ノンフィクション 彼女が目覚めるその日まで

実話をもとにした感動の映画

邦題は「彼女が目覚めるその日まで
ある日、映画を観に行こうと思った時、このタイトルとアイキャッチ画像の印象は、若い男女のちょっとありがちな感動を誘う恋愛映画かな、でした。
なんとなく、その時はそういう気分ではなかったので、映画は観るつもりないけど、一応、予告編だけでも、と思いチェックしてみましたら、ありがちな恋愛映画でもなさそうで。

それで、原題を確認しましたら「Brain on Fire」なんです。
火の脳とか燃える脳ってことですね。
こっちの方がよっぽどしっくりくると感じました。
実話ということですし、結局、気になって観に行ったところ、非常に印象に残る映画となりました。

というわけで、今回も、脳つながりなのですが、脳に関わる病気と戦った女性と、その家族をはじめたとした彼女を支える人々の、実話にもとづく、衝撃的かつ感動的な映画について、ご紹介したいと思います。

さて、この映画、初めは書籍として出版されたものです。

2009年に「抗NMDA受容体脳炎」という病におかされた、ニューヨーク・ポスト紙の記者であるスザンナ・キャハランが、壮絶な闘病の日々を、医療記録や家族の日誌などから再現し、ノンフィクションとして発表しました。

それが、オスカー女優シャリーズ・セロンのプロデュースによって映画化され、日本では2016年に公開されました。

脳炎:脳内に白血球が入り込んで炎症を起こし、脳が害される病気。寄生虫といった病原体が脳に感染して起こる「感染性脳炎」と、自己免疫によって起こる「自己免疫性(免疫介在性)脳炎」とがあります。

抗NMDA受容体脳炎:自己免疫性脳炎で、若年女性に好発し、発症初期に不安、抑うつ、幻覚妄想などの精神症状を呈することが特徴であり、その後は意識障害、不随意運動(運動異常)、けいれん発作、中枢性低換気(呼吸障害)と重篤な経過をとることを特徴とする脳炎。

古い映画に「エクソシスト」という、悪魔に取り憑かれた少女のホラー映画がありますが、その主人公のモデルになった実在の少年が、実は、スザンナさんがかかった病気の典型的な症例だったと指摘されているのだそうです。
21世紀に入るまでは、精神の病や悪魔憑きと判定され、正しい治療を受けることが難しい病気だったとのこと。

スザンナさんも、発症した時は、医師からも原因不明と見放され、家族や恋人とともに、苦しい日々を送ることになります。

しかし、目覚めぬ娘を信じ続けた両親、絶対にあきらめないと誓った恋人、彼らに突き動かされた医師たちの、献身的な愛によって、希望の道が開かれることとなるのでした。

壮絶な物語なので、こんな現実があるのかと、思い知らされます。
スザンナさんを演じた女優クロエ・グレース・モレッツの迫真の演技も素晴らしく、ゆえに、観ていて辛くもなる一方、完全に引き込まれます。

胸が痛むシーンも多いですが、これは愛の物語です。
両親は離婚しそれぞれの生活があるにも関わらず、自分たちの娘のために力をあわせる姿、頼りない医師がいる一方で、患者のために必死になってくれる医師がいること、彼女が変わり果てても、耐え忍ぶ恋人や友人達。
そんなあたたかい愛に、感動します。

ちなみに、映画のエンディングではスザンナさん本人の写真も出てきます。
ご覧になるのであれば、是非、最後の最後まで♪

あなたも愛の映画で
癒されてみませんか?

脳に棲(す)む魔物 【本】

スザンナさんが執筆した原作です。
記者というだけあって、描写が細かいです。
ページ数も結構あるので、本が苦手な人にはきついかもしれませんが、
とても興味深い内容なので、本好きにはあっという間かもしれません。

できることをコツコツと

東北のパイオニア “テルえもん”こと小原照記氏


今、この不安定なご時世で、焦りがちになったり、目先の利益に目がくらむ人や、何か大事なことを見失いかけている人がいるような気がしています。

コロナのせい、誰かのせいと、自分の正当性ばかり主張するようなことをしていたら、得があるどころか、信頼を得られない人になってしまいます。

しかも、そういった発言をする人は不安な情報にばかり目が行きやすくなり、嫉妬や批判的な気持ち、怒りなど、ネガティブな感情に支配され、その人自身の精神衛生上も全くよくありませんし、周りの空気も悪くなるばかりで、人も離れていってしまいます。

