも理にかなっているとのこと。
このあたりも含めて、「リアルを突き詰めた結果、逆にユーモラスに見える」というバランスが、この作品らしさなのだと感じました。

そう、今回とても印象的だったのは、この作品がどれだけ“誠実に”作られているかという点です。

原作である『プロジェクト・ヘイル・メアリー(Project Hail Mary)』の著者であるアンディ・ウィアー(Andy Weir)が制作にも深く関わり、科学的な正確さを徹底的に守ったこと。
さらに、監督フィル・ロード&クリストファー・ミラーPhil Lord & Chris Miller「原作を近道せずに描く」という姿勢。
そして主演のライアン・ゴズリング(Ryan Thomas Gosling)が原作に惚れ込み、出演だけでなくプロデュースにも関わっていること。

そうした一つひとつの積み重ねがあるからこそ、この作品のリアリティや温かさ、そしてあの“優しさ”が生まれているのだと感じました。

SFというジャンルでありながら、この作品の本質は人間ドラマであり、友情の物語
派手さだけではなく、
「誰かを理解しようとすること」
の尊さが丁寧に描かれていて、観終わったあとにもじわじわと効いてくる作品でした。

Project Hail Mary _ Brochure & Book プロジェクト・ヘイル・メアリー パンフレット 本
映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』のパンフレットとダブルカバー仕様の原作文庫本上下巻

さて本日、私の手元にその原作本が届きました。
これから読むのがとても楽しみです。
映画で感じたこの余韻が、さらに深まるのではないかと期待しています。

既にこの続編制作については噂されているようで、私も続編が作られるならぜひ観たいし、こういう作品がもっと多くの人に届いてほしい。
そう思える一本でした。

✔️『プロジェクト・ヘイル・メアリー』が上映されている劇場はこちら:https://projecthm.movie/theater.html


あなたは
誰かを“理解しよう”
としたことがありますか?

カフェの温かなひととき 友情 理解
When you take a breath?

検索窓に映る、私たちの「静かな悲鳴」

〜「しんどい」のはなぜ? 〜


私は日頃、Google Trendsを活用していて、ニュースレター受信の設定もしているのですが、昨日受け取った内容がとても気になりましたので、このブログをしたためます。

Google Trends(グーグルトレンド:https://trends.google.co.jp/trends/)とは、世界中の人が、今、何に関心を持ち、何を検索しているかを可視化する『時代の鏡』のようなツールです。
余談ですが、この『時代の鏡』は、Googleによる生成AIのGeminiによる表現で、なるほどなと思いました。

昨日(2026年4月2日)受信した内容で私が気になったのは、『Overwhelmed and Stressed(圧倒される感覚とストレス)』『Burnout(燃え尽き症候群)』についてです。

今、世界中で『Overwhelmed(オーバーウェルムド)という言葉の検索が過去最高になっているとのこと。
『Overwhelmed』は直訳すると『圧倒される』という意味なのですが、これを日本的に意訳すると『もう、いっぱいいっぱい』『脳がパンクしそう』という感覚かと思います。

SNSやニュース、仕事のタスク・・・
外からの刺激が強すぎて、心のコップから水が溢れ出している状態ではないでしょうか。

興味深いことに、世界ではその癒やしとして『塗り絵』が流行り、働き方として『低ストレスな仕事(データ分析など)』が切望されているのだそうです。
要するに世界では、その「しんどさ」を和らげるために、静かな時間を求める動きが広がっているのではないかと思われます。

翻って、私たちの日本はどうでしょうか。
日本では、海外のように『圧倒されてる!』みたいに自分の感情を外に出すよりも、『仕事 行きたくない』『適応障害 診断』『HSP』といった言葉が検索窓を埋め尽くしているようです。

「仕事行きたくない」を検索する日本人


私、これって実は、すごく重い事実ではないかと思うのです。
SNSで『疲れた』と呟くのとはまた違うのです。
誰にも言えない、上司にも家族にも見せられない本音を、夜中に一人で、震える指で検索窓に打ち込んでいる。
検索窓は、現代の駆け込み寺のような存在なのかもしれません。

もし”うちの社員は元気にやっている”と思っている経営者やリーダー層の方がいらしたら、この検索データの背景を想像してみてほしいのです。

口に出せないからこそ、みんな検索している。
『行きたくない』のは甘えではなく、今の社会のスピードや刺激が、人間の処理能力(キャパシティ)を物理的に超えてしまっているサインではないでしょうか。

これからの時代に必要なのは、根性論ではなく、いかに「人を圧倒させない(Overwhelmedにさせない)環境」を作れるか」という視点なのかもしれません。

When you take a breath?


