震災を経て9年の閖上(ゆりあげ)の海

まちは生まれ変わっても、海の景色は変わらない


本日、2020年7月23日(木)は、海の日、日本国民の祝日です。
通常は、7月の第3月曜日が海の日とされていますが、今年は、オリンピックがある予定だったために日程が調整されました。
新型コロナにより、オリンピックは延期され、その意味はなさないものとはなりましたが、毎日忙しく働く日本人にとって、祝日があるというのはやはり嬉しいことですね。

ところで、「海の日」というのは、海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願うために制定されているのだそうです。

内閣府HP:「国民の祝日」について

というわけで、本日は、私の生まれ育った海のまち閖上(ゆりあげ)について、現在の様子を、写真にて紹介させていただこうと思います。

閖上は、宮城県仙台市の隣に位置し、仙台空港の所在地でもある名取市のまちの一つで、太平洋に面した地区です。
江戸時代には仙台藩直轄の港で、仙台に魚介類を売り栄えました。
伊達政宗が掘らせたという日本最長の運河「貞山運河」(地元では貞山掘り(ていざんぼり)と言ってます)を使い仙台城下に海産物を運んだのだそうです。

現在の貞山堀

そんな歴史と海に幸に恵まれた地区ではありますが、2011年3月11日、発生した大地震によって、最大浸水高9.09mの津波に襲われた閖上の沿岸部は、完全に飲み込まれてしまいました。

今年(2020年)5月に「名取市震災復興伝承館」がオープン。見学は無料です。

私の実家も、港のすぐそばでしたので、根こそぎ流されてしまいました。
震災後、復興に尽力する人々もいる中、私はなかなか訪れる気になれなかったのですが、この度、初めて数時間、自分が生まれ育った閖上に滞在しました。

伝承館内には宮城県の学生さんらによって作られた、当時を再現したジオラマがあります。
私の家はこの辺り。ちゃんと名前があったので嬉しいです。
私の家があったあたりは、現在では工場地帯となっています。

すっかり町並みは変わってしまい、どこに来たのかわからない寂しい気持ちになってしまうのが、ここで育った人間としての正直な心情ですが、海の静かな情景と、塩と磯の香りに懐かしさを感じました。

ヨットハーバーは震災前よりずっと広く立派になりました。

子供の頃、港が遊び場の一つでした。
再生されてはいますが、現在のこの港の風景は、当時の様子に近いものがあり、なんだかとてもホッとする気持ちになりました。

この雰囲気は震災前にだいぶ近いです。
昔ながらの魚市場もなければ船も減ってしまいましたが・・・
港の対岸

津波という悲劇に見舞われましたが、普段はこんなに穏やかな景色。


震災前同様、釣りを楽しむ人も大勢います。

震災前に比べて、釣りもしやすくなったように見えます。
私は釣りしないんで、よくわかりませんけれども・・・
2019年にオープンしたかわまちテラス閖上
食事やスイーツ、この地の特産物を見て食べて楽しめる、色々なお店が並んでいます。

浜や食堂」さんで「しらすW丼」をいただきました。
閖上産北限しらすの生しらすと釜揚げしらすの丼ぶりです。
テラスで海を眺めながら食事が楽しめます♪

浜やさんのインスタグラムはこちら

対岸に見える小高い丘は、仙台市荒浜地区の「避難の丘
2020年5月に完成し、標高10m、頂上部は正方形で面積約5700㎡で、仙台市内にある5つの避難の丘で最大規模とのことです(2020年7月現在)。
この写真の奥に仙台のまちが広がっています。
釣りをしている人たちの前に流れるのが名取川で、この対岸が仙台市です。

この海に襲われたのは悲しいことではありますが、その、人間に対する自然の怒りによって、いろんなことを考えるきっかけになったし、やっぱり、自分の育った場所の海って愛しいんだなー、この海に囲まれた島国としての日本だからこそ、誇れるものや恩恵がたくさんあるんだなーと、しみじみと感じ、改めて感謝しました。


あなたの
思い出の海は
どこですか?

