感動のドキュメンタリー「花のあとさき ムツばあさんの歩いた道」

日本の素晴らしい四季の移ろいをムツおばあちゃんと共に


只今(2020年7月21日現在)、映画館フォーラム仙台/チネ・ラヴィータ では、「『今、特に観てほしいドキュメンタリー』連続公開」というフェスタが開催されています。

この中から、7/17~7/23公開の花のあとさき ムツばあさんの歩いた道」を観て参りました。
とっても素敵な映画でしたので、ご紹介させていただきたいと思います。

2020年6月12日(金)~7月30日(木):フォーラム仙台/チネ・ラヴィータ の「今、特に観てほしいドキュメンタリー」連続公開

花のあとさき ムツばあさんの歩いた道」は、2002年から放送されたNHKのドキュメンタリーシリーズ「秩父山中 花のあとさき」が映画化されたもので、 秩父の山深い村に暮らす小林ムツさんとご主人の公一さん、そして同じ集落に住むわずかな村民と家族の方々の18年間に及ぶなんの飾り気もない、そのまんまの物語です。

この映画に寄せられた瀬戸内寂聴さんのコメント
「涙があふれて、私はゲクゲク泣き続けました。
丸顔のあどけない顔つきが年と共に美しくいきいきしてきたのは、彼女の暮らしが、花のいのちと共にあったからでしょう」

に、私も心から同感しました。

ムツさんも、ムツさんを取り巻く人々も、なんて優しく愛情深い、素敵なお顔立ちなんだろう。
花や自然を愛し、そして村を訪れる人への思いやりの心を持ち、なんの贅沢もなく、毎日を大切に生きている、きっとその生き様が、お顔に現れているんだろうなと思いました。

映画のチラシ

畑仕事に毎日休みなく生きるムツおばあちゃん。
80前後の年齢で、山の急斜面でも作業し、重い荷物も運び、時には家の屋根にも登ったり、そのたくましい姿に、「かわいいのに、かっこいい!私も頑張らねば!」と力をもらえました。

ちなみに私は、映画を観ると同時にパンフレットも必ず購入します。
映画には出てこなかった写真や、ムツおばあちゃん達の詳しいプロフィールなんかも掲載されていて、とても貴重な冊子です。

映画のパンフレット

ムツおばあちゃん達からは数々の素敵な言葉が発せられていたので、映画を見ている最中、「忘れちゃう前に書き留めておきたい!」と思ったのですが、パンフレットには語録のページがあったので、ありがたかったです。

パンフレットにも掲載されていますし、予告編でも出てくるのですが、ムツおばあちゃんのこの語らいがとっても素敵で、心が温まりました。

花が咲くと何にも忘れるがね
かわいいなぁと思って
花って

香りがそれぞれ違うし
色も違うし
みんなが器量一杯に咲いてくれるから
かわいいよ〜

そう語るムツおばあちゃんの話し方がすごく可愛らしくて、『花のことをかわいいよーて愛(め)でるそんなあなたがかわいいです!』と突っ込みたくなるほどです(笑)

映画を観る前は、単に「かわいいおばあちゃんだなー」程度だった想いが、映画を観ると親近感が湧いてしまって、その後はこの予告編を見る度に「ムツおばあちゃーん」と泣けてきてしまいます。

NHK(カメラマン百崎満晴氏)がこの村で映像を取り始めたのは2002年、その時点で村に住む人々の平均年齢は73歳、撮り続けた18年でどうなるかは、想像がつきますよね・・・

以下は、後半ご主人がなくなった後の、ムツおばあちゃんの言葉です。

(おじいさん)どこに行ってしまったんだか。
なんとなくなあ

寂しくも恐ろしくもないんだけど
つい涙もろくなっちゃった。
人生なんてほんとにあっけねぇもんだが。
83歳になったけども

ほんと、あっという間で過ぎたよ〜

たくましく生きたムツおばあちゃんから出たこの言葉は、なんだか深くて重いです。

日本の山の美しい季節の移ろいにも、心が洗われます。
自然に感謝して、自分のいのちも大切に生きよう・・・
そんな穏やかな気持ちになれる本当に素敵なドキュメンタリー映画でした。


あなたの
故郷の様子は
いかがですか?