もし今、あなたが検索窓にそっと弱音を吐き出しているなら。
それはあなた一人の問題ではなく、世界中が同じ痛みを抱えている証拠です。

必要なのは、例えば、たまにはスマホを置いて、塗り絵をしたり、静かな本の世界に逃げ込んだり。
そんな自分の中の「圧倒されないための余白」。

けれど、実際には、今、自分自身のための“余白”がどこにあるのか、まだ見つかっていない人も多いのかもしれません・・・


あなたは
どこで
息をつけていますか?

Image_A man is sitting alone
映画 落下の王国 円盤 待ち続けた作品が、ついに。

『落下の王国』4Kデジタルリマスター ついに UHD & Blu-ray 発売決定!

〜 その日が待ち遠しい!2026年7月15日(水)〜


ついにこの日が来ました。
『落下の王国』4Kデジタルリマスター版UHD&Blu-ray発売が公式発表されました。
待ちに待った、名作の円盤化です!
(配信については後半で述べてます)

昨年11月、日本でのリバイバル上映から続いていたあの熱狂。
ロングラン上映、パンフレットの重版 ──
「この作品、やっぱり特別なんだ」と改めて感じていた中での今回の発表。

正直、ずっと待っていました。



なぜここまで待ち望まれていたのか

私の過去記事でも書いていますが、『落下の王国(原題:The Fall)』は長い間、

  • 配信がほとんどない
  • 円盤(DVDやBlu-rayなど)も入手困難
  • というところから「観たくても観られない映画」

という状態が続いていました。

<落下の王国に関する私の過去記事>
映画「ザ・フォール 落下の王国」に見る世界遺産
念願成就!映画『落下の王国』4Kリマスター版を映画館にて!

それでもこの作品は忘れられることはなく、むしろ「一度観た人の中に残り続ける映画」として、静かに語り継がれてきた存在です。

だからこそ今回の4Kリマスター、そして円盤化は、単なる再発売ではなく、“ようやく正しく再会できる機会”だと感じています。

映画 落下の王国 円盤 待ち続けた作品が、ついに。


なぜ日本ではここまで刺さったのか

今回のリバイバル上映がここまで広がった理由、個人的にはこう考えています。

・美しさそのものを楽しむ文化
ストーリーの明快さよりも「映像体験」「美術」「ロケーション」を重視できる土壌がある

・パンフレット文化
映画を観て終わりではなく、“読み解く・深める”ことを楽しむ習慣がある

・余白を受け入れる感性
すべてが説明されなくても、感覚的に受け取れる作品に強い

日本では映画を「観て終わり」ではなく、「読み解く・持ち帰る」文化があります。
パンフレットや考察を通して作品を深めるスタイルは海外にはあまり見られない特徴であり、『落下の王国』のように余白の多い作品と非常に相性が良かったのだと思います。

『落下の王国』はまさに

  • アート
  • 世界遺産ロケーション
  • ファンタジー

この3つが融合した作品なので、日本の観客との相性はかなり良かったのだと思います。

海外との違い

海外でもこの作品は評価されていましたが、その広がり方は少し違うようです。

  • 長年「幻の映画」としてカルト的に支持
  • 4K修復をきっかけに再評価
  • 配信や限定上映で徐々に拡大

一方日本では、劇場体験から一気に広がったというのが大きな特徴です。

つまり

  • 海外 → コア層からじわじわ拡大
  • 日本 → 劇場体験で一気に共有

この違いはかなり面白いポイントだと思います。

どの形で買うべきか(正直に悩んだ話)

今回の円盤販売には、いくつか種類があります。

  • BD単品
  • UHD+BD(ブックレット付き)
  • 公式サイト限定特典付き(オリジナルアクリルスタンド6体セット)

どれにすべきか、悩みました。

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一瞬アクリルスタンドも気になったのですが、冷静に考えると自分が求めているのはそこではなくて、映画そのものと、その背景なんですよね。