感動のドキュメンタリー「花のあとさき ムツばあさんの歩いた道」

日本の素晴らしい四季の移ろいをムツおばあちゃんと共に


只今(2020年7月21日現在)、映画館フォーラム仙台/チネ・ラヴィータ では、「『今、特に観てほしいドキュメンタリー』連続公開」というフェスタが開催されています。

この中から、7/17~7/23公開の花のあとさき ムツばあさんの歩いた道」を観て参りました。
とっても素敵な映画でしたので、ご紹介させていただきたいと思います。

2020年6月12日(金)~7月30日(木):フォーラム仙台/チネ・ラヴィータ の「今、特に観てほしいドキュメンタリー」連続公開

花のあとさき ムツばあさんの歩いた道」は、2002年から放送されたNHKのドキュメンタリーシリーズ「秩父山中 花のあとさき」が映画化されたもので、 秩父の山深い村に暮らす小林ムツさんとご主人の公一さん、そして同じ集落に住むわずかな村民と家族の方々の18年間に及ぶなんの飾り気もない、そのまんまの物語です。

この映画に寄せられた瀬戸内寂聴さんのコメント
「涙があふれて、私はゲクゲク泣き続けました。
丸顔のあどけない顔つきが年と共に美しくいきいきしてきたのは、彼女の暮らしが、花のいのちと共にあったからでしょう」

に、私も心から同感しました。

ムツさんも、ムツさんを取り巻く人々も、なんて優しく愛情深い、素敵なお顔立ちなんだろう。
花や自然を愛し、そして村を訪れる人への思いやりの心を持ち、なんの贅沢もなく、毎日を大切に生きている、きっとその生き様が、お顔に現れているんだろうなと思いました。

映画のチラシ

畑仕事に毎日休みなく生きるムツおばあちゃん。
80前後の年齢で、山の急斜面でも作業し、重い荷物も運び、時には家の屋根にも登ったり、そのたくましい姿に、「かわいいのに、かっこいい!私も頑張らねば!」と力をもらえました。

ちなみに私は、映画を観ると同時にパンフレットも必ず購入します。
映画には出てこなかった写真や、ムツおばあちゃん達の詳しいプロフィールなんかも掲載されていて、とても貴重な冊子です。

映画のパンフレット

ムツおばあちゃん達からは数々の素敵な言葉が発せられていたので、映画を見ている最中、「忘れちゃう前に書き留めておきたい!」と思ったのですが、パンフレットには語録のページがあったので、ありがたかったです。

パンフレットにも掲載されていますし、予告編でも出てくるのですが、ムツおばあちゃんのこの語らいがとっても素敵で、心が温まりました。

花が咲くと何にも忘れるがね
かわいいなぁと思って
花って

香りがそれぞれ違うし
色も違うし
みんなが器量一杯に咲いてくれるから
かわいいよ〜

そう語るムツおばあちゃんの話し方がすごく可愛らしくて、『花のことをかわいいよーて愛(め)でるそんなあなたがかわいいです!』と突っ込みたくなるほどです(笑)

映画を観る前は、単に「かわいいおばあちゃんだなー」程度だった想いが、映画を観ると親近感が湧いてしまって、その後はこの予告編を見る度に「ムツおばあちゃーん」と泣けてきてしまいます。

NHK(カメラマン百崎満晴氏)がこの村で映像を取り始めたのは2002年、その時点で村に住む人々の平均年齢は73歳、撮り続けた18年でどうなるかは、想像がつきますよね・・・

以下は、後半ご主人がなくなった後の、ムツおばあちゃんの言葉です。

(おじいさん)どこに行ってしまったんだか。
なんとなくなあ

寂しくも恐ろしくもないんだけど
つい涙もろくなっちゃった。
人生なんてほんとにあっけねぇもんだが。
83歳になったけども

ほんと、あっという間で過ぎたよ〜

たくましく生きたムツおばあちゃんから出たこの言葉は、なんだか深くて重いです。

日本の山の美しい季節の移ろいにも、心が洗われます。
自然に感謝して、自分のいのちも大切に生きよう・・・
そんな穏やかな気持ちになれる本当に素敵なドキュメンタリー映画でした。


あなたの
故郷の様子は
いかがですか?

