遠距離結婚を貫いた画家と美容師 その1

おしんのような経験を持つ美容師


私の祖母は、101歳でこの世を去りました。
大正、昭和、平成を生きた、強くて優しい人でした。
美容師として80歳まで働いた祖母は、亡くなる少し前の体が衰弱するまで、必ず朝は早起きをして薄化粧をし、身だしなみを整える人で、年齢も常に10歳以上は若く見られていました。

1950年代の美容室の様子(出典:wikipedia)

私は、そんな祖母が大好きで、ずいぶん一緒に時間を過ごしました。
祖母のベットは大きくてフカフカだったので、時々、寝かせてもらいに行ったり。
年と共に足がかなり弱っても、あちこち行くのが楽しいと言う祖母とはよく出歩きました。
私の腕に回された祖母の手の感覚は今でも残っているくらい。
祖母からはたくさんの話を聞きました。

祖母は、宮城県名取市の港町である閖上に、3人兄妹の末っ子として生まれました(1歳で亡くなっている兄がいるので厳密には4人兄妹)。
祖母を産んで間も無く、29歳という若さで亡くなってしまった母親のことは覚えておらず、酒豪だった父親は宮大工だったこともあり芸術への造詣が深い人だったとのことでした。

祖母が生まれた大正初期といえば戦時のこと、米騒動が起きた時代で、落ちてしまった米一粒でも拾って食べたと言います。
そんな幼少期を経て、10代でとある美容院に奉公に出された祖母は、自身の手に職をつけることを願っていましたが、そこでは、小さい子供の世話や家事手伝いといったことしかさせてもらえず、食事も十分に与えられず、粗末に扱われたそうです。

数年後、もう嫌だと言って戻ってきた後は女学校に通わせてもらい、卒業後は今度こそ無事に美容院に勤めることができました。
そこは休みがほとんどない仙台中心部の美容院。住み込みで、早朝から夜中まで仕事づくめ、かなり忙しかったといいます。
有名人では、淡谷のり子さん(ブルースの女王と呼ばれた日本のシャンソン界の先駆け。若い人は知らないでしょうけど…)を対応したことがあったとか。

淡谷のり子/1930年代(出典:wikipedia)

美容師さんというと今では人気の職業ですし、たくさんの美容室があってどこに行けば良いのか迷うほどですが、祖母が若かった時代というのは、女性が手に職をつけるのも難しい時代、美容師もまだまだ稀な職業で、一般的なサラリーマンのお給料の倍はしたのだそうです。
しかも、指名してくれるお客さんもいて、そういった人からはチップももらえていたそう。
おしんのような屈辱的で辛い経験を経ている祖母には、仕事づくめの毎日でも、美容師として働けることに心からやりがいを感じ、本当にありがたかったのだそうです。

※おしん:橋田壽賀子氏の原作で大ヒットした、明治時代末期の女中奉公に出された少女のドラマ


Amazon Prime Videoはこちら→「おしん


ところで、女性の皆さんは、「日本髪」をされたことはありますでしょうか?
現代では日常では当然する人はいないヘアスタイル「日本髪」、女優さんだってカツラをかぶる現代、もうその髪型を作れる人は少ないわけですが、私の祖母は伝統的な日本髪を結うことができる人だったので、ウチでは、祖母の孫にあたる女子(従姉妹と私)は節目に日本髪を祖母に結ってもらうという儀式のようなものがありました(記念撮影をするだけですが)。


「日本髪」ってそのヘアスタイルを見ただけでも、どうやって結ってるのって思いませんか?
実際、その作業は結構な時間がかかりますし、髪の毛に鬢付け(びんつけ)油を塗って引っ張りながらされるのはただただ辛くて、痛い痛い言いながらひたすら耐えていたことしか記憶にありません・・・
でも、大好きな祖母に、自分の長く伸ばした髪の毛を日本髪にしてもらって、着物の着付けもしてもらったことは、かけがえのない一生の思い出です。
ちなみに、私の母親も美容師なので、着物の着付けは祖母と母が一緒にしてくれました。
実家は美容室だったので、何度となく着物を着る機会がありましたが、今思えば、それも貴重で幸せなことでしたね。

さて、話はまた若かりし祖母の話に戻ります。
毎日忙しくて食事を取る時間もままならなかったけれども、美容院のそばには飲食店があってよく駆け込んで食べていたことや、休みが取れたときは映画館に行って一日中ずっと大好きな映画を観ていたこと(昔は今のように指定席制じゃないから一度入ればずっといられる)、超繁忙期の年末年始は明け方まで働いたけどそのまま友達と初詣に行ったとか、楽しいこともたくさんあってとっても充実していたのだそうです。

昭和初期の仙台駅(出典:wikipedia)

そして、そんなある日、仙台の街の中で、絵を描いてる一人の男性に出会った・・・

それが、私の祖母と祖父の出会いというわけですが、長くなりましたので、続きはまたの日に書かせていただきます。


続きはこちら
遠距離結婚を貫いた画家と美容師 その2/ずっと秘密にされてきた二人の馴れ初め



おしんの時代
あなたには
想像がつきますか?

