ランス美術館収蔵品と日本皇室の美が一度で楽しめる贅沢@仙台

宮城県美術館で見応えある特別展が同時開催!


この秋、絶対に行きたいと思っていた宮城県美術館での特別展。
9月18日(土)から「ランス美術館コレクション 風景画のはじまり コローから印象派へ」と「宮内庁三の丸尚蔵館所蔵 皇室の名品展 皇室の美-東北ゆかりの品々」という2大特別展が宮城県美術館において開催されています。
しかも「ランス美術館展」のチケットの購入のみで「皇室の美展」も見ることができるというありがたさ。

この展示予定を知った時点で、芸術の秋にふさわしい展覧会!絶対行く!!と決めていたものの、気がついたら終了目前でした。
いずれも、11月7日(日)が最終日です。

朝の静かな西公園の広瀬川沿いです。宮城県美術館への道すがら。
宮城県美術館前の看板
宮城県美術館の正面入り口

文化の日(2021年11月3日)にギリギリ滑り込みで行ってきたのですが、お客さん、結構いらっしゃいました。
チッケト購入窓口には時々長い列もできていて、私も比較的すいていた時でしたが数分並んだので、前売券買っておけばよかったとちょっと悔やみました。

どうやら、11月3日(水・祝)は宮城県美術館の開館記念日とういうことで常設展無料観覧日だった模様(知らなかった〜)。
故に、常設展示場を使われていた「皇室の美展」が無料となっていたことも、混んでいた理由の一つかもしれません。

ランス美術館コレクション 風景画のはじまり コローから印象派へ」の当日券料金は、一般 1600円、学生 1400円、小・中・高校生800円です。
これがあれば「皇室の美展」及び「常設展」も観られます☆

さて、その日の私の巡り方は、庭の散策→「皇室の美展」→カフェでランチ→「ランス美術館展」→ミュージアムショップ物色という流れ。

予めチケットを購入して、まずは庭の散策へ。
宮城県美術館の庭にあるおなじみの彫刻作品たちも、秋色に染まった背景の中で見ると、他の季節の時とまた違った趣を感じます。

秋の宮城県美術館庭園を堪能したのちに館内へ戻り、宮内庁三の丸尚蔵館所蔵 皇室の名品展 皇室の美-東北ゆかりの品々」を観覧しました。

宮内庁三の丸尚蔵館所蔵 皇室の名品展 皇室の美-東北ゆかりの品々」は、1階の常設展示場が会場です。
でもこちら、いわゆる「常設展」ではないわけで。
(宮城県美術館所蔵作品による常設展もこの特別展に続いて見ることができるように配置されていました)
展示数は多くはありませんが、かなり貴重な展示がされていて、ランス美術館のチケットさえ購入していれば見られるというのはお得すぎる内容でした。

前期と後期で展示内容が一部変わっていたそうで、早めにチケット購入して前期を見ておいて、後期を文化の日に無料で観覧する方法が良かったのだろうなと思いました(後の祭りだけど・・・(涙))。

宮内庁三の丸尚蔵館所蔵 皇室の名品展 皇室の美-東北ゆかりの品々」のチラシ
(画像をクリックするとPDF画面が開き、拡大できます)

驚いたことに、この展示では、入場者全員にパンフレットが配られていました。
A4サイズで、上質な用紙に、23ページオールカラー。
こんな冊子を無料で配布するなんて!!
今まで様々な展覧会を見てきましたが、これまでにない経験。さすが宮内庁、太っ腹。

でも、やはり、実物を観るに勝るものはない・・・
例えば、チラシ(表面)にも掲載されている、大島如雲(オオシマジョウン)の「菊折枝置物」は、画像ではピンときませんが、実物は、蝋型鋳造でこんな作品を生み出すなんて!と目を見張るものでした。
銅による鋳造作品で、驚きの精巧さと量感、菊の花でありながら黒一色なのに、とても美しい。

東山魁夷の「平成度 悠紀地方風俗歌屛風」(チラシの裏面に記載あり)も、感動でした。
前期では右隻、後期では左隻が展示されたもので、私が観ることができたのは左隻のみ。
パンフレットには並べて記載されていて、これこそ実物を両隻とも並べられたものを観ることができたら!と思いましたが、片方だけでも観る価値超大。

