映画「ミッドナイト・イン・パリ」に登場する偉大なアーティスト

名作映画で知る歴史に名を残した芸術家たち


前回は、大大大好きな映画「ミッドナイト・イン・パリMidnight in Paris)」について簡単にご紹介させていただきました。

この映画は、主人公であるハリウッドの売れっ子脚本家ギルが、2010年の夏、婚約者と訪れた憧れの街パリで、現代から黄金時代(ゴールデンエイジ)の1920年代へとタイムスリップし、当時のアーティスト達と夢のような時間を過ごして…という言わば大人のためのおとぎ話です。

尊敬する歴史上の偉大なアーティストに会えることができたら。。。
そんなことを夢見るのは、この映画の主人公ギルに限ったことではなく、私もそうですし、このブログを読んでくださっているあなたもそうかもしれませんね。

真夜中のパリ、午前0時を知らせる鐘の音とともに現れたクラシックカーに乗り込み、過去へとタイムスリップしてしまったギルでしたが、さまよいこんだのは芸術や文化が開花し、活気にあふれた1920年代のパリの社交場。
続々と登場する当時のアーティスト。
初めは困惑するも、脚本家から本格的な小説家への転身を願っていたギルにとって、敬愛してやまないアーティスト達との夢のような時間なわけで。
興奮しつつその幸せに素直に身を任せる彼の姿には共感できます。


さて、映画「ミッドナイト・イン・パリ」にはいかなる歴史的アーティストが登場するのか。
その人物達を登場順にご紹介します。
(なお、ポートレイトは全てWikipediaから転載させていただいています。写真をクリックするとWikipediaのページにリンクしますので、ご活用くださいませ)


コール・ポーター(Cole Porter、1891-1964)

アメリカの作曲家・作詞家で、1910年代後半から1920年代後半にかけてパリに在住していました。彼の曲は数多くのミュージカルや映画で使われ、ジャズのスタンダードとしても愛されています。
映画では、主人公ギルがタイムスリップしたばかりの場面で訪れたパーティー会場で、コール・ポーターがピアノを弾きながら名曲「Let’s Do it, Let’s Fall in Love」披露しています。

Cole Porter – Let’s Do It.(by renato reyes

ゼルダ・フィッツジェラルド(Zelda Fitzgerald、1900-1948)

アメリカアラバマ州生まれで、ハイスクールを卒業後、スコット・フィッツジェラルドと1920年に結婚。彼の作品に影響を与えたことで知られています。彼女自身も小説やエッセイを書いており、独自の創作活動を行い、自由奔放ながらも壮絶な人生を送りました。
映画では、ゼルダが困惑した表情のギルに「迷子みたいね」と声をかけます。英語で話しかけられたギルは同じアメリカ人かと安心し、自己紹介し作家であることを伝えたところで、夫のスコット・フィッツジェラルドに紹介されます。

F・スコット・フィッツジェラルド(F. Scott Fitzgerald、1896-1940)

アメリカ文学の象徴的な作家で、ゼルダと結婚した同年の1920年に処女長編「楽園のこちら側」が全米ベストセラーになったことや、1974年にロバート・レッドフォード主演、2013年にはレオナルド・ディカプリオが主演で映画化された「華麗なるギャツビー」などの作品で知られています。1924年から1930年まで、ゼルダと娘とともにフランスに移住しました。
映画では、過去にタイムスリップしてしまったことにまだ気がつけていないギルが、F・スコット・フィッツジェラルドから「このパーティーのホストはジャンコ・クトーだ」と聞き、「冗談がきつい」と返すのですが、フィッツジェラルド夫妻はギルがつまらながっていると勘違いし、他の場所へと連れ出します。


ちなみに、ジャン・コクトーJean Cocteau、1889-1963)は映画監督、劇作家、詩人、小説家、画家として、フランスの多才な芸術家でした。
この映画ではここで名前が出てくるのみですが、彼が20世紀の芸術界で偉大な存在であるがゆえ、ギルが冗談かと思うのも頷けます。

ジョセフィン・ベイカー(Josephine Baker、1906-1975)

アメリカ出身のダンサー、歌手、女優で、パリのミュージックホール「フォリー・ベルジュール」の看板スターとなり、フランスで人気を博した黒人アーティスト。
映画では、ギルがフィッツジェラルド夫妻らとともに訪れたバーで、ジョセフィン・ベイカーによるルンバ曲「La Conga Blicoti」のパフォーマンスを前に、初め驚きつつも次第に表情が和み、過去の時代に来てしまったということを徐々に受け入れていくさまが見て取れます。

Josephine Baker – La Conga Blicoti(by Roman Nep /Scene from “Midnight in Paris”)


アーネスト・ヘミングウェイ(Ernest Hemingway、1899-1961)

20世紀のアメリカ文学の巨星とも言われるほどの小説家で、1954年にノーベル文学賞を受賞しました。
1921年から1928年までパリに住み、文学的なサークルで多くの作家や芸術家と交流し、その体験が彼の創作に大きな影響を与えたとのことです。代表作としては「老人と海」「日はまた昇る」「武器よさらば」「誰がために鐘は鳴る」など。
映画では、ジョセフィン・ベイカーが歌い踊るバーを出た後、フィッツジェラルド夫妻はギルをレストラン「ポリドール」に連れて行き、ヘミングウェイに紹介します。ギルは彼に大ファンだと言い、自分の作品を評価してもらうことを熱望します。


ファン・ベルモンテ(Juan Belmonte、1892−1962)

スペイン生まれの闘牛士で、20世紀初頭のスペインで最も偉大な闘牛士の一人とされています。闘牛技術の革新者であり、伝統的な闘牛のスタイルを大きく変えたことで有名です。ヘミングウェイとは親友で、「日はまた昇る」に実名で登場しています。
映画では、フィッツジェラルド夫妻ヘミングウェイとパリで楽しむ様子が描かれていますが、実際はパリに住んでいたことはなかったようです(この映画のように、旅行など短期滞在していた可能性はあるかもですね!)。

ガートルード・スタイン(Gertrude Stein1874-1946)

アメリカの作家であり詩人で、パリの文学界に影響を与えた女性。パリでサロンを主宰し、多くの芸術家や作家と交流した、近代芸術の擁護者的存在でした。ヘミングウェイにも文章指導をしており「言葉の料理人」と言われた人物です。
映画では、ギルから小説の評価を頼まれたヘミングウェイが作家はライバル同士だからとガートルード・スタインを紹介します。

パブロ・ピカソ(Pablo Picasso、1881-1973)

スペイン出身の画家でフランスに定住しました。フランスの画家ジョルジュ・ブラックらとキュビスムを創始し、その後もシュルレアリスム、抽象表現主義など、さまざまな芸術運動に影響を与えました。代表作には「ゲルニカ」や「アヴィニョンの娘たち」「海辺を走る二人の女」があります。
映画では、ヘミングウェイがギルを連れて行ったガートルード・スタインのサロンで登場します。ギルは美術的な視点からもインスピレーションを受けることになります。