しんどい思いをしているのは、みんな一緒。
こういう状況の中で、現状を少しでもよい方向、明るい方向にもっていくには、自分には何ができるかを考えるのが賢明だと思います。
人を責めたり、嘆いたりするようなことに時間を割くのではなくて。
被害者意識も手放して、人を変えることより、自分自身が変わること。

そこで今回は、この世情にあって、決してぶれることなく、自分が今できること、これからできることを真摯に考え、行動にあたっている、小原照記(おばらてるき)さんをご紹介したいと思います。

小原さんは、いわてデジタルエンジニア育成センターのセンター長でいらっしゃいます。
地元・岩手を元気にしようと、ご自身の得意な分野で、ご活躍されています。

小原さんの得意な、というか多分、愛してやまない分野、それは、ここ数年、私も注目している、3次元技術です。
3次元CADを中核として、デジタルものづくりエンジニアの人材育成、企業のサポート・導入の支援に尽力されていて、私が考える3D技術分野における活動の理想形を実現されている、まさに、師匠的存在です。

私は、昨年、前職を辞める直前に、小原さんに私の職場までお越しいただき、また、辞めた後は、私が、小原さんが所長を務めるいわてデジタルエンジニア育成センターを訪問させていただきました。

小原さんは、単に3D技術の分野でその能力を活かしているというだけではなく、その心意気が素敵なんです。
常に、どうしたら人の役に立てるか、を考えていて、とっても心があたたかいかたです。

下記の「きたかみ仕事人図鑑」というウェブサイトの記事に、小原さんがコロナに挑んだ活動の様子が記載されていますので、是非、ご覧になってみてください。

また、当HPのリンクのページにも、小原さんのHPへのリンクを置かせていただくことをご許可いただきました。
小原さんは、HPも数種類お持ちなんですが、その全てが美しく、わかりやすくまとめれらていて、本当に尊敬します。

私も、自分の好きなCADや3D技術の分野で手に職を付け、社会の役に立つこと、一生働き続けることと、あわせて、ボランティアも含め、自分の好きな世界を回らせるための資金源にすることが目標です。
コロナだとか、経験不足な点とか、色々壁はありますが、一度きりの人生ですので、諦めずにやっていこうと思います。

あなたの今できることは
なんでしょう?


関連記事
いわてデジタルエンジニア育成センター訪問記

正義ってなに

立ち止まって自分を省みる必要性


昨日、訓練所の再開を喜びましたが、色々揉めていて、今日は、悲しくなり、疲れてしまいました・・・

私は、今をこうやって生かされているだけで、十分なんだけど・・・

というわけで、今日は、活力が出ないので、現在のスマイルポットの写真をアップするのみで・・・

お花、アレンジしていただいて、まもなく1週間ですが、こんなに綺麗です♪

毎日、「綺麗だね〜、可愛いね〜」って話しかけながら、お花の栄養剤をといたお水を霧吹きで吹きかけてます。

ポットのお肌がフワモコで気持ちいいので、なでなでして、癒されてます。

そして、ピアノは、やはり飾り台と化してます・・・

訓練再開☆

雨にもコロナにも負けず


数日前までの夏日に打って変わって、また寒くなって、今日も冷たい雨でしたね。
コロナといい、昨今の気候といい、現代人に対しての、何か、宇宙からの警笛なんではないだろうか、と思ったりもします。

ところで、現在、私は、職業訓練校へ通っています。
受講科はCAD・NCオペレーション科です。

私は、以前の職場で、事務職の傍ら、3Dプリンター等の機器を扱うこともあり、それがとても面白かったので、それらの知識と技能をさらに深め、手に職をつけて、人生100年時代と言われるこれからを生き抜ける人材になりたいと考えました。

それで今に至るのですが、新型コロナウィルスによって、しばらく授業も休講となっていました。
突然の休講のお知らせでしたので、その時はショックも受けましたが、それで家時間ができたことにより、私は、このウェブサイトを独学によって、立ち上げることができましたので、これはこれで、とても良い機会になったと思っています。