数々の”皇室の美”の中でも、今回は、ここ仙台での開催にちなんで「東北ゆかりの品々」の展示とされていますが、東北地方と皇室の関わりは、明治天皇が東北地方巡行したことに始まるということを、当時の写真によって紹介されていたのも興味深かったです。
当時はまだ新しい技術であった写真の活用、明治天皇に随行して撮影した写真師長谷川吉次郎という人のことを知ったのも、写真好きとしては嬉しい知見。

皇室の東北地方にゆかりのある素晴らしい品々を展示していただけたことは、東北人としてありがたいことでした。

ミュージアムショップに隣接したカフェ「café mozart Figaro /カフェ モーツァルト・フィガロ

館内のカフェでは、「ランス美術館コレクション」にちなんだ特別展限定メニューが♪
ランチメニューの提供は11時からということで、「皇室の美展」を観てからちょうど良い時間、私は朝食もそこそこで出てきたので、ブランチとしていただくことにしました。

特別展限定メニュー♪ 贅沢にキャビアとホタテ、サーモンを乗せたオレキエッテのクリームパスタ

お腹が満たされたら、ランス美術館コレクション 風景画のはじまり コローから印象派への観覧へ。
おなじみ、2階の特別展示場にて。

ランスはフランスの北部に位置し、シャンパーニュ(シャンパン)の産地としても知られる歴史ある都市です。
その中心部にある「ランス美術館」が大規模拡張のためリニューアル工事をすることとなり、その休館中に貴重な所蔵品を日本で展示する運びとなって、印象派による風景画のコレクションを中心に企画された「ランス美術館展」が2021年4月名古屋市美術館での開催を皮切りに始まりました。

巡回は、名古屋に始まり、SOMPO美術館(東京)→ここ宮城(宮城県美術館)→静岡市美術館→茨城県近代美術館と続きます。

ランス美術館コレクション 風景画のはじまり コローから印象派へ」のチラシ
(画像をクリックするとPDF画面が開き、拡大できます)

印象派といえば、力強い筆のストローク、光や空気の質感、斬新な描画アングルなどによって表現されるのが特徴。

風景画を描き続け、印象派へ影響を与えたカミーユ・コローの作品に始まり、“空の王者”と賞賛されたウジェーヌ・ブーダン、印象派の巨匠として誰もが知るオーギュスト・ルノワールクロード・モネらなどの名作の数々が一堂に展示されていました。

今回の展示での私にとっての収穫の一つは、好きなアーティストが増えたこと。
それは、アンリ=ジョセフ・アルピニー
父の工場勤務や旅商人を経て20代後半で画家となったフランス人で、「穏やかな田園と樹のミケランジェロ」とも讃えられたそうです。
季節感の表し方や光線の処理、一日の様々な時間をどう描くかといったことを重視していたということですが、個人的にはアルピニーが切り取った構図に、色彩感覚、力強くも優しさを感じられるタッチと質感が好みです。

今回購入したハガキ。
額縁に入れてみたのが、アルピニーの「夜明け」。右がコローの「小川、ボーヴェ近郊」、左下がフェリクス・ジエムの「コンスタンティノープル(イスタンブール)」
ランス美術館コレクション 風景画のはじまり コローから印象派へ」の図録は、A4変形、ソフトカバーで厚すぎず(150ページほど)、私にはちょうど良いサイズ感♪

日本の精巧なアートに、フランスの印象派によるアートという、趣向が全く違う作品の数々を一度に見ることができ、静寂の空間の中にありながらも刺激的で贅沢な展覧会でした。

貴重なこの2大特別展は、明日(2021年11月7日)終了してしまいますが、良い感じに紅葉してて情緒ある宮城県美術館庭園の散策だけでも、心もゆったり和むので、オススメです。

カフェの外側は中庭となっています。お天気が良い日はテラス席も人気。
宮城県美術館の裏(北)庭。秋ですね。

あなたは
日本美術と印象派の作品
どちらがお好みですか?

My New Year’s resolutions ☆

2021年に掲げる迷いなき抱負


コロナによる緊急事態宣言が発令され、昨年の4月、外出もできなくなった時に、こんな時代だから、自分も含め人々が安らげて笑顔になれるようにと、自身の学びも兼ねて一から独学でこのWebサイトを作りました。

現状ではまだまだ単なる趣味のサイトで、皆さんのお役にたてるような働きができていませんが、取り組んでみて感じているのは、「自分の想いが整理されて明確になる。ナラティブ(語り)の効果の一つとも言えるのかも。」ということで、自分のやりたいこと、取り組むべきことの顕在化に役立つということを知ることができました。