ジューナ・バーンズ(Djuna Barnes、1892-1982)

アメリカの作家で、モダニズム文学の一翼を担った女性。彼女の代表作「夜の森」の出版にあたっては詩人のT.S.エリオットが多大な尽力をしたといいます。
映画では、遊園地で開かれたパーティーでギルとジューナ・バーンズが一緒にダンスしている様子が描かれています。


サルバドール・ダリ(Salvador Dalí、1904-1989)

スペインのシュルレアリスムを代表する画家で映画制作者。常識を破壊し新しいアートを創造した芸術家で、「偏執狂的批判的方法(ダブルイメージ、二重影像)」という技法でだまし絵的幻想画を描きました。パリでの滞在では多彩なアーティスト達と活動を共にしています。
映画では、ギルが3度目に訪れた1920年代のパリのレストランで、サルバドール・ダリに声をかけられ、ダリの作品のモチーフの一つでもあるサイについてやたらと語られるのが笑えます。

ルイス・ブニュエル(Luis Buñuel、1900-1983)

スペイン出身の映画監督で、シュルレアリスム運動の一員として知られています。ダリと共同でパリで制作した映画「アンダルシアの犬(Un Chien Andalou)」で注目されるようになりました。
映画では、ダリとギルが話しているところににルイス・ブニュエルと写真家のマン・レイが連れ立って現れます。脚本家であるギルが彼らとの出会いを喜ぶのは当然ですね。

マン・レイ(Man Ray、1890-1976)

アメリカの写真家で、画家や彫刻家としても活動している、シュルレアリストを代表する芸術家。フランスを代表するダダイストであるマルセル・デュシャンに感化されパリに渡り、ニューヨーク・ダダとヨーロッパのダダを同時並行的に進めました。
映画では、サルバドール・ダリルイス・ブニュエルそしてマン・レイという奇抜なアーティスト達を前に思わずギルが「自分は未来から来た」と打ち明けるのですが、マン・レイは「理にかなっている。君は2つの世界の住人。何ら不思議はない。」と疑問を抱かずで、ギルは「あなたはシュルレアリストだから」と納得しつつ身の上を話します。

T.S.エリオット(T.S. Eliot、1888-1965)

アメリカ生まれのイギリスの詩人で、モダニズム運動の代表的な人物の一人。ハーバード大学進学後、パリに留学しました。詩集「荒地」などが有名で、詩の中で精緻な言葉遊びを展開し、1948年にノーベル文学賞を受賞しました。また、子供向けの詩集である「キャッツ – ポッサムおじさんの猫とつき合う法」はミュージカル「キャッツ」の原作となっています。
映画では、ギルが4度目の過去へのトリップを図った際に現れた車に搭乗していたのがT.S.エリオットで、ギルはそこでエリオットの処女詩集「プルーフロックその他の観察」は自分の経典だと本人に伝えます。


アンリ・マティス(Henri Matisse、1869-1954)

フランスの画家で、印象派とフォーヴィズムの要素を取り入れた画風で知られています。色彩感覚と抽象的なアプローチが際立っており「色彩の魔術師」と言われました。
映画では、ガートルード・スタインのサロンを再訪したギルが、マティスの新作をスタインが500フランで買い取ろうとしているところに遭遇。現在500フランはおよそ82,000円。それは普通に考えれば一般人にとって大金ですが、マティスの本物の作品を現代で買うには安すぎなのでギルは自分も欲しいと言い放ちます。


さてここまでが、1920年代の場面でギルが出会ったアーティスト達ですが、物語ではさらなる展開があり、時代をさらに遡り、ギルは1890年代のパリまで旅することになります。
そこで出会うのが以下のアーティスト。

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック(Henri de Toulouse-Lautrec、1864-1901)

フランスの画家で、ポスターアートの先駆者として知られ、モンマルトルのナイトライフやキャバレーのシーンを描きました。
映画では、ギルが1920年代のパリで出会った美しい女性アドリアナとともに、さらに過去のベル・エポック(良き時代、美しき時代)と言われる1890年代へとトリップし、訪れたモンマルトルのダンスホール「ムーラン・ルージュ」で2人はロートレックに出会い、声をかけます。
ちなみに、アドリアナはこの映画のヒロインの一人で架空の人物です。

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックムーラン・ルージュの舞踏会Bal au Moulin Rouge 1890年)」

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック ポスター「ムーラン・ルージュのラ・グリュMoulin Rouge – La Goulue 1891年)」

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックフィンセント・ファン・ゴッホVincent van Gogh 1887年)」

(引用元:Wikipedia


ポール・ゴーギャン(Paul Gauguin、1848-1903)

フランスの後期印象派で象徴主義の画家。南太平洋での滞在中に独自のスタイルを開発しました。彼の作品にはタヒチの風景やポリネシアの文化が描かれています。
映画では、ギルとアドリアナがロートレックと話している席にゴーギャンドガが共に現れます。ゴーギャンは、オートクチュールを職業にしているというアドリアナに、ドガの友人が新作バレエの衣装係を探していることを教えます。

ポール・ゴーギャンブルターニュの羊飼いLa bergère bretonne 1886年)」

ポール・ゴーギャン「タヒチの女(浜辺にて)(Femmes de Tahiti 1891年)」

ゴッホが描いた「ポール・ゴーギャン(赤いベレー帽の男)portrait of Paul Gauguin (Man in a Red Beret) 1888年)」

(引用元:Wikipedia

エドガー・ドガ(Edgar Degas、1834-1917)

フランスの印象派の画家で、特にバレエやダンサーをテーマにした作品で知られています。彼の描写は動きや瞬間を捉えたもので、美術史に重要な存在とされており、彫刻作品も秀逸です。
映画では、このベル・エポック期こそ黄金時代だと言うアドリアナに対し、ゴーギャンとともに「今よりルネサンス期こそが良い時代だ」と主張します。

エドガー・ドガ踊りの花形(エトワール、あるいは舞台の踊り子とも呼ばれる)(L’étoile de la danse (L’étoile ou danseuse sur scène) 1878年頃)」

エドガー・ドガ14歳の小さな踊り子(La Petite Danseuse de Quatorze Ans 1881年)」

エドガー・ドガオペラ座のオーケストラ(L’Orchestre de l’Opéra 1870年)」

(引用元:Wikipedia


以上が、映画「ミッドナイト・イン・パリ」で主人公のギル・ペンダーが出会ってきた歴史に名を残す偉大なアーティストたちです。

ここでは書ききれませんが、映画に登場したアーティスト達について、現実の世界でも実際に語られている姿が、本作内でも外見や言動からよく表現されていて、本当に面白い。
名優揃いの配役とはいえ、いかに俳優さんたちが努力をされたかということがうかがい知れます。
(是非このページに記載した実在したアーティスト達のポートレイトと、映画で演じる俳優さんたちの姿を見比べてみてください!!)