祖父の絵を探しに

孫としてできること


先日、心待ちにしていた一冊の本が届きました。
古本屋さんから送っていただいたのですが、かなり丁寧に梱包してくださっていて、添え状も決まり文句ではなく、気遣いの感じられる文章で、心が温まりました。

雑草文庫の池田洋一様には、この場を借りて御礼申し上げます。
とても綺麗な状態で届きました。ご丁寧に、本当にありがとうございました。

さて、注文したのは、昭和55(1980)年に初版発行された「話の散歩道」というもので、著書様には申し訳ないのですが、目的は、本の中身ではなく、この本の『表紙』です。

表紙になっている絵のタイトルは「宮城県名取市閖上 広浦」。
広浦(ひろうら)は、宮城県名取市の閖上(ゆりあげ)地区と下増田(しもますだ)地区にまたがる潟湖で、市内を流れる増田川の河口潟でもあります。
10年前の津波に飲み込まれましたが、現在も以前のような穏やかで静かな情景が広がっています。

この地を故郷として愛し、テーマの一つとして絵を描き続けた画家が、このカバー絵の作家であり、雅号を「紫露(しろ)」と言います。
本名は四郎。
仙台に生まれ、美容師で絵が好きだった女性と出会い、お婿さんとなった、私の祖父です。
美容師の女性というのはもちろん、私の祖母です。
また改めて書きたいと思っていますが、私の祖父母は、現在でさえ珍しい「遠距離結婚(会社都合による単身赴任とは違い互いの意思によるもの)」です。

ところで、広浦湾はありのままの自然環境なので、鴨、川鵜、白鷺などのバードウォッチングも楽しめる場所です。
そして、この絵にもあるように、私の祖父は、白鷺をよくモチーフにしていました。

日本画家だった祖父は、20年程前に亡くなりました。
逝去年齢的には平均的なものですが、長い間パーキンソン病と戦っていました。
パーキンソン病さえ抱えていなければ、亡くなるまで絵を描き続けることも可能だったかもしれないし、確実にもっとたくさんの作品を残せたはずです。
画家でありながら、右半身の手足の震え、麻痺により、絵が描けなくなってゆく自分がどれだけ悔しかったかことか・・・

東京で単身生活していた祖父でしたが、亡くなる少し前には宮城県の病院に入院し、東京を引き払いましたので、譲ったり処分したものがほとんどですが、一部の私物や作品などは実家に保管されていました。
この本も、実家の祖母の本棚にあったと思います。
大きな本棚には、祖父が持っていた美術関係の本もたくさんあって、祖母の亡き後には、作品まではもらえなくとも、これらは私がもらうと、祖母から了解を得ていました。
しかし、あの未曾有の大地震によって、全てが失われました・・・

実は、祖父が亡くなってからほどない頃に、地元名取での個展をしてはどうかとお話をいただいたことがあります。
私の父と母は乗り気でしたが、祖父を巡っての血縁者間によるつまらないいざこざが続いていたので、私は反対し、お断りしたのです。
当時なら、個展でもやっていれば、データにでも残しておくことができたかもしれないのにと、悔やまれてなりません。

祖父を心から尊敬し、画家になりたいと考えていたことのある私ですが、その願望は高校時代に失ってしまったため、祖父の作品にはそれほど触れていないのです。
私は、これまで、人には流されず、自分のやりたいことをやってきた人間なので、ほとんど後悔はない人生を歩んできたと思っていますが、祖父に関してのことだけは、深く悔やんでいます。

東日本大地震が起きて10年過ぎてしまった今さらですが、だからこそなのでしょう。
祖父の絵を探すことを私自身のライフワークに加えたいと思いました。
正直なところ、この数年、ずっと考えていたことではあるのですが、取り組めないでいたことの一つです。

天国にいる祖父母を喜ばせたいし、私も後悔したくないから・・・


あなたには
悔やまれることは
ありませんか?

大人のための画家と詩人のコラボ絵本

パウル・クレー X 谷川俊太郎


社会人になってからというもの、読書と言えば、ビジネス書や自己啓発系のものが多かったのですが、気がつくと、似たり寄ったりのものも結構あって、もうそろそろ、子どもの頃や学生時代によく読んでいたような、物語や小説、詩集なんかをゆっくりと読みたいなぁという気持ちになってきました。

そこで見つけたのが、美術好きには嬉しい、絵画と詩がコラボレーションした素敵な一冊。


クレーの絵本 」(講談社出版)は、抽象画で有名なパウル・クレーの絵画に、日本の現代詩人を代表する谷川俊太郎の詩が添えられた、とても美しい本です。

パウル・クレー(Paul Klee)は、1879年のスイスで、音楽教師の父と声楽家の母との間に生まれました。4歳で祖母から絵を習い、7歳でバイオリンを始め、小さな頃から芸術の世界にあったクレーの生涯は、絵と音楽と詩にあふれたものだったのだそうです。

そんなクレーからインスピレーションを受けて、谷川俊太郎が詩を綴っています。


表紙にもなっている絵は「黄金の魚/The Goldfish」(1925年制作/ハンブルク美術館収蔵)で、添えられた詩の「どんなよろこびのふかいうみにも ひとつぶのなみだが とけていないということはない」という最後の部分が、心にズシンときます。