私は

  • グッズよりも作品そのもの
  • さらに言えば撮影秘話や制作背景

に価値を感じるタイプなので、最終的にはUHD+BD(ブックレット付き←私にはこれが重要!)を選ぶのがベストかなと考えました。

正直に言うと、特典映像はBDに収録されているということのなので、円盤はBDのみでもいいのですが、それだとブックレットが付かないので・・・

こういうところ、うまく設計されているなとも思いますが、この作品に関しては、私にとって“知ることで体験が深くなる”映画なので、納得して選べる範囲かなと思っています。

ちなみに、UHDと通常のBD=Blu-rayの違いについて。
ざっくり言うと、

  • UHD(Ultra HD Blu-ray):いわゆる4K。より高精細で色の表現も豊か
  • Blu-ray:一般的な高画質で十分きれい

という違いがあります。

ただ『落下の王国』に関しては、

  • 色彩の美しさ
  • 衣装やロケーションの細かさ

が作品の魅力そのものなので、“より本来の映像に近い形で観たいならUHD”という選び方になるのかなと思います。
ただし、UHDを楽しむには4K対応のテレビや再生機器が必要なのでその辺の兼ね合いでご判断を。

一方で、Blu-rayでも十分に美しい作品であることは間違いないと思っています。

4Kで観る意味

この作品は

  • 実在する世界遺産ロケーション
  • CGに頼らない映像
  • 圧倒的な色彩設計

によって成り立っています。

つまり解像度が上がるほど価値が増す作品です。

配信でも観られる時代ですが、この作品に関してはやはり円盤で“所有する体験”には、それなりに意味があるかもしれません。

映画『落下の王国 4Kデジタルリマスター』30秒予告
配信はある?現時点の状況

なお、現時点(2026年4月1日)では、日本国内での配信については正式な発表はありません。
海外では4Kリマスター版が配信サービスで公開されているものの、日本では

  • 劇場でのリバイバル上映
  • UHD&Blu-rayの販売

が先行している状況です。

そのため、「とりあえず観てみたい」という方にとっては、少しハードルが高い状態が続いているのが現状かもしれません。

ただ、この流れから考えると、今後配信が解禁される可能性は十分にありそうです。
私自身は、この映画については手元に置いておきたいので円盤購入を選びますが、この作品がより多くの人に届くきっかけとして、配信の展開にも期待したいところです。

最後に(まとめ)

『落下の王国』

  • 分かりやすい映画ではないかもしれない
  • でも確実に「記憶に残る映画」

です。

今回の円盤化は、ずっと好きだった人にとってはもちろん、少し気になっていた人にとってもようやくちゃんと触れられる機会になるはずです。

そしてアート好きで世界遺産好きな個人的には、この作品は一度観て終わりではなく、何度も向き合う映画だと思っています。
だからこそ今回の発売、本当に嬉しいです。

…ええ、もちろんもう予約しましたよ。
海外での販売でも大人気で程なくして売り切れたというし、過去の後悔を繰り返したくはないので。

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この物語
あなたの中では
どう残りましたか?

映画 フェザーズ その家に巣食うもの, 小説 悲しみは羽根をまとって

ホラーだと思って避けていた映画『フェザーズ その家に巣食うもの』だったけど・・・

〜 本当のところは泣かされる物語 〜


フォーラム仙台で上映中の『フェザーズ その家に巣食うもの(原題:The Thing with Feathers)』を観てきました。

実はこの映画の公開前、私は、最初に映画館でチラシをパッと見した時、「ホラーっぽいな」と思って、観るつもりはありませんでした。
私はグロテスクだったり、残虐な描写がリアルなタイプのホラー映画が苦手だからです。

とはいえ、チラシを一見したその日、映画好きの私は念の為、家に帰ってからPCで予告編動画も確認。
で、やはり怖そうだなという印象は変わらずで、この映画はスルーするつもりでいたのです。

映画フェザーズ その家に巣食うもの予告編

だって、こんな予告編ですよ?
怖そうじゃないですか??(それとも私が気弱なだけ??)