なお、この映画のDVDやチラシ等にはゴッホの名作「星月夜」が使われていますが、ゴッホは映画には登場しません。
パリを愛したアーティストとしてゴッホを外すわけにはいきませんよね。
しかしながら、フィンセント・ファン・ゴッホVincent van Goghがこの現実世界に生きたのは1853年から1890年で、「星月夜」が描かれたのは1889年、フランスのサン・レミ・ド・プロヴァンスにあるサン・ポール・ド・モゾル修道院病院で精神科治療を受けていたときのこと。
というわけで、この映画がフィクションであるものの、ギルが訪れた時代設定を考えるとゴッホ自身を登場させるのは難しかったからゆえと思いますが、名画だけでも登場させるというのが、また素敵です。

ゴッホ「星月夜」(引用元:Wikipedia


さて、ここまでだいぶネタバレ的なことを書いてしまいましたが、ウディ・アレンの脚本はさすがで、BGMは始終ゆったりしているものの、展開からは目を離せず、中身の濃いあっという間な鑑賞時間に充実感を覚えます。


というわけで、登場人物だけでまた長くなってしまいましたので、映画「ミッドナイト・イン・パリ」で主人公ギルが訪れたパリの名所については次回に。


あなたが尊敬する
歴史上の人物は
誰ですか?

アート好きにはたまらないラブコメ「ミッドナイト・イン・パリ」

2012年アカデミー賞&ゴールデン・グローブ賞 最優秀脚本賞W受賞の名作


本日取り上げますのは映画「ミッドナイト・イン・パリ(原題:Midnight in Paris)」。
映画界の巨匠ウディ・アレンが脚本と監督を務め、2011年に全編パリで撮影されました。
2012年のアカデミー賞ゴールデングローブ賞でどちらも最優秀脚本賞を受賞し、その他の数々の賞にもノミネートし受賞しています。

もう、私も大大大好きな映画です!
2012年に日本で公開された当初は映画館で観て、期待していた以上の面白さに感動し、DVDも即買いしました。

映画「ミッドナイト・イン・パリ」のパフレットとDVD


ブログを綴り始めた頃はこの映画について必ず書こうと思っていたのですが、大大大好きだと言いながらも、そのうちすっかり失念。
しかし、初めてのフランス旅を目前に、今こそ綴っておかなければと思い出しました。

ミッドナイト・イン・パリ」のDVDのジャケットおよびチラシのイメージを見て、アート好きならもちろん、そうでなくとも多くの人がアートに関わる映画なのかな?と察しがつくかと思います。

そう、このイメージに使われているのは、天才画家ゴッホによって描かれた名画「星月夜」。
アーティスティックな映画であることを予感できますよね。

映画「ミッドナイト・イン・パリ」のチラシ(表)
(画像をクリックするとPDF画面が開き、拡大できます)

映画「ミッドナイト・イン・パリ」のチラシ(裏)

更には、この映画のキャッチフレーズに

天才ウディ・アレンが真夜中のパリに魔法をかけた!
誰しもをめくるめくおとぎ話の世界へトリップさせる至福のロマンティック・コメディ

とあるように、ラブコメ要素あり、SFファンタジー要素もありで、見応え抜群です。

映画『ミッドナイト・イン・パリ』予告編(by 映画配給会社ロングライド


この映画の内容について私流に一文でまとめると、
あまたのアーティストたちが愛し、誰もが憧れてやまない魅惑の都市パリへ、お嬢様育ちの婚約者との婚前旅行にやってきた、ハリウッドの売れっ子脚本家から本格的な小説家への転身を夢見る主人公ギル・ペンダー(オーウェル・ウィルソン)が、パリの黄金時代へとタイムスリップし、当時のアーティストたちと出会い夢のような時間を過ごす中で、自分の内面に気がつき、言い換えれば、現実と向き合い本当の自分に戻り、そして最終的に自分にとって本当に必要な人に巡り会う物語、
という感じでしょうか。

私事ですが、この映画を観た前年は2011年、東日本大震災で私自身も大きなダメージを受けた年です。
震災後という点で初めて映画館で観たのがこの「ミッドナイト・イン・パリ」でした。

過去のブログにも書きましたが、私は震災のおかげで、命のありがたさを感じ、それまで忘れかけていたアートへの想いが復活したので、そのタイミングでこの素晴らしい映画を観ることができたのには因縁のようなものを感じましたし、映画館で映画を観ることができる幸せを噛みしめ、大好きなアートに関連する物語で楽しく現実逃避しつつも、命ある現実に感謝する気持ちになれたこの映画は私の宝物の一つです。

さて話がそれましたが、映画「ミッドナイト・イン・パリ」はオープニングがまた良いのです。
シドニー・ベシェのジャズ名曲「Si Tu Vois Ma Mère」をBGMに、現代の何気ないパリの日常の映像が映し出されます。
何気ないといっても、そこはパリ。
美しい名所の数々をおよそ3分の曲分いっぱい堪能することができます。

この部分では全く俳優さんたちは出てきませんし、なんの装飾もされていないパリの日常風景の記録動画という感じですので、何も知らないでこれだけを見ると、まさかロマンティック・コメディ映画の一部とは気がつかないかもしれません。
けど、そんなオープニングで始まる映画だからこそ、むしろこのシンプルさが、パリというそれだけで素晴らしい空間で、素敵な物語が展開されるのかもと胸が高鳴るのです。

なんと!その、映画「ミッドナイト・イン・パリ」のオープニングだけを切り取られた動画がYouTubeで観ることができますので、こちらも是非♪

Si Tu Vois Ma Mère – Midnight in Paris (2011)(by Alex Wang


ちなみに、このゆったりした曲を奏でるシドニー・ベシェ(Sidney Bechet、1897年5月14日 – 1959年5月14日)は、アメリカ・ルイジアナ州ニューオーリンズ出身のクラリネットおよびソプラノ・サックスのジャズ・ミュージシャンで、フランスへは1949年に移住したそうです。

曲名の「Si Tu Vois Ma Mère」はフランス語で、「もしもあなたが私の母を見たら」という意味で、1930年代にフランスの歌手Lucienne Delyleによって歌われ、その後も多くのアーティストによってカバーされてきました。

この曲が映画「ミッドナイト・イン・パリ」にピッタリなのも納得ですね。
他にも、古き良き時代の名曲によって心地よく物語が展開されます。

以上、ここまで簡単にまとめましたが、フランス・パリへの一人旅を控えている私なので、本当は、この映画に登場する歴史上のアーティストや舞台になった観光スポットも述べたかったのです。
しかしながら、それでは長くなってしまいそうですので、それらについてはまたの機会に投稿しようと思います。


あなたの好きな
アカデミー賞受賞作といえば
なんですか?

