『トロン:アレス』既に日本でも配信開始!

〜& Blu-ray・DVD発売日情報〜


先日『トロン:アレス』の配信が海外で始まったタイミングで記事をアップしましたら、大反響でした。
感動を分かち合ってくださる方々がいらっしゃることを感じられ、嬉しく思っています。
ありがとうございますm(_ _)m


そしていよいよ、日本での配信や媒体の発売について、ついに昨日(2025年12月9日)発表がありましたね☆・:*
一日遅ればせながらの記事となっていまい申し訳ないですm(_ _)m
が、その最新情報を記述しておきますね。

ディズニー・スタジオ公式チャンネルにて、『トロン:アレス』のデジタル配信(購入/レンタル)とブルーレイ+DVDセット発売を発表するにあたって配信された予告編はこちらです。

映画『トロン:アレス』予告編(2025/12/09配信版)

この新たに編集された予告編にも明記されている通り、映画『トロン:アレス』の、ここ日本での媒体発売については、4K UHD+ブルーレイ セット・ブルーレイ+DVDセットを、翌2026年2月18日(水)から開始するとのことです。

そして映画本編の配信については、今のところDisney+の見放題ラインナップには入っておらず、いずれ追加される可能性はあるものの、その日程の告知はまだありません。
が!Amazon Prime VideoApple TVなどでは配信が開始されました!!

映画『トロン:アレス(原題:Tron: Ares)
2025年12月9日(火) 日本配信スタート
Amazon Prime Video
Apple TV


ただ現状、これらのプレミアム・ビデオ・オン・デマンド(PVOD)配信では、購入にせよレンタルにせよ、少々お高めの値段設定と感じるところは否めないですね…
Amazon Prime Video → レンタル:1,980円 購入:3,300円
Apple TV → レンタル:2,000円 購入:3,300円

早く観たい方はPVODによるデジタル購入を、特典映像や高画質でコレクションしたい方はBlu-ray/DVDの予約を、そして無料で楽しみたい方はDisney+での配信開始を待つ(もちろんDisney+の利用料は必要ですが)など、ご自身の視聴スタイルに合わせて選択すべし、というところかなと思います。

なお、ここでは代表的なサービスを挙げましたが、他にもあるかと思いますので(例えば Rakuten TV やDMM TV 他)、その辺もご自身の利用状況に応じてご検討くださいね。

〜 Amazonでの商品例〜

私にとって、『トロン:アレス』は、単なるSF映画ではなく、深い哲学と圧倒的な映像美を持つ作品。
そして主演のジャレッド・レト(Jared Leto)も大好き!
なので、やはり、特典映像が見たい!!
というわけで、現時点での個人的な選択肢としては既に配信されている「ボーナス・コンテンツ収録(購入のみ)」の配信版を観るか、2月18日のBlu-rayの販売を待つ(または予約購入)か、ですね。

映画トロン:アレス公式ホームページ:https://www.disney.co.jp/fc/live-action/tron-ares


あなたは好きな映画を
どんな形で
再視聴しますか?
夢は叶えるもの ターシャ・テューダー 人生の軌跡展

“夢は叶えるもの”ターシャ・テューダー展 @仙台藤崎

〜ターシャが教えてくれる「人生を豊かにする方法」〜


11月26日(水)より仙台藤崎本館で開催されている「夢は叶えるもの ターシャ・テューダー 人生の軌跡展」に行ってきました。

ターシャ・テューダーの”夢は叶えるもの“という言葉は、何度聞いても胸に響きます。

彼女は他にも素敵な名言をたくさん残しています。
ターシャの言葉と生き方は、歳を重ねることを恐れず、自分らしく輝き続けたいと願う私にとって、まさに心の栄養です。



ターシャ・テューダーってどんな人?

彼女については、知る人ぞ知る魅力の深さを持った人ですが、「ターシャ・テューダー」という名前を初めて知る人もいるかもしれませんので、簡単に記述しますね。

ターシャ・テューダーTasha Tudorは、1915年8月28日にマサチューセッツ州ボストンで生まれ、57歳の時にバーモント州南部のマールボロという田舎に移り住み自給自足の生活を営みました。
思う存分庭造りや自分の愛する時間を楽しみ、その自宅で2008年6月18日に92歳で亡くなった女性です。

彼女は、アメリカを代表する絵本作家でありながら、同時に「究極のスローライフ」を実践したライフスタイルの先駆者です。

彼女が田舎に移り住んだのは1972年、今から50年程度前のことですから、現代ほどのIT技術はなかったものの既に開発されていた時代。
そんな中で、あえてアメリカ・バーモント州の山奥で、電気も水道もないような18世紀風の暮らしを送り、広大な庭で花や野菜を育て、動物たちと暮らしながら創作を続けました。
彼女の絵本に描かれる世界は、まさに彼女自身の生活そのものなのです。

今回の展覧会は、そんなターシャの約90年にも及ぶ人生を辿る、素敵な機会でした。

夢は叶えるもの ターシャ・テューダー 人生の軌跡展(会場:仙台藤崎本館)チラシ(画像クリックでPDF画面が開きます)
展覧会レポート 〜なぜ、この小さな展示に心を奪われたのか〜

大きな美術展ではありませんでしたが、ターシャの「心の充足」に満ちた世界を、じっくりと感じることができたように思います。

ー 絶筆の絵本原画から伝わる魂 ー

ターシャは92歳で亡くなるまで、生涯現役で絵を描き続けました。
展示されていた絶筆の原画には、年齢を感じさせない力強さと、創作への純粋な情熱が溢れていました。

実は、私自身、子供の頃は絵を描くのが好きであるとともに、画家だった祖父が大好きだったこともあり、自分も画家になりたいという夢を持っていました。
しかし、成長するとともにその想いは薄れ、気がつくとつまらないサラリーマンに・・・
(この辺のことは過去ブログにも記述してます)

そんな「画家になる夢を追わなかった」と虚しく立ち止まる私に、ターシャから、「形は変わったとしても、あなたの情熱が向かう先があるんじゃない?」と問いかけ、そして励まされているように感じたのです。

ー 暮らしの道具とアンティークドレス

展覧会では、彼女が日々の生活で愛用していたアンティークのドレスや、手作りの道具、食器などが数多く展示されていました。
どの品も丁寧に使い込まれ、愛着に満ちています。

私にとってこれらは、日本画家だった祖父の絵筆や、または美容師を生業とし裁縫なども堪能だった祖母のハサミから伝わる手仕事の温もりと同じ。
ターシャにとって、絵を描くことと、家事をすること、庭仕事はすべて、人生を創る手仕事として繋がっていたのだと感じました。

鑑賞アドバイス…? 〜平日だから良かったのかはわからないけど〜

私が行ったのは平日だったこともあるかと思のですが、会場は混雑しておらず、非常に静かでした。
男性の来場者は全く見当たらず、数人の女性のみ。

大きな企画展のような賑わいはありませんでしたが、それが逆に私にとっては、ターシャの穏やかな世界観に浸るには心地よくありがたい環境でした。

「混雑が苦手だけど、ターシャの世界をじっくり味わいたい」という方には、穴場と言えるかもしれません。
また、女性に限らず忙しい日々を送る男性の方にも、彼女の生きる哲学や美しい手仕事に触れると、何か気がつくことがあるかもしれないです。
ご興味があれば、この機会に是非。

ターシャの名言 〜夢を追う私やあなたへのエール〜

この展覧会で再認識したのは、彼女の言葉の強さです。
改めて、ターシャ・テューダーについてのこれまで読んだ本や映画などで知った言葉も含め、彼女の名言に励まされました。

特に、今の私に響いた名言を、英語原文とともに紹介させていただきますね。

「夢は叶えるものよ。語るものではないわ」
“Dreams are what you make them, not what you talk about.”

