親友との再会

生かされてきたことに改めて感謝した日


今日、高校卒業以来の、一人の友人に会うことができました。
私にとっての高校卒業以来、それは、20年以上振りで会ったということです。

久しぶりすぎるようでいても、私の高校時代は充実した濃厚な青春時代だったので、細かいことは忘れているものの、ある部分では非常に鮮明で、忘れ難い思い出なのです。
なので、今日、その友人との再会を迎えるまでは、まるで昔の恋人にでも会うような、ちょっとしたドキドキ感があったわけですが、いざ会ったその瞬間、もちろん大感動!
でもそれ以上に感じたのは、何年ものブランクを感じさせない、何とも言えぬ安心感でした。

彼女は、現在、横浜暮らし。
その彼女と再び連絡が取れるようになったのは、今年(2021年)4月のことです。
やたらめったら不必要に人と繋がる必要はないと思っている私ですが、このサイトを開設してからは、FacebookとInstagramもある程度は活用していまして、そしてこのコロナ禍、同じく必要に迫られた部分もあってSNSを使うようになった彼女が私を見つけてくれたのがきっかけです。
(やたらめったら繋がりたくなくても、SNSというものには、「繋がりたい」と思える人との出会いにも恩恵があるのは事実ですね)

彼女のご実家の事情でこの7月に数日だけ仙台に帰ってくるという連絡を受け、今日、何年以上も振りで再会したのです。
今日は彼女が横浜に戻る日ということで、会ったのはランチタイムの仙台駅新幹線改札付近。
彼女は私をすぐに見つけてくれました。
「変わってない!!」
嬉しいお言葉。
でも、あんたも変わってないよ!
高校卒業以来とは思えない、安心感。

今日は、これしか載せる写真がありませんが・・・
仙台駅3階の利久のイタリアン CUCINAで美食と共に友人との再会を味わいました♪

私は、本当に高校時代の友人たちには恵まれていて、彼女も当時からリスペクトできる親友の一人。
懐かしい話はもちろん楽しく、そしてそれ以上にこの再会で得た収穫は、紛れもなく互いの現在のあり方と抱えている想いです。

彼女は、高校卒業後、しっかり先を見据え、手に職をつけると言って歯科衛生士となり、それで生計を立てる傍ら、聖書を拠り所とした教育活動をライフワークとして続けているのです。

私は勝手に、彼女は、歯科衛生士の仕事と、聖書教育の両方で収入を得ているのだろうと思い込んでいたのですが、実は、現在の収入源はパート勤務としての歯科衛生士のお仕事のみで、あとは完全にボランティアだとうことを、今日、聞きました。

自分を貫いているな。

彼女の話を聞いていてそう思いました。

私にとって、共通する過去を持つ友人との思い出話はもちろん楽しいですが、それ以上に興味深く感じることができるのは、やはり、現在はどうであるかということと、そしてこの先どうなりたいかという「希望」の話に他なりません。

だって、私たちは生かされているのだから。
この命を無駄にしないように、有意義に生きていかねば。

そう、改めて思えた、当たり前の毎日の中の、とても貴重な今日。

生かしていただいていることに、感謝します。ありがとうございます。
私は、だから、明日からも生きていきたいと思えるし、生きていけるのだ。

そう深く思えた、日常の一コマでした。


あなたにとって
安心できる存在とは
何ですか?

遠距離結婚を貫いた画家と美容師 その2

ずっと秘密にされてきた二人の馴れ初め


前回「遠距離結婚を貫いた画家と美容師 その1」を書いてから、だいぶ経ってしまいました。
続きを気にかけてくださっていた方々、ありがとうございます。大変お待たせいたしました。

宮城県仙台市のお隣、名取市の港町「閖上(ゆりあげ)」で、宮大工を親に持つ3人兄妹の末っ子として生まれ、おしんのような経験を経て美容師になった私の祖母は、その気質はある意味では特殊だったのですが、私にとっては尊敬に値し、大好きでした。

現在の静かな閖上の港。昔はもっと活気があった。

そんな祖母と、画家だった祖父の、ちょっとユニークな関係。
遠距離結婚を貫いた画家と美容師 その1」の続きを書きますね。

若かりし私の祖母は、昭和初期の仙台の街中で、ある青年と出会いました。
駅舎の前で、一人、キャンバスに向かって絵を描く青年。
小さい頃はよく地面に絵を描いて遊んだり、絵日記をつけたり、自身も絵画が好きだったという祖母は、その青年の姿に見入ったそうです。
「この人の絵、好きだなぁ」そう思った祖母は、自ら青年に声をかけたのでした。
それが、祖母にとっての運命の相手、私の祖父というわけです。

実は、この祖父母の出会いについては、祖母が亡くなる2年くらい前に私が祖母から聞かされたことで、それまでは誰にも明かされてきませんでした。
亡くなった私の父も生前「親父とお袋の馴れ初めを聞いても教えてくれない」と言っていましたし、母や叔母はもちろん皆が「馴れ初めは絶対秘密だって、誰も知らないんだ」と言っていました。
わかっているのは、7割型が「お見合い結婚」だった昭和初期の時代に、私の祖父母は「恋愛結婚」だったということだけ。
だからこそ、祖父母の馴れ初めについては、皆がとても知りたがっていることでした。

それで何度となく私も、秘密にされているらしいということを知らないふりをして「どんな出会いだったの?」と祖母に聞いてみたのですが、やはり「内緒」と、笑顔でかわされていました。
その時の可愛らしい笑顔から察するに、二人だけの大切な秘密にしておきたいのだろうなと思っていました。

ところが、ある日、なんとなくおしゃべりしていたら、祖母の方から、祖父との出会いについて話しだしたのです。
図らずも、誰にも明かされないできたことを聞かせてもらえたこと、しかも、仙台の街中で祖母の方から祖父に話しかけたのがきっかけだったとは、驚きました。

手前味噌ながら、私の祖父は、若い頃、スポーツも万能で、まあまあなイケメンでした。
対して、祖母は、見た目、特別美人とは言えない、それほどパッとしないような、普通な女子でした。
写真を見た限りそうでしたし、私の親たちもそう言っていました。
だから尚更、血縁者たちはそんな二人の馴れ初めが気になっていたわけですが、まさか、祖母から声をかけていたとは・・・

さて、若かりし祖父母の、その出会いと会話から、文通によるお付き合いが始まったのだそうです。
祖父は、風景画を基本とするため、あちこちに出向きます。それに、画家として成功することを目指してもそれだけでは食べて行くのは難しいので、画業以外の様々な職業を経て(ちなみに戦時中は兵器を作る会社で働いていたので徴兵されずに済んだとのこと)、一定にとどまるような人ではなかったし、現代のように電話も気軽にできない時代、文通によって心の距離を縮めたようです。

宮城県古川市の生まれで、両親は離婚し、実の母には連れ合いがいたのだけど、複雑な心境の中で育ち、その中で絵が心のよりどころとなった祖父に、優しく寄り添ったのが祖母だったのでしょう。

二人が結婚した当初は、埼玉県で生活していて、私の父も出生地は大宮でした。
しかし、祖母は3人兄妹でしたが、兄が戦争から戻った後で病の床に伏し、また、姉が嫁ぐこととなったため、末っ子の祖母が閖上の家を引き継ぐこととなり、祖父はお婿さんとなったのでした。

閖上では、夫婦で寺子屋のような形で子どもたちに絵を描くことを教えていたこともありました。
けれども、夫が画家として成功するには、こんな田舎にいてはダメだろうと考えた祖母は、別居することを決意したのです。
祖母は、生計を立てるために、女一人で銀行に相談してなんとか融資を得て、実家の地に美容院を作りました。

そうして始まった遠距離結婚生活。
祖母の奮闘によってできた美容院は繁盛し、私の父が小さかった頃は、子守りや家事の為のお手伝いさんも雇っていたそうです。
仙台の街中で働いていた時と同様に毎日忙しくて、息子(私の父)にとっては父親がいないも同然の生活だった上に、母親として十分に面倒も見てやれなかったと、祖母は言っていました。


そして、片や、祖父は・・・?