フランス四大河川を知る

人類にとって重要な河川をきっかけに楽しむ旅


旅行する時のテーマは”アート”であり、特に美術世界遺産を中心に、愛用するCanonのカメラを手に撮影を楽しみながら訪れた地を散策するのが、私にとって至福の一つ。

毎週日曜午後6時に放送されるTBS番組「世界遺産」は、Canonの8Kカメラで撮影されていることもあり、通常ほとんどテレビを観ない私でも、この番組だけはチェックしています。
Canon presents”に始まる番組オープニングの画面とナレーションの響きだけでワクワクしちゃう♪


とは言え、限られた時間の中、やるべきことはいろいろあるので、毎回絶対見逃さないというわけでもないのが事実…

なのですが!
本日(2023年8月17日)のテーマは「ローヌ川で行く!南仏の世界遺産」とのことで、フランス旅行を目前に控えている私には外せません!

そしてお恥ずかしながら私、この予告のWEBページ(http://www.tbs.co.jp/heritage/archive/20230827/)を拝見し、初めて「フランス四大河川」について知りました。
世界四大文明であれば中学校の歴史の授業で学んで、どの文明も大河沿いに発展しているということは記憶にあったけれど、フランス四大河川なる存在があったとは。

*世界四大文明:メソポタミア文明 − チグリス・ユーフラテス川(現在のイラク)、エジプト文明 − ナイル川、インダス文明 – インダス川(現在のインド・パキスタン)、黄河文明 – 黄河(中国)

日本のおよそ1.5倍の面積を持つフランスにはたくさんの川が流れていますが、その中でも特に有名なのがフランス四大河川であり、セーヌ川ロワール川ガロンヌ川ローヌ川の4つの河川を指すのだそうです。

フランス四大河川地図(画像引用元:https://www2.rku.ac.jp/sano/France/France.htm

フランス四大河川の要約を以下に記します。

セーヌ川Seine River
フランス北部を流れ、首都パリを通過してイギリス海峡に注ぐ河川。
フランス国内で最も重要な河川の一つで、パリ市内にはセーヌ川に架かる美しい橋や観光名所が点在し、「パリのセーヌ河岸Paris, Banks of the Seine)」として世界遺産に登録されています。

ロワール川Loire River
フランス最長の河川で、フランス中部を流れています。
美しい自然が広がる風景と多くの歴史的な城が点在しており、「シュリー=シュル=ロワールとシャロンヌ間のロワール渓谷The Loire Valley between Sully-sur-Loire and Chalonnes)」として世界遺産に登録され、ブドウ畑が広がる地域です。

ガロンヌ川Garonne River
フランス南部を流れ、ピレネー山脈に源を発して大西洋に注ぎます。
フランス南西部の中心都市である港町で世界的なワインの産地ボルドーや、赤レンガ造りの建物が並び「バラ色の街」とも呼ばれるトゥールーズなどの都市がこの川の流域に位置し、商業や農業に利用されています。
ボルドー・リューヌ港Bordeaux, Port of the Moon)もまた世界遺産として登録されており、この港の名「リューヌ」は、湾曲するガロンヌ河岸に発達した町の形状に由来し、フランス語で「」を意味します。

ローヌ川Rhône River
スイスアルプスのローヌ氷河を源流としてフランス南東部を流れ、地中海に注ぎます。
フランス第二の都市であり「絹の町」として知られるリヨンを通過し、主要な交通路としての役割も果たしています。
特にローヌ渓谷地方では高品質なワインが生産され、ワイン愛好家にとっては魅力的な選択肢であるとともに、歴史的な街並みや建造物が点在し、文化的な魅力も携えた、フランスにおける重要な河川の一つです。

この「ローヌ川」が本日のTBS「世界遺産」で大々的に取り上げられました。
フランスのローヌ川沿いには、次の4つの世界遺産が点在しています。

リヨン歴史地区Historic Site of Lyons

オランジュのローマ劇場と「凱旋門」Roman Theatre and its Surroundings and the “Triumphal Arch” of Orange

アヴィニョン歴史地区Historic Centre of Avignon: Papal Palace, Episcopal Ensemble and Avignon Bridge

アルルのローマ遺跡とロマネスク様式建造物群Arles, Roman and Romanesque Monuments

水と農業、交通と貿易、都市の形成と成長、そして文化や芸術と宗教…
河川は古代から現代にかけて、人々の生活と社会の構築に大きな影響を与えてきたのですね。

なんて魅力的な世界なのでしょう。
しかし、私が今年控えているフランス旅ではこれらを全て巡る時間はなく(涙)

けれどもこの度、歴史上重要な河川をきっかけに旅の計画を立てるのも面白そうだということに気づかせていただきました。
フランスに限らず、今後の旅の計画がさらに楽しくなりそうです。
良き知見を与えていただけたことに感謝します⚘


あなたが知る
世界の河川といえば
どこですか?


フィリピン ビガンの歴史地区とチャバヤン村

世界の行きたい場所リストに加えたレアスポット


以前は多少なりとも仕事で英語に触れることもあった私ですが、現在勤めている保育園では全くと言っていいほど英語に関わることがありません。
ただでさえ英語苦手な私・・・

今年、久々に海外一人旅をするというのに、自分から英語に触れる機会を作らない限り英語でコミュニケーションする度胸がなくなっていく一方だと危機を感じ、ここ最近、オンラインによる英会話レッスンの時間をわずかながらでも取ることに。

先生は、フィリピン人女性。
日本に住んでいた経験もお持ちで、日本人の特性も把握していらっしゃるので、話しやすく、会話するたびに勇気を得ており、出会いに感謝しています。

さて今日は、フィリピンの世界遺産について話をしたいとリクエストしました。

私が取り上げたのは、一般的にもよく知られている、「プエルト・プリンセサ地下河川国立公園Puerto Princesa Subterranean River National Park)」と「フィリピン・コルディリェーラの棚田群Rice Terraces of the Philippine Cordilleras)」。

プエルト・プリンセサ地下河川国立公園
フィリピン・コルディリェーラの棚田群

東南アジアに位置し、7,641もの島国からなる群島国家フィリピンの南西にある熱帯雨林パワラン島には、手つかずの自然が残っており「フィリピン最後の秘境」と呼ばれているそうです。

パワラン島中央部の港町プエルト・プリセンサの北にセント・ポール山地があり、その地下を流れるのがプエルト・プリンセサ地下河川
自然の宝庫としての価値を持つ世界遺産として1999年に登録された「プエルト・プリンセサ地下河川国立公園Puerto Princesa Subterranean River National Park)」は、8.2mにも渡る世界最大の地下河川を有し、壮大な石灰岩の洞窟内を流れる清澄な水で満たされ、天井から吊り下げられた美しい鍾乳石や岩の形状が、訪れる人々を魅了するのだそうです。

フィリピンの玄関口である首都マニラから、フィリピン南西部の都市プエルト・プリンセサまでは飛行機で約1時間15分、そこから車でプエルト・プリンセサ地下河川国立公園までおよそ3時間とのこと。