人間の原点とは、生き、歩くこと

行為の意味〜出発の季節 より


ここ最近、憂いなニュースが続きますね。
災害やウィルスなどで望まない死を遂げる人がいる一方、自ら命を絶つことを選ぶ人も絶えなくて、人間の世界って儚いな、と感じます。

生きているのが辛い、という思いを抱えて、必死で生きている人は想像以上にいると思いますし、特別な辛いことがなくとも、生きている意味がわからない・・・そういう思いを抱えている人も、この現代では、たくさんいらっしゃるのではないかと思います。

命ってなんなんだろうか・・・
自分はなんでこの世に生を受けたんだろうか・・・

生きる意義を見出せずにもんもんとしてしまうような、そんな時。
心に静寂がもたらされそうな詩を、先日ご紹介しました宮澤章二さん著作「行為の意味」より、今回は一番初めの章「出発の季節」から、抜粋して紹介させていただきます。


原点について

鳥が鳥である 原点
それは つばさを持ったこと
魚が魚である 原点
それは 水中に生まれたこと

ぼくらは ぼくら人間の原点について
一度でも考えてみたことがあるか……

鳥たちは つばさを持ったから 飛ぶ
魚たちは 水中に生まれたから 泳ぐ

ぼくら人間は 直立する人類として
生き 歩く その意識を初めから持った

−−−歩いていこう 生きていこう
それが 意思する人間の原点であるなら
ぼくらは 常に その原点に立とう


自分の生きる使命を見いだすことができたら幸運でしょうけども、何も、それが全て、というわけではないのかもしれません。
人間は、生き、歩くもの。ただ、それだけ。
そう肩の力を抜いて生きるのも一つなのではないかと考えられれば、だいぶラクになりそうな気がします。

でも、そんな怠慢ダメな気がする、と思ってしまう真面目なかたには、こちらの一編はいかがでしょう。


人間として生きたい

ふと怠けたくなる日があるんだよ
なんにもしたくない日があるんだよ
ぼくらは 生きている人間なのだから
調子の悪いときだって ずいぶんあるんだ

人生を歩き続けるためには 意志が必要で
意志は 鍛えることで強くなるのだから
ぼくらは その努力をしなければならない

努力するのが 人間のつとめで
最初から放棄するわけにはいかない
そんな みっともないことは出来ないよ
ぼくらは人間として生きたいのだから

怠けたい日には ちょっと怠けていい
後ろめたい思いなんか捨てていいんだよ
怠けながら力を蓄えることだってあるんだ


あくせくしすぎて、十分な充電も出来ずに走り続けるよりも、生きるためゆえの休息。
何が本当に大切なのかを考えるための時間を持つこと。
せっかくいただいた命だからこそ・・・

関連記事
生きる礎を感じられる本「行為の意味」/宮澤章二氏著作の詩集「行為の意味 ―青春前期のきみたちに」
自分を信じて進む/行為の意味〜前進の季節 より
強くあたたかく生きる心/行為の意味〜結実の季節 より


あなたは
エネルギーチャージ
できていますか?



「行為の意味―青春前期のきみたちに」宮澤 章二(著) ごま書房新社
「行為の意味―青春前期のきみたちに」宮澤 章二(著) ごま書房新社

食べて、飲んで、美味しい山形

その地の特産を活かして


只今の季節、さくらんぼが旬です。
雨が続いてジメジメとした毎日ですが、甘くて美味しいさくらんぼを食べると、幸せな気分になりますね。

さくらんぼといえば、ここ宮城のお隣、山形が名産地として有名です。

そして、さくらんぼのお菓子といえば、こちら。

さくらんぼのクラフォティ:kumikoちゃんのブログから転載

フランス在住のお友達から、クラフォティの作り方を教えてもらいました。

*クラフォティ:フランスの伝統菓子で、タルト型を使って作られる、さくらんぼの代表的な洋菓子。日本では、クラフティーと記述されることが多い。

材料は、卵、砂糖、小麦粉、牛乳、塩、バターのみの、とってもシンプルなレシピで、さくらんぼさえあれば気軽にできますよ♪
お試しになりたいかたは、レシピが記載されたこちらをご覧くださいませ。
ブログブルゴーニュ田舎暮らしとB&Bより「さくらんぼのクラフォティ