続きはまた次回に。


続きはこちら
遠距離結婚を貫いた画家と美容師 その3/家庭を持っても単身生活を続けた画家


あなたは
“遠距離結婚 ”って
どう思いますか?

映画「HOKUSAI」に見るアート魂

北斎の生き様に学ぶ


世界で最も有名な日本人アーティスト葛飾北斎
昨年(2020年)のブログでも書きましたが、2020年は、北斎の生誕260周年、そしてオリンピックも予定されていたので、北斎にちなんだ様々なイベントが企画されていました。
しかしながら、COVID-19によってそのほとんどが中止や延期に。虚しかったですね。

昨年の記事:葛飾北斎 生誕260周年

でもようやくこの度、1年間公開延期となっていた映画「HOKUSAI」を、観ることができました。

映画「HOKUSAI」チラシ(表紙)

絵師としての腕はいいのに、食べることすらままならない生活を送っていた北斎が、もがき苦しみながらも、その才能を真の意味で開花させ、晩年を迎えるまでの、北斎の人生およそ90年間を描いたストーリーとなっています。

(チラシ画像はクリックするとPDF画面が開き拡大できます)

映画「HOKUSAI」チラシ(見開き)

若かりし頃の北斎、なぜ腕はいいのに食えることができなかったのか。
まだ北斎と名乗る前、勝川春朗(カツカワシュンロウ)として活動していた頃に、人気浮世絵の版元(出版人)、今で言う敏腕プロデューサーとして知られた蔦屋重三郎(ツタヤジュウザブロウ)に見出されたものの、叱咤されてばかりの北斎。
お前、なんで絵を描いてる」と重三郎に問われ、北斎は「絵なら下っぱから這い上がれると思ったからだ」と応えます。
まさに競争の現代を生きる我々としてみれば、その気持ち、わからないでもない。
でも、重三郎は、そんなんだからダメなんだと。
ライバル喜多川歌麿からも「お前の絵(女)には色気がない」と切り捨てられます。
なぜか。
それは、勝ち負けに固執して描く絵中身がなく上っ面の絵、要するに、描きたいのではなく描かされている絵だから。
放浪した北斎は、大自然の中でそのことに気がつき、本当の自分を見出します。
ただ描きたいと思ったものを、好きに描く
そうして北斎は、美人画や役者絵が流行っていた当時に、風景画というジャンルを切り開いたのです。

もちろん、今紹介した重三郎や歌麿たちとのやりとりは、この映画の、あくまでも作られた物語です。
でも、北斎が重三郎や歌麿たちと共に生きた江戸時代、それは描くことや出版にいたるまで自由な表現が規制されていた時代で、その中で風景画のパイオニアとして時代を切り開いたことや、この映画でも描かれていたように、脳卒中に倒れても自力で治し80歳を過ぎても旅に出て、何キロも歩いたというのは史実です。

平均寿命40歳という時代に90歳近くまで生きた、北斎の生命力。
人が見失いがちなものを決して失わず、時代とそして自分自身の人生と勝負し続けた、アート魂ともいえるブレない信念の持ち主だったからこそなのだろうと思います。

映画「HOKUSAI」チラシ(裏表紙)

ところで、北斎といえば、やはり波の絵。
最も有名なのは「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」ですね。
映画「HOKUSAI」のパンフレットもこの作品が採用されています。

映画では史実に基づいた架空の物語が展開されますが、こちらのパンフレットには様々な北斎にまつわる豆知識が掲載されていて、アートファンには嬉しい一冊です。

映画「HOKUSAI」パンフレット

繰り返しますが、北斎といえば、波の絵。
そして、なくてはならないその色「ベロ藍」。
美術ファンなら多くが知ることですが、1700年代にドイツ・ベルリン(当時はプロシア、ドイツ語でプロイセンと呼ばれた地)で発見された人口の青色顔料「プルシアン・ブルー」が1800年代に日本にもたらされ、「ベロ藍」と呼ばれ北斎が多用し、今では「北斎ブルー」、愛用者としては歌川広重も有名なので「広重ブルー」などと言われます。

映画の印象的なワンシーンに、北斎が業者から「ベロ藍」を受け取り、感動のあまり雨の中で自分にぶちまけるシーンがありますが、こういった美術知識を持っていると面白さは倍増しますね。

そういった雑学もパンフレットに掲載されているので、あわせて楽しむのも一つかなと思います。


実際に北斎がどんな性格だったのかは、その時代にでも行ってみないとわかりませんが、この映画では、北斎はプライドが高いだけではなく、自分が描きたいものを好きに描きつつも、人に喜んでもらうにはどうしたら良いか思慮し、孤高ながらもあたたかい心、人への厚い情を持った人物として描かれていたところが、私自身も生きる上での学びになりました。

アートに関心のある方、または自分の生き方に疑問を感じている方には是非ともお勧めしたい映画です。

なお、映画「HOKUSAI」は、仙台では現在(2021年6月26日)、フォーラム仙台にて上映中です。

あなたは
風景画の北斎派?
それとも
美人画の歌麿派?





カフェ パンプルムゥスのパンケーキ

人を幸福な気持ちにさせるアイディア満載のお店


今日は友達が誘ってくれて、仙台で人気のカフェ「パンプルムゥス(Pamplemousse)」に行ってきたので、久々の食レポです。

そこは、仙台街中の雑居ビルの3階、通りからの一見では、ビルの中にこんな素敵な一角があるとは思いもしませんが、口コミ、SNSでかなりの人気のお店のようです。

お店の外観の写真は撮り損なってしまったので、お店の公式ホームページ等をご参照くださいね。

パンプルムゥス 仙台店
住所:〒980-0021 仙台市青葉区中央1-7-18 日吉第一ビル3F
電話:022-208-8899
営業:毎日 11:00~21:00
Webサイト:https://akashia-mitsubachi-youhoujou.com/pamplemousse-sendai/info/

パンケーキが看板メニューとのことですが、トーストやカフェ飯など、選択肢は豊富。
中でも「畑が見えるランチ」そのネーミングと、可愛いイラストに、実物を五感で味わってみたいという気持ちも湧きましたが、それはパンケーキではないランチプレート、せっかく初めての来店、やはりまずはパンケーキにしようと思いました。

パンケーキ!
・・・そう絞ったところで、やはり悩みます。
どれもこれも美味しそう。
今月の「季節のパンケーキ」は「ブルーベリーチーズパンケーキ」ですって。
ブルーベリーは今が旬、そしてチーズ好きとしては、かなり惹かれたのですが、それは安定の美味しさでしょうと思ったので、あえて冒険してみることにしました。

選んだのは、期間限定の「チキントマトパンケーキ
甘くないお食事系のパンケーキです。
サラダにスープ、たっぷりの粉チーズ付き。

注文してからじっくり焼かれるパンケーキには20分を要しますが、外はカリッ、中はフワフワの食感が良い!
そのパンケーキと、トロトロチーズにカマンベールチーズ、トマトとチキンがしっかりマッチしていて、美味しい♪

そして、サイドメニューにオーダーしたのは、シャーベット状のたくさんのフルーツとゼリーがカラフルで涼しげな「フルーツポンチ」。
特製のシロップがさっぱりした甘さで、パクパクいけちゃいます。


こちらは友達が頼んだ、シュワシュワ弾ける炭酸とグリーンが美しい「ミントソーダ」に、迫力のパンケーキ「いちご&バナナ&マウンテンクリーム」!