次に、世界遺産として1995年に登録された「フィリピン・コルディリェーラの棚田群Rice Terraces of the Philippine Cordilleras)」について。
こちらは、首都マニラを抱えるフィリピン諸島最大の島であるルソン島の北部に位置するバナウェ村から広がる美しい棚田で、その景観は「天国への階段」とも呼ばれています。
地元の農耕山岳民族イフガオ族Ifugao)によって約2,000年以上にわたって築かれてきたこの棚田を伸ばしたら、なんと地球半周分の長さになるほどだそうで、棚田地帯の規模は世界最大級を誇ると言います。

マニラからコルディリェーラの棚田群観光の基点となるバナウェまではバスでおよそ8時間とのこと。

いずれも先生はもちろんご存知で、行ったこともある、どちらも素敵な所だよ!とのことだったのですが、先生の方からはこれらとはまた異なるスポットをオススメいただきまして。

一つは、世界遺産として1999年に登録された「ビガンの歴史地区Historic City of Vigan)」。
フィリピンルソン島北部に位置する都市ビガンは、スペイン植民地時代からの歴史的な建築物と美しい街並みが広がる魅力的な場所で、「カレサ」と呼ばれる馬車に乗って、石畳の道やバロック様式、ネオゴシック様式など、多様な建築様式を持つ建物が点在する歴史的な通りを巡ることができるのだそうです。

画像引用元:Wikipedia(by gyunyu3 – Historic town of vigan

お次のこちらは世界遺産ではないですが、「チャバヤン村Chavayan Village)」について教えていただきました。
フィリピンルソン島北部にあるバタン諸島の島において、西南に位置するサブタン島Sabtang)にあり、石造りの家々の景観がとてもユニークな風情をかもし出している村。

この地域特有の伝統的な家屋のスタイルを指す名称を「イバタンハウスIvatan house)」と言うそうで、サブタン島の先住民族であるイバタン族Ivatan)が、強風や台風などの自然災害に耐えるために厚い石壁や草屋根を用いて築いた建物が、今も住居として使われています。
観光客用のイバタンハウスもあって、伝統的な雰囲気や文化に触れる体験もできるそうです。

画像引用元:Wikipedia(by anne_jimenez – Oldest House in Ivatan

多分ここ、WEB上で日本語で検索してもほとんど出てこないから、まだまだ日本人にとってはレアな場所なのだろうと思います。
フィリピンの方による直々のお話だからこそ知り得ることなのだろうと、貴重な情報をいただけて嬉しい限り。

自分の前世は中世のヨーロッパ人だったのではないかと感じてしまうくらい、なぜか石畳の街並みや石造りの家に惹かれがちな私には、どちらもとても魅力的な場所!
(いや、ピラミッドや万里の長城にもすごく惹かれるから、単に石職人だったのかもしれない・・・)
いずれもこれまでノーマークの所だった上にそのレアさにも惹かれ、是非とも行ってみたいと思いました。

私の、一度きりの人生で行きたい世界の場所リストに、またスポットが増えました。
それは要するに、楽しみが増えて、生きる意欲が益々湧くということ。
本当にありがたいことです。
感謝。


あなたがご存知の
石畳の街は
どこですか?

2023年秋のフランス旅行計画

〜仙台から出国そして旅のテーマは世界遺産〜


幾度となく告げてきたフランス旅への想い・・・


その実現も間近です。
実は、先月(7月)は私の誕生日だったので、自分へのプレゼントに!という理由付けで、今年の秋にフランス旅行することを決断し、航空チケットの購入を済ませました。

地球の歩き方「パリ&近郊の町」とそれをもじったコンビニ菓子
(普段コンビニ菓子はほとんど買わない私ですが、その航空チケットを取った日にたまたまコンビニに寄ったら、地球の歩き方「パリ&近郊の町」をもじったコンビニ菓子を発見し、引き寄せを感じて思わず購入)

今回は、ヨーロッパへ行く経路としては初めて、仙台から出国し、台北経由でパリへと向かう飛行機を選択。

日本在住の人がヨーロッパへ行くとなると、一般的には成田空港や羽田空港からの出国かと思いますが、仙台市民の場合、東京までの交通費がかかるし、飛行機の時間によっては、空港近隣で一泊する必要があったりと、出国以前に時間も費用もかかってしまうので、仙台空港からダイレクトに出国して、経由地を挟みつつでもパリに行けるというのは、仙台市民としてはとてもありがたいです。

とは言え、国内での飛行機さえ、コロナ禍以降一度も乗っていない私。
飛行機の乗り方ってどんなだったっけなんて感覚の上、一人旅でいきなり仙台から出国するのはかなり緊張感あり・・・

仙台空港 展望デッキ
仙台空港 展望デッキ(2019年12月撮影)

でも、飛行機は大好きだし、ワクワク感の方が優っているので、楽しみでなりません。

というわけで、航空チケットは取ってしまったので、今、具体的な訪問先の計画を練っています。
行き当たりばったりの旅を楽しむ人も多いと思いますし、私自身も本当はそういった形に憧れはあるのですが、どうしても仕事の休みが限られている私には、旅行日数も短くなってしまうので、予め予定を立てるのは絶対に必要な作業。
ですが、これもまた楽しくて。
このワクワクな気持ちで練っている楽しい旅の計画を、備忘録として、綴っておこうと思います。


さて、アート好き世界遺産検定2級保持者である私の旅のテーマは自ずと決まってきます。

フランスには世界遺産2023年8月時点で49件も登録されていて、パリだけに限っても世界遺産としての見所は沢山あります。

私のたった数日の滞在期間のみでは、全てを回るのはどうしても不可能なので、まずはパリで押さえておきたいのは、文化遺産として1991年に登録された「パリのセーヌ河岸Paris, Banks of the Seine)」の構成資産に含まれる以下のスポット。

ルーブル美術館Musée du Louvre

グラン・パレGrand Palais *リニューアル工事中とのことだけど、外観だけでも!)

プティ・パレPetit Palais パリ市立美術館

オルセー美術館Musée d’Orsay

シャイヨー宮Palais de Chaillot

サン・ルイ島île Saint-Louis

2000年の歴史都市として栄えてきたセーヌ河畔に広がる数々の構成資産の中から、ざっと一部抜粋しただけでも、こんなに。
ああ、想像するだけでもうっとりする世界遺産パリのセーヌ河岸Paris, Banks of the Seine)」。

でも、パリをご存知の方からは、逆にこれだけで良いの?と突っ込まれるかもしれませんね。
しかしながら、私、今回のパリ滞在は2・3日程度の予定なもので・・・
ルーブル美術館だけでも数日かかっても見切れないのはわかっていますが、大好きな美術館でも2時間程度までと時間制限をかけてまわるしかありません。

そして何より、向かうはフランス
世界遺産の構成資産となっていない場所でももちろん、素敵スポットはあるわけで。

それに今回の旅の目的の一つは、フランスモルヴァン自然公園に住む友達との再会でもあるので。

計画に組み込みたいことは他にも沢山。
その辺りについては、また次回メモります。


あなたがおすすめの
パリのスポットは
どこですか?