また、山形といえば、米どころ。
「つや姫」「雪若丸」「はえぬき」「コシヒカリ」「あきたこまち」などが人気ですね。



そして、米どころといえば、日本酒。
米どころ山形県は、美酒県であるとも言われています。

先日もご紹介させていただきました、仙台二日町にある美味しい創作料理が食べられるお店「Tavola2」さんへ再びお邪魔しました。

前回の記事はこちら↓
Tavola2さんの濃厚もっちり生パスタ/仙台二日町の隠れ家的♪創作料理店

創作生パスタが絶品なTavola2さんは、山形の食材とお酒に特化したお店でもあります。

今月のパスタメニューより、「大葉のオイルパスタ 活〆スズキのポワレ添え」に、山形のお酒である出羽桜をあわせて、いただきました。

日本酒は、ワイングラスに注がれて出されます

出羽桜は、吟醸酒の火付け役となったことで知られ、イギリス最古のワイン商が初めて取り扱う日本酒として選ばれたことでも有名です。

今回いただきました出羽桜、出羽燦々(さんさん)誕生記念ということで、山形を代表する酒米「出羽燦々」を100%使用し、「オリーゼ山形(麹菌)」に「山形酵母」と山形オリジナルの原料のみで醸されたお酒で、ポワレを添えられたパスタには、まるでワインのようにベストマッチ。

出羽桜酒造株式会社のWEBサイト:出羽桜の酒造り/GI山形

Tavola2さんでは、手に入りづらい貴重な山形のお酒が取り揃えられています。

手前4本は、ターボラさん一押しの雅山流シリーズ。
ボトルのデザインも爽やかで、見てるだけでも楽しいです。
一番奥は、若乃井「eternal BLUE」。
eternalシリーズは、仙台の酒屋「酒のかわしま」さんの別注品で、各蔵元を代表する一番人気のある商品の“中取り”部分を特別に分けられたもので、無濾過生原酒のまま瓶詰めしているので、搾ったまんまの味わい深い日本酒です。

晩酌の〆に生パスタ♪というお客さんも多いそうです

Tavola2さん情報はインスタグラムにてどうぞ。

ところで、お酒が豊富なのは、そこにお米があるから、な訳ですが、稲作豊富な山形では、ユニークなアート活動「田んぼアート」があることはご存知でしょうか?

山形県のHP:田んぼアート

その土地の特産を活かしたアートって、面白いですし、魅力を伝えるツールとして有効ですよね。
現在は、新型コロナのために、観光も気軽に楽しめない状況ではありますが、こういったアイディアは、製作する側も、見る側も楽しいですし、アート思考への関心が高まりつつある今後、必要性の増していくことではないかと思います。


あなたは
山形といえば
何が思い浮かびますか?

雨が続いても、オウチで臨美(アート)

仙台元気塾のやさしさ企画、自宅で楽しむアート製作


5月のコロナによる外出自粛の時にも一度ご紹介させていただいた、東北福祉大学 元気塾の企画『オウチde元気塾/臨美編』。
自粛は解除されましたが、東北福祉大学 仙台駅東口キャンパスの閉鎖は今月末までとのこと。
なかなか厳しい状況ではありますが、東北の臨床美術を牽引する古瀬先生をはじめとした東北福祉大の臨美コースのやさしさは継続されています。

なお、「自宅で挑戦! オウチ de 元気塾 臨美編」の詳細は、こちらの記事をご参照くださいませ。
仙台元気塾 『オウチ』バージョン/自宅での時間を少しでも豊かに

前回に続いて送られてきたプログラムはこちら。

いずれも、作品を作る用紙(ハガキ)には予め一部に絵図が入っていて、手順書の案内を参考に、誰でも手軽に抽象画が楽しめるものとなっています。

まずは、色鉛筆を使い、ハッチングで色面を作るもの。


次は、色ペンでモコモコ模様を描くもの。


予め描かれている図柄をキッカケにしつつも、初めのそれとはだいぶ印象が変わったものが出来上がるのが面白いです。
他の皆さんの作品はどうなってるのかが、気になるところ・・・

以上、わずか数分で手軽にできる脳のリフレッシュでした。


あなたの
リフレッシュ方法は
なんですか?