と、そんな状況でしたが、先日の「緊急事態宣言39県の解除」を受けて、ようやく、今日から訓練再開となり、クラスメートや先生方と、再会できました♪

ですが、色々、ありますね。
授業が延長できないだの、出席日数が修了と認められる日数を満たさないだの、揉め揉めしていて、私自身も腑に落ちないと感じてしまうような点もあったりしますが、世の中には、見えないところで相当な苦しみを負っている人もいるはず、そう思うと、あとは、ことが静かに収まるのを願うばかりです。

さて、先ほど、受講しているのはCAD・NCオペレーション科だと書きました。
「CAD・NCオペレーション」わかる人にはわかっても、わからない人にはさっぱりわからないですよね。

CADは Computer Aided Design(コンピュータ・エイデッド・デザイン)の略で、コンピュータ支援設計
NCNumerical Control(ニューメリクル・コントロール)の略で、機械制御のことを言います。
オペレーションは、機械などの運転操作のことを言います。

と言っても、やっぱり、わかりづらいと思いますので、もっと簡単に一言でまとめると、「従来の職人の技術と現代のハイテク技術を持ってする、ものづくりをする上での設計から加工をすること」という感じでしょうか。

この辺は、もう少し説明が必要だと思いますので、今回は置いておきますが、個人的には、これもアート(芸術・美術)の一種という感覚があって、興味を抱いている分野でありました。

今は、その学びを深めることができることを、とても嬉しく思っています。

これまで、脳に関する投稿をいくつかしてきましたが、人の脳というのは、何歳からでも新しいことを学び、身に付けることは十分に可能と言われていますし、私も、そう信じています。

色々あるご時世ではありますが、こうやって学べる機会が持てることに感謝し、いつまでも学ぶ心を忘れずに生きていこう、そう改めて思った本日でした。

あなたは何を学んでいる時が
楽しいですか?

テンダー・ラブ tender love

日野原重明先生の愛すべき名著


先日投稿した「ナラティブ 〜物語〜 について考える」で日野原重明先生について、少し取り上げました。

日野原先生は、内科医として、早くから予防医学の重要性を指摘し、終末期医療の普及、医学・看護に尽力し、「習慣病」という言葉を生み出すなど、常に医学の先端を走ってきました。

先端を走り続けると、ともすると、その名誉にかられ、人として大事なことを忘れてしまう危うさもありますが、日野原先生は「人間が人間を愛したり尊敬したりするあたりまえの心を狂わせてはならない」と愛を訴える、心あたたかな医師として、多くの人々に慕われました。

※終末期医療(ターミナルケア):病気などで余命がわずかになった人に行う医療的ケアのこと
※習慣病:食事や運動、喫煙、飲酒、ストレスなどの生活習慣が深く関与し、発症の原因となる疾患の総称

今回は、その日野原先生が書かれた名著より、私が大好きな、心があたたかくなる一冊の本をご紹介します。

「テンダー・ラブ―それは愛の最高の表現です。」日野原重明(著) ユーリーグ

テンダー・ラブ―それは愛の最高の表現です。」という本です。

2004年に発刊された本で、新しくはありませんが、これは、何年先までも読まれてしかるべき本だと思います。

先にも述べました通り、日野原先生は医学の先端をゆく人であるにも関わらず、人にとって最も大切なものは愛であると説いたかたです。

tender love(テンダー・ラブ)
直訳して、やさしい愛。
そう名付けられた本では、日野原先生は、ただただ愛を語ります。


この本で、日野原先生が「はじめに」の部分で述べられていることを抜粋にて、紹介させていただきます。

93歳の誕生日を迎えるにあたり、若いときには思いもしなかった長寿への感謝の心を、私の「愛の証(あかし)」を持って読者のみなさまにお伝えできることを、この上もない喜びと思っています。

私は、私が人々に与えたよりも、もっと多くを人から学び、癒しの技の職業につきながら、癒しを与えるよりも病む方から多くのものを学んできました。そしてまた、何と多くの愛を、私が接してきた多くの方々から、また私の尊敬する人たちから、さらに小説や劇、詩や音楽からも与えられてきたことでしょう。