「今は、人生でいちばんいい時よ」
“Now is the best time.”

「人生は短いから、不幸になってる暇なんてないのよ」
“Life is short, no time to waste on unhappiness.”

年齢や環境を言い訳にせず、この瞬間を楽しみ、自ら喜びを創り出していく。
彼女はそうして、私たちに生き方という最高のアートを見せてくれたのだと思います。

今回の展覧会は、私にとって単なる美術鑑賞ではなく、人生の設計図を見直す時間となりました。

画家になる夢を追わないでしまったという過去を悔やむのではなく、ターシャの言葉を胸に、今、グラフィックデザイナーとして、私なりの「心の充足」を追求した作品を創り、夢を叶えていきます。

私の尊敬してやまない、画家だった祖父と美容師だった祖母のように、「手仕事」や「生き方」を大切にする人でありたい。
この展覧会は、私のそんなルーツと現在の夢を繋ぎ直してくれる、貴重な時間となりました。

「夢は叶えるもの ターシャ・テューダー 人生の軌跡展」日程など

さて、この「夢は叶えるもの ターシャ・テューダー 人生の軌跡展」、仙台での開催は12月9日(火)までと、残りわずかです!

場所:藤崎 本館7階 催事場 (仙台市青葉区一番町)

会期:2025年11月26日(水)〜 12月9日(火)

入場時間:10:00〜閉場時間の30分前まで
(金曜・土曜日は午後7時30分閉場、最終日は午後5時まで)

入場料:一般(大学生含む)当日券税込1,200円
※高校生以下無料
※「障がい者手帳」をお持ちの方は、本人様と同伴者1名に限り入場無料
※Fカード会員特典本人限り当日券を100円引き(会場受付にてFカード提示。オンライン会員は、スマホからマイページを提示)



ターシャの世界に触れるその他の方法

残念ながら展覧会に行けなかった方でも、ターシャの世界に触れる手段はあります。

彼女の晩年の暮らしを記録したドキュメンタリー映画『ターシャ・テューダー 静かな水の物語』(2017年公開)は、彼女の言葉と美しい四季が映像で描かれており、展覧会で感じた感動をより深くしてくれる内容です。

DVD/Blu-rayや、各種動画配信サービスでも視聴可能です。

映画『ターシャ・テューダー 静かな水の物語』予告編

「自分らしく生きたい」「夢への一歩を踏み出したい」と願うすべての人に、ターシャ・テューダーの世界は深く響くことと思います。

一度きりの人生、心豊かに生きていきましょうね。


あなたにとって
豊かな人生とは
どんな感じですか?


IMAX体感が衝撃的だった映画『トロン:アレス』いよいよ配信&媒体リリース

〜唯一無二の世界観『トロン』シリーズの進化〜


本日(2025年12月2日)ついに映画『トロン:アレス(原題:Tron: Ares)』のデジタル配信がスタートされます!
と言っても、日本国外でのことなのですが・・・
(12/10追記:12月9日から日本でも配信が始まりました!→https://calm-smile-chain.com/tron-ares-streaming/

また、これも現時点では海外のみでの発表ですが、DVD/Blu-rayの販売は来年の1月6日からとのこと。
ここ日本では、本日時点ではまだ配信も媒体のリリースもいつになるのか公式発表されていないのですが、きっと間も無くでしょう♪
日本での配信や媒体販売の日程が分かったら追記しますね。
(12月10日に追記記事をアップしました↓)


さて『トロン:アレス』の劇場での公開は、およそ2ヶ月前の10月10日より日米同時に始まりました。

映画トロン:アレス公式ホームページ:https://www.disney.co.jp/movie/tron-ares

『トロン』シリーズファンとして、また主演を演じたジャレッド・レト(Jared Leto)を彼のバンド「サーティー・セカンズ・トゥ・マーズ(30 Seconds to Mars)」活動時代から応援しているファンとしても、IMAXで観られることを心待ちにしていた私は、もちろんその公開直後に観に行きましたよ。

ですが、その感動をすぐにブログに残せないでしまったので、本日の海外での配信スタートを機に、遅ればせながらも熱く語らせていただきたいと思います。

映画『トロン:アレス』予告編

もう、この予告編を観るだけで興奮しませんか?
これをIMAXという巨大なスクリーンと音響で体感した衝撃と言ったら・・・!!

もう素晴らしくて。
「すごい、すごい、面白すぎる」「さすがディズニー、まさに映像改革」などと一人で呟きながら観ていました。

映画『トロン:アレス』チラシ(表)(画像クリックでPDF画面が開きます)
トロンの世界観 〜シリーズの歴史〜

トロン』の魅力は、何と言ってもその唯一無二の世界観にあります。
さて、『トロン』オリジナル作品である第1作目は1982年公開。
なんと40年以上前の作品です。
当時は幼少であった私自身も、第2作目の『トロン:レガシー』から知った世代。
全てをご存じない方もいらっしゃるかと思うので、これまでの流れを簡単にご紹介しますね。

1982年公開『トロン(原題:Tron)』
全ての始まりー

「もし、コンピューターの中に自分自身が吸い込まれたら?」
プログラマーであるケヴィン・フリンジェフ・ブリッジス:3部シリーズ全てに登場)が、自らが作り上げたデジタル世界(2作目からグリッドと表現)に送り込まれるという、当時としては革命的なSF作品でした。
シンプルな光のラインと、レトロフューチャーなデザインは、今見ても色褪せないサイバーパンクの原点です。

映画『トロン(オリジナル)』予告編(字幕なしです)

2010年公開『トロン:レガシー(原題:Tron: Legacy)』
映像美の覚醒

前作から28年後、フリンの息子サムがグリッドに迷い込みます。
フリンがデジタル世界で生き続けていたという設定と共に、映像技術の進化によって、グリッドの美しさはネオン輝く別次元へと昇華しました。
父と子の再会と、デジタル生命体の哲学的なテーマが深まった作品です。

映画『トロン:レガシー』予告編

なおこの他に、アニメシリーズで『トロン:ライジング(原題:Tron: Uprising)』というスピンオフ作品があります。
1982年の映画『トロン』と、2010年の続編映画『トロン: レガシー』の間の物語を描いたもので、2012年にアメリカのディズニーXDで放送開始し、日本では2013年に放送されました。
こちらについては私は観ていないので割愛しますが、ディズニープラスで日本語吹き替え版などでも配信されているようです。
むしろこちらの方がお好みという方もいらっしゃると思いますので、興味あればご覧になってみてはいかがでしょう。

それではいよいよ、これらの続編となる『トロン:アレス』について。

映画『トロン:アレス』チラシ(裏)(画像クリックでPDF画面が開きます)
圧倒的な光と音の饗宴 〜IMAX体験の衝撃〜

『トロン:アレス』が描くグリッドの世界は、ただのサイバー空間ではありません。
それは、光とネオンが秩序をもってデザインされた、神聖な美の世界とでも言えるでしょうか。

IMAXの大画面、特に床から天井までを覆う映像は、まるで自分がプログラムになったかのように、その世界に文字通り「没入」させてくれました。
(私はIMAXでは必ず席を横並び中心に予約して、迫力の映像と音響を堪能します)

映像美の進化
過去作のクラシックな光のラインは継承しつつも、アレスの鎧や環境はより複雑で有機的、そして生命感を感じさせるデザインへと進化していました。
光と影のコントラストが際立ち、デジタルアートとしての完成度は群を抜いています。

音響の迫力
ライトサイクルが走り出すときの重低音、そしてディスクバトルで光の円盤が交差するたびに響く高周波の電子音・・・
IMAXの緻密な音響設計によって、全身でデジタル世界の振動を感じる体験は、自宅での視聴では決して得られないであろう体感でした。

