ナラティブ・アート Narrative Art

「物語」を描く表現技法


先に、カテゴリー「心の健康」記事で、「ナラティブ」という言葉について取り上げました。

ナラティブNarrative)とは、日本語では「物語」や「対話」を指します。

前の記事では、人と接する時には、その人自身の生きた背景をストーリー(ナラティブ)にしてトータルで見ていくことが大切、ということを書かせていただいたのですが、今回は、同じナラティブでも、少し違った視点「ナラティブ・アート」に関して、ご紹介いたします。

ナラティブ・アートNarrative Art)」とは、物語アートとも言われる、美術用語です。

ウジェーヌ・ドラクロワの絵画「民衆を導く自由の女神」

美術館・アート情報のWebマガジンartscapeアートスケープ)」の現代美術用語辞典によると、

ナラティブ・アート「過去の出来事の一場面やこれから起こりうるであろう事象を、具象的に描く表現方法」

とされています。

おそらく、美術の授業や、歴史の授業などで目にする絵画は、このタイプが結構あると思います。

ナラティブ(物語)は、当然いつの時代にもあるものです。
ですので、「ナラティブ・アート」は、聖書や神話をテーマとした宗教画や歴史上の出来事を描いた歴史画から、現代アートまで、幅広く網羅されていることになります。

そんな、ナラティブ・アートに関連して、現在とても気になる美術館の建設が進められています。
それは、

LUCAS MUSEUM OF NARRATIV ART

ルーカス・ミュージアム・オブ・ナラティブ・アート


映画界の帝王、ジョージ・ルーカスの念願だった「ナラティブ・アート」を展示する美術館です。
米ロサンゼルスに建設中で、今年2020年開館予定でした。
こちらも新型コロナウィルス等の事由により、当初より開館予定が長引いているようですが、2021年には開館されると言われています。

ファッション・カルチャー雑誌「GQ JAPAN」web記事「ジョージ・ルーカスの逆襲──ルーカス美術館、LAに建設中」によると、ジョージ・ルーカスは「見る者の感情を動かし、何らかのストーリーを語りかけてくるタイプの作品を好む。眺めていてもストーリーが聴こえてこないから、抽象系のアートは苦手。」とのこと。

私も、臨床美術を知るまでは、歴史的な西洋絵画が好きで、抽象画に対しては苦手意識があったので、なんとなく、その気持ちはわかります・・
ルーカスさんほどの巨匠には言えませんが、個人的には、抽象画も好きになれたら、世界がもっと広がると今は思っています。

また、こちらの美術館では、
イラストや絵画、コミックアート、写真にくわえ、映画制作について細やかに展示する常設コレクションと企画展を展開。新しい緑地や最新鋭の映画館、オンサイト教育向けのスペース、レストラン、ショップ、イベントスペースなども提供する」とのことです。
デザイン雑誌「AXIS」web記事LAで『Lucas Museum of Narrative Art』の建設が進行中 MAD Architectsが手がける近未来的なデザイン」より)

私はルーカスさんの大ファンという訳ではないですが、映画好きなので、巨匠ジョージ・ルーカスの映画はチェックしますし、美術ファンなので、この美術館については、当然、気になります。
ロサンゼルス、これを機に是非とも行きたいです。

今後も、Lucas Museum of Narrative Art(ルーカス・ミュージアム・オヴ・ナラティヴ・アート)の行方をチェックして行きたいと思います。

あなたは
物語アートと言えば
どんな絵がお好きですか?


ベートーヴェン 生誕250周年

気軽に楽しみたい、ベートーヴェン♪


先日、葛飾北斎の生誕260周年について書きましたが、今年の生誕●●年記念には、もう一人、偉大なアーティストの存在として、ベートーヴェンがあげられます。

今年、2020年は、ルートヴィヒ・ファン・ベートーヴェン(Lutwig van Beethoven:1770年12月16日~1827年3月26日)、生誕250周年です。

ベートーヴェン生誕の地ドイツや、活躍の地ウィーンでは様々な催しが予定されています。
こちらもコロナの影響で予定通りとはいかないものの、会期が延長されたり、配慮がなされているようです。