私が辿(たど)ってきた人生のなかでもっとも大切な、愛。それが、すべての人にもそうであることを信じて、私はこの愛の証を2か月間で書き下ろしました。その資料は、私が愛を感じ始めた幼い頃から、そして90歳を超えたいまでも感じることを記した、私の心のノートから集めました。

これから人生が始まることに気づく若者、
大人になったが目標がない方、
中年期の仕事に疲れて愛を見失っている人、
長い病の床にある人、

愛する人を失った方、
これから老いに向かう人、
老いを乗り越えて第三の人生を創めようとする“新老人”の方々、
「緩和期がん」のケアを受けられている方々とそのご家族たちに。

その愛の結晶に「テンダー・ラブ tender love」と名付け、この本をみなさまに捧げたいと思います。恕(ゆる)しに裏付けられた、この愛の心こそが、地上の平和をつくる力となることを切に希(ねが)っています。

どんな内容なのか、もう少し具体的にお分りいただけるように、各章のタイトルもご紹介しますね。

第1章
訣(わか)れのときでさえ、
人は、愛を交わすことができます。

第2章
愛とは、誰かの心に
希望の灯(ひ)をともすことです。

第3章
恋するハプニングが愛を生み、
他人を受け入れることで愛は育ちます。

第4章
誰もみな孤独であってはなりません。
だから、愛を示し合うのです。

第5章
人はいつも、何と多くの愛を
与えられていることでしょう。

日野原先生が接してきた患者さんからのお手紙や、日野原先生自身が感銘を受けた人々の言葉について、いくつか引用されていたりもするのですが、それらも含め、すべてに、胸を打たれます。

この本についても、ご紹介したい部分がたくさんあるのですが、少しでも気になったかたは、とても読みやすい本なので、ご自身で手に取られるのが一番かと思います。
ただ、もう、中古しか見つからないかも・・・

リクエストがあるような時は、またの機会に、一部だけでもご紹介したいと思います。

関連記事
ナラティブ 〜物語〜 について考える/エビデンス(科学的根拠)とナラティブ(物語と対話)
愛とは、誰かの心に 希望の灯をともすこと/心に留めておきたい、愛の医師 日野原重明先生からのメッセージ


あなたにとっての
やさしい愛は
見つかりましたか?

久々の献血

誰かの命と自分のために


私は、以前は、献血が趣味みたいなもので、1・2ヵ月に1回は、ほぼ必ず、行くようにしていました。
しかし、ここ数年は、これまで書いてきましたように、他の趣味同様、気持ち的にも体力的にも余裕がなく、献血にも全く行かないでおりました。

でしたが、本日、久々に、献血ルームへ行って参りました♪

杜の都献血ルームAOBA 左手の写真は建物入り口、右手は建物内の献血ルーム入り口

かなり久々だったので、献血することができるか、ちょっと不安だったのですが、事前検査時、看護師さんからは、
「前回から随分経ってるみたいだけど、今まで80回以上、ありがとうございます
血液の状態も、これまでも良かったけど、今回もとても良い数値なので、今日もよろしくお願いしますね!」
と、明るく元気に言われて、嬉しくなっちゃいました♪

私は今日で、84回目でしたが、世の中には、100回以上という人がざらにいますので、私などは、まだまだです。

というわけで、献血、頻繁に行くかたもいらっしゃるとは思うのですが、逆に、献血なんて怖い、とか、興味はあるけど行ったことなくて・・・というかたもいらっしゃるかと思いますので、簡単に、献血の種類と流れなどについて、ご紹介しますね。

なお、次回の献血まで開けなければならない間隔や年間の可能回数なども、種類によって異なります。
詳細は、日本赤十字社のページをご参照ください。

血の巡りの良い人とそうでない人、その時の体の状態などで、献血時間にも差がでます。
私は、献血の最中、血の巡りが良くなるよう、意識して腹式呼吸をしたりしていますが、血液のポンプの働きがイマイチの時は、看護師さんからホカロンを渡されたり、手をにぎにぎする道具を渡されることもあります。

ちなみに、今日、私は400ml献血をしました。
時間的にはこんな感じでした。

今日は、たまたま私が行った時は人が少なくて、待ち時間もほとんどなく、全てがスムーズに流れましたので、だいぶ早かったです。混み合っている時や、成分献血となると、倍以上かかることもあります。