この圧倒的な映像と音響こそが、『トロン:アレス』を単なるSFアクション映画で終わらせない、唯一無二の芸術作品に押し上げています。

Wミュージシャン俳優の存在感 〜創造主とAIの対話〜

トロン』シリーズの魅力の一つは、創造主である人間側も、被創造物であるプログラム側も、演じる俳優が深い芸術的才能を持っている点です。

シリーズの核となるケヴィン・フリンを演じ続けたジェフ・ブリッジスJeff Bridgesは、彼もミュージシャンとして活躍した俳優であり、このデジタル世界を創り出した「ユーザー」の象徴でした。
彼の持つ独特の温かみと哲学的な存在感が、デジタル世界の深みにリアリティを与えてきました。

そして本作のジャレッド・レトが演じるアレスは、フリンが創った世界、そして人間が持つ創造性を模倣し、時に超越しようとするAIです。

創造主(ユーザーフリン)を演じたブリッジス氏と、究極の被創造物(AIアレス)を演じたレト氏。
二人のミュージシャン俳優が、シリーズの根幹である「創造と進化」というテーマを、それぞれの表現力で支えている構造こそ、『トロン』シリーズの芸術性の高さを物語っていると感じます。

映画『トロン:アレス』のパンフレットとチラシ、そして30 Seconds to Marsの初期のアルバム
ジャレッド・レトの才能とアレスや創造主への深い思い

彼のバンド活動(30 Seconds to Mars)時代から才能を追ってきたファンとして、ジャレッド・レトが持つアーティストとしての深い感性が、主人公アレスにどう投影されたのかは、私にとって本作最大の注目点でした。

単なる俳優に留まらず、自身のバンドで楽曲制作、ビジュアルアート、そしてコンサートでの壮大な演出を手掛けてきた彼は、まさに「創造主(ユーザー)」の才能を持ったアーティストです。

芸術的深み
AIであるアレスの「人間性への探求」や「存在意義」といった複雑なテーマは、レト氏の持つ繊細かつ壮大なアーティストとしての感受性によって、深遠なキャラクターとして成立しています。

デザインとパフォーマンス
アレスの持つ革新的なコスチュームや、グリッド内で見せる一挙手一投足の様式美には、レト氏がビジュアル表現者として培ってきた美学が息づいているように感じました。

彼のアーティスト魂が、最新作の持つ哲学的な問いを、視覚的・感情的に深く掘り下げてくれたのです。

次の動画は、「主演ジャレッド・レトが語る制作の裏話」です。
自身も『トロン』が大好きだというレト氏が語る映画『トロン:アレス』の魅力を知ることができます。

映画『トロン:アレス』特別映像「主演ジャレッド・レトが語る制作の裏話」

ああ、それにしてもジャレッド・レト素敵すぎる!
きっと、彼が語った「夢は叶う(Dream It Possible)」って言葉が印象に残ったのは私だけではないはず・・・

映画トロン:アレス公式ホームページ:https://www.disney.co.jp/movie/tron-ares

劇場でご覧にならなかった方々には、本来であれば、この壮大な映像美と音響はIMAXという巨大なスクリーンで体験していただきたかったのが本音です。
私自身も、何度でもあの空間で観たい!!!と思っていて、既にIMAXでのリバイバル上映を望んでいます。
そしてできることなら3Dか4DXで観たい!(しかし吹き替え版となると観ない人です)

ですが、配信や媒体による鑑賞という形でも、人間(ユーザー)と、人間によって生み出されたプログラムやAIアレス)との間の創造と進化、そして感情をめぐる物語は、今まさに話題となっているAIについて考えさせられるホットなテーマですし、より多くの人がこの「グリッド(デジタル世界)」の世界観に触れられ、少しでも感動を共有できたら嬉しいです。


あなたは
自分の「存在意義」を
考えたことがありますか?

映画「落下の王国(The Fall)」デジタル4Kリマスター, 映画レビュー

念願成就!映画『落下の王国』4Kリマスター版を映画館にて!

〜およそ20年越し、大好きな映画を美しく蘇った映像で大画面で観る感動〜


数年前、大好きな映画『落下の王国(原題:The Fall)』について、ロケ地となった世界遺産とともに紹介する記事をしたためた私。

↑当時の記事については、リンク切れを起こしていた箇所など修正し更新しました

なんとこの映画が4Kデジタルリマスター版として蘇り、今年、日本全国の映画館で上映されると知った時はどれだけ心が躍ったことか。

映画落下の王国 4Kデジタルリマスター2025年11月21日(金)より全国公開。
しかも、”オリジナルの劇場公開版でカットされたシーンが新たに追加され、より濃密な没入体験を実現”された”完全版”とのこと。

映画落下の王国 4Kデジタルリマスター公式ホームページ:https://rakkanooukoku4k.jp/


長年のファンとして、この上映日をどれだけ待ち望んだことでしょう・・・

というわけで、その公開初日、ついに映画『落下の王国(The Fall)』の4Kデジタルリマスター版を映画館で鑑賞してきました。
仙台市在住の私が訪れた劇場はフォーラム仙台でしたが、平日の昼間にもかかわらず、劇場は満席。
(上映されている劇場一覧はこちら→https://theaterlist.jp/?dir=rakka4k
制作されてからおよそ20年(2026年制作、2028年日本公開)が経った今でも、この映画が持つ力の大きさを改めて感じ、胸が熱くなりました。

私自身、世界遺産やアート、そして映画をこよなく愛する者として、この作品は特別な意味を持っています。
なぜなら、これは単なるファンタジー映画ではなく、まさに「動く美術書」!!
そして「世界を巡る壮大な旅」!!だから。

映画『落下の王国 4Kデジタルリマスター』予告編


さて、ここから先は少しネタバレ的なことも述べていこうかと思いますので、まだ一度も映画『落下の王国(The Fall)』を観たことがなく、これから観るのだという方は、ご留意くださいね。



まず、『落下の王国(The Fall)』を語る上で欠かせないのは、その息をのむような映像美です。

ターセム・シンTarsem Singh監督は、インド、ナミビア、中国、イタリアなど、20カ国以上でロケを敢行されたとのこと。
4Kリマスターによって大スクリーンに映し出されたその光景は、もはや現実のものとは思えないほどの色彩と質感でした。

誰もが感動するのは、CGに頼らず、世界遺産を含む実在のロケ地を最大限に活かして創り上げられた映像の迫力です。

壮大な万里の長城や、タージ・マハルの前に建つ赤い砦。

砂漠(ナミビア)の絵画的な構図。

インドのジャンタル・マンタル(ジャイプル)の巨大な建造物が、物語の登場人物の背景として機能する瞬間。

一つ一つのショットが、まるで緻密に計算された絵画のようでもあり、劇場で鑑賞することは、世界の美術館を巡るような素敵な体験でした。
これまで小さな画面でしか観たことがなかった方も、ぜひこの機会に劇場の暗闇で、監督が追い求めた「本物の美」に触れ、私が味わったような感覚を得られたなら嬉しいです。

映画『落下の王国 4Kデジタルリマスター』チラシ(表)(画像クリックでPDF画面が開きます)

この映画が、私のような世界遺産好きの心を掴んで離さないのは、ファンタジーの物語が、地球上に実在する最も美しい場所の数々によって支えられている点ではないでしょうか。

病室で語られる物語は、病気の少女アレクサンドリアの無垢な視点と、語り手ロイの絶望や希望が混ざり合いながら進んでいきます。
そのストーリーテリングの中で、世界遺産世界各地の絶景は、単なる背景ではなく、物語の感情を表現する重要な役割を果たしています。

例えば、美しい砂漠(ナミビア ナミブ砂漠)や、青い街(インド ジョードプル)の風景は、旅のキャラクターたちが感じる孤独や、自由への渇望を象徴しているようにも感じられます。

そして、それは私たちが世界遺産に感じる「人類の残すべき遺産」という価値観と深く響き合うのです。

映画『落下の王国 4Kデジタルリマスター』チラシ(裏)(画像クリックでPDF画面が開きます)