関連記事:
臨床美術におけるナラティブ(語り)/そして、「いてくれてありがとう」という語り

自分のノートに書くのと違って、公開するわけですから神経は使いますが、その分、ここに書いたことは自分の中にしっかりと落とし込むことができるように感じます。

というわけで、先日取り上げた「抱負/New Year’s resolution」についても、心を解きほぐして想い至った私自身の2021年の迷いなき決意を、ここで具体的に書き残しておこうと思います。

前回の記事:
What’s your New Year’s resolution?/「抱負」という言葉の意味

〜2021年の抱負〜


★ 美術検定2級に合格する

世界遺産検定2級に合格する

ピアノを20年前に弾けたくらいに少しでも近づける

臨床美術のセミナーやボランティアに積極的に参加する

中古マンションをリノベーションして、自宅併設のギャラリー兼アトリエを持つ

(今年は計画と着工)


趣味としてやりたいこと、単なる願望であればまだまだ出てくるのですが、まずは「抱負」として、今年はこれらを目標としました。
自分自身の心の豊かさ創出につなげるための想いではありますが、この中でも、臨床美術に関することと、ギャラリーを持つことは、まさにあたかかくてやさしい世界を広めるためです。

臨床美術については、このサイトでも何度か述べていますが、その素晴らしさを知っていただくにはまだまだ足りませんし、私自身、昨年はあまり活動ができなかったので、今年は腰を据えて取り組んでいきたいと思っています。

臨床美術に関する記事のまとめはこちら

そして、私がギャラリーを持ちたいというのは、アート的なことは好きだけど、私自身は創作力に乏しいので、私のものとして作品を飾りたいとかそういうことではなく、私の周りには素晴らしい芸術センスを持つ人が多いので、そういった方々が創り出したものを少しでも多くの人にご覧いただきたいという想いがあるからです。

また、その場を、普段は自分のワークスペースとすると共に、臨床美術も含めなんらかのセミナーや、ワークショップができる空間として活用できるようにしたいのです。
私は人前に出るのも苦手なので、これも、才能を持て余している、私ではない皆さまがたに活躍してもらえる場にしたいと考えているためです。

オランダを代表する画家レンブラントの家の内観の一部
左:たくさんのエッチング(銅版画)作品を生み出された小部屋
右:レンブラントがインスピレーションを高めるために集めたコレクションを再現した小部屋
レンブラントの家は、美術館として公開されている(オランダ アムステルダム)
右:レンブラントが数々のマスターピース(傑作品)を創出したラージスタジオ。現在はワークショップ等にも利用されている。(スタジオ/studioとは、本来は、芸術家のアトリエ・工房などのことをいう)

私は長いこと、それこそ中・高・短大と続けたバスケ部のマネージャーに始まり、社会人となってからは、オフィスワークを効率よくこなすための様々な資格を取りつつ、アシスタント・秘書といった仕事をしてきたので、自分には裏方が向いていると思っています。
保育園の運営スタッフという本業の傍ら、多様な人々が豊かな心を開放して集える環境作りに貢献したいです。

自分の好きな分野に、自分のできる力を注いで、一人でも多くが、安らいで笑顔になれるあたたかな連鎖を生み出すための、リアルな活動へ一歩前進すること。
それが、私の2021年の抱負です。


あなたには
何か迷いは
ありませんか?

紅葉の秋保プチ旅

自然と美食と芸術を満喫する秋の一日


爽やかな朝を迎え、素敵な日になりそうな予感のした本日は、まさに充実の一日でした。

友達二人と、秋保(あきう)へのプチ旅。
午前9時30分に南仙台駅で待ち合わせで、友達が車で迎えに来てくれて、そこから秋保へ向かいました。

さて、秋保といえば、「秋保温泉」♪
温泉地として有名ですが、宮城県民の私たち、今回は温泉以外で楽しみます。

まず立ち寄ったのは、「アグリエの森」。
広場もあって、家族連れにはうってつけなロケーション。

ここは、お茶の井ヶ田が運営する施設なんですって。
おなじみのお茶の井ヶ田のお土産のほか、地元から県外の様々な製品や、新鮮なお野菜や生花など、広い館内にたくさん並んでました。

次に向かったのは、「万華鏡美術館」。

1999年にオープンしたこの施設、実は世界初の万華鏡専門の美術館なんだそうです。
出身県に‘世界初’があるって、誇りですね。

ちょっとシュールなゾウさんがお出迎え。
(ボタンを押すと)シャボン玉を吹いてくれます。
入ってすぐのところに大きな万華鏡が置いてありました。
お花が飾られた台を回しながら覗くととっても綺麗!早速心を掴まれます。
カメラで撮影すると・・・
展示の一部は撮影が可能です。
これも万華鏡。
鏡のマジック。面白い♪
友達に向こう側に行ってもらうと・・・
ウケる・・・
ちょっと何やってるかわかりませんが・・・
これも、ローマの真実の口を模したユニークな万華鏡。