私は、子供の頃は体が弱く、頻繁に病院に通っていたため、変に注射慣れしていました。
なので、献血も、全く苦にならないんです。針刺されるのがちょっと快感なくらい・・・ヤバイ人ですね(苦笑)

献血は、検査のための採血と、献血としての採血で、1日で左右両方の腕に針を刺されることになりますが、これも慣れかなと思います。
どうしても献血中は違和感あることが多いと思いますが、針刺さってますし、血が巡ってますしで、仕方ないです。
これで、新しい血液が生成されることになりますし、私は、生きてるってことを実感する時間にしています。
でも、よっぽど痛い時などは、看護師さんに言った方が良いですので、無理しませんように。

もしまだ行ったことないけど、自分も役に立てるならやってみたいと思われるかたは、是非、チャレンジしてみてくださいね。
誰でもできるボランティアです。きっと、心も清々しくなると思います♪

また、複数回献血クラブという会員システムがあって、会員として登録すると、ポイント数に応じてプレゼントがもらえたり、ネットで自分のこれまでの献血履歴や、血液のデータなど確認できます。これも時代とともに、どんどん良いシステムになってます♪
自分の健康状態の把握にも役立ちます。特に、コレステロール値とかもわかるので、自分の戒めにも良いです。


なお、仙台には、献血ルームは杜の都献血ルームAOBA献血ルームアエル20の2カ所あります。


以上、繰り返しではありますが、献血についての詳細は、日本赤十字社のホームページに掲載されていますので、ご参考になさってみてください。


あなたの血液力は
いかほどでしょう?

ナラティブ 〜物語〜 について考える

エビデンス(科学的根拠)とナラティブ(物語と対話)


少し固そうなタイトルになりましたが、今回は、臨床美術に興味ある人はもちろん、介護関係のお仕事や、心のケアについて考えているかた、そして、日常において人とコミュニケーションを取る上で、どなたにとっても参考になるであろう、ナラティブ・アプローチについて取り上げます。

昨日の記事に、エビデンスという言葉を使いました。研究者や医療従事者などは知ってて当たり前の言葉で、近年では様々な場面でも使われる言葉となってきましたが、まだまだ一般的な日本人には馴染みがない言葉かと思います。

おそらく、日常的な場面では、例えば、テレビの健康番組でゲストのお医者さんが「これはエビデンスに基づいて・・・」とか、「今はこういうエビデンスの統計が出ていて・・・」といったかんじで言うのを、耳にすることがあるかと思います。
エビデンス(根拠・証拠)」は医学分野に限って使う言葉ではないですが、こう言った場合の「エビデンス」とは「科学的根拠」のことを言います。

例えば、私たちが頭痛薬を買う時、もし「この薬は、なんとなく頭痛に効きそうな気がすると思った成分で作りました」なんて製品だったら、不安で買いたくないですよね?「なんとなく」なんて言われたら。
薬が開発されるにはしっかりとした研究があり、様々な実験や統計といった科学的な根拠があって、安心して使える製品として出されるわけです。

私は、医療研究機関に勤めてましたので、その時には、しょっちゅう、エビデンスという言葉に触れていました。
それと共に「EBM」という言葉も。

EBM」は「Evidence Based Medicine(エビデンス・ベイスト・メディスン)」の略で、訳して「科学的根拠に基づく医療」となります。

「Sackett(サケット氏/カナダのEBMの父と言われた医師)らは、EBM個々の患者のケアに関わる意識を決定するために、最新かつ最良の根拠(エビデンス)を、一貫性を持って、明示的な態度で、思慮深く用いることと定義している。」

これは、内科医 斎藤清二氏による「医療におけるナラティブとエビデンス 対立から調和へ」という本からの抜粋です。

さてここで、本のタイトルに「ナラティブ」という言葉が出てきましたが、「ナラティブ」とは日本語では「物語」や「対話」のことを言います。

そして、EBMという概念がある一方、NBMという考え方があり、それは「Narrative Based Medicine(ナラティブ・ベイスト・メディスン)」の略で、訳して「物語と対話に基づく医療」となります。

ところで、上記の本は、医療従事者向けに書かれた本です。
エビデンスEBMと共に、ナラティブNBMについては、医師や看護師といった医療を学ぶ人は必ず学習することになるのだそうです。