ところで「パンプルムゥス」とはフランス語(pamplemousse)で、意味は「グレープフルーツ」のこと。
なぜこの名にされたのか、そしてそこかしこにアヒルがいるのは謎だけど、可愛いらしくてセンス抜群なイラストのメニューといい、目で見ても楽しくて美味しい料理、そこにいるだけで朗らかな気持ちになる場所。
どうしたら多くの人に喜んでもらえるだろうという気持ちで作られていることが伝わってくる、居心地の良い空間でした。


ちなみに、この「パンプルムゥス」さん、秋田県にある「あかしあミツバチ養蜂場」が運営しているお店で、ここ仙台の他にも、秋田店、盛岡店と展開されているのだそう。
どちらもアヒルさんがいることに変わりないですが、それぞれの個性があるそうですよ。
他の店舗にも訪れてみたいものですね。


フワットロ or カリッフワ
あなたはどちらの
パンケーキがお好みですか?

感性に響く デンマーク・デザイン展@東北歴史博物館

それはシンプルな暮らし、豊かなカタチを楽しむこと


先日おすすめさせていただいた、宮城県美術館で開催の「足立美術館展」は終了してしまいましたが、ここ宮城県内では他にも、感性磨きに打って付けの展覧会が開催されています。

一見の価値ある作品集結!足立美術館展@仙台

仙台市のお隣、多賀城市にある東北歴史博物館では、現在(2021年6月12日)「デンマーク・デザイン展」が開催中。

デンマーク・デザイン展」チラシ(表)
*画像をクリックするとPDF画面が開きます

観覧料金は、一般1,200円、シルバー(65歳以上)1,100円、小・中・高校生600円で、足立美術館展の半券を持参すれば、100円割引されます。
会期は6月27日(日)まで。残り2週間ですので、お見逃しなく。

東北歴史博物館は、仙台駅からだと、
JR東北本線では国府多賀城駅(14分)下車で徒歩約1分
*JR仙石線の場合は多賀城駅(22分)下車で徒歩約25分またはタクシーで約10分
の場所にあります。
*車での場合は、仙台駅付近からだと30分強です。

開館時間は、午前9時30分から午後5時までで、月曜日は休館です。

国府多賀城駅は、いかにも東北地方といった感じの、こぢんまりとした駅です。

国府多賀城駅の北口
国府多賀城駅の南口

駅の南側は賑やかな街ですが、北側には田園風景が広がっていて、清々しい空気を味わえます。
東北の古代史上の重要な歴史遺産である多賀城政庁跡や、重要文化財で日本三古碑の一つ多賀城碑があるのがこちら側になります。


東北歴史博物館はといいますと、国府多賀城駅の南側に隣接しています。


敷地内には、県の重要指定文化財で、宮城県石巻市北上町橋浦から移築さた「今野家住宅」が屋外博物館として設置されています。


東北歴史博物館そのものについてはあまり話題になることはないですが、自然豊かな庭園に、コンクリートの外壁と円筒型の構造、まるで水に浮かんでいるような配置、この凛々しい佇まいの独特な建築物が、私は好きです。


こちらは北側入り口。
日陰の屋外カフェスペースでゆっくりすることもできます。


一方、博物館の南側には駐車場がありますので、車の場合はこちら側から入場することになります。


こちらが正面玄関とされています。
国府多賀城駅利用で来場すると、この南口に出ない人も多いと思いますが、こちら側から見る風景も良いですよ。


エントランスホールは円形でコンクリート造りの近代的でクールなデザイン。
コンクリートというと無機質に思えますが、ガラス窓からいっぱいの光が差し込んであたたかみを感じられ、落ち着きます。


さて、今回お目当の特別展「デンマーク ・デザイン」。
デンマークといえば、アンデルセンレゴブロックが日本人にも馴染み深い、北欧諸国の一つ。
近年、北欧デザインは日本では流行りみたいなところもありますよね。
北欧デザインはもちろん良いと思っていますが、私は流行っているからとか人気があるからといって飛びつくタイプではないから、正直なところ、今回の展示会、どんなもんなんだろうなーと思っていて足踏みしていたのです。
が、芸術感性の高い友人が見てきたところ「とても良かった!」と言うので、それなら間違いないなと思い、行くことにしたのでした。

デンマーク・デザイン展」チラシ(裏)

そして、いざ観覧しましたところ、結論として、友人の言う通り、すごく良かった!です。
シンプルながらもスタイリッシュで、機能性も兼ね備えられたデンマークデザインを、五感で堪能することができました。

下記の通り、4章に渡って紹介されているデンマークプロダクトの数々、歴史を辿りながら、約200点ほどが展示されています。

第1章 国際的評価を得た最初のデンマーク・デザイン
第2章 古典主義から機能主義へ
第3章 オーガニック・モダニズム ーデンマーク・デザインの国際化
第4章 ポストモダニズムと現代のデンマーク・デザイン

インスタグラム投稿を狙ってか、撮影可能箇所も数カ所ありました。
まずここ、順路回って一番はじめのところが、最も人気の撮影スポットですね。

左から、優美な曲線が美しい「パントンチェア」、中央が「ハートコーン・チェア」、椅子271F、上部のペンダントランプ「フラワーポット」(青・黄)は、全てヴィアナ・パントンの作品

ヴィアナ・パントン(Verner Panton)は、最先端の科学技術と消費文化、1960年代のポップカルチャーの波から着想を得て作品を生み出し、国外で最も認められたというデンマーク人のデザイナーです。

上の写真の向かい側に展示さていた、様々な椅子や1960/70年代のオーディオ製品なども撮影可能でした(壁面の絵画作品は撮影NG)。

左からトーヴェ・キント=ラースン/イズヴァト・キント=ラースン 肘掛椅子 モデル117ヤコブ・イェンスン FMチューナー/アンプ「ベオマスター1200

ヤコブ・イェンスン(Jacob Jensen /ヤコブ・イェンセン)は、ミニマルなデザインがかっこいい電話機や時計のブランドとしてその名を知る人も多いのではないでしょうか。


デンマークの家庭の一室が再現された撮影コーナーもありました。

テーブルの上には、ロイヤルコペンハーゲンの陶器や、ダンスク社のサラダボウルセットやキャンドルホルダーなど、左手にちらっと見えているのはカイ・ボイイスンの木馬

シンプルかつ優美なカトラリーで知られる銀細工職人のカイ・ボイイスン(Kay Bojesen /カイ・ボイスン)は、近年は手足が動かせるサルの木製玩具が人気ですね。


特別出品ということで、椅子の座り心地を実際に体感できるコーナーもありました。

座ることができたのは、ハンス・ヴィーイナ(Hans Wegner /ハンス・J・ウェグナー)の5つの作品だったのですが、私はこれが一番好き❤︎

ハンス・ヴィーイナ 椅子 pp130「サークルチェア

見た目からは想像できない快適な座り心地!欲しい!!
このデザインから映し出される影までもが美しい。

オマケとして、こんなのもありました。
陸奥国府多賀城の南門を、東大生5人がデンマーク発祥のブロック玩具の「レゴ」で復元!笑


思わず笑っちゃいましたが、設計した時点で9500個のブロックが必要だとわかり、国内からだけでは調達できず、ドイツやデンマークからも取り寄せ、3月末から東大生5人が集まり、約2ヶ月間かけて作り上げたそうです。