最後に、タイトル『落下の王国(The Fall)』に隠された多層的な意味について考えてみたいと思います。

映画の原題である『The Fall』は、邦題として『落下の王国』とされました。
これには様々な解釈が込められているのだと感じます。
この言葉が指し示すものは、現実と物語の世界で、登場人物たちに起こる複数の「落ちる」または「落ち込む」という状態ではないでしょうか。

1. Royの現実:絶望への「転落」

主人公であるスタントマンのロイは、撮影中の事故により再起不能の怪我を負い、恋人にも裏切られ、精神的に深い絶望へと「落ち込んで」います。

物理的な落下として、彼がスタントマンとして経験した「落下」(事故)そのもの。

精神的な崩壊として、絶望から自死を考えるほど、人生のどん底へと「転落」した状態。

物語の終焉において、彼は物語の中で、キャラクターたちを次々と死(あるいは絶望)へと「落とす」ことで、自身の苦しみを表現しようとします。

2. Alexandriaの成長:無邪気な時代からの「脱却」

一方、少女アレクサンドリアは、純粋で無垢な視点を持っていますが、ロイの物語を聞くことで、死や裏切り、悲劇といった現実世界の暗い部分に直面していきます。

アレクサンドリア自身も、オレンジの収穫中に木から「落ちて」腕を骨折して入院しロイに出会った。

ロイを救おうとして病院内で再び「落下」して大怪我を負ってしまう。

わずか5歳の少女アレクサンドリアの無垢からの脱却
→人間が成長する過程で経験する、無邪気な世界から現実の世界へと「落ちていく」過程を象徴

3. 神話的な解釈:「失楽園」のテーマ

The Fall」という言葉は、キリスト教の神話において、アダムとイブがエデンの園を追放された「堕罪(Fall of Man)」を連想させます。

ロイが語る物語は、復讐と裏切りに満ちたダークファンタジーです。
これは、かつて美しい世界(楽園)があったにもかかわらず、人間が悪意や過ちによってそこから「失墜」した状態を描いていると考えられるのではないでしょうか。

映画『落下の王国 4Kデジタルリマスター』の初回限定パンフレットと鑑賞先着プレゼントの復刻版B5チラシ

落下の王国(The Fall)』という、絶望、成長、そして神話的な失墜を表現するタイトル。
こうして考えてみると、笑える部分も大いにある作品でありながら、結構なダークな部分を示唆し、私たちに改めて人生の問いかけをしてくれるような物語だなと感じました。
だからこそ、この映画は単なる映像美だけでなく、深い悲哀と、そこから立ち上がろうとする人間の強さという感動を、観る者に与えるのかもしれません。

長年のファンの方も、今回初めて観る方も、この4Kデジタルリマスター版により、きっと新たな感動と発見を得られると思います。
スクリーンに広がる夢のような世界で、あなた自身の「落下の王国」を見つけてくださいね。

映画落下の王国 4Kデジタルリマスター公式ホームページ:https://rakkanooukoku4k.jp/


映画『落下の王国(The Fall)』ロケ地となった世界遺産について知りたい方はこちら(映画「ザ・フォール 落下の王国」に見る世界遺産)をご覧くださいませ✨


あなたにとって
心に残るシーンは
どこですか?


現実を突きつけられたかのような衝撃作 映画『ハウス・オブ・ダイナマイト』

〜予告編にしてやられるも、深い作品〜


毎回映画を見る時は、ワクワク・ドキドキ感を楽しみたいので、なるべく予備知識は少ない状態で映画を観に行く私です。
今回も、予備知識はほぼゼロで映画『ハウス・オブ・ダイナマイト(原題:A House of Dynamite)』を観てきました。
というか、そもそも公式HPもあっさりしたもので。

映画『ハウス・オブ・ダイナマイト』公式ホームページ:https://www.cinemalineup2025.jp/ahouseofdynamitefilm/

意味ありげで緊迫感あふれる予告編を一度観たきりで「テロリストによる破壊工作を描いたサスペンスかな?」と勝手に思い込んでいたんです。

しかし、ストーリーが進むにつれて、私の予想は見事に裏切られたと気がつきました。

これは単なるテロとの戦いではない。
もっと深く、私たちの生きる世界そのものの危うさを描いている。

そんな作品でありながら、パンフレットは制作されていないこともあり、記録しておきたいと思いました。

映画『ハウス・オブ・ダイナマイト』予告編

この映画で印象深いのは、その「リアル」な描写です。
フィクションでありながら、画面で繰り広げられる政府、軍、専門家たちの混乱と決断のプロセスは、まるで本当に今、この瞬間、世界のどこかで起こっている危機を覗き見ているようでした。

予告編の言葉が示唆していたのは、特定の「敵」の存在ではなく、システム人間の本質が抱える恐ろしさだったのかもしれません。
ストーリーが進むにつれ、「テロ」という外側の脅威ではなく、極限状態での「人間」の選択や、現代社会が抱える構造的な問題に焦点が移っていくことに気づき、背筋が凍るような思いがしました。

「こんなことがあってほしくない」という願いと同時に、「これは本当に現実の隣にある話だ」と突きつけられる感覚。
映画館を出た後も、その重みがずっしりと心に残っています。

映画『ハウス・オブ・ダイナマイト』チラシ(表・裏)(画像クリックでPDF画面が開きます)

そして今回、パンフレットが制作されていないという点について、私なりに考えてみました。
映画好きにとって、パンフレットがないのは残念ではありますが、これはもしかすると、「思考を停止するな」という制作者からのメッセージではないかと感じたりもしています。

通常、パンフレットは映画の答え合わせや解説、情報の整理をしてくれるものですが、それがないことで、観客一人ひとりが「あのシーンの意味は?」「彼らの選択は正しかったのか?」と、頭の中で深く考え、他者と語り合うことを強要されている気がするのです。

この映画の「深い意味」は、提供された情報ではなく、私たちが個々で考え、感じることの中にこそある。
そう訴えかけられているような気がします。

これはエンターテイメントとして楽しめる緊迫感がある一方で、私たちが住む世界、そして平和というものが、いかに危ういバランスの上に成り立っているのかを、静かに、しかし強烈に訴えかけてきます。

映画『ハウス・オブ・ダイナマイト』公式ホームページ:https://www.cinemalineup2025.jp/ahouseofdynamitefilm/

さて、この映画では、最終的な結末は描かれませんでした。
単なるエンターテイメント的な映画を期待していた人にはモヤッとするかもしれません。
しかし、それは要するに、「想像しろ」ということだろうと思うので、私の考える結末はというと…

シカゴは壊滅、そして米国大統領はどうすべもなく(どこが起こした攻撃なのかわからないのに核爆弾なんて本当は落としたくないと思いつつも)報復として核爆弾を発射することを選択、そしてその報復行為は副補佐官が語っていた通り自殺行為となり、米国どころか全世界が滅ぶ道を辿ることになるのだろう。

というところです。
これを映画館を出た帰りの道中で考えていたら泣けてきてしまったのですが、だからこそ、予告編の言葉にあった通り、”我々(自分)を救えるのは我々(自分)だけである”ということを胸に刻み、故郷や大切な人に感謝し、人生に後悔のないように今を生きなければと、改めて思った次第です。

なお、映画『ハウス・オブ・ダイナマイト(原題:A House of Dynamite)』が、私が生まれた故郷閖上のある宮城県で上映されている映画館は、フォーラム仙台イオンシネマ名取イオンシネマ新利府イオンシネマ石巻です。
劇場での上映は2025年10月23日(木)までで、24日(金)からはNETFLIXで配信がスタートするとのことです。



あなたが
深く考えさせられた
映画はなんですか?