でも、素晴らしいパフォーマンスで知られ、私にとっても好きな俳優の一人、かつ偶然にも私と誕生日が近しいベネディクト・カンバーバッチ(Benedict Timothy Carlton Cumberbatch, 1976年7月19日〜)主演の作品、そしてアート好きの私には、そのカンバーバッチが今回演じる主人公はコミック・アーティストであるというところも興味深くて、どうしても気になって…

それで後日、再度この映画のチラシを見たときに、改めてキャッチコピーに目を留めました。

いびつな美しさをまとい癒しをもたらす、絶望と再生のファンタジースリラー

映画『フェザーズ その家に巣食うもの』チラシ(表)

私はスリラー系の映画も描写がグロすぎるものは避けるタイプですが、ふと、そういった類のスリラーやホラーというより、どこか違う方向の作品なのではないかと思いました。

さらにこの映画の原作小説のタイトルが
『悲しみは羽根をまとって(原題:Grief is the Thing with Feathers)』
であることを知り、これは単なる怖い映画ではないのかもしれない、と感じたのです。

そして、実際に観てみて思ったのは、これは「喪失」の映画だということでした。

映画『フェザーズ その家に巣食うもの』チラシ(裏)

物語の中に現れるカラスは、不気味で少し怖い存在です。
けれど同時に、どこか可笑しさもあり、完全に恐怖の対象にはなりません。

最初はその違和感に戸惑いましたが、観ているうちに気づきました。
あの存在は恐怖そのものではなく、「悲しみ」そのものなのではないかと。

悲しみは、突然やってきて、居座り、理屈ではどうにもなりません。
それでも時に、どこか現実離れした形で自分の中に現れることがあります。

そう考えると、あのカラスの奇妙さは、とてもリアルに感じられました。

Image_Crow_The Thing with Feathers


この映画を観ていて感じたのは、人の死というものは「乗り越えるもの」ではなく、「抱えたまま生きていくもの」なのかもしれない、ということです。

悲しみを無理に消そうとするのではなく、ちゃんと感じて、そのまま受け止めること。

それは決して楽なことではありませんが、それでも自分は生きていくしかありません。

カラスの言葉は、突き放しているようでいて、どこか慰めにも感じられました。
厳しさと優しさが同時にあるような、不思議な存在です。

この映画の最中、私は、思いがけず、泣いてしまいました。
瞳から、静かにツーッと涙が流れ落ちてくるのです。

私はこれまでに身近な人を何人も失った経験があります。
だからこそ、この映画が心に刺さったのかもしれません。

観ているうちに、自分の中にある感情に、少し気づくことができた気がしました。

観終わったあと、完全にスッキリしたわけではありません。
ただ、自分の感情に気づけたという意味では、少しだけ心が軽くなったようにも感じています。

一方で、内容については考えさせられる部分も多く、どこか引きずるような余韻も残りました。

でも今こうして振り返ってみると、どちらかというと「スッキリ」に近い感覚だったのかもしれません。

映画『フェザーズ その家に巣食うもの』のパンフレットと来場者特典カード、原作小説『悲しみは羽根をまとって

この映画は、もしかしたら人を選ぶ作品かもしれません。
物語としてわかりやすい展開を求める人には、少し難しく感じるかもしれないです。

けれど、もし何かを失った経験があるなら、この映画は静かに寄り添ってくる作品ではないでしょうか。
ホラーが苦手な私でも観ることができたので、同じように少し不安に感じている方でも、大丈夫じゃないかと思います。

なお、私の住む宮城県内では現在フォーラム仙台でのみ上映されています(2026年4月9日まで)。
全国の劇場情報はこちらです→https://feathers-film.com/theater/
もし気になっている方は、ぜひ、劇場で観てみてください。

私は映画を観たあと、原作小説『悲しみは羽根をまとって(原題:Grief is the Thing with Feathers)』(著:マックス・ポーター 、翻訳:桑原 洋子)も読んでみたくなり、今読み進めているところです。
読み終えたら、また違った視点でこの作品について書いてみたいと思います。

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あなたにとって
「悲しみ」は
どんな形で現れるものですか?

きのこ ユキグニファクトリー(雪国まいたけ)株式優待

料理好きの私がユキグニファクトリー株を持つ理由

〜きのこ常備生活から始まった投資〜


新年を迎えたと思ったら、この2026年もあっという間に3月末、多くの日本企業が決算となる時期となってしまいました。
現在の緊迫した世界情勢とも相まって、まさに今ここは、投資における重要な時期の一つですよね。

そして、日本でもNISAシステムの恩恵もあって、ようやく一般人にも投資への意識が向き始めている昨今、私自身も周囲から株式投資について尋ねられることもあるので、本日は、私が保有しているユキグニファクトリー株について、料理好きの視点から投資理由をまとめてみたいと思います。