ここ日本でも、クラシックファンはもちろん、そうでない人にも楽しんでもらおうと、記念サイトがオープンされたり、様々なイベントなどが企画されていています。


また、ちょうど今(2020年5月28日現在)発売中の雑誌「BRUTUS(ブルータス)」では、ベートーヴェン特集というわけではないのですが、「クラシック音楽をはじめよう」というタイトルで特集が組まれています。

見開き1ページのみですが、生誕250周年にちなんで「ベートーヴェンって、何がそんなにスゴイの?」という記事もあります。
そちらによると、

当時の音楽家は、教会や宮廷に雇われる社会的地位が低い立場だった。にも関わらず、苦労を重ねながら自立した媚びない芸術家として活躍したのがベートーヴェン。死後は“芸術家の理想”となった。

とのこと。

ちなみに、BRUTUSでクラシック音楽特集をするのは初めてなんだそうで、なかなか、面白いですよ♪

こちらの動画は、ザルツブルクの音楽大学の指揮科を首席で卒業した水野蒼生(みずのあおい)氏が、「もしベートーヴェンが今この曲を演奏したら、どうなるだろう?」というコンセプトのもとエレキやドラムなどバンド編成を率いてレコーディングした、日本では「運命」として知られる「交響曲第5番」です。

賛否両論ありそうですが、特に若い世代には人気のようです。

私もこちらが入ったアルバムを買いました。「交響曲第5番(運命)」のアレンジは現代的で面白いですけど、個人的には、他の曲の方が落ち着いてて、最近の精神状態には好ましい気がしています。

クラシック音楽は、現代的で親しみやすいアレンジがなされているものも多いので、普段クラシックなんて聴かないというかたにも楽しんでいただけるものは結構あると思います。

音楽は、クラシックに限らず、同じ曲でも、編曲によって、好みが分かれるところや、同じ楽譜、同じ楽器でも、演奏する人によって、雰囲気が変わったりするのも、面白いポイントですよね。
演奏する方も聴く方も、楽しみかたが自由で、人間の豊かさを育てる素敵な文化だと思います。

自立した媚びない芸術家、ベートーヴェンの音楽、これを機に、楽しまれてみるのはいかがでしょうか♪


あなたは
ベートーヴェンの「運命」
どのタイプがお好きですか?

水野蒼生 BEETHOVEN -Must It Be? It Still Must Be-

驚異と感動の実話 奇跡の脳 その2

脳卒中に倒れた脳科学者が語る、左脳と右脳


以前の投稿「驚異と感動の実話 奇跡の脳 その1」では、アメリカの脳科学者ジル・ボルト・テイラー氏による自叙伝の概要を紹介させていただきました。

テイラーさんは、自らが脳卒中という病に倒れ、左脳の機能を欠いたことで知ることができた、右脳の素晴らしさと、左脳も含めた脳機能の神秘についてを、この本で語っています。

今回は、そのテイラーさん自身が語る、左脳と右脳について、興味深いと思った点を、ご紹介いたします。

まず、左脳、右脳のそれぞれのユニークな特徴について、この本に書かれているほんの一部を抜粋し、箇条書きにしますね。

左脳と右脳のユニークな特徴


そして、テイラーさんは、このように述べています。

右脳と左脳はそれぞれユニークな特徴を持っており、ちがったやり方で情報を処理するわけですから、それが別々の価値体系となってあらわれ、結果的に非常に異なる人格が生じるのは、あたりまえかもしれません。

二つの性格のあいだの健全なバランスを生み出すことによって、初めて、変化に対して柔軟に対応できる(右脳)認知能力を持ちながら、同時に道を踏み外さず具体的に行動できるようになります。


与えられた認知能力を100パーセント大切にし、うまく使うことにより、まさに『生命の傑作』とも言えるわたしたちに見合った人生への道が開けます。


決意さえすれば、慈愛に満ちた世界を作つくることが可能なのです。


テイラーさんは、脳卒中に襲われたことで、頑固で傲慢で皮肉屋で、嫉妬深い性格が、傷ついた左脳の自我(エゴ)の中枢に存在することを知り、新しく発見した右脳マインドの純粋さを台無しにしないようにしようと考えたのだそうです。

何事もバランスが大事ですので、脳だって、左脳と右脳、バランス良く機能するに越したことはないでしょうけれども、実際は、どちらかに偏ってしまうのが現実でしょうか・・・?
自分がどっちよりなのか自覚して、うまくバランスをとっていくと、より生きやすくなるのかなと思います。
また、左脳と右脳の機能について知ることは、人を理解する上での助けにもなるかと思います。

なお、左脳と右脳については、臨床美術の記事でも書かせていただいております。ご興味のあるかたには、ご覧になっていただけましたら幸です。

あなたは、左脳派ですか?
それとも、右脳派ですか?