いろんな意味で新感覚!映画『ラスト・ブレス』

〜地球上で最も危険な仕事の一つとされる職業の驚くべき実話〜


やっぱり、映画って素晴らしい・・・!
映画を観るたびに、新しい感動、いわゆる”新感覚”というものを感じることができますが、先日またこれまでとは異なる、まさに新感覚を得た作品を観てきたので、記録しておこうと思います。

それは『ラスト・ブレス(原題:Last Breath)』。
(宮城県内ではフォーラム仙台のみでの上映。上映期間は2025年9月26日〜10月16日)

映画『ラスト・ブレス』チラシ(表)
映画『ラスト・ブレス』チラシ(裏)

チラシに記載の通り、”驚愕の実話に基づくサバイバル・スリラー”なる映画というわけで。
(チラシ画像をクリックでPDF画面が開き、拡大できます)

SF系の映画が好きな私。
このチラシを見た時点で、宇宙を舞台にした『ゼロ・グラビティ(原題:Gravity)』の深海版ぽいイメージ?!なるものを想像して、是非観てみたいと思った訳なのです。

映画『ゼロ・グラビティ』予告編

ゼロ・グラビティ』は完全フィクションと言えども、ごく一般人には未知の宇宙世界を知ることができる素晴らしい映画ですよね。
で、その深海版的な映画を観られるのかなーくらいの感覚でいたのですが・・・

映画『ラスト・ブレス』を観終わった後、全身の力が抜けるほどの緊張感と、深海の異様な世界観に心を奪われました。
今回は、この新感覚な作品の魅力を深掘りしていきます。

…と、だいぶネタバレ的なことを書いてしまうかもしれないのですが、その前に。

この作品を見る前に手にしたパンフレットと、チラシ代わりの団扇(うちわ)のアイディアについてをまずは面白いと感じたので、その件について触れておきます。

映画レビュー, ラスト・ブレス

パンフレットは、潜水艦の出入り口や窓のように、丸く切り抜いてデザインされたクリアファイルに収められていて。

映画『ラスト・ブレス』のパンフレット

そして、団扇はこの映画の公開日より前のかなり暑い時期に映画館に置かれてあったもので、「あ!うちわだ!助かる〜」という軽めな気持ちで手にしたものだったのですが、裏面には”涼感音響 イヤホン・ヘッドホンをつけて深海の世界をご体験ください”とのテキストとともにQRコードの記載が…

映画『ラスト・ブレス』のパンフレットと団扇状のチラシ(裏側)

QRコードのリンク先となっている動画はこちら↓です。

(イヤホン推奨の)映画『ラスト・ブレス』予告編

本当にこれ、イヤホンで聴きながらだと・・・!!

さて。
まずこの映画の冒頭時点で引き込まれた点があります。

それは、よく実話ベースの映画では「Based on a true story(実話に基づく)」という表現が使われますが、『ラスト・ブレス』はきっぱりと「This is a true story.(これは実話である)」と言い切ったところ。

実際には、俳優さんたちが演じる映画作品ですので、全てがリアルというわけではないにせよ、20分以上の無酸素状態にあった人が脳に損傷を負うこともなく生還できたという、一番信じられないところが、事実だという点を強調するためにあえてそのように表現したのかもしれません。

そして、この映画の次なる衝撃は、「飽和潜水士(Saturation diver)」という職業の存在を知ったことです。
彼らは深海の高い水圧下で作業するため、体内のガスを人工的にコントロールし、数週間を高圧の閉鎖空間(チャンバー)で過ごします。

その仕事の過酷さ、プロフェッショナルとしての誇り、そして何よりも危険と隣り合わせの日常が、息苦しいほどの緊迫感で描かれます。

海底で命綱一本
それが切れ、地上との通信が途絶えた時、潜水士に残されるのは、深海の底でたった一人、自らの知恵と経験、そしてわずかな酸素に全てをかけるという途方もない孤独…

そんな状態に置かれた人が、再び海に潜ることなんてできるのだろうか、と思いましたが、映画のエンディングでは、この物語の登場人物たちの実際の映像とともに、この事故の数日後に再び彼らは任務についたと締められ、ため息が出ました。

映画『ラスト・ブレス』公式ホームページ:https://lastbreath.jp/

それからやはり、映画を観ていて感じたのは、宇宙を舞台にした傑作サバイバル映画『ゼロ・グラビティ』を彷彿とさせる、究極の閉鎖環境でのサバイバルです。

ゼロ・グラビティ』が「真空、無重力、宇宙の闇」という極限の”上”の環境だとすれば、『ラスト・ブレス』はまさに「高圧、無呼吸、水の密室」という極限の”下”の環境とでも言えるでしょうか。

飽和潜水士」という職業は、世界的にも非常に特殊であり、日本国内全体では100人程度とも言われる、希少な存在なのだそうです。

日本においては特に、海上自衛隊などが高い技術を保有しており、知床沖や宮古島沖の事故など、深い海底での救助・捜索活動において、彼らの技術と勇気が欠かせないものとなっているのだとか。

私たちが知ることのない場所で、人々の安全や国の海洋インフラを支えているプロフェッショナルがいることに、改めて感動を覚えました。

あなたは
どんなことに新感覚を
感じますか?


チュニジア旅の予習 その2<ロケ地となった映画>

〜スターウォーズ以外にも!〜


前回は、今年(2025年)旅するチュニジアについて、アフリカでは世界遺産を比較的多く保有する国であるとのことで、その辺についてまとめてみました。


しかし!もしかしたら、それ以上に映画『スター・ウォーズ』の聖地であるということで知られているかもしれないんですよね。

ですが映画好きの私といえども、特に『スター・ウォーズ』ファンというわけではないので、そこに特別入れ込んでチュニジアに行きたい!と思ったわけではない…

とはいえ、もちろん『スター・ウォーズ』シリーズは観ていて(しかし多分コンプリートしていない。壮大すぎて…)、あの世界観が体現された場所とあれば興味を持つのは当然ですし、チュニジアはその独特な砂漠や遺跡の景観から、『スター・ウォーズ』以外にも数々の映画のロケ地として使われているとのことで、”映画ロケ地巡り”をテーマとした旅も面白そうじゃない?と思った次第です。


というわけで、本日は、チュニジアで撮影された映画について、いくつかロケ地を取り上げ、まとめてみようと思います。
(なお、各所を示す全体のマップは、後半に記載しています!)

やはり代表作品として、まずは『スター・ウォーズ』から。

チュニジアがロケ地!その1:スター・ウォーズの聖地

1)タタウィン(Tataouine)
 ルークの故郷”タトゥイーン”は、実在するこの街の名前から名付けられました。

2)マトマタ(Matmata)
 穴居住宅がルークの家として登場。
 現在は「ホテル・シディ・イドリス(Hotel Sidi Driss)」として宿泊も可能です。

3)トズール(Tozeur)
 サハラ砂漠のオアシス都市。映画のセットが現存していて、砂漠の奇岩「ラクダの首」や「オング・ジュメル」は、映画の異星の風景そのもの。
 エピソード1の砂漠やポッドレースの舞台があります。

4)ジェルバ島 アジム村(Djerba Ajim)
 「アジム村」はモス・アイズリー宇宙港の酒場シーンなどの撮影地となりました。

次の動画は重要なシーンのほとんどがチュニジアで撮影されたというエピソード4(1978公開)の予告編です。

映画『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』予告編

チュニジアにある各所は、『スター・ウォーズ』ファンなら、一生に一度は巡礼したい場所かもしれませんね。

チュニジアがロケ地!その2:インディ・ジョーンズと古代都市

インディ・ジョーンズ シリーズの第1作目である『レイダース/失われたアーク』(1981年公開)では、”カイロの市場”シーンがあるのですが、実際にはエジプトではなくチュニジアの聖地ケルアンの旧市街などで撮影されたのだそうです。

5)カイルアン(ケルアン Kairouan
 イスラム世界四大聖地のひとつとされる歴史都市で世界遺産にも登録されており、伝統的な旧市街や貯水池などの遺跡が残っています。
 『レイダース』では映画の背景として印象的に使われています。

6)スィディ・ブハリル峡谷(Sidi Bouhlel Canyon)
 先述したトズール近郊の峡谷で、『スター・ウォーズ』でも使われた名所(故に、GoogleマップではStar Wars Canyonとも記載されています)。
 『レイダース』では“砂漠の冒険地”として最終決戦のロケ地となりました。

スター・ウォーズではハン・ソロ役で出演していたハリソン・フォードが、インディ・ジョーンズでは主演を務める『レイダース/失われたアーク』の予告編動画はこちら。

映画『レイダース/失われたアーク』予告編

カイルアンは歴史的観光地としても有名なので、映画+歴史の両方を楽しめそうですね。
世界遺産映画好きな私としては是非とも訪れたい場所です!

