オイルパステルで「ピーマンの量感画」制作
本日は2021年9月5日(日)、急に涼しくなって、秋の気配も感じるようになりましたね。
しかし、今月参加するつもりでいた臨床美術の研修会も、緊急事態宣言を受けて延期となってしまいました。
ですので、前回に引き続きではありますが、今回もまた、臨床美術プログラムの独習をすることにしました。
前回は「色面とマチエール」というプログラムで抽象画制作でしたが、今回は「ピーマンの量感画」といいまして、具象画をやってみることにしました。
さて、ピーマンといえば、夏が旬。
夏も終わりかけですが、まだスーパーでは他のお野菜に比べて、安く購入することができます。
臨床美術には豊富なプログラムがあって、実施する内容によっては、その時々の季節を感じることができることも魅力の一つです。
今日は、ピーマンをモデルにしてアート制作、そして、その後はその旬の味覚を楽しく味わおうと思います♪
臨床美術では、様々な画材を使いますが、最も基本的なのが、「オイルパステル」を使ったプログラムです。
前回に引き続き、今回もオイルパステルを用います。
オイルパステルは、パステルのようだったりクレヨンのようなタッチなど、幅広い描き方が楽しめる画材でありながら、扱いに難しさがないので、小さな子どもからお年寄りまで、誰にでも親しんでもらうことができます。
臨床美術の面白さは、モデルとなる素材をじっくり観察するところにもあります。
今回は私の独習ですが、教室での実施の時は、参加者の皆さんと共に観察して語らい合い、あたたかなコミュニケーションの場が生まれることも臨床美術の醍醐味です。
それでは早速、今日の私のモデルさんにしたいなと思ったピーマンを手にとって、色や輪郭の変化など感触を感じながらじっくり観察します。
また、ピーマンを縦半分にカット、そして輪切りにもして、その中身を見て、改めてピーマンの形態に注目してみます。
小さな子どもだったら、普段でも食材に触れる時、好奇心を持って観察することもあるかもしれませんが、これほど馴染みある野菜だと、大人になった私たちはそうそうじっくり観察するなんてないですよね。
というわけで、これも、凝り固まった脳への心地よい刺激となります。
じっくりと観察をしたら描いてくわけですが、このプログラムの面白いところは、まず、その季節に感じる空気の色で下地を入れていく点にもあります。
描き込む用紙はピーマンのタネの色に近いクリーム色であることもポイント。
自分がこれと思った空気の色を2色選んで、ピーマンの空洞の中にその季節の匂いが詰まっているようなイメージで・・・
軽やかに塗り重ねたら、その上にピーマンの皮の色だと感じる3色以上を選んで描いていきます。
ピーマンの独特の形。陰影を描いていくことで感じるピーマンの膨らみ。
十分に色を塗り込んだら、次は、房やヘタを線で描いて、割り箸ペンでスクラッチしたりして、細部を描いていきます。
さらに、オイルパステルと相性の良いダーマトグラフで強調したいアウトラインを描いて・・・
最後に、最初に自分で選んだ空気の色で影を描いて表情豊かにするというのも、このプログラムの面白い発想です。
仕上げに、パウダーでオイルパステルを定着させたら完成です。
時間にして、およそ1時間程度。
ちなみにですが、前回の「色面とマチエール」による作品も緑色でしたが、あちらはペイルグリーン(うす淡い緑)は使いましたが、今回使ったグリーン(緑)、イエローグリーン(黄緑)は一切使ってないんです。
シンプルな12色セットでも様々な色味を表現できるのがオイルパステルの良さ。
黒い台紙を下にして、額装してみました。
百均の額縁だけど、悪くないでしょ?
アート制作で豊かな気分になった後は、モデルになってもらったピーマンを使ってお料理。
こちらもまた今が旬の生キクラゲと共に、中華風炒めを作ることにしました。
赤ピーマンもお安くなっていたので、一緒に炒めて、彩りも良く♪
フライパンにごま油を熱し、みじん切りにしたニンニクを弱火で炒めて香りが出てきたら、細切りにした生キクラゲを投入して油が回ったら同じく細切りにしたピーマンを炒め、調味料(醤油、酒、中華スープの素、砂糖、水)を加え、水分が飛んだら塩胡椒して出来上がりの、シンプル料理です。
アート制作からじっくり感じて、美味しくいただく、季節の食材。
秋の味覚も増えてくるこれから、アートな視点で食材を探してお料理するのも、日常をちょっと楽しくするスパイスになるかもしれません♪