開設から1ヶ月☆

支えてくださる皆さまに感謝いたします


当ウェブサイトを開設してから1ヶ月が経ちました。
初めてイチから自分で作るホームページで、まごつきながらやって参りましたが、やっぱり、過ぎてみるとあっという間です。

1日、1投稿、私なんかの語りが何かになるのか、という思いもありつつではありますが、支えてくださる皆さまのお蔭で、毎日、苦になることなく続けることができました。
見守ってくださって、ありがとうございました。

実は、自分のウェブサイトを持つことについては、新型コロナウィルスが全く初めてのきっかけだったわけではなく、構想はしばらく前からあったことでした。
多分、臨床美術に出会った頃から既に考えていたと思います。

それまで、この世から消えて、みんなの記憶からも存在がなかったものとしていなくなることができたらどんなに良いか、と散々考えた自分だからこそ、できることがあるんじゃないか?と、ずっと考えていたんです。

せっかく命を与えられたにもかかわらず生きづらいと感じている人には、少しでもラクになってほしいし、私自身、いつも楽しく笑って、心が安らげる人で囲まれた環境で過ごしたい。そういう世界をつくっていきたいな・・・

そう思っていたのですが、なかなか一歩を踏み出せずにいました。

今回コロナがその後押しをしてくれるようなことになりましたが、そこには、今なら頼れる人がいると思えたことや、共感してくれるであろう友人たちの存在に確信が持てていたからです。
本当に、ありがとうございます。

また、実際始めてみましたら、書きたいことが、結構あふれてくるんですね。
まだまだ見やすくするための修正が必要なところがあるにもかかわらず、1日24時間があっという間なので、なかなか追いつかずにいますし、投稿も、単なる自己満足でするつもりはないので、ちゃんとやろうと思うと、時間がかかってしまうのですが、正に、案ずるより産むが易しで。

もっと早く取り組んでおけば良かったと思うほどではありますが、でも、やらないで終わるようなことにならなくて、良かったと思っています。

せっかく与えられた、一度きりの人生ですから。
ぼーっとしてたら、あっという間なんで。
命に感謝し、心に素直に、悔いのないように、これかも歩んでいこうと思います。

今日は最後に、ここ最近読んだ本で、とても印象に残った言葉を紹介させていただきます。

「もちろん仕事は自分自身を生かす場でもありますが、もっとも大切にしているのは、『それで困っている人は本当に助かるのですか?』という問いかけです」

私が愛読している雑誌「暮らしの手帳」編集長を務められた松浦弥太郎氏の著作にあった一文です。
これは、単に綺麗事を言っているわけではなくて、人に必要とされ、ビジネス上の利益をあげるという点においても、ないがしろにできないないポイントでもあります。
仕事をする上でも、日常を過ごす上でも、心にとめておくと良い言葉だと思います。

私は、人生を豊かにするための知恵をたくさん与えてくれる松浦弥太郎さんの大ファンです。
松浦さんとこの本ついては、またの機会に改めて。

あなたにとって
24時間は長いですか?
短いですか?

“仕事でも、日常のちょっとしたことでも、スピードばかりに気をとられていると、根本的なことを見落としてしまいます。何のためにやっているのか、立ち止まって考えることも大切です。”

松浦弥太郎さんが、2005年から9年間、編集長を務めたこの「暮らしの手帳」は、大事なことを思い出させてくれる、素敵な雑誌です。

プチ DIY

ITライフのアップデート


今日は、新しいパソコンを設置しました。

これまで、
Windowsデスクトップ(弟の自作品)

Windowsラップトップ

MacBook Air
と使ってきて、ここしばらく相棒のMacは、写真などの画像を編集するために、標準よりスペック高めで購入したものの、このところ、容量がきつくなってきてしまい、再起動することが多発していました。