東大の学生さんたちが、ここ宮城のために作ってくれたなんて、地元の人間としては嬉しい限り。感謝を申し上げたいです。

そして、今回の展示会図録は、分厚いながらもコンパクトサイズでソフトカバー、気軽に読むことができます。
絵画などの芸術作品はもちろん、立体物はなおさら、本物を見るに越したことはないですが、読み物として楽しむことも豊かな感性を養うことにつながると思います。

デンマーク・デザイン展」図録 表紙/裏表紙(東北歴史博物館版)

世界幸福度ランキングで1位を獲得していたこともあるデンマーク。
今年(2021年)発表された幸福度ランキングでは、フィンランドが1位、デンマークが2位と、上位をキープしています。
数年前、私は、その幸福度の高い国ってどんななんだろう?それに北欧芸術を現地で見たいなぁ、と思って、フィンランドとデンマークを周遊しましたが、確かにどちらも素敵で居心地の良い国でした。

私は日本からフィンランドへ行ってから(飛行機直通で10時間前後)、デンマークへ行きました(フィンランド⇄デンマーク間は1時間半前後。飛行機は全てFINAIR利用)

日本から遠く離れた国ではあるけれど、両国ともジャパニーズフレンドリーで、というか、誰にでも親切なのかもしれないのですが、何か精神的にも通づるようなところもあるようにも感じました。
そして個人的には、どちらかというと、フィンランドより、デンマークの方が好きです。
デンマークもフィンランドも、アメリカやイギリスをもしのぐデジタル先進国ではありますが、そんな高度技術が発展した国にあっても、デンマークの方が、より歴史や自然、落ち着きを感じられ、刺激がある中にも安らぎがあるように思えたから。
この実際に触れた北欧芸術については、またの機会に書きたいと思っています。


あなたは
デンマーク・デザインといえば
何がお好きですか?

映画「ザ・フォール 落下の王国」に見る世界遺産

舞台になった世界遺産は13カ所!


今年は世界遺産検定2級の合格を目標にしています。
2級は、我が国の世界遺産全て(2021年6月現在23件)を含む、世界各国の世界遺産から300件が出題範囲です。
試験は、60分間で、問題数は60問。
当然のことながら、300件の世界遺産のうち、どれが出題されるかわからないわけで、この分量はなかなか厳しいものがあります。
参考書や問題集と向かい合っているだけでは飽きてしまうのが正直なところ・・・

そんな時にふと思い出した映画「ザ・フォール 落下の王国(原題:THE FALL)」 。
2006年に公開された冒険ファンタジーです。

この映画は、世界20カ国以上が舞台となっていて、世界遺産も10件以上出てくるので、世界遺産好きにはもってこい。
壮大さも芸術的表現も圧巻な名作です。


公開前、私は映画館でこの予告編を見て、これ面白そう!公開されたら観よう!!と思ったのに、映画館へ行きそびれてしまったもの。よって、残念ながらパンフレットは無し。
現在ではDVDも高価になってしまって手を出すには躊躇するくらいの、すごく価値ある映画なので、悔やまれます。

現状、ネットでの公開もされていないようなので、見たい方はTSUTAYAでレンタルを。
特に、DVDには映像特典が付いていて、監督たちのインタビューやロケーションについての説明など、撮影秘話や世界遺産情報がとても興味深いです。
いい刺激になると思うので、映画の後は、特典も見ることをお勧めします。
(内容は一緒ですが、ブルーレイならなお良いです♪)

さて、この映画に出てくる世界遺産は以下の通り。Let’s study♪



1.イタリア:ティヴォリのハドリアヌス別荘(Repubblica Italiana:Villa Adriana (Tivoli))
  [文化遺産として1999年に登録]

イタリアの首都ローマの東方約30kmのラツィオ州ティボリは古代からのローマ人の別荘地でした。
紀元2世紀のローマ皇帝ハドリアヌスは、帝国を巡検中見聞したエジプト、ギリシア、ローマなどの優れた建造物を再現して、「理想の都市」を築こうと、ヴィッラ・アドリアーナを建設しました。
後年、ゲルマン人により破壊されましたが、イタリア統一後、本格的に発掘されたのです。
この1.2k㎡にも及ぶハドリアヌス帝の理想郷は、古代地中海世界の文化を表現した傑作です。

画像引用元:Wikipedia(by Marie-Lan Nguyen)

この場所、映画「ザ・フォール 落下の王国」では、青年が少女に空想の物語を語り始めた序盤、アレキサンダー王が迷い込んだ場所として登場します。
ほんの数秒ですが、芸術的な理想郷の跡地を垣間見ることができます。



2.ナミビア:トゥウェイフルフォンテーン(Republic of Namibia:Twyfelfontein
  [自然遺産として2007年に登録]

アフリカ大陸南部にあるナミビア共和国の北西部にあたるクネネ州ダマラランド地方のトゥウェイフルフォンテーンは、2000年以上前の岩刻画が、アフリカで最も集まった場所の一つ。現在までで、2075もの岩刻画が発見されています。
岩場からの湧水でできる泉が、満水であったり、時に枯れてしまったりと不安定だったことから「不確かな泉」という意味でTwyfelfontein(トゥウェイフルフォンテーン)と名付けられました。

引用元:Wikipedia(by Mike )

映画では、この砂漠の地でアレキサンダー王が家来たちと彷徨っているところに、一人の使者が最後の水を持ってくるのですが、アレキサンダーがその水を捨ててしまうというシーンが描かれています。



3.チェコ:プラハの歴史地区(Czech Republic:Historic Centre of Prague)
  [文化遺産として1992年に登録/2012年に範囲変更]

11世紀から18世紀の間にヴルタヴァ川(モルダウ川/ブルタバ川)沿いに建造された旧市街、城下町、新市街は、中世以来この街にもたらされた大きな建築的・文化的影響を伝えています。
プラハ城聖ヴィート大聖堂、城の前のフラッチャニ広場、左岸にあるヴァルトシュテイン宮殿、ゴシック様式のカレル橋、ロマネスク様式の聖十字架教会のロトゥンダ、スタレー・ムニェスト(旧市街)にあるゴシック最盛期の聖ヤコブ教会といった多くの壮大な建造物は、この中世都市における豊かな建築の歴史とその進化を語っているのです。

以下の写真は、ヴルタヴァ川沿いに建つプラハ城とその城下町。

引用元:Wikipedia(by Stefan Bauer)

ヴルタヴァ川はチェコ国内最長の川で、チェコ語でVltava 、ドイツ語でMoldauです。日本では「モルダウ川」として広く知られていますね。
私がこの川の名称を覚えたのは高校生の時。
音楽の授業で、巨匠スメタナの代表的な管弦楽曲「我が祖国」より第2曲「モルダウ」を聴いて、すごく感動して、CDを買いました。
今でもそのCDは愛聴しています。
クラシックCDを自分で買ったのは、この時が初めてじゃなかったかな・・・
そしてそんな人、私以外にも結構いるんじゃないかしら・・・?