想像以上に楽しめました。
万華鏡って奥が深いんですね。綺麗だし、色々感動。

次に向かったのは、「秋保・里センター」。
カラフルな植物で彩られていました。

ここには、名取が本店でハンバーグが有名な「HACHI(ハチ)」が入っているので、こちらで昼食にしようと思ったのですが、ちょうどぴったりお昼時だったこともあり、とっても混んでました・・・

そこで、昼食はずらして、先に進もうということになり、次に向かったのは、勝負の神様として知られる「秋保神社」。

立派なイチョウの木と立ち並ぶ願掛けの旗。
神様のいるところって、なぜだか神秘的な雰囲気です・・・

それぞれの人生に勝つことをお祈りしたら、次に向かったのは秋保でとっても有名という豆腐屋さん「太田とうふ店」へ。

お店は、秋保大滝に向かう途中、ほとんど何もない通りにポツンと建っています。
県内外からお客さんが来られるということで、夕方には売れ切れちゃうそうです。
私たちが立ち寄った時で午後1時くらいでしたが、すでに品薄でした。
というわけで、一人でこんなに購入。
お店で購入して、そこで開封して食べていくこともできます。
気持ちの良い軒下で、実食。
お豆の濃厚な旨味を堪能できるお豆腐に感動します。

次に向かったのは、「秋保大滝」。

まずは不動尊でお参り。
山をくだって、美しい紅葉と流れ落ちる滝を拝みます。

ちょっとした山歩きで運動して、今度こそ昼食を。ということで、不動尊向かい側にあるお蕎麦屋さんへ。

手打ちそばの店「二代目たまき庵」は天然舞茸の天ざるが有名なのだそう。
是非食べたいと入店しましたが、ここも並んでました。
でも二組ほど待てば座れるということだったので、待つことにしました。

ようやく食にありつけた時は午後3時でした。
でも、ここに来なければ食べられない天然舞茸の天ぷらとお蕎麦。
とっても美味しかったので、結果ここにして良かったと3人で幸せに浸りました。

こちらは麺がとても太い田舎蕎麦。
私は、本日残り一食という粗挽そばをいただきました。
麺の太さの違いは一目瞭然ですね。

そして最後に向かったのは、実は本日の真の目的であったところ。

ガラス工房 尚」さんは、今日(というか、いつも)車を出してくれた美香さんの勤務先。
美しくて個性的な作品の展示は圧巻です。
白を基調としたギャラリー兼カフェ。
落ち着く空間で、美味しいコーヒーや紅茶をいただくこともできます。
本日(2020年11月8日)まで、仙台出身の旅する写真家伊藤秀海( Shu Ito )さんの写真が展示されていました。
特殊プリントされた美しい写真が、ガラス工房尚さんのガラスフレームで飾られるという貴重なコラボレーション。

秀海さんの世界観から生まれる写真たち、素敵です。
今日は、それらの美しい写真のみならず、実際に秀海さんにお会いし、お話することができて、私は幸運です!

秀海さんの情熱を直に感じて、やっぱり私も楽しく写真を撮り続けようって改めて思えました。
ありがとうございました!!

三島とニュープリマス「Just Like Sisters
ニュージーランド写真集 「LIKE NO OTHER

写真集は二冊とも購入し、サインもいただけたので、大事にします。
そして、世界を股にますます活躍されること間違いないであろう伊藤秀海さんを、私は心から応援します。

なお、当HPのリンクページにも秀海さんのWEBサイトへのリンクバナーを設置させていただきました。
秀海さん、素敵なHPへのリンクをご快諾いただき、本当にありがとうございます。

工房をあとにしたのは、午後5時半くらいでした。すっかり真っ暗・・・

最後にご参考まで、今回の秋保の旅での訪問先の位置関係は下図の通りです。
(クリックすると拡大ページが開きます)

宮城県の山の中につき、車で動くのが一番です。
バスも出ていることは出ているのですが、移動ポイントが広範囲となるので、車をお持ちでないかたや県外からお越しのかたはレンタカーのご利用が便利です。


秋保を満喫した充実の一日。
コロナで自制状態が続いていて、日本から一歩でも出たくてウズウズしているこの頃ではありますが、こうやって地元を改めて見直すことで感じる幸せもあるわけで、それは本当にありがたいことです。
幸せに生かしていただけていることに、心から感謝します。

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静けさに包まれる東山魁夷の大壁画展@宮城県美術館

年に数日しか公開されることのない唐招提寺御影堂障壁画の一挙展示!