どの絵も、詩も、静かな中にも深さと、情緒的な美しさを感じるものばかりで、贅沢な一冊です。
インテリアとしても飾っておけるシンプルな装丁も素敵です。

この本の最後に、谷川氏による解説が載っていますので、一部抜粋させていただきます。
(ちなみに、背景の絵はクレーの「赤い気球/Red Ballon」(1922年/グッゲンハイム美術館)で、この本にも載っています)


抽象画はなんだか難しいと思っていた私にも、クレーの絵には引き寄せられてやまないものがあり、今では好きな画家の一人です。
谷川氏が述べているように、クレーの絵は単なる抽象画ではなく、見るものに魂を感じさせるものだからなのだろうと思います。

以下の動画は、パウル・クレーの作品「島/Island」(1932年/アーティゾン美術館)について紹介されているものです。
「クレーの絵本」では取り上げられていない作品ではありますが、クレーの作風についての参考になると思います。
2分ほどで短くまとめられていて、静かで穏やかなナレーションも心地よい、良質な動画です。


BGMは無いのに、なんだか音楽が聞こえてきそうな気がしませんか?
そして、この不思議な感覚の余韻にしばらく浸っていたい、そんな気持ちにさせられます。

穏やかな気持ちになれる芸術との対話、そんなひと時を、普段の生活の中でも大切にしていきたいです。



あなたは
抽象画を
どう感じますか?




「クレーの絵本」パウル・クレー(著) 谷川 俊太郎(著) 講談社
「クレーの絵本」パウル・クレー(著) 谷川 俊太郎(著) 講談社

My New Year’s resolutions ☆

2021年に掲げる迷いなき抱負


コロナによる緊急事態宣言が発令され、昨年の4月、外出もできなくなった時に、こんな時代だから、自分も含め人々が安らげて笑顔になれるようにと、自身の学びも兼ねて一から独学でこのWebサイトを作りました。

現状ではまだまだ単なる趣味のサイトで、皆さんのお役にたてるような働きができていませんが、取り組んでみて感じているのは、「自分の想いが整理されて明確になる。ナラティブ(語り)の効果の一つとも言えるのかも。」ということで、自分のやりたいこと、取り組むべきことの顕在化に役立つということを知ることができました。

関連記事:
臨床美術におけるナラティブ(語り)/そして、「いてくれてありがとう」という語り

自分のノートに書くのと違って、公開するわけですから神経は使いますが、その分、ここに書いたことは自分の中にしっかりと落とし込むことができるように感じます。

というわけで、先日取り上げた「抱負/New Year’s resolution」についても、心を解きほぐして想い至った私自身の2021年の迷いなき決意を、ここで具体的に書き残しておこうと思います。

前回の記事:
What’s your New Year’s resolution?/「抱負」という言葉の意味

〜2021年の抱負〜


★ 美術検定2級に合格する

世界遺産検定2級に合格する

ピアノを20年前に弾けたくらいに少しでも近づける

臨床美術のセミナーやボランティアに積極的に参加する

中古マンションをリノベーションして、自宅併設のギャラリー兼アトリエを持つ

(今年は計画と着工)


趣味としてやりたいこと、単なる願望であればまだまだ出てくるのですが、まずは「抱負」として、今年はこれらを目標としました。
自分自身の心の豊かさ創出につなげるための想いではありますが、この中でも、臨床美術に関することと、ギャラリーを持つことは、まさにあたかかくてやさしい世界を広めるためです。

臨床美術については、このサイトでも何度か述べていますが、その素晴らしさを知っていただくにはまだまだ足りませんし、私自身、昨年はあまり活動ができなかったので、今年は腰を据えて取り組んでいきたいと思っています。

臨床美術に関する記事のまとめはこちら

そして、私がギャラリーを持ちたいというのは、アート的なことは好きだけど、私自身は創作力に乏しいので、私のものとして作品を飾りたいとかそういうことではなく、私の周りには素晴らしい芸術センスを持つ人が多いので、そういった方々が創り出したものを少しでも多くの人にご覧いただきたいという想いがあるからです。

また、その場を、普段は自分のワークスペースとすると共に、臨床美術も含めなんらかのセミナーや、ワークショップができる空間として活用できるようにしたいのです。
私は人前に出るのも苦手なので、これも、才能を持て余している、私ではない皆さまがたに活躍してもらえる場にしたいと考えているためです。

オランダを代表する画家レンブラントの家の内観の一部
左:たくさんのエッチング(銅版画)作品を生み出された小部屋
右:レンブラントがインスピレーションを高めるために集めたコレクションを再現した小部屋
レンブラントの家は、美術館として公開されている(オランダ アムステルダム)
右:レンブラントが数々のマスターピース(傑作品)を創出したラージスタジオ。現在はワークショップ等にも利用されている。(スタジオ/studioとは、本来は、芸術家のアトリエ・工房などのことをいう)

私は長いこと、それこそ中・高・短大と続けたバスケ部のマネージャーに始まり、社会人となってからは、オフィスワークを効率よくこなすための様々な資格を取りつつ、アシスタント・秘書といった仕事をしてきたので、自分には裏方が向いていると思っています。
保育園の運営スタッフという本業の傍ら、多様な人々が豊かな心を開放して集える環境作りに貢献したいです。

自分の好きな分野に、自分のできる力を注いで、一人でも多くが、安らいで笑顔になれるあたたかな連鎖を生み出すための、リアルな活動へ一歩前進すること。
それが、私の2021年の抱負です。


あなたには
何か迷いは
ありませんか?