「ザ・フォール 落下の王国」では、ヴルタヴァ川にかかるカレル橋を主人公たちが馬で渡るシーンとして登場します。

引用元:Wikipedia(by Chosovi)

プラハへは日本からの直行便はないけれど、後に記載するイスタンブールからおよそ2時間半。
是非周遊したいですね。



4.インド:ファテープル・シークリー(Republic of India:Fatehpur Sikri)
  [文化遺産として1986年に登録]

インド北部ウッタル・プラデシュ州のアーグラから南西約40kmに位置する、ムガル帝国第3代皇帝アクバルが16世紀後半に建造した城跡で、「ファテープル・シークリー」とは勝利の都シークリーという意味。勝利の都と名づけられたのは、当時、アクバル帝がグジャラート地方での戦いに勝利したため。
台地の上に建設され、直行するグリッドに則した幾何学的な都市計画が実施されており、中心部は宮廷地区とモスク地区とに分けられた、イスラムとインド建築の伝統技術の融合がなされた都市遺跡です。

引用元:Wikipedia(by Marcin Białek)

「ザ・フォール 落下の王国」ではこの場所が、青年が語る物語の悪人である総督オウディアスの領地の入り口として描かれています。



5.トルコ:イスタンブル歴史地区(Republic of Turkey:Historic Areas of Istanbul)
  [文化遺産として1985年に登録]

コンスタンティノープルとして知られたイスタンブルは、アジアとヨーロッパの境界に位置する歴史的都市。
元々はキリスト教の大聖堂だったThe Hagia Sofiaハギヤ・ソフィア/アヤ・ソフィア)は、15世紀にオスマン帝国によってイスラム教のモスクへと改修されました。

下の写真が、ビザンツ建築の最高傑作と言われるアヤ・ソフィア
年間約300万人が訪れるイスタンブルを代表する観光名所です。

引用元:Wikipedia(by Stanisloav Kozlovskiy)

「ザ・フォール 落下の王国」では、アヤ・ソフィアの内部も、総督オウディアスの所有する建物内として描かれています。

イスタンブールまでは成田から直行便が出ていて、およそ12時間で行ける所。
この美しく壮大な歴史的建造物、是非とも自分の足で訪れたいですね。



6.エジプト:メンフィスのピラミッド地帯(Arab Republic of Egypt:Memphis and its Necropolis – the Pyramid Fields from Giza to Dahshur)
  [文化遺産として1979年に登録]

エジプト古王国時代の首都メンフィスには、岩のお墓や装飾されたマスタバ(日干しれんがなどで作られた角形の墳墓)、寺院やピラミッドを含む、途方もない葬儀用モニュメントがあります。
このピラミッドとそれを取り巻く周囲の複合体は、建築家イムホテプにより設計され、飾り立てられた廟(びょう/ 死者を祀る宗教施設)として世界で最も古い建造物だとされています。
ピラミッド群は紀元前2650年から紀元前2120年にかけて、その栄光を誇示するために第3王朝の歴代のファラオの墓地として建設されました。
ギザにあるクフ王のピラミッドはエジプトのピラミッド中最大のもので、どのようにして石を積み上げたのかはわかっておらず、世界の七不思議のうち現存するただひとつのものなのです。

引用元:Wikipedia(by icardo Liberato)

日本からエジプトの首都カイロまでは直行便が出ていて、およそ13時間。カイロから1時間程度でピラビッド周辺へいけるのだそうです。
三大ピラミッド(クフ王、カフラー王、メンカウラー王の3人のピラミッド)も、死ぬ前には訪れて、ちょっと怖い気もするけれども入ってみたい所。

「ザ・フォール 落下の王国」では、このエジプトから以下に続くアメリカまで、登場人物達が一気に駆け巡る場所の背景として描かれています。
壮大さを表現するには十分すぎる・・・



7.中国:万里の長城(People’s Republic of China:The Great Wall)
  [文化遺産として1987年に登録]

日本人にとっては、お隣中国の世界遺産、知らない人はほとんどいないであろう万里の長城は、春秋時代の紀元前8~前5世紀頃に秦の始皇帝によっ原型が作られました。
土や日干しレンガなどを使って砦をつなぎ合わせ、長城を完成させました。
その後、さまざまな王朝によって改修や増築が繰り返され、焼成(しょうせい)レンガを用いた現在の形になったのは16世紀の明王朝後期のことです。
中国東部から西部までの約3,000kmに渡る遺跡、北方民族との対立と、文化交流の歴史を伝える価値があるものとして認められた世界遺産です。

引用元:Wikipedia(by Hao Wei)


8.カンボジア:アンコールの遺跡群(Kingdom of Cambodia:Angkor)
  [文化遺産として1992年に登録]

カンボジア北西部の都市シェムリアップの北側に位置する「アンコールの遺跡群」は、クメール人が興したアンコール朝の時代に築かれた都市遺跡で、歴代の王が築いた都城や寺院が残っています。
「アンコールの遺跡群」最大の寺院は、幅190mの外堀に囲まれた面積約2㎢のアンコール・ワットです。
クメール語で「アンコール」は「街」を、「ワット」は「寺院」を意味しています。アンコール・ワット本殿の回廊には、ヒンドゥー神話の「乳海撹拌(にゅうかいかくはん/不老不死の妙薬を取り出すため、神々とアスラ(阿修羅)が大蛇ナーガを綱引きして乳海をかき混ぜるというヒンドゥー教の天地創造神話)」の場面などが、精巧な浮き彫りで描かれています。
遺跡群には、他にもアンコール・トムの仏教寺院バイヨンバンテアイ・スレイなどの遺跡群が含まれています。

引用元:Wikipedia(by Javier Gil)


9.イタリア:ローマ歴史地区と教皇領、サン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂(Repubblica Italiana:Historic Centre of Rome, the Properties of the Holy See in that City Enjoying Extraterritorial Rights and San Paolo Fuori le Mura)
  [文化遺産として1980年に登録/1990年に範囲拡大および2015年に範囲変更]

イタリアの都市ローマは、紀元前1〜後5世紀にかけて地中海全域を支配した古代ローマの歴史を物語る都市。
ローマには、オオカミに育てられた双子の兄弟にまつわる建国神話があります。オオカミの乳で育った兄弟ロムルスとレムスのうち、兄のロムルスが紀元前754年にローマを築いたとされ、「ローマ」の名は、そのロムロスに由来しています。

引用元:Wikipedia(by Diliff)


10.フランス:パリのセーヌ河岸(French Republic:Paris, Banks of the Seine)
  [文化遺産として1991年に登録]

フランスの首都パリを流れるセーヌ川の川岸のうち、シュリー橋からイエナ橋までのおよそ8kmほどが「パリのセーヌ河岸」として世界遺産登録されています。
セーヌ河畔に広がる2,000年の歴史都市には、パリのシンボルとも言えるエッフェル塔や、2019年の火災で屋根を焼失したノートル・ダム大聖堂なども含まれています。

パリのセーヌ河岸」のほぼ中心にあり、13世紀に頃に築かれた要塞を起源とし、フランス国王の居城として改築が繰り返されたルーブル宮は、現在、レオナルド・ダ・ヴィンチの描いた「モナ・リザ」や「ミロのヴィーナス」などが展示されているルーヴル美術館となり、構成資産に含まれています。
また、駅舎として建造され、1986年に美術館に転用されたオルセー美術館も構成資産の一つとなっています。

引用元:Wikipedia(by Savani1987)


11.アメリカ:自由の女神(United States of America:Statue of Liberty)
  [文化遺産として1984年に登録]

アメリカニューヨーク港入口のリバティ島に立つ自由の女神像(正式名称「世界を照らす自由」)は、アメリカの自由と民衆主義のシンボルです。
像は合衆国の独立100周年を祝ってフランス人民から贈られました。
左手に1776年7月4日と記された独立宣言書を抱え、希望を意味するたいまつを右手に掲げ、奴隷制を象徴する鎖を踏みつけています。


映画「ザ・フォール 落下の王国」での登場は、先ほどのカイロのピラミッドから、このニューヨークの自由の女神像まで、それぞれほんの一瞬なので、目を凝らして楽しんでくださいね。



12.インド:アーグラ城(Republic of India:Agra Fort)
  [文化遺産として1983年に登録]