さて、私が株式投資を始めたのは、ほんの数年前のことです。
それまで投資経験はほとんどありませんでしたが、NISA口座を開設し、せっかくなら自分の生活に近い企業に投資したいと考えました。

昔のCMの記憶

ユキグニファクトリー(旧社名:雪国まいたけ)」、この会社の存在自体は、もちろん、ずっと前から知っていました。
そうそれは、テレビで見たCMの記憶。

郷ひろみ出演CMによる
ゆきぐ〜にま〜いたけ〜♪
というフレーズは、今でも印象に残っています。

郷ひろみさんといえば、私が生まれる前の1972年にデビュー以来のトップアイドルで、70歳となった現在も年齢を感じさせない風貌、衰えないパフォーマンスを披露する永遠のスターです。

そんなスターが起用され、1999年に放映されたCMは、「雪国まいたけ」を世に知らしめるきっかけとなったものでした。

ふと、今でも当時のCM動画が残っているだろうかと思い、検索してみましたら、YouTubeにて、2003年に放映されていたというCMがアップされていました!

あの当時受けたインパクトと言ったら・・・
アップされている画像はかなり粗いですが、懐かしさに加え、今観ても面白いし、見入ってしまいました。

料理好き→きのこを日常的に使うように

私は料理が好きで、日頃からさまざまな食材を使っています。
その中でも、きのこはとても使い勝手の良い食材です。

  • 椎茸
  • まいたけ
  • しめじ
  • えのき
  • エリンギ
  • マッシュルーム

などなど。
これらをバランスよく取り入れています。

きのこは冷凍保存すると旨味が増すと知ってからは、数種類をまとめて冷凍して常備するようになりました。
こうして、きのこは「よく使う食材」から「意識して取り入れる食材」へと変わっていきました。

きのこの健康効果と魅力

きのこについて調べるうちに、食物繊維βグルカンなど、健康面でも注目されている食材だと知りました。

  • 低カロリーで栄養価も高く、日常的に取り入れやすい。
  • 料理としても美味しく、健康面でもメリットがある。

そんな理由から、自然と食卓に並ぶ機会が増えていきました。

食べている会社に投資するという考え方

株式投資を始めたとき、ふと思いました。
「これだけ日常的に食べている食材の会社なら、株を持ってもいいのでは?」
そうして購入したのが、当時の「雪国まいたけ(現:ユキグニファクトリー、証券コード:1375)」の株です。

ただ、正直に言うと、購入理由は一つではありませんでした。

  • 普段からきのこをよく食べていること
  • 食品会社でイメージしやすかったこと
  • きのこに特化した企業というのがニッチに思えたこと
  • しっかり配当金があることと、株主優待が魅力的だったこと

いくつかの理由が重なって、「この会社なら持ってみたい」と感じたのです。

その株主優待とは

前年、実際に届いた株主優待がこちらです。

きのこ ユキグニファクトリー(雪国まいたけ)株式優待
2025年の300株以上1,000株未満保有株主の優待品:5,000円相当の自社製品セット

クール便で届けれた宅急便の箱をワクワクして開けると、まいたけやしめじなどの生鮮きのこに加え、きのこを使った加工食品レシピリーフなど盛りだくさんに入っていました。

普段の食事にそのまま使える内容で、まさに「企業を身近に感じられる優待」だと思います。

株価が不安定な中でも感じる“食品株の安定感”

2026年に入り、日本株は上昇基調にありましたが、2月末の中東情勢の緊迫化をきっかけに、株価の変動が大きくなっています。

固唾(かたず)を飲んで迎えた、3月19日(日本時間20日)の高市総理とトランプ大統領の会談は、日本にとっては好感触だったものの、その直後の3月21日(日本時間22日)に、トランプ氏によるイランへの「48時間以内のホルムズ海峡開放」を求める軍事攻撃警告で、この週明けに上がることを期待していた日本株価は再び不調です。

しかしながら、私が保有しているユキグニファクトリーの株価も影響を受けてはいるものの、日本食品という生活に近い分野の企業だからか、他の銘柄と比べると値動きは比較的落ち着いているように感じています。

世界情勢の影響を全く受けないわけではありませんが、日本国内における日々の食生活に根ざした企業であることが、こうした局面での安心感につながっているのかもしれません。