訓練校でCADの学習中なので、外出自粛期間中、練習したかったのですが、おそらくインストールできても、サクサク使えないだろうと思い、諦め、HPの作成に専念していました。

しかし、HP作るにも、文字だけなら平気なのですが、画像編集もするし、私はかなりマルチタスクで作業するので、どうしても時々フリーズしてしまいます。

※マルチタスク:複数のタスク(仕事)を同時並行して実行するコンピューターのシステム

これを機に、新しくパソコンを買うことにしました。

そこで、2D-CADも3D-CADもサクサク動く、訓練校のパソコンのスペックを参考にしました。
ただ、このスペック、ワークステーションレベルとなり、お高いのです・・・
しかし、これも自己投資と、意を決しました。

※ワークステーション:高いCPU性能や高性能なグラフィックスの機能を搭載した、一般的なパソコンより高性能なコンピューターのこと

でもちょうど、運よく、私の欲しいものが4割引きセールしてまして。
通常だと20万円以上するものが、10万円台で購入できました。
(OS:Windows 10 Pro、グラフィックスボード:NVIDIA Quadro P400)

今回購入したのはデスクトップ型なので、設置場所は、通常作業しているデスクではなく、テレビをモニター代わりにするべく、テレビのそばに決めました。

2000円で買ったミニテーブルの脚をノコギリでカットして、もともと備えていたテレビ台の棚の高さを変えて、その下に設置して、ブルーレイプレーヤーを載せ、肝心のパソコンも無事、収まりました。

ノコギリといい、設置雰囲気といい、女子感がないですが、こういうDIY的な作業は楽しいので、好きです♪

※DIY:「日曜大工」のこと。Do It Yourself(ドゥ イット ユアセルフ)の略語で、「自身でやる」の意。

パソコンが、問題なく起動することも確認。インターネット接続もOK。
モニター代わりのテレビの画面は、Macの美しい画面とは違いますが、大きいので、CADや画像の編集には重宝しそうです。

快適になったシステムで、また色々やれることが増えそうな気がしています。
というか、投資した分、やらねばです。
一人でも多くの皆さまのお役に立てるよう、精進してまいります☆

あなたは
DIY
お好きですか?

ノンフィクション 彼女が目覚めるその日まで

実話をもとにした感動の映画

邦題は「彼女が目覚めるその日まで
ある日、映画を観に行こうと思った時、このタイトルとアイキャッチ画像の印象は、若い男女のちょっとありがちな感動を誘う恋愛映画かな、でした。
なんとなく、その時はそういう気分ではなかったので、映画は観るつもりないけど、一応、予告編だけでも、と思いチェックしてみましたら、ありがちな恋愛映画でもなさそうで。

それで、原題を確認しましたら「Brain on Fire」なんです。
火の脳とか燃える脳ってことですね。
こっちの方がよっぽどしっくりくると感じました。
実話ということですし、結局、気になって観に行ったところ、非常に印象に残る映画となりました。

というわけで、今回も、脳つながりなのですが、脳に関わる病気と戦った女性と、その家族をはじめたとした彼女を支える人々の、実話にもとづく、衝撃的かつ感動的な映画について、ご紹介したいと思います。

さて、この映画、初めは書籍として出版されたものです。

2009年に「抗NMDA受容体脳炎」という病におかされた、ニューヨーク・ポスト紙の記者であるスザンナ・キャハランが、壮絶な闘病の日々を、医療記録や家族の日誌などから再現し、ノンフィクションとして発表しました。

それが、オスカー女優シャリーズ・セロンのプロデュースによって映画化され、日本では2016年に公開されました。

脳炎:脳内に白血球が入り込んで炎症を起こし、脳が害される病気。寄生虫といった病原体が脳に感染して起こる「感染性脳炎」と、自己免疫によって起こる「自己免疫性(免疫介在性)脳炎」とがあります。

抗NMDA受容体脳炎:自己免疫性脳炎で、若年女性に好発し、発症初期に不安、抑うつ、幻覚妄想などの精神症状を呈することが特徴であり、その後は意識障害、不随意運動(運動異常)、けいれん発作、中枢性低換気(呼吸障害)と重篤な経過をとることを特徴とする脳炎。