レトロかわいいオールド&プレミアノリタケ

戦前戦後の芸術的里帰陶磁器


ポストを開けると、A4サイズで、厚めな本でも封入されていそうな郵便物が入っていました。
でも、封筒に記されている会社名には覚えはあるのだけど、ここ数日では何の購入の記憶はなく・・・
しかしながら、書店はもちろん、ネットでも本を買うことが多い私。
何かネット検索でもしている時に間違ってポチッちゃったのかな・・・?
と不安に思いつつ、恐る恐る封を開けたら、1冊の図録が。

図録に加え、2021年の卓上カレンダーのプレゼント

これ、なんか知ってる・・・
てか、持ってる・・・?

送り主は「敬誠アート」さん。
薩摩焼瀬戸焼隅田焼横浜焼オールドノリタケ等の『和骨董』とゲーベルローゼンタールフッチェンロイターマイセンKPM等の『西洋陶磁器磁器人形』を取り扱う古美術商さんです。

薩摩焼

瀬戸焼

隅田焼

横浜焼

過日のある日、仙台三越に行った時に、たまたま催事として1階フロアで敬誠アートさんが出店されていまして。

芸術的な骨董品がずらりと並んでいたので、思わず足を止めました。
艶やかな陶磁器の数々。美しいだけでなく、デザイン的にも面白いものがたくさんあり、見ているだけで楽しいものでした。

ゲーベル

ローゼンタール

フッチェンロイター

マイセン

私は特にブランド好きというわけではないのですが、ノリタケは日本を誇るブランドとして、今では高級なものから庶民的なものまで製品が取り揃えられていて、身近に感じられるブランドとして、もともと好感を持っていました。
そして数年前に仕事で名古屋に行った際に、ノリタケミュージアムに立ち寄ったのですが、そこで興味深い制作過程や歴史を知り、たくさんの美しい製品を見たらファンになりまして。

そんなノリタケの、今から100年程前の明治・大正時代に主にアメリカに輸出され、里帰りしたという陶器『オールドノリタケと、戦後の1945〜1960年頃に製造された『プレミアノリタケの品々も、三越での催事で展示販売されてたんです。

オールドノリタケ

プレミアノリタケ

オールドノリタケ

プレミアノリタケ

芸術的な骨董品といえば、もちろんそれなりのお値段。
購入できたとしても、使うというより、大事に飾るというイメージ。
ですが、中には普段使い出来そうなものもありまして。

オールドノリタケのピンディッシュと、プレミアノリタケのレトロかわいいカップとソーサーのセット、購入しちゃいました。

戦後に欧米に輸出されたこのヴィンテージなカップとソーサーは「スナックセット」と言うのだそう。
絵の具のパレットのような形のソーサーはお菓子なんかも一緒にのせられて、使い勝手も良しなプロダクト。

流行りものよりもレアなものや人と同じではないものに惹かれる私。
これもノリタケなのー?ってところが気に入ってます♪

ちなみに、かぼちゃの器は、「JAPAN」の刻印があるので里帰りした日本製であることは間違い無いのだけど、メーカーは謎というお品だそうで。
熱心な担当者さんが「根拠なくこれもオールドノリタケですと嘘はつけませんので」と教えてくれ、一品もので可愛かったので購入。

そしてその時に、販売されていた図録が、数々の芸術的な陶器が掲載されていて眺めているだけでも面白く、せっかくの機会だからと一緒に購入していたんです。

それが、今回送られてきたものと同じだったというわけでした。
既に買っていたものと同じお品だけど、3,000円する図録、プレゼントとはありがたいことです。
興味のある人にプレゼントしよう♪

敬誠アートさんのギャラリーは千葉県我孫子市にあるとのことで、行ってみたいとは思っていますが、このコロナ禍にあってはそうもいかないので、しばらくはこれ見て楽しみます。
敬誠アートさん、ありがとうございました☆


あなたは
古いもの or 新しいもの
どちらがお好きですか?