生きる礎(いしずえ)を感じられる本「行為の意味」

宮澤章二氏著作の詩集「行為の意味 ―青春前期のきみたちに」

2010年7月に発刊された本です(ごま書房新社)。
翌年、東日本大震災が起こった頃、この本のタイトルでもある詩を引用して作られたACジャパンのCMが放映され、心に響くと話題になりました。

今現在、私はありがたく平穏無事に過ごしていますが、ウィルスに罹患する人が再び増加したり、豪雨による被災地拡大といった、続く憂いな状況に、ふとこの本を再び手に取りました。

宮澤章二さんは、高校教諭を経て詩人となったかたで、誰もが知る「ジングル・ベル」の日本語の作詞を手がけた人でもあります。

♪♪♪
走れそりよ 風のように
雪の中を かるくはやく
わらい声を 雪にまけば
明るい光の 花になるよ
 ジングルベル ジングルベル
 すずがなる・・・
♪♪♪

この本のまえがきで、ご子息、宮澤鏡一さんによって、章二さんの紹介がされていますので、一部抜粋させていただきます。

2005年3月。一人の詩人が亡くなりました。その詩人は、全国の小中高約300校の校歌を作詞するとともに、過去30年間、埼玉県の中学生のために、ある教育関係の出版社が毎日発行している冊子に、一遍の詩を送り続けてきました。

最初はたった一遍の詩を載せただけのその行為が、いつしか、その詩人のライフワークになりました。毎月、毎月、その詩人は、自分が生み出す一遍の詩に、自身の中学生への想いを託しました。

人間の日々の営みの中で生まれる行為の意味とは?
宮澤章二は、詩という形で、その意味を表現し、子供たちに伝えたいと思ったのです。

この詩集に収録された詩のほとんどは中学生のために書かれたものではありますが、老若男女、誰の心にも響くものと思います。
鼓舞されつつも、穏やかであたたかい気持ちになれますので、おすすめです。

この本の章の編成は、下記の通り4章となっていて、いわば、“中学生の四季”という感じでしょうか?

 出発の季節
 前進の季節
 結実の季節
 黎明の季節

この中から、今回は、「結実の季節」の章に収録された代表作「行為の意味」の全文を記載させていただきます。


行為の意味

あなたの<こころ>はどんな形ですか
と、ひとに聞かれても答えようがない

自分にも他人にも<こころ>は見えない
けれど、ほんとうに見えないのであろうか

確かに<こころ>はだれにも見えないけれど
<こころづかい>は見えるのだ
それは、人に対する積極的な行為だから

同じように胸の中の<思い>は見えないけれど
<思いやり>はだれにでも見える
それも人に対する積極的な行為なのだから

あたたかい心があたたかい行為になり
やさしい思いがやさしい行為になるとき
<心>も<思い>も初めて美しく生きる
それは、人が人として生きることだ


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強くあたたかく生きる心/行為の意味〜結実の季節 より


あなたが出会った
こころづかいは
どんなですか?