古い映画に「エクソシスト」という、悪魔に取り憑かれた少女のホラー映画がありますが、その主人公のモデルになった実在の少年が、実は、スザンナさんがかかった病気の典型的な症例だったと指摘されているのだそうです。
21世紀に入るまでは、精神の病や悪魔憑きと判定され、正しい治療を受けることが難しい病気だったとのこと。

スザンナさんも、発症した時は、医師からも原因不明と見放され、家族や恋人とともに、苦しい日々を送ることになります。

しかし、目覚めぬ娘を信じ続けた両親、絶対にあきらめないと誓った恋人、彼らに突き動かされた医師たちの、献身的な愛によって、希望の道が開かれることとなるのでした。

壮絶な物語なので、こんな現実があるのかと、思い知らされます。
スザンナさんを演じた女優クロエ・グレース・モレッツの迫真の演技も素晴らしく、ゆえに、観ていて辛くもなる一方、完全に引き込まれます。

胸が痛むシーンも多いですが、これは愛の物語です。
両親は離婚しそれぞれの生活があるにも関わらず、自分たちの娘のために力をあわせる姿、頼りない医師がいる一方で、患者のために必死になってくれる医師がいること、彼女が変わり果てても、耐え忍ぶ恋人や友人達。
そんなあたたかい愛に、感動します。

ちなみに、映画のエンディングではスザンナさん本人の写真も出てきます。
ご覧になるのであれば、是非、最後の最後まで♪

あなたも愛の映画で
癒されてみませんか?

脳に棲(す)む魔物 【本】

スザンナさんが執筆した原作です。
記者というだけあって、描写が細かいです。
ページ数も結構あるので、本が苦手な人にはきついかもしれませんが、
とても興味深い内容なので、本好きにはあっという間かもしれません。

できることをコツコツと

東北のパイオニア “テルえもん”こと小原照記氏


今、この不安定なご時世で、焦りがちになったり、目先の利益に目がくらむ人や、何か大事なことを見失いかけている人がいるような気がしています。

コロナのせい、誰かのせいと、自分の正当性ばかり主張するようなことをしていたら、得があるどころか、信頼を得られない人になってしまいます。

しかも、そういった発言をする人は不安な情報にばかり目が行きやすくなり、嫉妬や批判的な気持ち、怒りなど、ネガティブな感情に支配され、その人自身の精神衛生上も全くよくありませんし、周りの空気も悪くなるばかりで、人も離れていってしまいます。

しんどい思いをしているのは、みんな一緒。
こういう状況の中で、現状を少しでもよい方向、明るい方向にもっていくには、自分には何ができるかを考えるのが賢明だと思います。
人を責めたり、嘆いたりするようなことに時間を割くのではなくて。
被害者意識も手放して、人を変えることより、自分自身が変わること。

そこで今回は、この世情にあって、決してぶれることなく、自分が今できること、これからできることを真摯に考え、行動にあたっている、小原照記(おばらてるき)さんをご紹介したいと思います。

小原さんは、いわてデジタルエンジニア育成センターのセンター長でいらっしゃいます。
地元・岩手を元気にしようと、ご自身の得意な分野で、ご活躍されています。

小原さんの得意な、というか多分、愛してやまない分野、それは、ここ数年、私も注目している、3次元技術です。
3次元CADを中核として、デジタルものづくりエンジニアの人材育成、企業のサポート・導入の支援に尽力されていて、私が考える3D技術分野における活動の理想形を実現されている、まさに、師匠的存在です。

私は、昨年、前職を辞める直前に、小原さんに私の職場までお越しいただき、また、辞めた後は、私が、小原さんが所長を務めるいわてデジタルエンジニア育成センターを訪問させていただきました。

小原さんは、単に3D技術の分野でその能力を活かしているというだけではなく、その心意気が素敵なんです。
常に、どうしたら人の役に立てるか、を考えていて、とっても心があたたかいかたです。

下記の「きたかみ仕事人図鑑」というウェブサイトの記事に、小原さんがコロナに挑んだ活動の様子が記載されていますので、是非、ご覧になってみてください。

また、当HPのリンクのページにも、小原さんのHPへのリンクを置かせていただくことをご許可いただきました。
小原さんは、HPも数種類お持ちなんですが、その全てが美しく、わかりやすくまとめれらていて、本当に尊敬します。

私も、自分の好きなCADや3D技術の分野で手に職を付け、社会の役に立つこと、一生働き続けることと、あわせて、ボランティアも含め、自分の好きな世界を回らせるための資金源にすることが目標です。
コロナだとか、経験不足な点とか、色々壁はありますが、一度きりの人生ですので、諦めずにやっていこうと思います。

あなたの今できることは
なんでしょう?