画家としての一面を持つフジコ・ヘミング

奇跡のピアニストが描く優しい絵画


前回、世界的ピアニストであるフジコ・ヘミング氏のコンサートについて記述したのですが、彼女の画家としての側面を持っていることについては、ファンなら知ることであれど、一般的にはあまり知られていないことのようですね。

そこで、今回は改めて、フジコ・ヘミングさんの画家としての一面についてを投稿しようと思います。

さてこちら、前回アップした写真ですが、ご存知ない方にはピンとこないようだったので、再掲します。


先月(2023年6月)仙台で開催された、フジコ・ヘミング ピアノソロ コンサートの会場で購入した物品ですが、これらCDやDVDの挿絵も含めイラストは全てフジコ・ヘミングさんによるものなのです。

フジコ・ヘミングさんのご両親は彼女が幼い頃に離婚していますが、ピアニストであった母親(日本人)と、画家で建築家だった父親(スウェーデン人)の元に生まれ、正に受け継がれた才能は類い稀なもの。
幼少期からピアノの技術を研鑽するとともに、絵を描くのが好きで、これまでたくさん描きためてこられ、それらの絵画作品がCDなどのジャケットにも使われているのです。
デザインや装丁もご本人のこだわりによることも多いそうです。

フジコ・ヘミング ピアノコンサートで購入した絵はがきのセット

絵本の挿絵も手がけられています。
素晴らしい作家さんとのコラボレーションによる作品は、子どもにはもちろん大人の心潤す逸品としても本当に素敵です。

フジコ・ヘミング氏の挿絵による絵本「ねことワルツを」と「青い玉」
フジコ・ヘミングさんの挿絵による絵本「ねことワルツを」と「青い玉」

ところで、描かれている絵には猫が多いことにお気づきでしょうか?
これもファンなら知ることですが、フジコ・ヘミングさんは大の猫好きで、たくさんの保護猫と暮らしています。
収入を得るのは、猫ちゃんたちのためでもあるそうです。
この2冊の絵本も猫との暮らしがテーマになっています。猫好きさんへのプレゼントとしても喜ばれそう。

ねことワルツを」(出版:福音館書店)の文を手がけるのは詩人石津ちひろさん。

韻を踏んだ軽快な表現の文章が楽しく、中には早口言葉のようなものもあり、子どもと一緒に楽しみながら読めることうけあいです。

このタイトルにもなっている「ねことワルツを」は、フジコさんの幼い頃の体験に基づいていて、お父さんと踊る別れのワルツを楽しくも儚い詩として綴られていて、グッときます。

青い玉」(出版:文化出版局)の文は沓沢小波(クツザワサナミ)さんによるもので、一人暮らしのおばあさんと一匹の猫の幻想的な物語です。

日英対訳版として発行されていて、海外の方にも読まれており、この収益金は、フジコさん沓沢さんのお二人によって、動物愛護団体に寄付されるそうです。


私、先日のコンサートでこの「青い玉」を購入して初めて知ったのですが、沓沢小波さんは、ここ宮城県ご出身の元幼稚園教諭でいらして、柴田町にて工芸家としてご活動されてきたそうです。

共に猫好きというご縁らしいですが、古布工芸家としてフジコ・ヘミングさんの舞台衣装も手がけてもいらっしゃるそうで、単なるいちファンながら、お二人の相性が良いであろうことは想像に難くなく、そのお二人による絵本が素敵なのも、頷けます。

それにしても、自分の地元である宮城県にこんな素晴らしい方がいらしたなんて。
知るのが遅かったのは悔やまれますが、同じ県内に住む誇れる方の存在を知り、とても嬉しく、感謝の気持ちでいっぱいになりました。

それでは、最後にフジコ・ヘミングさんの公式HP及びYouTubeチャンネルより、心が安らぐ動画を。
飾らないフジコさんの短い語りと、素晴らしい演奏がギュッと詰まった価値ある5分間です。
曲はショパンの『エオリアンハープ』。猫にも癒されます。

2020年6月、コロナ禍の中、ご自宅からフジコ・ヘミングさんが送られたメッセージ

この動画は、東京のご自宅で撮影されたそうですが、パリにもお住まいがあるフジコさん。
そうそうたる画家やピアニストが過ごしたパリにご自身も住めるのがとても幸せなのだそうです。
そして今年、いよいよ私もようやくパリ・フランスへ旅ができます。
私の場合、滞在期間はほんの数日だけど、航空券は取得済み、コロナ禍があけたらまずはフランスへ行くんだという願いの現実も目前です。
パリのフジコさんのお気に入りの場所に行ってみたいな、など、もはや現実可能な想像をするだけでもハッピーです。
私の幸せ感度を上げてくれるアーティストの皆さんの存在に感謝します。




あなたが
優しさで満たされる
絵本はなんですか?


感動のフジコ・ヘミング ピアノソロコンサート

1年延期の待ちわびた公演に涙


昨年(2022年)3月16日に起きた大地震の影響により公演延期となってしまった、そのおよそ2ヶ月半後の6月5日にここ仙台で開催されるはずだったフジコ・ヘミング ピアノソロコンサート

チケットを購入し心から楽しみにしていた私は、延期とわかった当初は、ただでさえ残念でならない気持ちでしたし、丸々1年ほど延期ということで、フジコ・ヘミング氏の年齢等考えると1年後に間違いなく開催されるだろうかと少し不安もよぎってしまいました。

”延期公演決定”と明記された「フジコ・ヘミング ピアノソロコンサート」の看板


でしたが、先日、無事開催されまして。
1年待ちわびたこの時。
もう、心が震えてたまりませんでした。

2023年6月11日(日)、会場は東京エレクトロンホール宮城、15時の開演予定時間を数分過ぎ、コンサートホールがライトダウンされ、いよいよかと胸が高鳴るところ、ステージの裾からまず見えたのは手押し車。
そう、フジコ・ヘミング氏は御年90歳の現役ピアニスト・・・
独特の風貌は健在ながら、その姿を見ただけで、よくぞはるばる仙台までいらしてくださいましたと涙が出てきてしまいました。

ピアノの前の椅子に腰掛け、指を軽く揉んだ後、始まった演奏の一曲目はシューベルト即効曲変ト長調
優しく叙情的な音色にたちまち引き込まれ。
会場の所々から、鼻をすする音も聞こえ、目頭を押さえる姿もあり、涙ながらに感動している人が私以外にもたくさんいるのだということも感じました。

第1部で9曲目、一言だけマイクで話す時もはさみましたが、およそ40分間ピアノを弾き続け、20分の休憩後の第2部では、予定されていた5曲に加え1曲プラスの6曲目。
そのフィナーレはもちろんフジコ・ヘミングの名を知らしめしたリストラ・カンパネラ

その演奏が終わった時には当然のごとく多くの拍手がありました。
一般的にはそこで一旦奏者が幕に戻った後、再度ステージ上に現れてされるアンコール演奏ですが、彼女の弱ってしまった足の都合上でしょう、そのままマイクを持って「たくさんの拍手をありがとうございます。それではアンコールにベートーベン月光を弾きます」と述べられ、今度こそ本当に最後の演奏。
静かで美しい旋律に包まれ、感動もクライマックス。