「行為の意味―青春前期のきみたちに」宮澤 章二(著) ごま書房新社
「行為の意味―青春前期のきみたちに」宮澤 章二(著) ごま書房新社

美容と健康に紫黒米の「古代米」

史都 多賀城の古代米グルメ「しろのむらさき」


先日、宮城県多賀城市にてとんぼ玉製作体験と東北歴史博物館で開催中の「GIGA・MANGA 江戸戯画から近代漫画へ 」を見に行った際に、多賀城産の古代米を購入してきましたので、そのご紹介をさせていただきます。


古代米」多賀城に行った際にはいつも購入しています。

奥の「多賀米」はササニシキに古代米がブレンドされていて、無洗米仕上げ、そのまま炊くだけでOK
手前のテトラポットは「古代米」のみ。白米に好みの分量入れて炊く

古代米」とは、その名の通り、古代から栽培されていた品種ですが、いろいろな種類があり、
・ぬかの部分に赤い色素(タンニン)を持つ米が「赤米
・紫黒色の色素(ポリフェノール)を持つ米が「黒米(紫黒米)
・緑の色素を含むものが「緑米
となるのだそうです。

多賀城産「古代米」の紹介と炊き方の案内リーフ

特に、紫黒米にはポリフェノールアントシアニンなど、通常のお米では摂取できない栄養素が含まれるお米で、美容と健康に良いとされ、注目されているとのこと。
たんぱく質やビタミン・ミネラルも多く含まれているので美肌効果があるのだそうですよ。

ポリフェノール:植物が作り出す抗酸化物質で、活性酸素などの有害物質を無害な物質に変える作用があり、動脈硬化など生活習慣病の予防に役立つ。
アントシアニン:青紫色をした天然色素の一種で、強い抗酸化作用があり、目に対する健康効果が注目されているとともに、近年では美容効果も期待されている。

白米1合に、「古代米」を小さじ1・2杯程度を混ぜて炊飯するだけで、とても綺麗な色に炊き上がります。

古代米を炊く前は、ほぼ黒色

白米にブレンドして炊くと綺麗な紫色に

奈良時代に創建され、陸奥国の国府として栄えてきた多賀城では、古代米の一種である黒舂米(こくしょうまい)と書かれた木簡が出土していることに因んで、紫色に輝くお米を使ったグルメは「しろのむらさき」と命名されたブランドとなっています。
(参照:多賀城市内観光協会「しろのむらさき」のページ

木簡(もっかん):字句などを書き記した木の札のこと。

美容と健康に良い上、もちもちしてとっても美味しい古代米


ところで、歴史などに詳しい人以外にはあまり知られていないことですが、多賀城跡日本三大史跡の一つです。

史跡(しせき)とは、歴史上の重要事件や施設があった場所のことで、「文化財保護法」では、「貝塚、古墳、都城跡、城跡、旧宅、その他の遺跡で、我が国にとって歴史上または学術上価値の高いもの」のうち重要なものとされています。
そのなかから選ばれた3ヶ所が日本三大史跡で、多賀城跡(宮城県多賀城市)、平城宮跡(奈良県奈良市)、大宰府跡(福岡県太宰府市)とされています。

多賀城市域の1/4が遺跡になっているなど、古代には東北の拠点であったことがわかっています。

多賀城の歴史にご興味のあるかたは、こちらの動画もどうぞ。
親しみやすい感じで紹介されていて、子供から大人までにわかりやすく、意外と地元人間でも知らなかったことが知れて、興味深く感じると思いますよ。

多賀城市役所による動画

多賀城の古代米のセットはアマゾンでも購入可能です


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世界に誇れる日本のアート GIGA・MANGA@東北歴史博物館/江戸戯画(GIGA)から近代漫画(MANGA)までをたどる漫画の歴史展覧会


あなたは
紫色に輝く美味しいお米
食べたことありますか?

日本が誇る23の世界遺産

島国だからこそ育まれた多様で素晴らしい自然と文化


これまでも世界遺産について取り上げ、併せて、毎週日曜午後6時から放映されるTBS番組「世界遺産」のご紹介もさせていただいております。
先週は見逃してしまったのですが、先週・今週と、「空から見る!日本の世界遺産すべて」というタイトルで2週連続のスペシャル企画として組まれていますので、本日は、見逃しません。


前編は、火山が生んだ絶景と、長崎の島々にあるいくつもの世界遺産、そして黄金にまつわるお話だったようですが、後半となる今回は、四季の絶景と、聖なる山や大都会にある世界遺産を紹介してくれるとのこと。


日本では、2020年7月現在、23件がユネスコ世界遺産として登録されています。



新型コロナによって海外へ出ることも難しくなり、ナショナリズムを改めて考え直すこととなった今、島国だからこその日本にしかない魅力と個性に溢れる自然と文化を愛(まな)で、ウィルスや度重なって起きる災害からの回復を願って、またやがて来たるグローバリゼーションに備えていたいと思います。


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あなたは
日本の世界遺産
どこがお気に入りですか?