3時のおやつ展@ガラス工房尚

楽しくて美味しくなる♪3人のガラスと金属の素敵なコラボレーション


今日(2020年12月6日)が最終日ということで、事前に皆さんにお伝えできないのが残念だったのですが、ユニークで楽しい、心が和む素敵な展示会に行ってきました。


先月の初旬にもお邪魔した、秋保のガラス工房 尚さんからいただいた、今回の特別展のご案内。


ガラス工房 尚さんは、仙台市から秋保に向かって、秋保大滝の手前にあります。


シーダーギャラリー
ガラス工房に併設した、喫茶スペースもあるギャラリーです。


今回の企画は、3人のアーティストによる、「3時のおやつ」をテーマにした楽しい展示。


主催者の鍋田尚男さんのガラス作品は、鮮やかなデザインが施されていますが、これは、熱でガラスをやわらかくし、様々なガラスを溶着させるフュージングという技法で作られているんだそうです。
色も線も全く描いてない、凄技!
どれだけ手間と時間がかかることか・・・


こちらは、金属作家の永井佳奈子さんの、とってもユニークな作品。
思わず笑ってしまう、おもしろさ溢れるものばかり。
金属って聞くと冷たそうなイメージだけど、永井さんの作品には、ほっこりしたあたたかさを感じます。


そして、さらにガラス作家の沖知江子さん。
こちらは、植物を中心とした女性的な絵付けが素敵な、小物入れやお皿などの作品たち。
どれも心が癒されます。


3時ではなかったけれど、せっかくなので、私もおやつタイムにさせていただきました。
沖さんの作品にのった洋梨のコンポート。可愛らしくて、見てるだけでも美味しい。


今回は、秋保の人気のスイーツ屋さん「豆あん」さんのカステラも選ぶことができたので、ラッキーでした♪


自然に囲まれたガラス張りの開放的なギャラリーは、光が差して、とても気持ちが良く、穏やかな時間を過ごすことができます。


最後に、今日のお土産は、透明感が美しい、カトラリーレスト。


べっこう飴みたいで、美味しそう!と、思ってしまうのは私だけではないはず・・・


きらめく透明感が美しくて素敵です。


お箸を置くと、こんな感じ。


スプーンやフォークを置くとこんな感じ。


また大切にしたい宝物が増えました。
今日も、心が豊かになる幸せに、感謝。ありがとうございます☆

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ガラス工房尚/シーダーギャラリー
住所:宮城県仙台市太白区秋保町馬場丸山12−1
電話:022-399-5728
営業:10:00 〜 16:00 or 17:00
定休日:水曜日・木曜日
(特別展中等は変更あり)
Webサイト:
https://www.facebook.com/glasssho/
インスタグラムhttps://www.instagram.com/glassstudiosho/

2020年内の企画展は今回のおやつ展が最後だそうですが、通常営業はされています。
また来年も素敵な企画展示のご案内をいただきましたら、当サイトでもお伝えしたいと思います♪


あなたの
和める場所は
どこですか?

郁子さんのやさしくてあたたかな絵画作品

仙台の「カフェ&ギャラリー ガレ」でほっとするひととき


芸術の秋。アート好きには嬉しい響き・・・
今回は、臨床美術ボランティアを通して親しくなった福井郁子さんからご案内をいただき、仙台立町の住宅地に佇むカフェ&ギャラリー ガレ(Galle)さんで開催されている絵画展に行って来ました。


「まど展」と題された宮城県の画家さん6人による絵画展。
2020年11月2日(月)〜11月14日(土)、絵を愛する人をあたたかく見守っていらっしゃるカフェ&ギャラリー ガレさんでの展示。


カフェの入り口。この素敵なドアを開けるのが好きです。


こぢんまりとして落ちく店内に画家さんたちの作品が展示されています。


6人の画家さんによる作品たち。
それぞれの個性ある表現を楽しませていただきました。


以下の3点はいずれも郁子さんの作品です。
今回は静物画を中心に展示されていました。


こちらの2点は、臨床美術プログラムによるオイルパステルで描かれた作品。


このような形で、何気に臨床美術の認知活動にも取り組まれていらっしゃいます。


美味しいコーヒーもご馳走になり、穏やかな時間を過ごさせていただきました。

ところで、今回私がお邪魔した際には、こちらのカフェが入ったマンションが外壁工事中でしたので、外観は、昨年夏に撮影させていただいたものをアップしますね。


いつも季節を感じる花々で彩られているのが素敵で、カメラのシャッターを切らずにはいられません。


こちらは、その時開催されていた、同じく郁子さんとお友達でいらっしゃる安伊子さんの二人展の様子です。


郁子さんは、ここカフェ&ギャラリー ガレさんで定期的に展示をされています。

さらに過去に遡って、こちらは2018年12月に開催された個展のお知らせ。
(残念ながらその時はカメラ持参せず)


郁子さんにお会いし、そのやさしさとあたたかさ溢れる作品たちを拝見させていただく度に、心が安らぐとともに、アート好きな人間として心地よい刺激を受けています。

ちなみに、郁子さんがよく表現技法として使われている塩水彩。
私も郁子さんにその手法を教わってから、時々楽しんでいます。


この水彩技法については以前詳しく記載した通りです。
当サイトの背景画像について/誰でも手軽に楽しめる♪ 塩を使った水彩技法

絵が苦手な人でも、誰にでも気軽に楽しんでいただける技法ですので、芸術の秋、よろしければお試しになってみてください♪

 

カフェ&ギャラリー ガレ(Galle)
住所:宮城県仙台市青葉区立町21
電話:022-265-7063
営業:
 月〜金 10:00~18:00
 土曜日 11:00〜18:00 
 日曜・祝日定休
 (展示会の最終日などは営業時間が短縮されます)
Webサイト:http://cafegallesendai.cocolog-nifty.com/blog/


あなたも
芸術の秋
楽しんでみませんか?