私はフジコ・ヘミング氏のコンサートは、過去にも1度だけ行ったことがあるのですが、それはもう10年以上も前のことでした。
彼女は遅咲きのピアニスト、その時でも既に70代、ピアノを愛でるように柔らかに奏でる中にも時に情熱から生み出される力強さもあり、その表現は素晴らしくて大感動しましたが、さらに現在は90歳。
あの頃に比べてミスタッチもあり、力強さに欠けるのも当然のことだろうと予測はしていた通りではありましたが、今回演奏された全部で16曲目、どれもが究極のテクニックを必要とする名曲尽くしで、それらを弾き切った体力と精神力に驚くとともに、『私の前に姿を見せてくれて、演奏を聴かせてくれて、素晴らしい時間を本当にありがとうございます』と感謝の気持ちでいっぱいになりました。

アンコール演奏も終わって、拍手喝采。
ここは日本で特にシャイな人種で知られる東北地方仙台なので会場の全員がそうではない中でも、もちろんスタンディングオベーションを送る人は大勢。
手押し車を使ってステージを去るフジコ・ヘミング氏が立ち止まって笑顔で手を振る姿に、私も思わず「かわいい!ありがとう!」とつぶやき、手を振りました。

ちなみに、私は一人で行ったのですが、私の両隣もそれぞれ一人の女性客で。
どちらの方も瞳に涙を浮かべ、「良かったですね」「素晴らしかったですね」と私に声をかけてくださって、見知らぬ人同士で互いに感動を分かち合うというひと時も持てて、本当に豊かな時間でした。
今思い返すだけでも泣けてくるほどに・・・

しかも、混雑や人の列に並ぶようなことは苦手なこともあり、基本的にコンサートグッズというものはほとんど買わない私なのですが、この時ばかりはそれを苦とは思わず、1万円以上購入してしまいました(笑)


フジコ・ヘミング氏については、衣装を自分で作ることでも有名ですが、幼少の頃からピアノを弾くこととともに絵を描くのも好きだったという彼女のその唯一無二のアートセンスも素晴らしくて、本当に大好きです。


私はと言えば、このところしばらく仕事に追われていて体調も崩しがち、よく眠れない日も続いており、このコンサート翌日も朝8時前からの通常勤務に18時半から会議と長丁場になる予定の日だったのですが、おかげで力をもらえ、『自分が生きてたからこそこんなに素晴らしい体験ができるのだ、やっぱり私は生かされているんだな、感謝して生きなければ。明日からも頑張ろう』と思えることができ、穏やかな気持ちで眠りにつけ、朝は目覚めよく、良い週のスタートを切ることができました。

モノにはあらず(グッズ買ったけど)、演奏をするコトそのいっときだけで人に感動と力を与えるアーティストって本当にすごい。
その存在に感謝、自分の命があることにも感謝。
ありがとうが溢れる気持ちに、心から感謝です。


関連記事:画家としての一面を持つフジコ・ヘミング


あなたは
最近どんなことに
感動しましたか?

アトリエ虹色たまごさんによる臨床美術作品展

東北電力グリーンプラザにて開催


絵を描く、オブジェを作るといった創作活動そのものを楽しむプロセスを通して、認知症の予防や改善、心の解放や意欲の向上、なんらかの問題をかかえた子供たちの回復を目指して開発された臨床美術
日本の医師、美術家、ファミリーケア・アドバイザーがチームとなって始まった臨床美術の研究と実践は1996年がスタートとその歴史はまだ浅いですが、現在では日本全国(わずかながら海外でも)に点在する臨床美術士さんが人々の幸せ、あたたかい世界の広がりを願って活躍されています。

臨床美術士の資格を持つ私自身はというと、ここしばらくはコロナや環境の変化などで臨床美術の活動が停滞していますが、先日久々に研修会に参加し、「スタンピングで描く藤の花」というプログラムを実践してきました。

春の風に揺れる藤の花のイメージが、およそ1時間程度で立派な絵画作品として完成しました。
ブドウにも見えなくもないかもしれませんが、それもご愛嬌で(笑)、いつも斬新な発想による技法に感心する臨床美術のプログラムですが、今回も身の回りの材料を用いてスタンピングで描くというプロセスによって、具象と抽象の合間と言えるような面白い作品として仕上がり、自己肯定感もアップするとともに、心身リフレッシュできました。

ちょうど間も無く、ここ仙台で、臨床美術の作品展が開催されるとのことですので、お知らせさせていただきますね。


一般社団法人アトリエ虹色たまごさん主催による
第5回作品展 児童~成人、高齢者、障がい者の臨床美術

個々の内なる力を信じて”をコンセプトに、14の参加施設、団体の賛同のもと開催。

児童館、視覚障がい者、生涯学習の一環から、地域活動、臨床美術士の方々他による120点~140点の作品が堂々展示されるそうです。

<日程>
2023年5月23日(火)~5月28日(日)
10:00~18:00 最終日は16:00

<場所>
東北電力グリーンプラザ アクアホール
(仙台市青葉区一番町3丁目7−1)

<入場料>
無料

展示見学の合間に楽しめるミニコンサートも企画されているとのこと。
《ミニコンサート(40分間)》
 5月27日(土)14時~ 竪琴
 5月28日(日)14時~ 琴と三味線

また、チラシには記載されていませんが、ワークショップも実施されるそうです。
《臨床美術ワークショップ》
 5月24日(水)・26日(木) 13:00~17:00
 *料金:無料 *持ち物:不要

ユニークなアイディアに富んだ臨床美術のアートプログラムは、アート制作が好きな方はもちろん、アートに苦手意識を持っている方でも、きっと楽しめると思いますので、興味のある方はお気軽に参加してみていただきたいです♪

なお、東北電力グリーンプラザは下図のとおりです。


あなたは
どんなアート制作を
楽しんだことがありますか?