しかし、私が医療研究機関に勤めてた時、エビデンスEBMはあっても、ナラティブNBMに触れることがほとんどありませんでした。(もちろん、この言葉が使われている現場もある、ということを付記しておきます。)
私が初めてナラティブNBMという言葉を知ったのは、臨床美術士4級取得のための講座によってでした。

臨床美術士として患者さんや人と接する時、その人自身の生きた背景をストーリー(ナラティブ)にしてトータルで見ていくことが大切である。科学的な分析ももちろん重要ではあるが、それだけではならないのだ、ということを、授業で学んだのでした。

この時の授業がとても私の胸に刺さるものがあって、その後、さらにナラティブに関しての知識を深めたいと調べたところ、医師 日野原重明氏による素敵な言葉を見つけました。

「医学というのは、知識とバイオテクノロジーを固有の価値観を持った患者一人ひとりに如何に適切に対応するかということである。
ピアノタッチにも似た繊細なタッチが求められる。知と技を如何に患者にタッチするかという適応と技がアートである。
その意味で医師には人間性とか感性が求められる。」

これは、EBMNBMの両立を意味します。


日野原重明先生は、内科医で、著書も数冊出されており、テレビなどでもよく取り上げられ、愛を持って医療にあたった人として有名です。多くの人が惜しむ中、2017年に105歳という年齢でその生涯を閉じた、ヒーローです。

当時、医療研究機関に勤めていた私は、次第にこう思うようになりました。

医学界では、エビデンス・ベイスト・メディスン(EBM)ナラティブ・ベイスト・メディスン(NBM)は、臨床においての「両輪」と言われるのに、なぜ、私の職場ではエビデンスばかりでナラティブは全然耳にしないのだろう?
重要視されるのは科学的根拠ばかりで、患者さんやその周りにある物語がないがしろにされているのではないか?
研究って、なんのためにされてるの? 患者さんのためなの? 名誉の為なの?

※臨床:病床に臨んで診療すること。病人を診察・治療すること。

ナラティブという言葉に出会ったことで、臨床美術において大切にする、物語対話による寄り添い、そして、「今ここ」という概念や「いてくれてありがとう」の精神が、私の心の拠り所となっていったのでした。

そしてこれは、臨床美術士だとか専門的な活動をする人のみならず、誰もが頭の片隅に置いておくと、普段から人の心に寄り添って接するための、手がかりになるものと思いますので、また今後も取り上げたいと思います。

※臨床美術士(クリニカルアーティスト):芸術的手法、コミュニケーション術、多様性を享受するマインドなど、臨床美術に必要な知識と技能を体系的に学び、臨床美術のアートプログラムの実践に取り組む。医療従事者ではありません。


あなたはどんな物語を
お持ちですか?

医療におけるナラティブとエビデンス 改訂版──対立から調和へ

一流の頭脳 !?

運動が脳に及ぼす影響を説いた本


新型コロナも一応の収束に向かってはいますが、外出自粛が続いて、ちゃんと意識しないと、体が運動不足になる一方ですね。

今回も、脳に関わるお話ではあるのですが、ここまで、芸術とか、どちらかというとインドア的なお話を綴ってきましたので、そろそろ、人間にとって大事な活動の一つである、運動についても考えようと思います。

そこでご紹介するのは、スェーデンの精神科医 アンダース・ハンセン氏(御船由美子氏訳)による「一流の頭脳」という本です。
スウェーデンでは発売前から話題だったそうで大ベストセラーとなり、日本では2018年に出版され、ベストセラーとなりました。

この本のタイトルについては、スェーデン語だと全くわからないので、そこは置いておいて、英語では「BRAIN -How To Train Your Brain According To Best And Latest Neuroscience-」とされており、直訳して「脳 -最良かつ最新の神経科学によって脳を訓練する方法-」といった感じです。

タイトルと表紙のイメージでは、頭をよくするための勉強法でも書かれているのかと思ってしまいますが、さにあらず 。

運動が脳にあたえる影響を紹介した本で、脳にとって最も大切なことは運動することだ!ということを延々と述べられています。
なので、私もそうなんですけど、運動が得意ではない人にとっては、ちょっとキツイ内容ではあるかもしれません。