父の日にもオススメの映画

アバウト・タイム ~愛おしい時間について~


今日は、2020年6月21日、第3日曜日、父の日ですね。
とういうわけで、本日は、父の日におすすめする映画、「アバウト・タイム~愛おしい時間について~」を、ご紹介したいと思います。

「アバウト・タイム~愛おしい時間について~」は2013年のイギリス映画で、日本では2014年に公開されたSF恋愛映画です。

“SF(サイエンス・フィクション;科学的な空想にもとづいたフィクション)”とされる所以は、主人公である青年ティムがタイムトラベル能力を有していることによります。

私は、映画のジャンルでは、VFX(ビジュアル・エフェクツ;視覚効果、特撮)の効いた近未来モノやファンタジー、冒険モノといった類が好きなので、この映画も、初めは、そういう面白さがあるのかと勝手に思って観たんです。

しかし、その期待には反し、VFXの部分にお金はかかっていない映画でした。

ですが、この映画は、これで良いんです☆

「時間」について考えさせるための材料として「タイムトラベラー」の家系に生まれた主人公という設定を取られたのだと思うのです。なので、そこに特殊効果とかいった映像の面白さは必要ないんですね。

また、時空を超える映画の設定にありがちな、ちょっと無理がある部分も感じますが、そこは映画、ファンタジーならではですから、ご愛嬌。

人生の宝物は
生きてきた日々そのもの!
なにげない一日が、
かけがえのない時間だったと気づく

(DVDのジャケット裏のキャッチコピー)

そして、この映画は「恋愛映画」の部類に入りますが、家族愛についても素敵に描かれています。

主人公ティムの家族がとっても仲良しで、ほのぼのとしていて、羨ましい。
コメディータッチな部分もあり、観ていて笑顔になれるシーンがたくさんあります。
一方、意外とシリアスなシーンもあったりして、ちょっとドキドキしたり、悲しくなっちゃう部分もあるのですが、感情の緩急が心地よい映画です。

ティムの、恋人も家族もとても大切にする気持ちには、心が温まります。

ほんのちょとネタバレですが、最後、父と息子(ティム)が一緒にタイムトラベリングして、浜辺で時間を共にするシーンは、微笑ましくも感動します。
多分、息子さんを持つパパなんかは、泣けてきちゃうと思うな・・・

「Son(息子よ)」「My dad(父さん)」呼びかけるシーン、それだけで泣けてくる・・・

私は、時々この映画(DVD)を見て、かけがえのない時間について改めて考え、感謝するのですが、この短い予告編を見るだけでも、ちょっと泣けてきてしまいます。

about Time」直訳したら「時間について」ですが、邦題として「愛おしい時間について」とされたのは、とっても素敵だと思います♪


あなたとお父さんとの
時間について
想いを馳せてみませんか?

アバウト・タイム~愛おしい時間について~[AmazonDVDコレクション]

障害者とボランティアの実話を元にした映画

こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話


友達から勧められた映画「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」を観ました。

札幌の鹿野靖明(しかのやすあき)さんという、筋ジストロフィーを患い、自ら多くのボランティアを集って、自立生活を送った、実在の人のお話で、2018年に公開された映画です。

この鹿野さんという人の、体は不自由であるにも関わらず、心が自由という生き方を描いたこの映画に、あまりにも身勝手過ぎると不快感を感じるかたもいらっしゃるようです。

でも、この人、余命宣告されてる人なんですよ。
そして、脳はしっかりまともなのに、自分では体が効かないから、人に全てをさらけ出す必要もあるわけです。

もし、自分がそんな立場だったら・・・?

「俺は一日一日が勝負なんだよ。」

「人はできることより、できないことの方が多いんだぞ。」

五体不満足であることを受け入れ、自分らしく生きるために短い生涯を全うした、鹿野さんと、彼を支えた心あるボランティアの方々の物語には、五体満足である私たちにこそ、考えさせられることがあると思いました。

筋ジストロフィー:筋肉の機能に関与している遺伝子の異常によって発生する難病で、筋力低下、筋萎縮が生じ、運動機能障害をもたらす。

正直なところ、私には、鹿野さん役を演じた大泉洋さんは「大泉洋さん」と感じてしまう部分があり、感情移入し切ることができなかったのですが、とても難しい役を演じきった大泉さん、本当にすごいと思います。