ただ今(2020年10月15日現在)、宮城県美術館において、日本画家の巨匠、東山魁夷の集大成であるふすま絵が一挙に公開されています。

宮城県美術館敷地入り口付近

この特別展のタイトルは「東日本大震災復興祈念 東山魁夷 唐招提寺御影堂障壁画展」。

東日本大震災の復興を願って企画されたもので、とても貴重な展示を、今期はここ宮城と岩手を限定して開催されるということで、東北人として大変ありがたいことです。

宮城県美術館入り口

しかも、今はコロナ渦の中。気軽に遠出もできません。
そんなさなか、このような素晴らしい企画を掲げ、開催してくださった関係者の皆さまには心から感謝をお伝えしたいです。

今回の展示、何が素晴らしいかと言いますと、奈良県にある唐招提寺御影堂(とうしょうだいじみえいどう)の、年に数日しか公開されることのない全68枚にも渡る障壁画が、ここ東北の地で、初めて、ドドーンと一挙に公開されているところです。

東日本大震災復興祈念 東山魁夷 唐招提寺御影堂障壁画展」チラシ(表)
東日本大震災復興祈念 東山魁夷 唐招提寺御影堂障壁画展」チラシ(裏)

御影堂5部屋に並ぶふすま絵と壁面をつなぎ合わせると、全長83mにもなるのだそうです。
それをここに運んできて展示してくださっているのです!

その上、これらの制作に至るスケッチや下図など、東山魁夷が勢力を尽くした10年以上にわたる制作の過程にも触れることができます。

宮城県美術館の特別展示室はお馴染み2階でございます♪

「魁夷」といえば、群青と緑青の微妙な濃淡で作られる「東山ブルー」。
多くの人々が、この色に魅せられていますね。

長野県茅野市の御射鹿池(みしゃかいけ)。
東山魁夷がこの地を作品にしたことでよく知られています。

その東山ブルーに加え、モノクロで表現された水墨画にもお目にかかることができます。

ここ最近、水墨画の魅力にもハマりつつある私には、今回の展示で、東山魁夷の墨画による障壁画やスケッチを見ることができ、かなりの充実感を味わえました。

ところで、当然ながら、一般人には展示室内の写真の撮影は許可されていませんので、これ以上は写真で紹介できないのが残念ですが、展示室入って程なくのコーナーで、作品名が「濤声(とうせい)」というエメラルドグリーンの初夏の海のふすま絵がいきなりドーンと目の前に広がります。
迫力を感じるとともに、静かな波の音が聴こえてきそうな感覚に陥りました。

・・・今、写真で紹介できないのが残念とは申し上げましたが、いやこれは、この素晴らしさは写真ではわからない、実物をやはり見るべきです。

「東日本大震災復興祈念 東山魁夷 唐招提寺御影堂障壁画展」河北新報の記事とチケット

さて、ここで歴史で学んだことを、思い出してみましょう。
唐招提寺」は、仏教の戒律を伝えるために5度の失敗と失明を乗り越えて来日を果たした中国唐時代の高僧「鑑真」が安置されているお寺です。
今回の展示作品は、この鑑真に捧げられた障壁画なのです。

日本仏教の発展に尽力した鑑真の心を表現するため、東山は全国各地を取材旅行し、これらの作品が完成したのだということです。
ここ東北の地では、宮城は蔵王、岩手は浄土ヶ浜など、青森は浅虫、秋田は男鹿半島、山形は温海と、各地を歩かれたそうです。

東山魁夷による理想の心象風景。
これらの大きなふすま絵が並んだ空間にいると、荘厳な自然の中に佇んでいるような、とても静かな気持ちになり、心が落ち着きます・・・

繰り返しますが、これは写真などではわからない、実際に足を運んで、その空間に身を置いてナマの作品に触れなければ、得られない感覚です。

ちなみに、いつもは2階の特別展示会場外のスペースでグッズ販売がされますが、今回の宮城県美術館での特別展では、1階ロビーの片隅に出店されていました。

宮城県美術館1階ロビーにて、東山魁夷のアートプリント等々の品定めをしている人々

今回の展示会のオリジナルグッズは少なめでしたが、どなたでも立ち寄れるため、これを機に、東山魁夷のアートプリントを購入している人が結構いらっしゃるように見受けられました。