チュニジアがロケ地!その3:イングリッシュ・ペイシェントのサハラ

アカデミー賞作品賞に輝いた『イングリッシュ・ペイシェント』(1996年公開)。
サハラ砂漠の壮大なシーンは、チュニジア南部で撮影されたことで有名です。

7)クサール・ギレン(Ksar Guilane)
 『イングリッシュ・ペイシェント』でキャラバンが進む場面や砂丘の美しい景色は『スター・ウォーズ』『レイダース』でもロケ地となったトズールの他、クサール・ギレンなどで撮影されています。

8)シェビカ村(Chebika Village)
 シェビカ村山岳オアシスとして、美しい谷とナツメヤシの林が広がる、映画そのままの風景が見られます。

山岳オアシス:山間の谷や斜面に水源があり、砂漠とは異なる緑豊かなオアシス環境を形成している地域

イングリッシュ・ペイシェント』の予告編動画でここにアップできるものでは、以下のように、画質が良いものが見つからなかったのですが、各種配信やDVDなどではちゃんと綺麗に見られますのでご安心ください。

映画『イングリッシュ・ペイシェント』予告編

(ちなみに、トリビュートとして、高画質でまとめられている方がいらして、予告編とはならずとも素敵な動画ならあります→https://www.youtube.com/watch?v=Tz52Gnh2soI&list=RDTz52Gnh2soI&start_radio=1

イングリッシュ・ペイシェント』では砂漠のシーンがとても印象的でした。
現地の砂漠ツアーに参加すれば、映画の登場人物になった気分になるかもですね(ちょっと怖い砂漠シーンだったけど…)。

チュニジアがロケ地!その4:モンティ・パイソンと地中海の要塞

私自身はチュニジアに行くということとなって知りまして、AmazonでDVDが安かったので思わず購入したという、日本ではあまり知られていなちょっとレアな作品です。

イギリスのコメディ映画『モンティ・パイソン ライフ・オブ・ブライアン』(1979年公開)は、チュニジアモナスティルスースで撮影されたとのことです。

8)モナスティルのリバト要塞(Ribat of Monastir)
 映画の背景として何度も登場しており、歴史的な雰囲気を醸し出しています。

9)スースの旧市街(Medina of Sousse)
 こちらも前回(https://calm-smile-chain.com/tunisia-world-heritage-sites/)述べた通り、世界遺産として登録されています。
 中世の街並みをそのまま残し、『ライフ・オブ・ブライアン』のロケーションに利用されています。

モンティ・パイソンはイギリスを代表するコメディグループで、彼らによる映画『ライフ・オブ・ブライアン』は、ここ日本ではレアでマニアックな作品とされていますが、コメディ映画としての評価は根強く、その風刺や皮肉、ブラックユーモアの強さから熱狂的なファンも多いみたいです。

というわけで、私は以下の動画を見て、気になってしまってDVDを購入しました。
Webサイト上には日本語訳のついてる動画はなかったのでこちらを記載してますが、日本版DVDなら字幕がありますのでご安心ください。

映画『モンティ・パイソン ライフ・オブ・ブライアン』予告編

この映画ではコメディの舞台ではありますが、モナスティルスースは、地中海沿岸の美しいリゾート地として観光客にも人気で、楽しめるとのことです。

そして今回もGoogle My Mapsを活用して地図を作成しました。
地図上でも、ここに書いた番号順、また色分けは映画ごとにしていますので、参考にしてみてください。

(地図上のアイコンをクリックすると説明が表れます。もしくは拡大地図を表示することで一覧として見ることができます。また、前回同様、マイマップシステム上、説明は英語入力してますが、ここに記載したことと同じことを述べてます)


最後に一応の記載ですが、映画『グラディエーター』もチュニジアで撮影されたとの噂もありますけれども、チュニジアの世界遺産であるエル・ジェム(El Jem)(世界遺産について述べた前回記事:https://calm-smile-chain.com/tunisia-world-heritage-sites/)が “ローマ時代の円形闘技場(アンフィテアトルム)” を持つことから、「グラディエーターの闘技場シーンと似ている」ためのようです。
ですが「グラディエーター」は実際にはモロッコで撮影されたようですよ。
(ネット検索したり、AIに聞くと事実ではない情報があることもありますので、注意しなきゃですね)

あなたなら
どんな映画の撮影地を
訪れたいですか?

〜 参考書籍(Amazonにリンク)〜

movie Fremont (Fortune Cookie)

幸せの予感…だけじゃない、映画『フォーチュンクッキー』

〜邦題と原題のギャップに隠された、深淵な物語〜


映画ネタが続いてしまいますが、フォーラム仙台で上映されている映画『フォーチュンクッキー』(原題:『Fremont』)を観てきまして、結論から述べると、それは、主人公ドニヤの不器用ながらもひたむきに生きる姿に、胸を打たれ心に静かな感動が広がるとても良い映画で、今年観た映画の中でも特に好きな作品となりました。

映画『フォーチュンクッキー』公式ホームページ:https://mimosafilms.com/fortunecookie/

…しかしながら実は、この映画の「邦題フォーチュンクッキー)」と「原題Fremont)」の違いが、良くも悪くも心に引っかかった、と言うのが私の本音にはありまして…

と言うわけで、その点について、日本における巷の映画批評でも賛否両論言われているのも納得できるわけですが、私自身の最終結論としては、あり(good👍)と言うわけで、是非記録しておきたいと思ったのです。

映画『フォーチュンクッキー』チラシ(表)
画像をクリックするとPDF画面が開き、拡大できます


フォーチュンクッキー、私は久しく食べてないけど、あなたもご存知ですよね?
そう、クッキーを割るとおみくじ的なものが入っている、あの昔からあるクッキーです。

日本の「辻占煎餅(つじうらせんべい)」というお菓子がその起源と考えられていて、辻占煎餅をヒントに、アメリカに移住した日系人たちがフォーチュンクッキーを作ったのが始まりとされています。
第二次世界大戦中に日系人が強制収容された時期に、中国系の人々がこの製法を引き継ぎ、アメリカ国内の中華料理店で提供されるようになり、今日のような「中華料理のデザート」というイメージが定着していった、という経緯があるようだということですよ。

なお、フォーチュンクッキーの歴史などまではこの映画では語られていませんが、パンフレットにはそのことが記載されたページがあって、興味深かったです。
こういう知識もあると、映画がますます面白く感じますね。

映画『フォーチュンクッキー』チラシ(裏)
画像をクリックするとPDF画面が開き、拡大できます


邦題となっている『フォーチュンクッキー』は、映画の中でも重要なアイテムであり、ささやかな希望や未来への期待を象徴しています。

一方、原題の『Fremont(フリーモント)』は、この映画の舞台であるアメリカの地名です。


映画を観る前は、この原題との極端な違いは何だろうと若干怪訝に思いつつも、『フォーチュンクッキー』とされた邦題、そしてチラシにも書かれている『私の殻をやぶるとき』というキャッチフレーズから、主人公の女性が自分の殻を破って行動したら、素敵な恋なり希望があったというような、あったかい気分になれる物語なのだろうと想像していました。
そしてたまたま、その舞台の地がフリーモントになったのかな?くらいに。