また、この映画の公開後、鹿野さんご本人とこの原作者である渡辺一史(わたなべかずふみ)さんらについて、ニュースで取り上げられたものがYouTubeにアップされていますので、こちらも併せてご覧いただけると良いかと思います。

なぜ人は支え合うのか。
渡辺一史さんの視点には非常に興味があるので、出された本も是非読んでみたいと思っています。


<渡辺一史さんが書かれた、この映画に関連する2冊>

こんな夜更けにバナナかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち (文春文庫 わ)

なぜ人と人は支え合うのか (ちくまプリマー新書)


あなたにとって
自分らしく生きるとは
なんですか?

 

こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話 [DVD]

ノンフィクション 彼女が目覚めるその日まで

実話をもとにした感動の映画

邦題は「彼女が目覚めるその日まで
ある日、映画を観に行こうと思った時、このタイトルとアイキャッチ画像の印象は、若い男女のちょっとありがちな感動を誘う恋愛映画かな、でした。
なんとなく、その時はそういう気分ではなかったので、映画は観るつもりないけど、一応、予告編だけでも、と思いチェックしてみましたら、ありがちな恋愛映画でもなさそうで。

それで、原題を確認しましたら「Brain on Fire」なんです。
火の脳とか燃える脳ってことですね。
こっちの方がよっぽどしっくりくると感じました。
実話ということですし、結局、気になって観に行ったところ、非常に印象に残る映画となりました。

というわけで、今回も、脳つながりなのですが、脳に関わる病気と戦った女性と、その家族をはじめたとした彼女を支える人々の、実話にもとづく、衝撃的かつ感動的な映画について、ご紹介したいと思います。

さて、この映画、初めは書籍として出版されたものです。

2009年に「抗NMDA受容体脳炎」という病におかされた、ニューヨーク・ポスト紙の記者であるスザンナ・キャハランが、壮絶な闘病の日々を、医療記録や家族の日誌などから再現し、ノンフィクションとして発表しました。

それが、オスカー女優シャリーズ・セロンのプロデュースによって映画化され、日本では2016年に公開されました。

脳炎:脳内に白血球が入り込んで炎症を起こし、脳が害される病気。寄生虫といった病原体が脳に感染して起こる「感染性脳炎」と、自己免疫によって起こる「自己免疫性(免疫介在性)脳炎」とがあります。

抗NMDA受容体脳炎:自己免疫性脳炎で、若年女性に好発し、発症初期に不安、抑うつ、幻覚妄想などの精神症状を呈することが特徴であり、その後は意識障害、不随意運動(運動異常)、けいれん発作、中枢性低換気(呼吸障害)と重篤な経過をとることを特徴とする脳炎。

古い映画に「エクソシスト」という、悪魔に取り憑かれた少女のホラー映画がありますが、その主人公のモデルになった実在の少年が、実は、スザンナさんがかかった病気の典型的な症例だったと指摘されているのだそうです。
21世紀に入るまでは、精神の病や悪魔憑きと判定され、正しい治療を受けることが難しい病気だったとのこと。

スザンナさんも、発症した時は、医師からも原因不明と見放され、家族や恋人とともに、苦しい日々を送ることになります。

しかし、目覚めぬ娘を信じ続けた両親、絶対にあきらめないと誓った恋人、彼らに突き動かされた医師たちの、献身的な愛によって、希望の道が開かれることとなるのでした。

壮絶な物語なので、こんな現実があるのかと、思い知らされます。
スザンナさんを演じた女優クロエ・グレース・モレッツの迫真の演技も素晴らしく、ゆえに、観ていて辛くもなる一方、完全に引き込まれます。

胸が痛むシーンも多いですが、これは愛の物語です。
両親は離婚しそれぞれの生活があるにも関わらず、自分たちの娘のために力をあわせる姿、頼りない医師がいる一方で、患者のために必死になってくれる医師がいること、彼女が変わり果てても、耐え忍ぶ恋人や友人達。
そんなあたたかい愛に、感動します。

ちなみに、映画のエンディングではスザンナさん本人の写真も出てきます。
ご覧になるのであれば、是非、最後の最後まで♪

あなたも愛の映画で
癒されてみませんか?