社名変更と今後の展望

2025年には「株式会社雪国まいたけ(1983年設立)」という社名が「ユキグニファクトリー株式会社」へと変更されました。

これは単なる名称変更ではなく、きのこメーカーからより広い食品企業へと進もうとする意思の表れのようにも感じます。
きのこは健康志向や植物性食品として、今後も注目される分野の一つです。

そうした中で、この会社がどのように成長していくのか、株主として見ていきたいと思っています。

ユキグニファクトリー社について気になる方は、詳細は公式サイトをご覧になってみてくださいね。
キノコの意外な世界を知ることができますし、料理レシピも豊富で楽しいです♪



私がこの株を持ち続ける理由

私にとってユキグニファクトリーの株は、

  • 普段の食生活とつながっている
  • 健康的な食材に関わる企業
  • 株主優待の楽しみがある

そんな存在です。

投資として大きなリターンを狙うというよりも、生活の延長線上にある投資として、これからも持ち続けていきたいと考えています。

生活に近い投資という選択

最後に、株式投資というと難しく感じることもありますが、自分の生活に近いところから考えてみるのも一つの方法ではないかと思っている、ということをまとめとして述べておきます。

料理好きな私の場合、それがたまたま食材の「きのこ」でした。
そしてその先に、ユキグニファクトリーという企業がありました。

株で一発ひと儲けしようなんて考えたらキリキリしますが、そうではなく、日頃身近に感じる企業を応援するような気持ちで投資し、配当や優待を楽しみに待つのも、暮らしを豊かにするエッセンスとなります。

以上、株式投資で豊かになりたいと考えている方の参考になれば幸いです。



なお、ユキグニファクトリーの株価などについては、金融情報サイトのYahoo!ファイナンスとKabutan(株探)のリンクを載せておきますので、お好みでご参照くださいませ。
・Yahoo!ファイナンス:https://finance.yahoo.co.jp/quote/1375.T
・Kabutan(株探):https://kabutan.jp/stock/?code=1375



あなたが感じる
自分の生活に近い企業は
どこですか?

株 投資 生活

静寂 早朝の空 仙台

新月の夕暮れに、命の呼吸を整える

〜「静養」という名の大切なお仕事〜

今日は2026年3月19日(木)、新月ですね。
たった一度きりの人生、スピリチュアルとサイエンスの両方をバランスよく取り入れて豊かに生きよう、と考える欲張りな私が、本日感じたことを綴らせていただきます。

その一、ブルーグレーの静かな朝を迎えて

今朝、ふと目を覚まして窓の外を眺めると、空は一面の曇り空でした。

この静寂に包まれたような青灰色の空を見て、私は
「あ、今日は無理に動かなくていいんだな」
と、心からホッとしたのです。

そんな私ですけれども、実は、おそらく季節の変わり目だからだろうとは思うのですが、一昨日あたりから鼻のムズムズ感やひどい眠気、だるさがありまして。
けど、一見憂鬱とも思えるこの静かな朝を迎えて、それを否定せず、この空の色と一緒に受け入れてみようと思えたのです。


その二、過去の自分と今の自分

かつて責任ある立場でお仕事をしていた頃、だるさを感じれば栄養ドリンクを流し込み、戦うように出勤していました。
それなりの収入はありましたが、引き換えに「ぐっすり眠れる夜」や「自分の体の声」をどこかに置き忘れていました。
今の穏やかな生活と、かつてのお給料。
それは、雲泥の差かもしれません。
でも、貯金を取り崩してでも手に入れたかったのは、この「自分のリズムで呼吸できる幸せ」だったのだと、今つくづく感じています。

その三、節目が重なる祈りの季節

この時期、私の周りにはいくつもの大切な節目が重なっています。

新月と春分
明日は宇宙の元旦とも言われる「春分」です。
その直前の新月である今日は、まさに「最大のデトックスと準備」の時。
エネルギーが切り替わる前だからこそ、体が休息を求めるのは自然なリズムです。

お彼岸
また、今はお彼岸の真っただ中。
明日はお墓参りに行く予定です。
先祖を敬い、命のつながりに感謝するこの期間は、自分を置き去りにせず、大切に扱う時期でもあります。

東日本大震災から15年
そして、先日の3月11日で、東日本大震災から15年が経ちました。
生まれ育った名取市閖上、そして現在の生活地である仙台の街中でこの月日を数えるたび、生かされていることの有り難さ、そして「自分の命の尊さ」をいつにも増して深く感じます。