逆に、普段からよく運動をする人には朗報ですし、確かに!と納得することも多いと思います。

運動がストレスを取り払うことに効果的、ということは誰もが知っていることだとは思いますが、この本では、そういったことに始まり、そして、簡単にまとめると、効率よく学習するには、まず運動。楽器を弾いたり、芸術的な創造性を高めるにも、まず運動。普段からよく運動することが、脳の機能を高め、あらゆることに効果的、しかも脳の老化に歯止めをかけるということが書かれています。
言い方を変えると、頭良くなりたいなら運動しよう、ヒラメキを得たいなら運動しようということのようです。

また、この本に書かれていることで、へーっと思ったのは、「『脳トレ』では頭はよくならない」というお話でした。

「コンピューターゲームやアプリが提供する様々な認知トレーニングは、確かにゲームそのものは上達しても、とくに知能が高くなったり、集中力や創造性が改善されたり、あるいは記憶力が向上したりといった効果はないことがわかったのである。単に、そのゲームがうまくなるだけだ。」

これはクロスワードパズルなども同様で、パズルが得意になるだけで、それ以上の効果はない、とのこと。

だそうですが、私は、頭はよくならないにしても、何もしないよりはいいでしょう?と思うので、否定的にならなくて良いと考えています。
何事も、ものは考えようですし、エビデンス、エビデンス言っても、なんでもいろんな説がありますから、自分が納得できることを、自分の生活に良い形で取り込むのが一番かと思いますので。

※エビデンス:evidence/証拠、根拠、裏付け、科学的根拠
(科学者がよく使う言葉ですが、確かに大事なことではあるんですけど、個人的には、エビデンスだけではわからないことも世にはたくさんあるでしょーと言いたい時もあります…)

運動をすることが心身に良いことはわかっていることだし、加えて頭も良くなるのであれば、やっぱり運動しようという気持ちになりますね。

ところで、運動がなぜ脳の機能をアップさせるのに効果的なのか。
その辺の理由など、個人的に興味深いと感じた点については、またの機会に書きたいと思います。


あなたは運動の効果
どう感じますか?

一流の頭脳 [ アンダース・ハンセン ]

サイトロゴ(アイコン)を作りました☆

イメージぴったりの、お花のアレンジメント♪


このサイトのイメージに合う、ロゴ(アイコン)的なマークを作りたいな〜・・・
自分で撮った写真を使いたいけど、何を撮ろう・・・?

そう考えていたある日、お花のインターネットショップを眺めていましたら、スマイリーの花器を発見しました。

かわいい♪
モコモコした素材があたたかみを感じさせるし、白色っていうのがシンプルで花の美しさが際立ちそう♫
これを使ってロゴを作ろう!!


早速オアシスなどと共に購入しました。


花材通販はなどんやアソシエさんにて購入。
丁寧な包装、かつ迅速に対応してくださり、感謝です☆

それで、当初は、自分でアレンジすることも考えたのですが、それだとちょっと不安だし、やっぱり最初だし、プロのお花屋さんにお任せしよう、と思いました。

そこで、ご相談したのは、近所のお花屋、レヴェルベールさんです。

外出するとよく通る道沿いにあるので、店先に並ぶ美しい花々に、いつも心を癒されていました。
是非とも、ここ、レヴェルベールさんにお願いしたい♪
花器が届く前に、もう、そう決めていました。
そして、いよいよ昨日、届いたふわふわスマイルポットと共に、相談しに行きました。

私のホームページ名称とイメージ、この花器を使ってアイコンを作りたいとお伝えし、あとはほとんどお任せ。

そして、本日、出来上がってきたのは、こちらです☆

わーい、すごーい、イメージ通り!可愛すぎる〜♡
気持ちが和んで、思わず微笑んでしまうアレンジメント♫

早速、アイコンにも設定しました♪


イメージを伝えただけで、お任せしますーって無理を言ったにもかかわらず、とっても素敵にアレンジしてくださって、レヴェルベールさん、本当にありがとうございました。

ちなみに、レヴェルベールさんについてですが、いただきましたご案内カードによると、

「『レヴェルベール』とは『街路灯』のこと。ほのかでやわらかい灯りのようにただ、そこにあるだけで心をやさしくしてくれる、そんなお花たちを、みなさまに。」

とのこと。
どうりで、いつも、そこを通るたびに和まされるわけでした。

レヴェルベール 仙台のお花屋さん
営業:10:00〜18:30(日曜定休・臨時営業あり)
住所:仙台市青葉区木町通1丁目6−21パークサイド木町1F
TEL:022−722−3875
FAX:022−722−3876


あなたはどんなお花に
心がやさしくなりますか?