私はもちろん、図録を購入。
今回は、大物の展示品が多い分、全体の作品数が少ないので、図録も100ページ程度と薄めで、幅の取られる冊子ではなかったこと、とはいえ、ページ数少ないながらも、折り込みが数ページあって見応えあり、かつ内容が的を絞られているので、ありがたかったです。

図録、何冊も買ってますが、正直、読み切れることはほとんどないですし、本棚のスペースも減る一方なので、私にはこのくらいの分量だと助かります(苦笑)。

なお、本特別展は、
宮城県美術館での展示期間は2020年9月19日(土)から2020年11月1日(日)まで
となっており、その後は
岩手県立美術館において、2020年11月14日(土)から2020年12月27日(日)まで
開催される予定です。

宮城県で見逃したかたは、岩手県へのご旅行の行程に加えるのも一つではないでしょうか。
私も、このコロナ渦に定着しつつある「ステイケーション」として、隣県の岩手へ出かけて、異なる美術館で再びあの静けさに浸るのもいいかなぁなんて考えている次第です。

ステイケーション:「Stay(滞在)」と「Vacation(休暇)」を組み合わせて作られたアメリカ発の造語。遠出をして楽しむ旅行を指す「Vacation/バケーション」に対し、自宅または近場に滞在(Stay/ステイ)して、気軽に楽しむ休暇のこと。

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ヨーロッパの宝石箱 リヒテンシュタイン侯爵家の至宝展@仙台/日常を忘れて贅沢な貴族時間の疑似体験


あなたは
東山ブルー or モノクロの墨画
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ヨーロッパの宝石箱 リヒテンシュタイン侯爵家の至宝展@仙台

日常を忘れて贅沢な貴族時間の疑似体験


宮城県美術館で開催されている「ヨーロッパの宝石箱 リヒテンシュタイン侯爵家の至宝展」に行ってきました。

宮城県美術館外側に設置された看板
宮城県美術館の正面入口

本展覧会の開催期間は、2020年7月14日(火)~9月6日(日)です。

ヨーロッパの宝石箱 リヒテンシュタイン侯爵家の至宝展 チラシ(表)

当日券料金は1,500円(一般)で、私は先日東北歴史博物館にて開催されている「GIGA・MANGA 江戸戯画から近代漫画へ 」行って参りましたので、その半券提示で、100円が割引されました。

GIGA・MANGA 江戸戯画から近代漫画へ 」についての投稿はこちら↓
世界に誇れる日本のアート GIGA・MANGA@東北歴史博物館/江戸戯画(GIGA)から近代漫画(MANGA)までをたどる漫画の歴史展覧会

宮城県美術館のWebサイト

リヒテンシュタイン侯爵家について、まず初めて知った時に驚いたのは、君主のその家名が国名となっていて、世界唯一であるという点です。
リヒテンシュタイン公国、かつて神聖ローマ帝国に支えたリヒテンシュタイン侯爵家が統合し、昨年2019年に建国300年を迎えた、中央ヨーロッパに位置する立憲君主制国家です。

欧州の名門ハプスブルク家に支え、1719年に建国された公国において、侯爵家の歴代当主たちが集めたコレクションは約3万展にも及び、「農夫から銀行家へ」と称されるほどに目覚ましい経済発展を遂げてきたリヒテンシュタイン公国は、小国でありながら、最もリッチな国として知られています。

ヨーロッパの宝石箱 リヒテンシュタイン侯爵家の至宝展 チラシ(裏)

ところで、リヒテンシュタイン侯爵家コレクションの展覧会が日本で開催されるのは、これで2回目です。
日本で初めて取り上げられたのは2012年国立新美術館で巡回展が始まり、「リヒテンシュタイン華麗なる侯爵家の秘宝」というタイトルで、2013年には高知県立美術館、京都市美術館にて展覧されました。

2012・13年開催時の朝日新聞Webサイト

私は、当時、国立新美術館での展覧会を拝見し、世界屈指のルーベンスコレクションを中心とした、約5世紀に渡って収集されたその素晴らしいコレクションを目の当たりにし、とても感動したのを覚えています。

2012年国立新美術館で開催された「リヒテンシュタイン華麗なる侯爵家の秘宝」の展覧会図録とチケット
(画像をクリックすると、目次のページを拡大できる画面が開きます)