確かにその側面もあるのですが、映画を観て、原題の『Fremont』が持つ意味を知ったとき、この映画の本当の奥行きに気づかされました。

映画『フォーチュンクッキー』予告編


主人公ドニヤは、アフガニスタンからフリーモントにやってきた難民です。
慣れない異国の地で、彼女はこの都市のチャイナタウンにあるフォーチュンクッキーの工場で働き始めます。
クッキーの中に入っているおみくじのようなメッセージは、ときにユーモラスで、ときに示唆に富んでおり、彼女の孤独な日々に小さな光を灯します。

予告編の動画もコミカルな感じで、そういったことをほのぼのと楽しめる映画なのかな?と思えるかもしれません。
が、実はもう一つの深いストーリーがあるのでした。

普段はあまり自分を出そうとしないドニヤが「家族を置いて逃げてきた私なんかが、恋をしたいと思っても良いの?」と言うシーンでは、特に胸が締め付けられました。

カリフォルニア州のフリーモント市は、アフガニスタンからの移民が多く住む場所として知られているのだそうです。
私には映画を観るまでこの知識がなかったため、物語が進むにつれて、原題「Fremont」の意味に気づかされ、そして様々なことを考えさせられることとなりました。

映画は、フリーモントで生きる人々の現実を、静かなモノクロームの映像で描き出します。

主人公ドニヤが抱える過去のトラウマ言語や文化の違い、そして何よりも「居場所」を探し求める孤独
これらは、単なる個人の物語ではなく、移民として生きる多くの人々が直面している現実です。

Fremont」という原題は、この物語が特定の場所で、特定の背景を持った人々の、紛れもない現実を描いていることを強く示唆しています。
それは、幸せや希望の物語といった枠組みを超え、アイデンティティや社会への問いかけを私たちに投げかけているのではないでしょうか。

映画『フォーチュンクッキー』パンフレット
裏話が知れると共に、フォーチュンクッキーのレシピなんかも載っていて面白い


さらに特筆しておきたいのは、主人公ドニヤを演じたのはこれが映画初出演というアナイタ・ワリ・ザダ(Anaita Wali Zada)という女優さんについて。

彼女についても、映画を観た後にパンフレットを読んで初めて知ったのですが、彼女自身、タリバンが復権した2021年8月に、アフガニスタンからアメリカへと逃れてきた人物で、ドニヤのキャラクターに共感を覚えたということで、なんと、アメリカに来てわずか5ヶ月、演技も未経験だったにも関わらず、この主演を果たすこととなったのだそう。
(この点は公式HPにも記載あり)

アナイタ・ワリ・ザダが演じるドニヤはあまりにも自然かつ印象的で、観ているこちらも映画に引き込まれましたが、彼女が持つ事実が、単なる演技を超えた、ドニヤというキャラクターの内面的な真実を、見事に引き出していたのかもしれません。

映画『フォーチュンクッキー』公式ホームページ:https://mimosafilms.com/fortunecookie/

以上、映画『フォーチュンクッキー』(邦題)の原題は『Fremont』である点にフォーカスしてまとめてみました。

確かに、島国日本に住む私たちには『Fremont(フリーモント=アメリカの都市名)という原題のままでは、ファーストインプレッションではピンとこないですし、これが映画供給会社によるマーケティング戦略の一つだとしても、邦題やキャッチコピーと原題のギャップをきっかけに、より深く作品を考察するきっかけになったのは、私にとっては初めての良き体験でした。


あなたにも
何らかのギャップによる
面白い体験はありますか?


映画館で感動体験♪映画音楽の巨匠ハンス・ジマーのライブ ×ドキュメンタリー

〜特別料金にも納得!映画『ハンス・ジマー&フレンズ:ダイアモンド・イン・ザ・デザート』〜


TOHOシネマズ仙台にて、映画館ではたったの1週間のみの(2025年7月11日(金)〜17日(木))限定公開である映画『ハンス・ジマー&フレンズ:ダイアモンド・イン・ザ・デザート』(原題『Hans Zimmer & Friends: Diamond in the Desert』)を観てきました。

映画『ハンス・ジマー&フレンズ:ダイアモンド・イン・ザ・デザート』公式ホームページ:https://www.culture-ville.jp/hanszimmer

それはまさに、期待をはるかに超える感動体験でした。
決して大袈裟に言っているわけではなく、映画、音楽、アート全般を愛する私にとっては、本当に価値ある映画だと心底感じ、ぜひ記録しておきたいと思ったので、今こうして綴っています。

なおこの映画は、残念ながらパンフレットが制作されていません。
そんなこともあり、私なりにしっかり記録しておきたく、以下から少々詳しめの内容(ネタバレ)になるかと思います。
私自身は初見の映画は、事前にはあまり余計な情報を入れないで観て楽しみたいタイプなので、申し添えておきますが、映画をまだご覧になっていない方は、その点ご留意くださいね。

映画『ハンス・ジマー&フレンズ:ダイアモンド・イン・ザ・デザート』のチラシ
(画像をクリックするとPDF画面が開き、拡大できます)

さて、この映画、一般 2,700円という特別料金。
TOHOシネマズでIMAXでもDOLBY ATMOSでもないのにこの料金で、いかなる割引も適用不可とのこと。

それで、私としては、過日のハンス・ジマー 初来日公演「Hans Zimmer Live in Japan(2025年5月、横浜および名古屋にて開催)に行けなかったけれども、これで大好きな映画音楽をライブ映像として映画館の大画面と大音量で楽しめるのであれば良いだろう、特別料金なのもそれなりの理由があるのだろうし…くらいの気持ちで映画館へ足を運んだのでした。

が、しかし、これは単なるコンサートフィルムではありませんでした。

ハンス・ジマー(Hans Zimmer)という稀代の作曲家が、いかにしてあの壮大な音楽を生み出しているのかに迫る、深遠なドキュメンタリー映画と言えます。
彼の音楽に対する情熱、創作のプロセス、そして彼を支える素晴らしいアーティストたちとの揺るぎない絆が、スクリーンからひしひしと伝わってくるのです。

まさしく、『ハンス・ジマー&フレンズ:ダイアモンド・イン・ザ・デザート』というタイトル通り。
ハンス・ジマーと彼の素晴らしいフレンズたちが織りなすサウンドとストーリーは、まるで砂漠の中に突如現れきらめくダイヤモンドのように、私の心に深く響き渡りました。
(ちなみに、デザートは食べるデザート(dessert)ではなく、砂漠のデザート(desert)ですよ。笑)

次の動画はこの映画の予告編です。

映画『ハンス・ジマー&フレンズ:ダイアモンド・イン・ザ・デザート』予告編

先ほど、単なるコンサートフィルムではないと述べましたが、ライブ会場ではなくとも、スクリーンによって観客が十分に楽しめるような映画として、構成をとても考えられた作品だと感じました。

映画は、タイトルを象徴した砂漠の砂丘で歌うロワール・コトラー(Loire Cotler)によって幕が切られます。
そう、砂漠といえば、ハンス・ジマーが生んだ名曲を代表する『DUNE/デューン 砂の惑星』(原題『Dune』)を想像するのに難くないでしょう。

映画『DUNE/デューン 砂の惑星(Part 1)』予告編


また、演奏される音楽の間には、ハンス・ジマーと彼に関わる映画監督、俳優、ミュージシャンといったアーティスト達との対談が組み込まれていて、ハンス・ジマーが創り出してきた楽曲のバックグラウンドを知ることができます。