私のピアノ人生

再びピアノが弾けるようになりたい・・・


私の趣味の一つに、音楽を聴くこと、があります。ジャンルは、幅広いです。
演歌や、ジャニーズなどのコテコテのジャパニーズポップスは苦手ですが、それ以外は割となんでも聴きます。

多分、小さい時から音楽に触れていたというのが、理由の一つかと思います。

まずは父の影響です。私の父は、若い頃バンドマンだったため、アコギ、エレキといったギターを数本持っており、私が生まれた後も、よく弾いていたこと、なんらかの音楽のレコードやカセットテープ、CDを常に流していたこと、家でも車でも音楽プレーヤーから流れる音にはちょっとだけこだわっていたことなど。

また、私は、幼稚園の頃にオルガン、小学からはピアノを習わされたこともあり、練習は嫌いでしたが、学校の授業も含め、音楽は好きでした。

小さい時からピアノのレコードを暗い部屋で一人で聴く、なんてことも好きでしてましたが、ピアノのレッスンに通うことについては、中学くらいの時には嫌になってきていました。
そして、一般的によくあることだと思いますが、受験勉強しなきゃ、を理由に辞めました。正直、こじつけ、なんですけど。

それでも、家にピアノはありましたので、気が向いた時は弾いていました。
たまにのことなので、上達はせず、下手になる一方でしたが、弾けなくなることはありませんでした。

高校卒業後は、初めての一人暮らしの狭いアパートにはピアノはありませんでしたが、幼児教育科に進みましたので、保母(現在の保育士)資格を取るための必修として、ピアノの単元がありました。
そのため、学校でピアノの練習ができましたし、先生のレッスンも受け、最終的にクラスメート全員の前での発表会もあったので、再びそれなりに弾けるようになりました。

でも、私のピアノ人生は、そこまででした。
保育士資格は持っていますが、その仕事にはついていませんので、もう弾くことはなくなりましたし、実家にあったピアノも、20代前半の頃、手放しました。
(2022年追記:このブログを書いたのはフリーで生きていくことも視野にいた時で思いもよりませんでしたが、不思議なものでご縁があって、この数ヶ月後に保育園で働くこととなりました)

だったのですが。
自分の人生を無駄にしたくないと考えるようになった時のことは先にも書いた通りで、その時、心に浮かんだのは、美術のほかに、ピアノがありました。

またピアノを弾きたい!
一念発起して、安くはない、アコースティックピアノとタッチがほとんど変わらない鍵盤が木製の、電子ピアノを購入しました。

そして、20年近くぶりで弾くと、どうだと思いますか?
・・・弾けませんでした。
体が覚えてるかなーなんて甘い気持ちでいたのですが、泣きたくなるくらい、残念な結果でした。

ちなみに、ピアノの上に飾っているのは、私の親友、美希ちゃんが運営するピアノ・エレクトーン教室の、これまでの発表会の思い出です。
(プライバシー保護のため、ぼかしています。)
美希ちゃんは、子ども達のピアノに向き合う気持ちを大切にしている、とっても素敵な先生です。

毎回、発表会のプログラム製作を手伝わせていただいているのですが、そのお礼にと、終了後、美希ちゃんが私にプレゼントしてくれたメッセージ付きの写真達。
この思い出のお品は、私の心をいつも和ませてくれます。
今年は、記念すべき開講10回の年でしたが、コロナのため、それもお預け。でも、来年こそは行われるであろう発表会を、私も心から楽しみにしています♪

そして、今はただの飾り台になってしまっている私のピアノ・・・
私は、またピアノを弾けるようになるのか?
今後、綴っていこうと思います。


あなたの生活には
音楽、ありますか?


でも、弾けなくなったピアノに悲しむ私を励ましてくれる、一冊の本があるんです。
春畑(はるはた)セロリ氏の「ピアノのお悩み解決クリニック 練習向上編
こちらについては、また改めてご紹介いたします。