紅葉の秋保プチ旅

自然と美食と芸術を満喫する秋の一日


爽やかな朝を迎え、素敵な日になりそうな予感のした本日は、まさに充実の一日でした。

友達二人と、秋保(あきう)へのプチ旅。
午前9時30分に南仙台駅で待ち合わせで、友達が車で迎えに来てくれて、そこから秋保へ向かいました。

さて、秋保といえば、「秋保温泉」♪
温泉地として有名ですが、宮城県民の私たち、今回は温泉以外で楽しみます。

まず立ち寄ったのは、「アグリエの森」。
広場もあって、家族連れにはうってつけなロケーション。

ここは、お茶の井ヶ田が運営する施設なんですって。
おなじみのお茶の井ヶ田のお土産のほか、地元から県外の様々な製品や、新鮮なお野菜や生花など、広い館内にたくさん並んでました。

次に向かったのは、「万華鏡美術館」。

1999年にオープンしたこの施設、実は世界初の万華鏡専門の美術館なんだそうです。
出身県に‘世界初’があるって、誇りですね。

ちょっとシュールなゾウさんがお出迎え。
(ボタンを押すと)シャボン玉を吹いてくれます。
入ってすぐのところに大きな万華鏡が置いてありました。
お花が飾られた台を回しながら覗くととっても綺麗!早速心を掴まれます。
カメラで撮影すると・・・
展示の一部は撮影が可能です。
これも万華鏡。
鏡のマジック。面白い♪
友達に向こう側に行ってもらうと・・・
ウケる・・・
ちょっと何やってるかわかりませんが・・・
これも、ローマの真実の口を模したユニークな万華鏡。

想像以上に楽しめました。
万華鏡って奥が深いんですね。綺麗だし、色々感動。

次に向かったのは、「秋保・里センター」。
カラフルな植物で彩られていました。

ここには、名取が本店でハンバーグが有名な「HACHI(ハチ)」が入っているので、こちらで昼食にしようと思ったのですが、ちょうどぴったりお昼時だったこともあり、とっても混んでました・・・

そこで、昼食はずらして、先に進もうということになり、次に向かったのは、勝負の神様として知られる「秋保神社」。

立派なイチョウの木と立ち並ぶ願掛けの旗。
神様のいるところって、なぜだか神秘的な雰囲気です・・・

それぞれの人生に勝つことをお祈りしたら、次に向かったのは秋保でとっても有名という豆腐屋さん「太田とうふ店」へ。

お店は、秋保大滝に向かう途中、ほとんど何もない通りにポツンと建っています。
県内外からお客さんが来られるということで、夕方には売れ切れちゃうそうです。
私たちが立ち寄った時で午後1時くらいでしたが、すでに品薄でした。
というわけで、一人でこんなに購入。
お店で購入して、そこで開封して食べていくこともできます。
気持ちの良い軒下で、実食。
お豆の濃厚な旨味を堪能できるお豆腐に感動します。

次に向かったのは、「秋保大滝」。

まずは不動尊でお参り。
山をくだって、美しい紅葉と流れ落ちる滝を拝みます。

ちょっとした山歩きで運動して、今度こそ昼食を。ということで、不動尊向かい側にあるお蕎麦屋さんへ。

手打ちそばの店「二代目たまき庵」は天然舞茸の天ざるが有名なのだそう。
是非食べたいと入店しましたが、ここも並んでました。
でも二組ほど待てば座れるということだったので、待つことにしました。

ようやく食にありつけた時は午後3時でした。
でも、ここに来なければ食べられない天然舞茸の天ぷらとお蕎麦。
とっても美味しかったので、結果ここにして良かったと3人で幸せに浸りました。

こちらは麺がとても太い田舎蕎麦。
私は、本日残り一食という粗挽そばをいただきました。
麺の太さの違いは一目瞭然ですね。

そして最後に向かったのは、実は本日の真の目的であったところ。

ガラス工房 尚」さんは、今日(というか、いつも)車を出してくれた美香さんの勤務先。
美しくて個性的な作品の展示は圧巻です。
白を基調としたギャラリー兼カフェ。
落ち着く空間で、美味しいコーヒーや紅茶をいただくこともできます。
本日(2020年11月8日)まで、仙台出身の旅する写真家伊藤秀海( Shu Ito )さんの写真が展示されていました。
特殊プリントされた美しい写真が、ガラス工房尚さんのガラスフレームで飾られるという貴重なコラボレーション。

秀海さんの世界観から生まれる写真たち、素敵です。
今日は、それらの美しい写真のみならず、実際に秀海さんにお会いし、お話することができて、私は幸運です!

秀海さんの情熱を直に感じて、やっぱり私も楽しく写真を撮り続けようって改めて思えました。
ありがとうございました!!