東日本大震災被災地 宮城県名取市閖上 名取市震災メモリアル公園 慰霊碑
名取市震災メモリアル公園の慰霊碑が建つ場所:奥の鳥居がある小山は震災前からある日和山だが(鳥居は再建)、他はほとんど震災後と震災前では景色が違うので、訪れるたび侘しい気持ちになる一方で、命の尊さに感謝の念が湧く
その四、「静養」という名の大切なお仕事

こうして振り返ると、今感じている「だるさ」さえも、愛おしく思えてきます。

ある人に言われた
「今のあなたは、次の一歩を踏み出すための『静養』という大切なお仕事をしている最中なんだ。それでいいんだよ」

この言葉が、今の私の支えとなっています。
個人事業主として「稼がなきゃ」という焦りがゼロと言えば嘘になります。
でも、枯れた土に種をまいても、元気な芽は出ないんですよね…
今は、私の心と体が一生懸命に「土壌改良」をして、春分からの新しいサイクルに向けて、ふかふかの土を作ってくれているサインなのだろうと感じています。

その五、穏やかな笑顔の連鎖をここから

新月は、リセットと始まりの時。
もし今、この記事を読んでいるあなたも「休むこと」に罪悪感を感じているなら、一緒に深呼吸してみませんか?
「休むこと」は、命を慈しみ、自分を立て直すための、立派で不可欠なお仕事。

そんなことをしみじみ感じている現在の私です。
今夜は自分をたっぷり甘やかして、また明日、お彼岸の静かな空気の中で、ご先祖様へ
「私は元気です。命を与えてくれてありがとう」
と伝えに行こうと思っています。


あなたが
生かされている幸せを
感じる瞬間はどんな時ですか?

新月 new moon


映画 パンダのすごい世界 movie goods パンフレット グッズ 来場者プレゼント 映画レビュー

パンダファンではない私が観た映画『パンダのすごい世界』

〜感じたパンダのすごさ、そして広がる想い〜


私はこれまでパンダに強い思い入れはありませんでした。
もちろん、可愛いとは思います。
けれど、映画好きの私でも、自ら進んでパンダの映画を観に行くタイプではありません。

映画パンダのすごい世界公式ホームページ:https://unpfilm.com/pandas/

そんな私が映画『パンダのすごい世界(原題:The Panda Adventure)』を観に行ったのは、パンダを推し活するほど愛している友人の存在があったからです。

彼女は、2026年1月27日の上野動物園の双子パンダ(シャオシャオ・レイレイ)の中国返還により、日本国内から約54年ぶりにパンダがいなくなったことで、喪失感の中にいました。

そんな時、私は『パンダのすごい世界』という映画が上映されることを知りました。

flyer movie パンダのすごい世界 チラシ
映画『パンダのすごい世界』チラシ/仙台で配布されていたバージョン(画像クリックでPDF画面が開きます)

仙台での上映会場はフォーラム仙台のみ。
しかも、その上映期間は1週間限り(2026年2月27~3月5日)。
私はこのことについて彼女に連絡し、もし良ければ一緒に行かない?と誘ったわけなのです。

すると、パンダ推し活する彼女は、当然のことながら、この映画のことは知っていて、観に行くつもりでいたと。
しかしながら、フォーラム仙台には行ったことがない、何より『パンダのすごい世界』を共有できる、一緒に行けるなら嬉しいと、快諾してくれました。

さて、そんな私たちが迎えた映画鑑賞当日。
映画館には、パンダグッズを持った方が思いのほか多くいらしたようです。
(私はあまり気にしなかったのですが、友人がしっかり観察していました。)

映画 パンダのすごい世界 movie goods パンフレット グッズ 来場者プレゼント 映画レビュー
映画『パンダのすごい世界』のパンフレット、友人が購入した映画グッズ(キーホルダー、シール)、来場者プレゼント(1名につき1枚ランダムに配布されるチェキ風カード)

物販コーナーではパンダのぬいぐるみが販売されていたようですが、私たちが映画館に足を運んだ時点の仙台での上映2日目にしてすでに売り切れていました。
そんな様子に始まり、そしてパンダまみれの映画を観て、私は思いました。

パンダって、本当にすごいな・・・

映画パンダのすごい世界予告編

原題『The Panda Adventure』直訳して「パンダの冒険」であるところを、邦題では『パンダのすごい世界』とされたこの映画ですが、まさに、パンダすごい、です。