世界に誇れる日本のアート GIGA・MANGA@東北歴史博物館

江戸戯画(GIGA)から近代漫画(MANGA)までをたどる漫画の歴史展覧会


ただ今(2020年7月11日現在)、東北歴史博物館にて「GIGA・MANGA 江戸戯画から近代漫画へ 」が展覧されています。
開催期間は、2020年7月4日(土)~9月6日(日)です。

展覧会のチラシ
東北歴史博物館の後は、北九州市立美術館すみだ北斎美術館神戸ゆかりの美術館と巡回予定とのこと


私も早速、行ってきました。

東北歴史博物館
東北歴史博物館の南側入口

MANGAは周知の通り、いまや世界共通言語となった日本の漫画のことですね。
そして、GIGAとは江戸戯画(えどぎが)を指しています。

東北歴史博物館
東北歴史博物館内

この展覧会は、葛飾北斎や歌川国芳などの浮世絵といった江戸戯画から、明治・大正期の「滑稽新聞」「東京パック」などの諷刺漫画雑誌、昭和戦中期の子ども漫画「のらくろ」「冒険ダン吉」など、日本の漫画の変遷が展示されています。

GIGA・MANGA 江戸戯画から近代漫画へ 図録
展覧会図録とチケット半券
この半券提示で宮城県美術館の「ヨーロッパの宝石箱 リヒテンシュタイン侯爵家の至宝展」と石ノ森萬画館の観覧券が割引される

第1章は「商品としての量産漫画の誕生」と題され、漫画のはじまりとして、江戸中期から幕末までの錦絵や版本などから、江戸時代の大衆メディア「江戸戯画」が紹介されていました。

江戸時代の「文字絵」ひらがな、カタカナ、漢字を用いた戯画
面白さにデザイン性も感じられ、ユーモアでありながらもなんだかおしゃれ


世界で最もその名を知られた日本人、葛飾北斎。
浮世絵の展示となれば、出ないはずがありませんね。
この展示でも、「北斎漫画」が日本の漫画の源流として、取り上げられていました。
そして他にも、浮世絵師の人気者といえば、歌川広重など。

葛飾北斎の「北斎漫画」と歌川広重の「名所江戸百景」シリーズ


第2章は「職業漫画の誕生」、第3章は「ストーリー漫画の台頭」と題され、幕末以降から昭和初期の流行について紹介されていました。

「東京漫画新聞社」や「読売新聞社」などの雑誌や新聞付録


浮世絵も、近・現代の日本漫画も、今や世界中で人気です。
本展覧会は、普段は芸術・アートなんて敷居が高いと感じているようなかたも含め、誰もが気軽に楽しめる内容ではないかと思います。

東北歴史博物館の屋外の水辺で寛ぐ人々

普段、漫画はほとんど見ないような私にとっても、日本の漫画の歴史についてを浮世絵から辿られたこの展覧会はとても興味深く、日本古来からのアートレベルの高さを再認識し、世界に誇れる我が国の文化、やはり大事にしていかなければいけないなと感じました。

 

東北歴史博物館は、仙台市の隣で、日本三景松島との中間地点に位置し、歴史のあるまちとして知られる多賀城市にあります。

博物館の屋外には、水辺があって、山に面しており、庭園も楽しめます。

東北歴史博物館
住所:宮城県多賀城市高崎1-1
電話:022-368-0106
営業:9:30~17:00、毎週月曜日定休
Webサイト:https://www.thm.pref.miyagi.jp/

 