脳に棲(す)む魔物 【本】

スザンナさんが執筆した原作です。
記者というだけあって、描写が細かいです。
ページ数も結構あるので、本が苦手な人にはきついかもしれませんが、
とても興味深い内容なので、本好きにはあっという間かもしれません。

現実と対峙しつつ現実逃避できる映画 LIFE!

観終わった後の心はポカポカです♪

昨日、松岡修造氏の日めくりカレンダーについて紹介させていただきましたところ、友人が「(自分の場合は)後ろを見るな!前も見るな!現実も見るな!って感じ・・・」と、切ないことを言ってきました・・・

働く現代人はつらいですね。
私みたいに、精神を蝕む仕事に見切りをつけて、思い切って辞めてしまうっていうのは、そうそう簡単ではないと思います。
現実と向かい合うのが嫌になることがあっても、重い責任を持つことも増えてくれば、逃げるわけにはいかないというのが、やるせない現実だと思います。

そんな時、一時的なものかもしれませんが、現実逃避ができる映画を観るのはいかがでしょうか?

私が、日々頑張って働くサラリーマンに特にオススメしたいと思う映画は、こちら、日本では2014年に公開されたハリウッド映画

「LIFE!」

です。

この画像は、公開当時に配布されていたチラシの表側です。
キャッチコピーは、

「この映画には『!』がある」

「生きてる間に、生まれ変わろう。」

です。

こちらは、チラシの裏側です

ところで、私は映画を、DVDなどではなく映画館で観るときには、必ずパンフレットを買うことにしています。パンフレットは映画を観た後に読むのですが、面白い発見があったりして、映画の楽しさが倍増するので、いつもセットにしています。

さて、この「LIFE!」について、パンフレットに記載されている内容の一部を抜粋してご紹介しますね。

「『LIFE!』は、ごく平凡で地味な男性に降りかかった思いがけない転機を描いたファンタスティックなヒューマン・ドラマだ。目の前の仕事や家族の事情などの現実に押し流され、夢を追いかけることを諦めてしまった主人公ウォルターは、誰もが『これって自分のことかも』と思い当たるキャラクター。そんなウォルターが暗いオフィスを飛び出して未知なる外界への旅に出発し、自分自身の可能性を再発見していく姿には深い共感を覚えずにはいられない。そう、このいかなるフィクションよりもドラマティックな人生のすばらしさを歌い上げた珠玉のストーリーは、観客であるあなた自身の物語でもあるのだ。」

パンフレット表紙見開き
パンフレットの真中ページ見開き

TO SEE THE WORLD
世界を見よう

THINGS DANGEROUS TO COME TO
危険でも立ち向かおう

TO SEE BEHIND WALLS
壁の裏側をのぞこう

LIFE!

TO DRAW CLOSER
もっと近づこう

TO FIND EACH OTHER
お互いを知ろう

AND TO FEEL
そして感じよう

THAT IS THE PURPOSE OF LIFE
それが人生の目的だから

『LIFE』といえば、「世界を見よう、危険でも立ち向かおう。それが人生の目的だから」というスローガンを掲げるニューヨークの伝統あるフォトグラフ雑誌です。そのLIFE写真管理部に勤める、地味で平凡かつ風変わりな空想癖のある男性が主人公ということで、様々な空想シーンが出てくるのですが、それがハリウッド映画ならではのハイパー・リアルなビジュアル化で、観ていてとってもワクワクし、現実逃避できます。

物語としては、そんな主人公が、結局現実と向き合わなければならず、いたしかたなく旅に出ることになってしまうという流れなのですが、その道中に起こることが、ドラマチックで、ドキドキして、笑えて、面白い、というものです。
主人公が、旅路で、自転車やスケートボードで広大な自然の真っ只中を突き進むシーンは観ていても爽快です。

観終わったあとは、なんだか心がポカポカしてますよ♪

VFX(ビジュアル・エフェクツ/特撮)の効いた視覚的に面白い映画は、やはり観るに限りますので、映画予告編をつけておきますね。ちょっと長めのおよそ6分間ではありますが、面白いので観てると意外とあっという間です。

やるべきことをおろそかにして現実逃避するというのはあまりよろしくはないでしょうけど、心の休息としての現実逃避は、むしろ積極的にすべきと言われます。

心を豊かにするためにも、効果的に、現実逃避の時間を生活に取り入れていきたいですね。


あなたの
現実逃避方法は
どんなですか?