インドの首都ニューデリーに近いウッタル・プラデシュ州アーグラ市に、1565年、ムガル帝国の第3代皇帝アクバル(ジャラール・アッディーン・ムハンマド)によって建設が始められた赤い城「アーグラ城」があります。
このムガル帝国の栄華を伝える赤い城は、ヒンドゥー建築とイスラム建築が融合した古代インド・ムガル帝国の代表的建物であることが評価され、世界遺産に登録されました。

引用元:Wikipedia(by A.Savin )

この城塞には見学ができる遺跡とできない遺跡がありますが、映画では、見学ができる建築物である、Diwan-i-Aam(ディワーニ・アーム/一般謁見の間)とDiwan-i-Khas(ディワーニ・カース/貴賓謁見の間)が、旅の舞台として使われています。

Diwan-i-Aam(ディワーニ・アーム)
Diwan-i-Khas(ディワーニ・カース)


13.インド:タージ・マハル(Republic of India:Taj Mahal
  [文化遺産として1983年に登録]

上記のアーグラ城から見える場所に、美しい白大理石の霊廟タージ・マハルがあります。
愛妃のムムターズ・マハルを偲んだムガル帝国皇帝シャー・ジャハーンによって建造されました。
タージ・マハルの平面図は構成において完璧な均整を示しており、インドのイスラム建築の最も偉大な達成だとみなされています。


「ザ・フォール 落下の王国」では、この美しい建築物の前で、青年が語る物語の中の主人公が、愛した女性を復讐のために銃殺しようとする場面が描かれています。



以上が、映画「ザ・フォール 落下の王国」に登場した世界遺産の数々です。

私は、これらのうち、実際にこの目で見たことがあるのは、ニューヨークの自由の女神のみ。

しかも、自由の女神像の立つリバティー島まで行ったわけではなく、マンハッタンのバッテリーパークから見ただけなので、かなり遠目。

本当は昨年、ウィーン経由でチェコに行きたいと思って、旅行本も購入し計画を練っていたのですが、生憎のコロナ禍・・・
ああ、旅がしたい!
いつか必ず行くのだという想いを胸に抱いて、世界遺産検定勉強に臨みます。



追記:
コロナ禍が明けて真っ先に行ったのは、友人の住むフランスとなりました。
もちろんパリのセーヌ河岸も巡ってきましたので、ご興味のある方は、以下もどうぞ☆


あなたは
どの世界遺産が
気になりますか?

一見の価値ある作品集結!足立美術館展@仙台

日本一の庭園美術館が誇る名品をこの目で


2019年に挙がった宮城県美術館の移転案。
宮城県の最も貴重な建築物の一つである宮城県美術館を失うという意味の発案に、開いた口が塞がらない思いでしたが、県の決定に反対し、存続を求める市民団体の方々の努力が実り、昨年(2020年)11月、移転はせず、現地改修を行うということに最終決定しました。
私は撤回を求める署名をしたくらいでしたが、そのような活動を率先してくださった方々には、心から感謝です。本当に良かった。


さて、その宮城県美術館では、2021年4月24日(土)から6月6日(日)まで、「足立美術館展 〜横山大観、竹内栖鳳、華やかなる名品たち〜」が開催されています。
コロナ禍で未だ気軽に外出できない中ですが、気がつけば、もうすぐせっかくの企画展が終わってしまう!
というわけで、慌てて行ってきました。

宮城県美術館にて開催の「足立美術館展」のチラシ(表)
宮城県美術館にて開催の「足立美術館展」のチラシ(裏)
クリックするとPDF画面が開きます

実は正直なところ、行かなくてもいいかなあという気持ちも少なからずあって、出遅れたということもあるんです。
なぜなら、足立美術館(島根県安来市)は庭園ランキング1位を18年連続で獲得している美術館!(アメリカの日本庭園専門誌「数寄屋リビングマガジン/ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング(Sukiya Living Magazine: The Journal of Japanese Gardening)」による)
なのに、ずっと行きたくて行けていない美術館の一つで、だからこそ、絶対に近いうちに行く!!と決めているから、どうせ見るなら現地で見るべきでは??なんていう思いがちょっとあったりしたのです。

でも、県外の美術館や博物館に定期的に出かけないと気が済まなかった私、コロナ禍になってから全くそれができていないわけで、芸術品に触れる機会も激減して、フラストレーションが溜まっているので、やはり地元でも貴重な展覧会、行かないわけにはいきません。


実際のところ、今回の展覧会、行って大正解でした。
会場では、もう何度、心の中で、「美しい・・・欲しい・・・」と呟いたことか。
日本を誇るそうそうたる名画の作品の集結。
近代日本画の巨匠横山大観をはじめとした、東西の日本画壇で活躍した35人の画家による66点の作品は、バラエティーに富んでいて、とても楽しめました。
やはり、本物をナマで間近で見るに越したことはないですね。
どれもこれも素晴らしいものばかりで、大満足。

ただ、今回は、この展覧会に特化した図録は作られていなかったのが残念。
図録がない分、ハガキをたくさん購入してしまいました(笑)

私の祖父が師事した川端龍子の「春雪譜」(展示会案内チラシの裏面に掲載あり)のハガキはなくて残念…

足立美術館についての冊子は販売されていましたが、その本には今回の展示作品が網羅されていないので、そういう意味でも、この企画展に足を運ぶことはとても貴重だと思います。
足利美術館に行けたとしても、その時に展示されてないであろう作品もあるわけですしね。

販売されていた冊子
(今回の特別展に特化したものではない)

足立美術館の館長 足立隆則氏が河北新報のインタビューで述べられているように、是非とも多くの方に“自分の感性で作品見て”ほしい、そんな素晴らしい日本の名品の数々、この機会に堪能することができ、とても良い時間を過ごせました。

「足立美術館展」のチケットと会場で無料配布されている河北新報による案内

なお、今回の「足立美術館展」、宮城県美術館での会期終了後は、6月26日(土)から8月1日(日)まで岩手県立美術館で開催されるのだそうです。
足立美術館の移動展は各地で行われていますが、東北での巡回は今回が初めてとのことですよ
東北人にとって、嬉しいことですね。


きっとそう遠くない日に、日本一の庭園と称される足立美術館(島根県安来(やすぎ)市)へも行くことができますように⛧彡
ますます思いは募るけれど、いつかは叶えたいことがあること、楽しみがあることって、幸せなことだなって思います♪



あなたの
お気に入りの庭園は
どこですか?