関連記事
いわてデジタルエンジニア育成センター訪問記

正義ってなに

立ち止まって自分を省みる必要性


昨日、訓練所の再開を喜びましたが、色々揉めていて、今日は、悲しくなり、疲れてしまいました・・・

私は、今をこうやって生かされているだけで、十分なんだけど・・・

というわけで、今日は、活力が出ないので、現在のスマイルポットの写真をアップするのみで・・・

お花、アレンジしていただいて、まもなく1週間ですが、こんなに綺麗です♪

毎日、「綺麗だね〜、可愛いね〜」って話しかけながら、お花の栄養剤をといたお水を霧吹きで吹きかけてます。

ポットのお肌がフワモコで気持ちいいので、なでなでして、癒されてます。

そして、ピアノは、やはり飾り台と化してます・・・

訓練再開☆

雨にもコロナにも負けず


数日前までの夏日に打って変わって、また寒くなって、今日も冷たい雨でしたね。
コロナといい、昨今の気候といい、現代人に対しての、何か、宇宙からの警笛なんではないだろうか、と思ったりもします。

ところで、現在、私は、職業訓練校へ通っています。
受講科はCAD・NCオペレーション科です。

私は、以前の職場で、事務職の傍ら、3Dプリンター等の機器を扱うこともあり、それがとても面白かったので、それらの知識と技能をさらに深め、手に職をつけて、人生100年時代と言われるこれからを生き抜ける人材になりたいと考えました。

それで今に至るのですが、新型コロナウィルスによって、しばらく授業も休講となっていました。
突然の休講のお知らせでしたので、その時はショックも受けましたが、それで家時間ができたことにより、私は、このウェブサイトを独学によって、立ち上げることができましたので、これはこれで、とても良い機会になったと思っています。

と、そんな状況でしたが、先日の「緊急事態宣言39県の解除」を受けて、ようやく、今日から訓練再開となり、クラスメートや先生方と、再会できました♪

ですが、色々、ありますね。
授業が延長できないだの、出席日数が修了と認められる日数を満たさないだの、揉め揉めしていて、私自身も腑に落ちないと感じてしまうような点もあったりしますが、世の中には、見えないところで相当な苦しみを負っている人もいるはず、そう思うと、あとは、ことが静かに収まるのを願うばかりです。

さて、先ほど、受講しているのはCAD・NCオペレーション科だと書きました。
「CAD・NCオペレーション」わかる人にはわかっても、わからない人にはさっぱりわからないですよね。

CADは Computer Aided Design(コンピュータ・エイデッド・デザイン)の略で、コンピュータ支援設計
NCNumerical Control(ニューメリクル・コントロール)の略で、機械制御のことを言います。
オペレーションは、機械などの運転操作のことを言います。

と言っても、やっぱり、わかりづらいと思いますので、もっと簡単に一言でまとめると、「従来の職人の技術と現代のハイテク技術を持ってする、ものづくりをする上での設計から加工をすること」という感じでしょうか。

この辺は、もう少し説明が必要だと思いますので、今回は置いておきますが、個人的には、これもアート(芸術・美術)の一種という感覚があって、興味を抱いている分野でありました。

今は、その学びを深めることができることを、とても嬉しく思っています。

これまで、脳に関する投稿をいくつかしてきましたが、人の脳というのは、何歳からでも新しいことを学び、身に付けることは十分に可能と言われていますし、私も、そう信じています。

色々あるご時世ではありますが、こうやって学べる機会が持てることに感謝し、いつまでも学ぶ心を忘れずに生きていこう、そう改めて思った本日でした。

あなたは何を学んでいる時が
楽しいですか?