日本ではまだ2回目のリヒテンシュタイン展。
前回は、侯爵家の収集の歴史と壮麗なバロック芸術が主要なテーマであったのに対し、今回はコレクション品の繊細さや技巧が焦点となっていています。

ちなみに、展覧会に行くと大抵は図録を購入する私でも、過去に行ったことのある作家やテーマをモチーフとされた展覧の際には、内容がカブるのでかさばる図録は買いません。

なので、正直なところ、今回の展示を観る前は「以前もリヒテンシュタイン展は観たし、図録は前回買ったから今回は買わない。」と思っていたのですが、実際に観ましたら、前回とコンセプトが異なっていて、また違う面白さがあったので、結局、図録を購入してしまいました。

ヨーロッパの宝石箱 リヒテンシュタイン侯爵家の至宝展」の展覧会図録とチケット
今回の図録はスクエア型で黒を基調とされていて、前回と異なるデザインが気に入った点も、購入の決め手でした。

前回はただただ圧倒されるという部分が強かったですが、今回は、中国や日本の磁器が公国へと辿った道筋にもスポットを当てられていて、親近感も湧き、しみじみと作品を味わうという感覚が濃く、リヒテンシュタインについて深掘りすることができて楽しかったです。

リヒテンシュタイン侯爵家の
珍しいもので、良いもの、かつ美しく上品な事物にお金を費やすことは永遠かつ偉大で、最大の記念となろう
という家訓は現在も受け継がれ、今も美しいコレクションは増え続けているのだそうです。
また数年後も、私たちの心を豊かにしてくれる、素晴らしいコレクションを見させてくれることでしょう。

特設ショップではミニチュア陶器が販売されていて、きらめくリアルな可愛さに思わず購入。他にも種類はあったのですが、私が行った時、このセットは最後でした。追加されたかな…

宮城県における「ヨーロッパの宝石箱 リヒテンシュタイン侯爵家の至宝展」は間も無く終了です(2020年8月22日現在)。
貴重な機会ですので、ヨーロッパの偉大な小国リヒテンシュタインへの擬似トリップ、よろしければ、お出かけくださいませ☆

なお、宮城県美術館の次の巡回先は、広島県立美術館で、2020年9月18日(金)から2020年11月29日(日)までとなっており、こちらが今回の日本での巡回最終地となります。

そして、宮城県美術館で次に予定されている展覧会は東山魁夷 唐招提寺御影堂障壁画展(2020年9月19日(土)〜11月1日(日))です。
こちらも見逃せないです。

コロナで県外へは気軽に行けないご時世ではありますが、自分の住まいである宮城県では、今年は見応えのある企画展示が多く開催され、とてもありがたいです。
このような企画の主催者様や関わる皆様方へ、心から感謝いたします。

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どこですか?

海とガラスと庭園のミュージアム@日本三景松島 

美術作品のみならず水上庭園も素敵♪藤田喬平ガラス美術館


日本三景松島。
松尾芭蕉が「扶桑第一の好風(意味:日本第一の良い景色)」とたたえた景勝の地。
その大海を臨む場所に「藤田喬平ガラス美術館」はあります。
ガラス工芸家 藤田喬平の素晴らしいガラス作品と、世界の日本庭園を手掛けた造園家 中島健が設計した7,000坪の水上庭園で知られています。

私は、この美術館が出来たばかりの頃(1996年)に、ホテル「一の坊」に宿泊した際に訪れて以来で、今回ようやく二度目の訪問となりました。

松島を一望できるホテル「一の坊」に「藤田喬平ガラス美術館」は隣接していて、庭園は両方の建物の前に広がっています。

一の坊と美術館は館内および庭園で繋がっていて、一の坊に宿泊した場合は、美術館は無料で見学ができます。

通常の入館料は、1,200円です。(割引チケットはこちら


館内は写真撮影OKなのが嬉しいです。

藤田氏による、貴重で味わい深い語録や水彩画も数点、展示されています。

ガラスの特性を生かした展示がとても幻想的です。


美術館の出口から、庭園と海が見渡せる展望露台が、繋がっています。


和と洋がほどよくミックスされている美しい庭園。

水上庭園と外に広がる松島の美しい大海が同化してるような、素晴らしい眺め。

「心の豊かさの追求」をコンセプトにしているというミュージアムショップも広めで、全国のガラス作家さんたちによる様々な作品が展示販売されています。
どれも素敵で、あれもこれも欲しくなってしまいます・・・