誰でもできるモダンテクニックで楽しむアート

臨床美術士がすヽめるおうち時間の過ごし方


臨床美術士の資格を持つ私ですが、今年は臨床美術の活動に力を入れる!と発言したものの、相変わらずのコロナ禍で、ほとんど何もできていません。
握手から始まり、人と人との肌と心の触れ合いを大切にする臨床美術ボランティア活動は停止中で、申し込んでいた臨床美術プログラムの研修も、非常事態宣言が出されていたため、長いこと延期になっています。

臨床美術についての詳細は、カテゴリー臨床美術」をご参照ください

ですが、臨床美術士には、アートで人々の心を豊かにしたいと、様々な工夫をしてくださっている方々がいらっしゃいます。
何度かこのブログでもご紹介している古瀬先生もその一人。
今回は、古瀬先生をはじめとした東北福祉大学・元気塾の臨床美術(クリニカルアート)講座のスタッフさん方によって企画された、オウチde元気塾クリニカルアート編「『色』を楽しもう!」をやってみました。
(臨床美術士の資格は、東北では、東北福祉大学で行われる講座で取得することができます。東京拠点の通信講座もあります)

こちら、ちょうどGW前に送られてきたお便りです。
不要不急の外出を自粛せざるを得ない中、自宅でもアートを楽しんで脳や心に心地よい刺激をという心配りのサービス。


今回は、少しでも気軽に取り組めるようにと、ご丁寧に、画用紙にロウソクのかけらをセットにして送ってくださいました。
あとは自分で絵の具(または手作りの色水)などを準備すればいいだけです。ありがたいですね。


準備はこれだけ。


まずは、画用紙にロウソクで線を描きます。
「絵」を描け、と言われたら構えちゃうけど、描くのは、ただの「線」でいいんです。
とはいえ、「線??そんなこといきなり言われても・・・」と思ったら、「ふわふわ」「にょろにょろ」などなどの思い浮かんだ擬態語をイメージして描いてみるのです。


私は、今日はBGMに自然の海の音を中心にしたネオクラシックを流していたので、その感覚を描いていきました。

・・・ロウで白い紙に書いてるので、何も見えませんが・・・

ロウで線を描いた後は、水彩絵の具を使います。
気分的な色を数色、少しだけ出して、絵筆に水を多めに含ませて色を塗っていきます。


まずは、縦に横にとあえて規則性を持たせてやってみることにしました。


画面いっぱいに塗っていって、色と色が混じり合ったり、滲んだり、そして、絵の具をはじいてロウの白い線が浮かびあってくる、その過程を楽しみます。


準備時間や乾かす時間含めても1時間かからずに完成。
こんな感じになりました。


カメラで画面いっぱいに撮影してみると、それなりのアートに見えなくもない(笑)


これ、いわゆる、はじき絵と言われる技法ですね。
小学校や中学校の図工や美術、場合によっては保育園や幼稚園で、誰もが一度はやったことがあるかもしれない、モダンテクニック(美術技法)の一つで、バチック(Batik)とも呼ばれるものです。

私も、久々にやりました。
というか、大人になって初めて。こんな技法があるってことも、すっかり忘れてました。
モダンテクニックって、いくつかあるけど、実はどれも、身近なもので誰でもできるものばかり。
アート系を専門に仕事をする人だけでなく、もっと大人も誰でも、子どもの頃のようにアートを楽しむ機会があったらいいのにって思います。


さて、結構サクサクできるので、さらに作成してみました。

なんとなく、海か、虹か、そんなイメージを抱きつつも、描いているときは、うーん、イマイチかなーと思いながら進めていたのですが、乾いたところを遠目に見てみると、意外にもこちらの方がインテリア性があるように感じたので、フォトフレームに収めてみることにしました。
(フォトフレームとの相性を考えるのも、楽しみの一つ)


悪くないじゃん♪
自画自賛するも、それは自己肯定感を養うことにもつながる、休日のひと時。

深いことはあまり考えないで、純粋に、描くことを楽しむ。
普段は使わない部分の脳を刺激してみる。
しかもそれが世界に一つだけのインテリアにもなったりして。
こんな良い時間の過ごし方、今回も提供していただき、感謝です☆



あなたは
有意義なおうち時間を
過ごせていますか?

アカデミー賞受賞作「ノマドランド」に見る壮大な風景と生きる意味

ドキュメンタリータッチの雄大なロードムービー


再び映画ネタではありますが、この度鑑賞してきた映画「ノマドランド(原題 Nomadland)」について、もっと早く観てもっと早めにオススメすべきだったと感じているので、遅まきながらも投稿します。

まずは、この映画の告知用チラシをご覧ください。(画像をクリックするとPDF画面が開きます)

映画「ノマドランド」チラシ(表)
映画「ノマドランド」チラシ(裏)

このチラシは、先月(2021年4月)末に行われたアカデミー賞授賞式開催前に作成されたものなので、”本年度アカデミー賞最有力”と記載されていますが、授賞式では結果、作品賞監督賞(クロエ・ジャオ)、主演女優賞(フランシス・マクドーマンド)と、主要を含む最多3部門を制覇しました。
それ以前にも数々の受賞を成し遂げ、話題となっている作品です。

映画「ノマドランド」は、アメリカのジャーナリスト ジェシカ・ブルーダーJessica Bruder)によって執筆された本「ノマド:漂流する高齢労働者たち(原題 Nomadland: Surviving America in the Twenty-First Century/2017年出版)」が元になっています。

本「ノマド:漂流する高齢労働者たち」の表紙
(春秋社出版/2018年10月)

この本は、ジェシカ・ブルーダー氏が自ら車上生活を試み、3年以上の歳月をかけてノマド数百人を取材して書かれたノンフィクションで、映画「ノマドランド」は、このノンフィクションに、主人公として架空の人物であるファーン(フランシス・マクドーマンド)を登場させて作り上げられたフィクションです。

ネバタ州のエンパイアという企業城下町が破綻し、住み慣れた住居を失ったファーンという名の、夫に先立たれた60代の女性が、キャンピングカーを生活しやすいように自分で改造しつつ、ノマドワーカーとして季節労働の現場を渡り歩いて送る路上生活の中、ゆく先々で出会うノマドたちとの心の交流を描かれた物語。

次の動画は、「ノマドランド」の特別映像です。メイキングのショート版として興味深くご覧いただけるかと思います。


実在のノマドが本人役で登場していたり、物語としての父と息子を演じる俳優たちが実際リアルな親子だったり、エンパイアの存在と破綻も現実の話で、ノンフィクションとフィクションが混ざり合い、ドキュメンタリータッチなカメラワークのなかで繰り広げられるオスカー俳優マクドーマンドの表現はあまりにも自然で、まるで、フィクションではなく本当にドキュメンタリーを見ているような感覚になります。

この映画には、フィクション特有の事件が起きるとか特別大きな盛り上がりはなく、淡々とストーリーは続くのですが、ネバダ、カリフォルニア、アリゾナ、サウスダゴタと4つの州に渡って展開される、広大なアメリカの自然を背景にした美しい映像、サウンドトラックは叙情的なピアノ音楽でシンプルにまとめられていて、焚き火の音や波や風の音とという自然の音色を感じさせ、全てが共存してそこにいるかのような安息感と共に、静かな気持ちに浸ることができます。

「ノマドランド オリジナル・サウンドトラック」ジャケット
(画像をクリックするとYouTube musicのアルバム試聴ページにリンクします)

ちなみに、クロエ・ジャオ監督、『自然にインスパイアされた美しいクラシック音楽』でググってヒットしたルドヴィコ・エイナウディLudovico Einaudi)の『Elegy for the Arctic』からエイナウディ氏がアルプスの山中を歩きながら作曲した『Seven Days Walking』というアルバムを見つけ、彼にオファーしたそうですよ。

Elegy for the Arctic』の映像、凄いです!
圧巻の大自然とコラボした繊細なピアノ演奏は、素晴らしいアート!!