東北歴史博物館周辺は散歩も楽しめる

なお、東北歴史博物館における次の特別展示は「伝わるかたち/伝えるわざ-伝達と変容の日本建築-」と題して、2020年9月26日(土)から予定されています。
新型コロナによって海外旅行にも行けませんが、そんな今こそ日本文化を見直すべきなのではないかと思います。
世界に誇れる日本建築の展覧会、次回もとても楽しみです。

東北歴史博物館(北側入口)は、JR東北本線「国府多賀城駅」のすぐそば


ちなみに、今年は葛飾北斎生誕260周年です。
ご興味のあるかたは、こちらの記事「葛飾北斎 生誕260周年/日本を誇る浮世絵師 北斎を楽しもう♪」も併せてどうぞ。

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あなたにとって
“日本文化 ”といえば
なんですか?

楽しい生き方は、喜ばれる生き方

ただしい人から、たのしい人へ 第5章


心が救われる小林正観さんの著作「ただしい人から、たのしい人へ――そして『ありがとうの人』になる 」より、これまで第4章までを、特に心に留めておきたいと思った項目をピックアップしてご紹介して参りました。

今回は、最終となります第5章「楽しい生き方は、喜ばれる生き方」より、一部抜粋して、紹介させていただきます。

落ち込む人も、有頂天になる人も、自分を「大したものだ」と思っている人です。
それは驕(おご)り、高ぶり、うぬぼれ、傲慢(ごうまん)にほかなりません。

落ち込むのは、自分が「大したものだ」と思っているのに、
さほどの評価を得られなかったからです。
有頂天になるのは、自分が「大したものだ」と思っているところに

「大したものだ」「素晴らしい」という賞賛を浴びるからです。

自分が

「大したものじゃない」「ろくなものじゃない」「ちゃんとしたものじゃない」
と思いさだめることができたら、とても楽に生きることができます。
ちゃんとした人、いろんなことがきちんと全部できる人を、

多分「正しい人」と言うのだと思いますが、
もともと人間はそんなに正しく生きるようには
できていないように思います。

不完全で不十分で未熟。

やることなすこと完全にはできず、ミスばかり。
そういうものが積み重なって、人間があるのだと思います。


この正観さんのお言葉、ドキッとしませんでしたか?
でも、「不完全で不十分で未熟」それが人間なんだとも教えてくださり、ホッとしますよね。

非難され否定的なことを言われてしまうことや、逆におだてられその気にさせられるということも、生きていればよくありますが、自分は未熟なんだと謙虚な気持ちでいつもいられれば、落ち込むことも、有頂天になることもなく、いつもニュートラルで、心おだやかに過ごせるということかなと思います

競わない、比べない、争わない。
そこから「幸せ」を感じることができます。

「幸せ」というのは、その人が「幸せだ」と思ったら、その人にのみ存在する。

「幸せ」は「感じるもの」であるならば、

なぜみんなはそれを感じることができないのでしょうか。

「幸せ」の構造は大変簡単であるにもかかわらず、

多くの人が「幸せ」を手に入れているとは思えません。
それはなぜか。

私たちは「競うこと」「比べること」「争うこと」を

前提として生きることを教え込まれてしまったからです。

自分自身の生活の中で

「他人と比べない」「世間と比べない」ということが身についたら、
生きることがどれほど楽になるかわかりません。


人より抜きんでることが偉くて、立派。そういう教育の中で生きてきてしまった私たち。
この現代、心を病む人が多いのも、当たり前なような気がします。

そろそろ、「競争」するのではなく、共に手を取り「共創」する世界を目指す人、幸せの「共有」を考える人に、本当の意味での豊かな人生がもたらされる時が来ているのではないかと感じます。

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受け入れることがすべて/ただしい人から、たのしい人へ 第1章
楽しい人は、周りを幸せに変えていく/ただしい人から、たのしい人へ 第2章
奇跡を起こす「ありがとう」/ただしい人から、たのしい人へ 第3章
流れに任せて生きる/ただしい人から、たのしい人へ 第4章


あなたは
喜ばれる生き方
していますか?

 

ただしい人から、たのしい人へ――そして「ありがとうの人」になる