ちなみに、この映画も、サウンドトラックがとても人気で、私にとっても、お気に入りの1枚です♪

宮沢賢治の名作 銀河鉄道の夜

猫を擬人化したアニメ映画

最近、臨床美術つながりで知り合った真紀さんとの話題に、宮沢賢治の話があがりました。

宮沢賢治といったら、あなたは何を思い浮かべるでしょうか?

真紀さんは、宮沢賢治の暮らしに憧れるのだそうです。
農業してお勤めもして創作もして、という形ですね。素敵ですよね。
ちなみに、真紀さんはアーティストとしての才能をお持ちです。またの機会に改めてご紹介させていただきたいと思っています♪

真紀さんの素敵な作品たち

さて、私の場合、宮沢賢治の名ではじめに連想するのは、繰り返し見ている、猫を擬人化したアニメ映画の「銀河鉄道の夜」といったところです。

このアニメ映画「銀河鉄道の夜」は、1985年に公開された映画です。
宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」は、様々な形で映画化や舞台化がされていますが、これが最も一般的に知られているのではないでしょうか。
アマゾンの評価をみても、高評価でファンが多いのがわかりますね。

私は、小学6年生くらいの頃に、父が買ってきてくれたビデオ(VHS)で観たのが初めてです。
当時の私にとっての宮沢賢治といえば、国語の教科書に載っている「注文の多い料理店」と「雨ニモマケズ」で、「銀河鉄道の夜」については、興味はあったけどなんとなく子供の頃の自分には難しくて読みきれずにいたので、アニメ映画、しかも可愛いらしい猫で表現されている、ということで、喜んで観たことを覚えています。

そして、一度観て、この幻想的で何か例えようのない切ない物語に完全に魅了されました。

主人公は、病気の母と暮らし、帰らない父を待つ少年ジョバンニ。孤独な彼が、星祭りの夜にただ一人の親友であるカムパネルラと、不思議な鉄道の旅をする物語です。


テーマにされているのは、友情と自己犠牲、人間と死、そして本当の幸せ

文字で表すと、子供には難しいテーマのようですが、この映画による表現は、子供ながらの感性にスッと入ってくる感じだったのだと思います。
大好きになって何度も繰り返して観ました。

そして今から3年くらい前。どうしてもまた観たくなって、ブルーレイを購入しました。
静かな気持ちになりたいときなどには最適な作品です。

物語に出てくる言葉には、ところどころ胸に刺さる部分があります。子供の頃はあまり意識しなかったとは思うのですが、今、心に響くのは、カムパネルラとジョバンニが鉄道の旅で出会った青年の言葉でしょうか。宮沢賢治の原作と一緒です。

「なにがしあわせかわからないです。ほんとうにどんなつらいことでもそれがただしいみちを進む中でのできごとなら峠とうげの上りも下りもみんなほんとうの幸福に近づく一あしずつですから。」

「ああそうです。ただいちばんのさいわいに至るためにいろいろのかなしみもみんなおぼしめしです。」


原作にはない部分としては、物語の後半、ジョバンニがカムパネルラの名を叫ぶくだりが、何とも胸を締め付けられます。見たことのない人にはネタバレになってしまうので詳しくは書きませんが、切ない気持ちになる映画を見たい時はお勧めです。

また、このアニメの良さですが、ジョバンニ達の猫の手や尻尾のある丸いお尻がにゃんとも可愛くて、顔が緩んじゃうんですよね。大人の心が優しくなれるポイントが満載だと思います。

それから、物語やキャラクター設定以外の点で、私がこの映画で好きなところはもう一つ、音楽です。
私の父は、映画に加え音楽も好きな人で、音響にもこだわる人でしたから、この映画も大音量で観させてもらったのが効果的だったのでしょう。
まずオープニングで流れた音楽に心を掴まれ、それ以降も流れるこの映画にマッチした幻想的なサウンドに、私は引き込まれました。

というわけで、私はこの映画のサントラCDも持っているのですが、そのことについては、また改めて、音楽のカテゴリーでご紹介したいと思います。


子供のあなたに感動を与えた物語
覚えていらっしゃいますか?