ところで、ここ数年よく見聞きするようになった「ノマドライフ」という言葉。
このイメージとしては、「好きな場所に住んで、好きなように働き、自由に生きる」といった感じで、私も、過去に人の腹黒さを感じてしまう仕事や自分の人生そのものに疑問を感じた時に、憧れを抱いた生き方です。

しかし、映画「ノマドランド」を通して、本来のノマドの生き方の裏には、社会の様々な問題が隠されていることや、気軽な考えでは到底やり通せることができない実情など、深く考えさせられるものがありました。

でも一方で、この映画の主人公ファーンをはじめとする登場人物たちの、苦境にあっても自身の信念を貫き、それぞれのやり方でもってしなやかでしたたかに生きるさまは、観るものに希望を与えてくれます。

映画「ノマドランド」パンフレット

このパンフレットに記載されている監督クロエ・ジャオ氏へのインタビューによると”あなたを定義しているものを失った時、あなたは自分を取り戻せますか”という問いかけがこの映画のテーマであるとのこと。

ここ仙台での上映(フォーラム)は5月20日(木)まででもうすぐ終わってしまうので、文頭で述べましたように、もっと早くお勧めすべきだった映画「ノマドランド」ですが、このような作品こそ、是非、大きなスクリーンで観て壮大な風景を味わうとともに、人生について内省する機会にしていただければと思います。
→追記:フォーラム仙台での公開が5月27日(木)までに伸びました!人気作は公開期間が伸びることがあります。嬉しいですね♪
→→6月3日(木)までさらに延長されました!!
→→→またまた延長!6月10日(木)まで!!
→→→→さらに延長!6月17日(木)まで!!

さて、この映画の中でファーンがたくさんの人と出会い交わされる会話はどれも深いのですが、ここは是非とも記しておきたいと感じた一節を、最後に取り上げさせていただきます。

それは、ファーンが、ある青年に再会し、自分のサンドイッチと青年のビールを交換し、会話を交わすシーン。
地元に恋人がいて手紙を書くことがあるという話を聞き、今時手紙を書くとは効果が高いと褒めるのですが、青年は気が利いたことは書けないと言います。
そこで、ファーンは詩を送ったらどうだと提案します。
青年に聞かせたのは、自分の結婚式に詠んだというシェイクスピアの「ソネット18番」。
それを聞いた後に去ってゆく青年の姿は、逆光に輝いて美しく、何か吹っ切れたような力強さを感じました。

君は夏の日よりも美しく穏やかだ
風が5月のつぼみを散らし
夏の輝きはあっけなく終わる
太陽は時に照り付け
かと思えば暗く陰る

どんな美しいものもいつか衰える
偶然か自然の成り行きによって

だが君の永遠の夏は色あせず
美しさが失われることもない
ましてや死に神が君を死の影に誘うこともない
君は永遠に詩の中に生きる
人が息をし 目が見えるかぎり
詩は生き続け 君に命を与え続ける

Shall I compare thee to a summer’s day?
Thou art more lovely and more temperate.
Rough winds do shake the darling buds of May,
And summer’s lease hath all too short a date.
Sometime too hot the eye of heaven shines,
And often is his gold complexion dimmed;
And every fair from fair sometime declines,
By chance, or nature’s changing course, untrimmed;
But thy eternal summer shall not fade,
Nor lose possession of that fair thou ow’st,
Nor shall death brag thou wand’rest in his shade,
When in eternal lines to Time thou grow’st.
So long as men can breathe, or eyes can see,
So long lives this, and this gives life to thee.

ソネット集 18番 / ウィリアム・シェイクスピア(訳:牧野琴子)
The Sonnets no.18 / William Shakespeare


ノマドランド」公式サイト



あなたの人生において
美しく感じられることは
何ですか?



世界遺産の運河都市アムステルダム回顧

400年の歴史を持つオランダの環状運河都市


TVを普段ほとんど見ない私でも愛好している番組、毎週日曜の午後6時から放映されるTBSの「世界遺産」、本日(2021年5月9日)の内容は『アムステルダムの環状運河地区 〜 400年前に誕生!人工の水上都市』ですね。


オランダの首都アムステルダムは、水路が街の中にはりめぐらされた運河の街。
この運河地区は「アムステルダムの中心部:ジンフェルグラハト内部の17世紀の環状運河地区」(Seventeenth-century canal ring area of Amsterdam inside the Singelgracht)という名称で2010年に世界遺産として登録されました。

世界遺産として認められるには、「世界遺産条約履行のための作業指針」で定められた10項目登録基準の一つ以上に当てはまる必要があります。
このアムステルダム環状運河地区登録基準(ⅰ)(ⅱ)(ⅳ)

(i):人類の創造的資質を示す傑作。
(ii):建築や技術、記念碑、都市計画、景観設計の発展において、ある期間または世界の文化圏内での重要な価値観の交流を示すもの。
(iv):人類の歴史上において代表的な段階を示す、建築様式、建築技術または科学技術の総合体、もしくは景観の顕著な見本。

この世界遺産についての説明を、「世界遺産検定2級公式テキスト くわしく学ぶ世界遺産300」より参照して、以下に記載します。

アムステルダム旧市街から一番外側の運河「ジンフェルグラハト」まで扇状に広がっている環状運河は、16世紀末から17世紀初頭にかけて、新しい港湾都市プロジェクトとして整備された。
運河間の泥沢地から排水して干拓した土地に市街地を広げ、運河沿いには切り妻屋根を持つ均質的な建物が立ち並び、港から入った物資は運河を通って街の隅々にまで運ばれた。
アムステルダムの急速な拡大は、大規模な都市計画の見本として、19世紀まで世界の都市計画に影響を与えた。

さて、「緊急事態宣言」及び「まん延防止等重点措置」が発令されている、この2021年のコロナ禍中のゴールデンウィークも、何処にも行けずあっけなく終わってしまいましたので、またいつか旅行できる日を夢見て、今日は、過去に訪れたアムステルダムを、写真で回顧してみようと思います。

私が訪れたのは2019年のちょうど今頃の時期、アムステルダム運河地区散策の当日はあいにくの空模様でした。


東京駅とよく似ていると言われるアムステルダム中央駅を中心に運河が広がっています。
駅前には運河クルーズ運行会社がたくさんあり、世界遺産運河のクルージングを楽しむことができます。


歴史を感じる美しい運河。様々な橋の形状も面白い。


ところどころに跳ね橋があります。


アムステルダムの家並みといえば、これ。
カラフルで楽しげなものもあれば、モノトーンでシックなところも。


市庁舎として建設されたアムステルダム王宮
屋根に立つギリシャ神話の巨人アトラスの像は、アムステルダムのシンボルの一つ。


今は博物館となっているアンネフランクの家
かなり人気のスポットで数週間前には予約する必要があり、私は残念ながら、入館できませんでした。


絶対に訪れたかったレンブラントの家
偉大な画家レンブラント・ファン・レインが1639年から20年間住んでいた家を利用した美術館もアムステルダムの街中にあります。


2019年はちょうどレンブラントの没後350周年だったので、レンブラント出生のオランダに是非行きたい!と思って訪れたのでした。
アムステルダム旧市街から一番外側の運河「ジンフェルグラハトSingelgrachtシンゲル運河)」沿いに、美術ファンなら必ず訪れたい「アムステルダム国立美術館Rijksmuseum)」があります。
ここでも、レンブラントの特別展が開催されていました。


アムステルダム国立美術館は、ゴッホの「自画像」や、フェルメールの「牛乳を注ぐ女」などの所蔵品はさることながら、その建物自体も素晴らしく、とても広くて数時間では見切れないけれど、ここはレンブラントの名作「夜警」が収蔵されていることでも有名です。
レンブラントの没後350周年ということもあって訪れたオランダ、この作品を見ないわけにはいかないのですが、ご覧の通り、すごい人でした。


大勢の人に圧倒されましたが、挫けずにいいポジション陣取って、しっかり堪能しました。


400年の歴史を持つアムステルダムの運河都市、素晴らしい世界遺産と芸術を味わえる旅でした。
またそんな旅に行ける日はいつだろう・・・


あなたの
旅の思い出の地は
どこですか?


「くわしく学ぶ世界遺産300<第5版> 世界遺産検定2級公式テキスト」マイナビ出版
「くわしく学ぶ世界遺産300<第5版> 世界遺産検定2級公式テキスト」マイナビ出版