今回、私は、青森県五所川原市の和田奈都子さんの作品「箸・スプーン置き」を購入。
スプーンがいい感じでおさまります♪


水上庭園紹介の動画がYoutubeでアップされていますので、ご興味のあるかたはこちらもどうぞ。


新型コロナウィルスの影響で、苦境に立たされている観光地、松島。
今月(2020年6月)中旬より、遊覧船の運行なども再開し、週末はそれなりに人が訪れるようになったそうです。
でも、私が訪れた平日はガラガラでした。
密は避けなきゃとはいえ、悲しすぎる・・・

松島の美しくて気持ちの良い自然、そして美味しい海の幸などなど、少しでも多くの人に楽しんでいただける状況になることを願います。

藤田喬平ガラス美術館
住所:宮城県宮城郡松島町高城浜1-4
電話:022-353-3322
営業:2020年6月現在、時間短縮
 9:30~13:30(最終入館13:00)
入館料 (税込):
 一般・大学生 / 1,200円
 小・中・高生 / 700円
Webサイト:https://www.ichinobo.com/museum/

※ちなみに、グーグルマップの営業・休館情報は完全ではないので、サイトの営業情報を確認するか、お電話してお問い合わせされることをお勧めします。


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モダン・デザインの父 ウィリアム・モリス@宮城県美術館

「ウィリアム・モリス 原風景でたどるデザインの軌跡」展


宮城県美術館で開催されている、英国デザインの巨匠「ウィリアム・モリス(1834〜1896)」の展覧会は、新型コロナの為、当初予定より遅れて開催され、終了は、6月28日(日)となっています。

展覧会のチラシ

行こうと思っていたのに、気がついたら、もうすぐ終了ではないですか!
慌てて行ってまいりました。

宮城県美術館前に設置されている看板
宮城県美術館正面入口
宮城県美術館内の特別展入口

この展覧会「ウィリアム・モリス 原風景でたどるデザインの軌跡」は、そのタイトルの通り、モリスの幼少期にはじまり晩年に至るまで、デザイナーとしての生涯について展示されています。
モリスの制作活動と深いつながりを持つ「住まい」「学び」「働いた場所」など、その時々の環境に焦点を当てながら、風景写真とともに、モリスやその周辺作家による家具やテキスタイル、壁紙、書物などが紹介されています。

写真撮影OKコーナーは1箇所のみ。
暖炉に装飾された「ひなぎく」というタイトルのタイル・パネルと、デザインはモリス、刺繍は娘のメイが施したとされる暖炉の衝立(ついたて)「クランフィールド」
左手の椅子はモリス・マーシャル・フォークナー商会の一人、フォード・マドックス・ブラウンがデザインしたとされるもの

ウィリアム・モリスのデザインの美しさ、手仕事の素晴らしさ。
やはり写真では伝えられない・・・
芸術品は本物を見るに限りますね。

ちなみに、私は写真も趣味なので、数々の写真があわせて展示されているのは、見応えがあり、とてもよかったです。
なお、この展覧会のナビゲーターとなる写真家は織作峰子さん。織作さんの作品は大好きです(特にDIMENSIONS)。

購入した図録には、展示作品はもちろん、展示外の作品と、さらにたくさんの写真が挿入されていて、大満足でした♪

購入した展覧会チケット・図録・「ひなぎく」(1864年/デザイン:ウィリアム・モリス)のポストカード
個人的には、この写真右手の「リー」という作品にとても惹かれました。
実物は、124cm×98cmで、木綿にインディゴ抜染、色刷りの木版で製作されたもので、本物を見ないと、その素晴らしさはきっとわからないです・・・

ところで、今では言わずと知れていますが、宮城県美術館は、世界文化遺産である国立西洋美術館(東京都上野)の設計者ル・コルビュジエの、最初の日本人弟子であった前川國男が設計した建築物です。
今、移転・新築の問題がちょっと大きくなっていますが、どうなってしまうのでしょうね・・・

宮城県美術館のピロティの列柱に囲まれた中庭
正面入り口から伸びるピロティ回廊
前庭の野外彫刻ダニ・カラヴァン「マアヤン
個人的には、そこを縫って流れる細い小川が好き
やはりル・コルビジェを思わせる佇まい
以上、2020年、梅雨時の宮城県美術館でした♪

さて、次期(2020年7月14日(火)~9月6日(日))特別展は「ヨーロッパの宝石箱 リヒテンシュタイン侯爵家の至宝展」とのこと。
こちらも、是非、拝見したいと思います。


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