テンダー・ラブ tender love

日野原重明先生の愛すべき名著


先日投稿した「ナラティブ 〜物語〜 について考える」で日野原重明先生について、少し取り上げました。

日野原先生は、内科医として、早くから予防医学の重要性を指摘し、終末期医療の普及、医学・看護に尽力し、「習慣病」という言葉を生み出すなど、常に医学の先端を走ってきました。

先端を走り続けると、ともすると、その名誉にかられ、人として大事なことを忘れてしまう危うさもありますが、日野原先生は「人間が人間を愛したり尊敬したりするあたりまえの心を狂わせてはならない」と愛を訴える、心あたたかな医師として、多くの人々に慕われました。

※終末期医療(ターミナルケア):病気などで余命がわずかになった人に行う医療的ケアのこと
※習慣病:食事や運動、喫煙、飲酒、ストレスなどの生活習慣が深く関与し、発症の原因となる疾患の総称

今回は、その日野原先生が書かれた名著より、私が大好きな、心があたたかくなる一冊の本をご紹介します。

「テンダー・ラブ―それは愛の最高の表現です。」日野原重明(著) ユーリーグ

テンダー・ラブ―それは愛の最高の表現です。」という本です。

2004年に発刊された本で、新しくはありませんが、これは、何年先までも読まれてしかるべき本だと思います。

先にも述べました通り、日野原先生は医学の先端をゆく人であるにも関わらず、人にとって最も大切なものは愛であると説いたかたです。

tender love(テンダー・ラブ)
直訳して、やさしい愛。
そう名付けられた本では、日野原先生は、ただただ愛を語ります。


この本で、日野原先生が「はじめに」の部分で述べられていることを抜粋にて、紹介させていただきます。

93歳の誕生日を迎えるにあたり、若いときには思いもしなかった長寿への感謝の心を、私の「愛の証(あかし)」を持って読者のみなさまにお伝えできることを、この上もない喜びと思っています。

私は、私が人々に与えたよりも、もっと多くを人から学び、癒しの技の職業につきながら、癒しを与えるよりも病む方から多くのものを学んできました。そしてまた、何と多くの愛を、私が接してきた多くの方々から、また私の尊敬する人たちから、さらに小説や劇、詩や音楽からも与えられてきたことでしょう。

私が辿(たど)ってきた人生のなかでもっとも大切な、愛。それが、すべての人にもそうであることを信じて、私はこの愛の証を2か月間で書き下ろしました。その資料は、私が愛を感じ始めた幼い頃から、そして90歳を超えたいまでも感じることを記した、私の心のノートから集めました。

これから人生が始まることに気づく若者、
大人になったが目標がない方、
中年期の仕事に疲れて愛を見失っている人、
長い病の床にある人、

愛する人を失った方、
これから老いに向かう人、
老いを乗り越えて第三の人生を創めようとする“新老人”の方々、
「緩和期がん」のケアを受けられている方々とそのご家族たちに。

その愛の結晶に「テンダー・ラブ tender love」と名付け、この本をみなさまに捧げたいと思います。恕(ゆる)しに裏付けられた、この愛の心こそが、地上の平和をつくる力となることを切に希(ねが)っています。

どんな内容なのか、もう少し具体的にお分りいただけるように、各章のタイトルもご紹介しますね。

第1章
訣(わか)れのときでさえ、
人は、愛を交わすことができます。

第2章
愛とは、誰かの心に
希望の灯(ひ)をともすことです。

第3章
恋するハプニングが愛を生み、
他人を受け入れることで愛は育ちます。

第4章
誰もみな孤独であってはなりません。
だから、愛を示し合うのです。

第5章
人はいつも、何と多くの愛を
与えられていることでしょう。

日野原先生が接してきた患者さんからのお手紙や、日野原先生自身が感銘を受けた人々の言葉について、いくつか引用されていたりもするのですが、それらも含め、すべてに、胸を打たれます。

この本についても、ご紹介したい部分がたくさんあるのですが、少しでも気になったかたは、とても読みやすい本なので、ご自身で手に取られるのが一番かと思います。
ただ、もう、中古しか見つからないかも・・・

リクエストがあるような時は、またの機会に、一部だけでもご紹介したいと思います。

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ナラティブ 〜物語〜 について考える/エビデンス(科学的根拠)とナラティブ(物語と対話)
愛とは、誰かの心に 希望の灯をともすこと/心に留めておきたい、愛の医師 日野原重明先生からのメッセージ


あなたにとっての
やさしい愛は
見つかりましたか?