三島とニュープリマス「Just Like Sisters
ニュージーランド写真集 「LIKE NO OTHER

写真集は二冊とも購入し、サインもいただけたので、大事にします。
そして、世界を股にますます活躍されること間違いないであろう伊藤秀海さんを、私は心から応援します。

工房をあとにしたのは、午後5時半くらいでした。すっかり真っ暗・・・

最後にご参考まで、今回の秋保の旅での訪問先の位置関係は下図の通りです。
(クリックすると拡大ページが開きます)

宮城県の山の中につき、車で動くのが一番です。
バスも出ていることは出ているのですが、移動ポイントが広範囲となるので、車をお持ちでないかたや県外からお越しのかたはレンタカーのご利用が便利です。


秋保を満喫した充実の一日。
コロナで自制状態が続いていて、日本から一歩でも出たくてウズウズしているこの頃ではありますが、こうやって地元を改めて見直すことで感じる幸せもあるわけで、それは本当にありがたいことです。
幸せに生かしていただけていることに、心から感謝します。

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あなたは
どんな秋を
感じていますか?

名作復活上映「海の上のピアニスト」

20年の時を経て上映される完全版


8月半ばから開催されていた、映画館フォーラム仙台における「エンニオ・モリコーネ追悼特集」。
以前書きました時には、この特集、9月24日までということで、「海の上のピアニスト」の上映も同じく24日までということだったのですが、10月1日(金)にまで伸びたようです。
実は私、24日までの都合がつかないでいたので諦めていた所でしたが、おかげで、観に行くことが出来ました♪

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当初チラシでは9/24までだったが「海の上のピアニスト イタリア完全版」は10/1(金)までに延長♪

海の上のピアニスト」は、全編に渡って、映画音楽の巨匠モリコーネの美しい音楽が堪能できる名作で、日本で初公開されたのは1999年、それから20年ほどぶりで、4Kデジタル修復版およびイタリア完全版として復活上映中です(2020年9月26日現在)。

「海の上のピアニスト 4Kデジタル修復版&イタリア完全版」チラシ(表)

1900年に豪華客船の中で生まれ、“ナインティーン・ハンドレッド(1900)” と名付けられた男の子が凄腕のピアニストとして成長しつつも、生涯船を降りることなく数奇な人生を歩んだことで伝説となったというファンタジー映画(フィクション)です。

映画の中で、副主演であるトランペッターの男性(役名:マックス)が「本当の話」と言って物語が進められていることもあり、実話かと勘違いもされてしまう映画ですが、フィクションです。

また、実際に存在し、ジャズを作った人とも言われているジェリー・ロール・モートンを、物語の中でナインティーン・ハンドレッド(主人公)のピアノ対決相手として登場させていることもあって、よりリアルっぽく感じさせられちゃうわけなのですが、そこがこの映画の見所でもあります。

ジェリー・ロール・モートン
(Ferdinand “Jelly Roll” Morton)
1890〜1941年。
米国ルイジアナ州ニューオーリンズ出身のピアニスト、バンドリーダー、作曲家。
(wikipediaより)

この、ジェリーとナインティーン・ハンドレッドの、それぞれのピアノ演奏による対決シーンは圧巻です。
ピアノ曲が好きな人はもちろん、そうでない人も、時を忘れて見入ってしまうこと請け合いです。

でもふと現実に帰ると、映画の中では二人とも誰もが息を止めてしまうような演奏をするわけだけど、そもそもこれは、演技。本当に演奏している人がすごすぎる!そして、これほどのピアノ弾きの演技をする俳優もすごい!って、そっちの感動が最終的に増します・・・

「海の上のピアニスト 4Kデジタル修復版&イタリア完全版」チラシ(裏)

今回公開されたイタリア完全版は、当初のものより50分ほども長い映画ですが、物語の展開が軽快で、笑えるところもたくさんあり、そしてちょっと悲しくもあるお話なのですが、見所がたくさんあって、3時間も長くは感じません。

個人的には、ピアノの演奏を心から楽しんでいるナインティーン・ハンドレッドを見ていると気持ちがいいのと、悪い人が出てこなくて(一瞬意地悪そうな人も最終的に良い人)、みんな心温かく、人間味あふれる感じが、好きだなーと感じる映画です。


そして、私にとってお気に入りの一つである、この映画のサントラCDはこちらです。
ピアノソロ、オーケストラ、バンド調ありとバラエティーに富み、中にはノリのいい曲もあって楽しめつつも、穏やかな気持ちになりたいときには最適なアルバムです。

「海の上のピアニスト」オリジナル・サウンドトラックCDの表と裏面

このCDに付属のブックレットには、エンニオ・モリコーネ(訳:ジャパンタイムズ)による以下のメッセージが添えられています。

私が、ジュゼッペ・トルナトーレ監督の映画「海の上のピアニスト」のために作曲したこの音楽は、これまでに私が手がけたどの映画音楽にも見ることのできない特質を備えていると信じています。