誕生、成長、野生復帰。
これまで知らなかった生態。
想像以上に繊細で、そして多くの人の手によって守られている存在であること。
パンダが大好きな人々が世界中に大勢いて、それはまるで人間のアイドル級であること。

正直なところ私は、パンダの本音はどうなのだろう、人間のエゴではないだろうか、と考えてしまうこともありましたが(動物愛護あるあるですね)、パンダには”可愛い”以上のものがある、ということを知ることができました。

そしてさらに、心に残ったのは、隣に座っていた友人の姿です。
彼女は映画の間、ずっと涙ぐんでいました。

後で聞くと、実は涙を伴うほどの感動を感じている反面、不安もあったそうです。
私に対して、「パンダ好きでもないのに、退屈していないかな」と。

大好きなパンダを想う一方で、私のことを気にしていたのです。
その優しさに、グッときました。

映画のあと、カフェで感想を語り合いました。
彼女は「とても有意義な時間で、気持ちが満たされた」と喜んでくれ、私自身も「パンダでここまで色々考えることになるとは、貴重な体験だった」と、それぞれの想いを共有しました。

flyer movie パンダのすごい世界 チラシ
映画『パンダのすごい世界』チラシ/上野で配布されていたバージョン(画像クリックでPDF画面が開きます)

私は友人に、この体験をブログに残そうと思っていることを伝え、改めて尋ねました。
「あなたにとって、パンダの魅力って何?」

彼女からの回答は以下の内容でした。

・見た目の可愛さ
・いつも笑っているように見える
・人間が持っている嘘やエゴ、欲がない
・欲がない=“知足(足るを知る)”に通じる生き方
・持ち物は何もなく、ひたすら食べて出して寝るのシンプル生活
・パンダ特有のパンダ座りは人間みたいで親しみを感じる

そして、映画を見終わって改めて
「可愛い。知りたい。守りたい。
 自分にできることを、パンダやあらゆる動物のためにしていきたい。」

と感じたとのことでした。

ふと、私は思いました。
彼女にとってパンダは“可愛い動物”としてだけでなく、”理想の存在”でもあるのかもしれない。
だから涙があふれるし、守りたいと願うのだろか・・・

映画『パンダのすごい世界』は、確かに愛に満ちた作品でした。
けれど私にとって本当にすごかったのは、
好きなものを、ここまで好きでいられる人がいること。

加えて、その情熱を、自己満足せずに私という個人に気遣って、分かち合おうとしてくれることでした。
私はきっと、彼女がいなければこの映画を観なかったでしょう。
だから今こう思います。
パンダのすごい世界を教えてくれたのは、パンダそのものだけではなく、彼女だった、と。

Photos Panda love from Miki パンダ愛 写真
友人が送ってくれたパンダラブ❤︎写真

パンダを超えての私的な話になりますが、実は、彼女とここまで仲良くなったのは少し不思議なご縁です。

私の幼なじみのような存在であった同級生が結婚した相手が彼女でした。
私も同級生である彼も閖上という田舎町に生まれ、同じ幼稚園から高校までを共にし、彼も私も中高とバスケ部員(彼はプレイヤー、私はマネージャー)。
そんなわけで、もともとは彼と私が家族ぐるみで仲が良かったわけなのですが、高校を卒業してからの数年後、彼がピアノの教師をする彼女と結婚してから、幼少期から中学時代までピアノを習っていた私は、気づけば、私は彼女と語り合う時間の方がずっと増えていたのです。

もちろん彼女には、彼の存在がなければ出会うこともなかったでしょう。
彼女との20年以上の付き合い(彼とのことで言えば40年来)の中で生まれた、パンダ好きでもなかった私がパンダの映画を観に行き、パンダのことをきっかけにここまで深いことを考えることになったこのご縁は、回り道のようでいて、とても自然な流れだったのかもしれません。

映画パンダのすごい世界公式ホームページ:https://unpfilm.com/pandas/

映画『パンダのすごい世界』は、彼女と彼がいたからこそ出会えた映画でした。
縁というものは、本当に不思議で、ありがたいものですね。
今日も、あたたかい感謝の気持ちでいっぱいです。

いやはや、ここまでの気持ちにさせてくれた、パンダにも大感謝です。
人の心を、優しく豊かにしてくれる存在。
パンダ、本当にすごい・・・


あなたが
心優しくなれるのは
どんな時ですか?

優しいパンダ gentle panda