至福のセラピー 小顔矯正×音浴

仙台在住のサウンドセラピスト陽蘭さんのアトリエを訪ねて その2


先週のゴールデンウィークは皆さまにとって有意義なお時間となりましたでしょうか?
私はゆったりと自分の時間を過ごすことに費やしました。
その中でも、特に心身豊かなひと時だったことについて、記録しておこうと思います。

まずは前回の投稿の振り返り↓

この最後に記述した通り、今年の連休初日は、再び陽蘭さんのアトリエ/サロン Atelier Blossomを訪れ、また初めての素敵な体験をしてきました。

それは、クリスタルボウルの生演奏によるサウンドバス(音浴)に浸りながら小顔矯正施術を受けるというもの。

ここ最近耳にする「小顔矯正」というものにちょっとだけ興味はあったものの、これまで、エステなどで全身のケアをしてもらうことはあっても、顔に集中したケアというものになんとなく抵抗があり尻込みしていました。
顔に限らず、どんなセラピーでも、トリートメントしてくれるセラピストさんとの相性が私にとってはとても大切なので尚更。

ですが、ゴールデンウィーク明けにはコロナも5類になってマスクも外せるようになる、そして仕事の繁忙期で疲れもたまりがちだった私にとって、このタイミングでの陽蘭さんの今回の企画は、まさに渡りに船。
陽蘭さんが信頼してコラボするセラピストさんなら、きっと私にとっても間違いないだろうと思えたので、トライさせていただくことにしたのです。


以下は陽蘭さんのインスタグラムポスト。
わぁこの二人可愛いーと思ったら、このはじめのツーショットはそういえば私が撮影させていただいた写真でした(笑)
使ってもらえたら嬉しいなと思っていたのですが、利用いただけて、本当に幸せ♡
このショットに続けて、今回の「小顔矯正×音浴」セラピーの様子が動画で紹介されていますので、是非ご覧くださいませ。

今回の企画で陽蘭さんがコラボレーションしたのは、横浜でサロンを昨年オープンさせたばかりの楠木渚さん。
陽蘭さんがおっしゃっている通り、さんのセラピーは気功を使った小顔矯正で、東洋医学の「気・血・水」の考え方に根ざされたその施術は、じんわりと心身に染み入る気持ち良さ。

顔だけでなく、首から頭にかけてと腹部もトリートメントしていただけたのがとても気持ち良くて、施術終了後そのことをお話ししたら、私の「頭がパンパンになっている」ことや「内臓が硬くなっている」というのを感じてくださってのことだったそう。

実はここ最近、パソコンとにらめっこの仕事が続き、頭が本来の大きさより何倍も大きくなってしまっているような感覚があり、責任も重くて気が張っているような日々が続いていた、ということを施術前に予め伝えていたわけではなかったのですが、それをさんは”気”によって感じとり、私のためのカスタムメイドな施術をしてくださったのです。

さんが淹れてくださった美味しい漢方ティーをいただきつつ、陽蘭さんと3人でいろいろお話するのも楽しかったです。
漢方コーディネーターでもいらっしゃるさんによる漢方豆知識もためになり、とっても気になったさんオリジナルの「台湾風ぜんざいセット」と「なつめチップス」も購入させていただきました。


さて、さんのインスタグラムポストもここでシェアさせていただきましょう。
台湾風ぜんざい」についてはいずれさんが投稿してくださるとのことなので、是非とも参考にさせていただきたいと思います♪

https://www.instagram.com/p/Cqjj_QMPcpv/?utm_source=ig_web_copy_link&igshid=MzRlODBiNWFlZA==
さんの横浜に構えるサロン美妖庵にも必ず行こうと思います!
(そういえば、美妖庵陽蘭、響きが似てるけど、これは偶然・・・?笑)

陽蘭さんが奏でる美しいクリスタルボウルの音を浴びる中で、さんによって心を込めて施されるトリートメントは、まさに究極のヒーリングセラピーでした。
波長ぴったりのお二人のコンビネーションも心地よく、その掛け合いも相乗効果で、とても癒されました。
本当にありがとうございました₊ෆ*´-



リリースされたばかりの陽蘭さんによるクリスタルボウル演奏のYouTube動画

あなたはどんな
ヒーリング体験を
したことがありますか?

クリスタルボウル奏者 陽蘭さんとの出会い

仙台在住のサウンドセラピスト陽蘭さんのアトリエを訪ねて その1


2023年もあっという間に5月、ゴールデンウィーク突入です。
コロナ自粛もほぼ解禁状態になりつつあるこの連休、きっとあちこちが賑わっていることでしょう。

私は人混みや騒々しい所は得意ではないので、アートスペースのあるマイホームの整備をのんびり進めつつ、気が向いたら近場にふらっと出かけるくらいにして、ゆったり過ごす連休にするつもりです。

なので、まずはここ最近サボり気味のブログを更新。

取り上げさせていただくのは、仙台在住のサウンドセラピストでいらっしゃる陽蘭さん。
タイトルに記載した通り、クリスタルボウルを奏でる方です。

さて、クリスタルボウルについて、あなたはご存知ですか?
その生演奏を聴いたことはありますか?
歴史も浅い楽器ということで、まだまだ知る人ぞ知るかもしれないですね。
というわけで、まずは、以下のインスタグラムポストをご覧くださいませ。

インスタグラムで述べた通り、それまでクリスタルボウルのライブ演奏を聴いたことはなかったので、体験できる機会はないかなと思っていたところ、昨年ウェブ上で陽蘭さんの存在を知りまして。

クリスタルボウル奏者さんはもちろん他にもいらっしゃるわけですが、私にとってのポイントは、仙台を拠点に活動されているということと、アート(美術)やアロマセラピーなどと掛け合わせた演奏会を企画されているという点で、私の大好きなことばかり!是非とも陽蘭さんに直接お会いしたいと思ったのです。

色々な興味深い企画をされているのでどれも体験してみたいところでしたが、クリスタルボウルの生音に触れたことがなかった私は、陽蘭さんのアトリエ/サロン Atelier Blossom を訪れた初回は、まずはクリスタルボウル音浴セラピーのソロセッションでシンプルにその美しい音を堪能させていただきました。
そこでクリスタルボウルの良さを改めて知るとともに、陽蘭さんの安心できる人柄に惚れ込み、すでに数回、Atelier Blossom に足を運んでいます。

先月は、陽蘭さんとセッションが楽しめる「癒しのアート」に参加させていただきました。


ところで、この連休はゆったり過ごしたいと最初に述べましたが、”ゆったり”というと、皆さんはどのような過ごし方をされますか?
ここ最近の私はといえば、”ヒーリング”がキーワードの一つで。

”ヒーリング”を日本語に言い換えるとしたら、”癒し”を思い浮かべるのではないでしょうか。
日本語の”癒し”という言葉には、肉体や精神の疲れを解消する、ストレスから解放されるという意味合いがあります。
ゆったりと癒されて心身の緊張をほぐす・・・もちろんそれも正しい。
のですが、”癒し”を逆に英語にすると”relax(リラックス)”が近いようでして、実はヒーリングhealingとは、英英辞書を引くと

1 the treatment of illness using natural powers or prayer rather than medicine
2 the process of becoming healthy and strong again

ロングマン現代英英辞典より

直訳すると、以下の通り。
1)薬ではなく自然の力や祈りを使って病気を治療すること
2)再び健康で強くなる方法

クリスタルボウルの倍音にも、まさにこの効能があるというわけです。
さらに、クリスタルボウルの音が響く中にアートワークの実践を取り入れたりすると、その効果も倍増するということですね。

上述した陽蘭さんとのアートセッションでそれを実感したのですが、実はこの連休初日、再び陽蘭さんのアトリエ/サロン Atelier Blossomを訪れ、「小顔矯正×音浴セラピー」を体験してきまして、これこそ真のヒーリングであるとますます実感 ♪

詳しくは、また次回にアップさせていただきたいと思います。


あなたは
クリスタルボウルの生音を
体験したことがありますか?