この映画は真のミュージカル映画であり、そのために私は心理学、歴史、言語学から音楽的技巧や名人技(この映画が一人の音楽家、独学の偉大なピアニストについての物語だからなのですが)といったモチーフや、壮大で情緒的な音楽シーンあるいは親密で安らぎのあるシーン、またあるいはエンターテインメントに満ち溢れた楽しいシーンやそうかと言えば徹底したリアリズムのシーンといったさまざまなテーマの音楽シーンを相手に奮闘しなければなりませんでした。

これら全てのモチーフが見事に溶け合い、その結果この映画の特質を観客の皆様に十分に楽しんでもらうためになくてはならない表現力が生み出されているのだと思います。

私は、この映画とその音楽がそれらにふさわしい成功を収めることを願ってやみません。

この映画音楽は、扱われているテーマの多様性からいっても、私のこれまでの作品の中で最も成功を収めた作品の一つに数えられることでしょう。

ご本人がそう述べられている通りの、素晴らしい音楽そして映画の名作です。
是非、観て、聴いて、その素晴らしさを感じてください♪


あなたの
お気に入りの映画音楽
はなんですか?

「海の上のピアニスト」オリジナル・サウンドトラック

目からウロコのピアノ練習方法

悩める奏者に嬉しい、春畑セロリさんの本「ピアノのお悩み解決クリニック」


以前の投稿「私のピアノ人生」にて、音楽家 春畑(はるはた)セロリさんによる本「ピアノのお悩み解決クリニック 練習向上編」を紹介しますと述べてから、だいぶたってしまいました。ごめんなさい。
最近、“ピアノ習ってます、練習頑張ってます”というお子さんによく出会うので、是非とも、ご紹介しておきたいと思います。

春畑セロリさんは、舞台、映像、イベント、出版のための音楽制作、作編曲、演奏、執筆、音楽プロデュースなどでご活躍されていますが、その公式のプロフィールでは自らを「さすらいのお気楽者」とおっしゃっていて、執筆される本の内容も、頭でっかちじゃないところがとても好きです。

春畑さんのオフィシャルウェブサイトもそのお人柄を感じる、すごく楽しげな雰囲気♪

春畑セロリさんの公式WEBサイト
http://www.trigo.co.jp/

さて、「ピアノのお悩み解決クリニック 練習向上編」は、初心者から上級者まで、また、子どもから大人までの、ピアノ練習者が抱える50のお悩みを、Q&A方式で紹介されている本です。

ピアノ演奏発展途上のお子さんから、初めてピアノにトライする人や、私のように過去に経験はあるけどブランクがあって自信喪失気味のタイプの大人まで、今更聞けないようなお悩みに、春畑さんが明快に回答してくれます。

例えば、
・一度ブランクを作ったら、あせらず初心にかえる
・ピアノは音楽なんだから、楽しく弾くのが大事
・趣味のピアノにルールはありません
・魅力を感じる教材や、好きな曲が載っている曲集を選ぶ
・その曲に執着してもいいから、とりあえず先へ行く
というように、気持ちが軽やかになるアドバイスが盛りだくさんです。

もう少し具体的に、一部を抜粋させていただきますと、
Q「大人になってからピアノを始めるのは、指が固まっているから絶対無理などと言われたが、かっこよく弾けるようになりたい」
という30歳の女性に対して、
A「大人には大人のピアノがある。あなたにあった練習方法を」
というご回答。
「大人は、『初心者』だけど『幼児』ではないのだから、最初から芸術、アートとしての音楽を楽しむことができる。指が動かないことなんかへのかっぱ。動かない指を楽しもう」そして「教則本なんかブッとばせ。好きな曲を徹底的に引きましょう」とも述べられています。

「アートとしての音楽を楽しむ」
子供の頃、基礎が大切だからと教則本に従ってひたすらやってきたタイプにも、目からウロコな指南です。

さらに個人的にとても共感できたのはこちら。
Q「大きくなったらピアニストかピアノの先生になりたい。1日どれくらい練習すればいい?」
という12歳の女の子に対して、
A「問題は練習の量じゃない。もっと大切なことにも目を向けて」
というご回答。
「音楽だけじゃなくて、美しい絵を見たり、本や詩を読んだり、歴史をひもといたり、お芝居や映画を観たりして、いろいろな芸術に親しむことも価値あること。あなたの心が豊かになればなるほど、あなたの演奏も豊かになるのですから」

日頃から様々な芸術や文化に触れて、感性を磨くことで、表現力が豊かになり、自然と演奏の技術も磨かれて、さらには心の豊かさもますますアップする。好循環ですね♪
こういったことは、本来、大人から子どもに、伝えるべきとても大事な事柄ではないかと思います。

ピアノに限らずですが、音楽に親しむというのは、人生を豊かにする生業の一つなのだから、それなりに弾けるようになったとしても、それが、強制によるものだったり、苦痛ばかり伴うようなものでは、ちょっと違うと思います。
また、楽しむことが大事、とはいえ、楽しくできる方法を必死で探してまで続けようとするのも無理があって、何か違うような気がします。

自分の心がそれを好きと本当に思っているかどうか。
結局、それが一番大事で、好きならば、楽しく♪
そういうことなのかな、と思います。


あなたの
心から好きと思える
趣味はなんですか?


ピアノのお悩み解決クリニック 練習向上編