例えば、『DUNE/デューン 砂の惑星』の監督であるドゥニ・ヴィルヌーヴ(Denis Villeneuve)、主演のティモシー・シャラメ(Timothée Hal Chalamet)ゼンデイヤ(Zendaya Maree Stoermer Coleman)との対談もあり、それぞれ全てが非常に興味深かったです。
個人的には、今年観た映画『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』で、ティモシー・シャラメが伝説のシンガーであるボブ・ディランとして素晴らしい演技を披露したのも、この対談を観て妙に頷けました。

そして、コンサートツアーの会場からこの映画用に使われたのは、アラブ首長国連邦ドバイコカ・コーラ・アリーナでのライブ風景。
アラビアの豪華なスポットの一つだからということもあるでしょうけれど、やはり砂漠に面することも理由にあるのではと。

オープニングに続いての音楽と映像は、ドバイコカ・コーラ・アリーナで演奏された『インセプション』(原題『Inception』)の曲でした。

映画『インセプション』予告編


今や鬼才として映画界に君臨する方をこんな風に言うのも恐れ多いことですが、私はこの作品で、監督を務めたクリストファー・ノーラン(Sir Christopher Nolan)の名をしっかりと覚え意識するようになったと記憶してます。
もちろんクリストファー・ノーランの作品はそれ以前のものも観たし、どれも面白いのですが、私には『インセプション』がとりわけ衝撃的だったのです。
その世界観が大好きで、DVDでも繰り返し観ているので、この音楽が映画館の大音量で楽しめて大興奮しました。

さてその次は、『ワンダーウーマン 1984』(原題『Wonder Woman 1984』)です。
強く美しくかっこいい女性に憧れる私は、当然この『ワンダーウーマン』シリーズも大好きなので、興奮冷めやらず。

映画『ワンダーウーマン 1984』予告編


ちなみに、『ワンダーウーマン』は2017年に1作目が公開されていて、『ワンダーウーマン 1984』はシリーズの2作目です。
いずれも監督はパティ・ジェンキンスですが、ハンス・ジマーが音楽を担当したのは『ワンダーウーマン 1984』の方。
シリーズものの映画は、監督や俳優が変われば、作風にも違いが現れますが、音楽も然りで。
観る人の好みによっても変わってくるわけですが、その辺の違いも比べてみるのも、映画の面白さですよね。

次は『マン・オブ・スティール』(原題『Man of Steel』)の曲でした。
スーパーマン』シリーズの一つですが、私は今のところ、これが一番好き♡
音楽がハンス・ジマーであるところに、前述したクリストファー・ノーランが製作・原案を担当し、好きな俳優の一人であるヘンリー・カヴィルが主人公のクラーク/スーパーマンを演じたこと、そして実話をもとにした名作で私も感銘を受けた『アンタッチャブル』(原題:The Untouchables)で主演を務めたケビン・コスナーがクラークの父親を演じた点で私には特に響いているのだろうと思います。

映画『マン・オブ・スティール』予告編


ところで、このブログにはハンス・ジマーが請け負った映画がどんなものだったかを把握していただけるように、その映画予告をYouTubeより転載させていただいてますが、映画『ハンス・ジマー&フレンズ:ダイアモンド・イン・ザ・デザート』では単純にそれらの映像が映し出されるというものではありません。

先に述べたように、ドバイコカ・コーラ・アリーナでのライブ風景が軸とはなっていますが、曲間には別撮りした対談の様子があったり、ロケ撮影による演奏風景などと共に構成されています。
しかし、ここに挙げている動画のような、それぞれの映画のシーンと感動が、ハンス・ジマーとその素晴らしい仲間たちによる壮大なパフォーマンス興味深いトークよって新たな感動として呼び起こされるのです。

マン・オブ・スティール』演奏直前にも対談が組み込まれていたのですが、そこでハンス・ジマーが「スーパーマンに相応しいのは見栄えのいいグランドピアノなんかじゃない。ヒーローである一方で、孤独を感じ、農場での生活を大切にする彼のイメージには素朴なアップライトピアノがいい。」といったことを話し、その後場面が切り替わり、コンサート会場のステージ上で中央に置かれたアンティークなアップライトピアノによる演奏が始まったシーンは印象的でした。

この次は、『グラディエーター』(原題『Gladiator』)より。
古代ローマを舞台にした歴史アクション映画で、アカデミー賞では作品賞など5部門を受賞し、ゴールデングローブ賞では最優秀作品賞を受賞した名作で、ハンス・ジマーが担当した音楽も、ゴールデングローブ賞では最優秀作曲賞を受賞し、アカデミー賞ではノミネートを果たしています。

映画『グラディエーター』予告編


これも砂漠(モロッコ)でロケが行われている作品でしたが、『ハンス・ジマー&フレンズ:ダイアモンド・イン・ザ・デザート』でも、『グラディエーター』のパートは砂漠(アラビア)でのロケ撮影によるものでした。

今までハンス・ジマーの音楽は幾度と耳にしても、彼自身が演奏したり語る姿はほとんど目にしたことがなかったので知りませんでしたが、この映画を観て、ハンス・ジマーは瞳がとってもキレイな人なんだと気がつきまして。
特に、この『グラディエーター』の演奏風景では、目の輝き度合いが半端なくて、本当に音楽を愛してる人なんだろうな、こんな少年みたいで情熱的な人だから、こんな素晴らしい音楽を生み出すのだろうな、と感じました。

そして次の、『パイレーツ・オブ・カリビアン』(原題『Pirates of the Caribbean』)では、あの誰もが聞き覚えある曲の部分で、コンサート会場の盛り上がりも最高潮に。
こちらは、映画『ハンス・ジマー&フレンズ:ダイアモンド・イン・ザ・デザート』の公式ホームページにもアップされている動画をシェアさせていただきますね。

映画『ハンス・ジマー&フレンズ:ダイアモンド・イン・ザ・デザート』より「パイレーツ・オブ・カリビアン」演奏シーン

映画『ハンス・ジマー&フレンズ:ダイアモンド・イン・ザ・デザート』公式ホームページ:https://www.culture-ville.jp/hanszimmer


で、この高揚感ある盛り上がりの後は『ダークナイト』(原題『The Dark Knight』)ときまして。
これは、光と闇の音のコントラストとでも言えるでしょうか…

映画『ダークナイト』予告編


パイレーツ・オブ・カリビアン』に打って変わって漂う、深く暗い緊張感。
あの重厚な低音と、心臓を叩かれるかのような不穏なリズムは、聴く者の心をざわつかせ、まるでゴッサムシティの暗闇に迷い込んだかのような感覚に陥れられます。
ライブで迫ってくるその鋭利で研ぎ澄まされた音の塊が、単純な盛り上がりとは違う、ゾクゾクするような興奮と、静かに心を揺さぶられる美しさを伴うものでした。

そんなダークな楽曲に続くのは『X-MEN:ダーク・フェニックス』(原題『Dark Phoenix』)。

映画『X-MEN:ダーク・フェニックス』予告編

マーベル・コミックスの『X-MEN』もシリーズ化されている映画ですが、実は私、『X-MEN』といえばウルヴァリン、そしてそれを演じるヒュー・ジャックマンと思っていたため、彼がが出ていないこの『X-MEN:ダーク・フェニックス』は未見でして。

でもこの『ハンス・ジマー&フレンズ:ダイアモンド・イン・ザ・デザート』でのハンス・ジマーらのパフォーマンスを観たことをきっかけにこの予告編を観たら、もう気になってしょうがない。
こんな理由からでも、この映画も絶対観たい!って気持ちにさせるミュージシャンの存在って、本当にすごい。

そしてこの後も、『ダンケルク』(原題『Dunkirk』)とダークな感じが続きます。

映画『ダンケルク』予告編


ダンケルク』は、第二次世界大戦のダンケルク大撤退を描いた映画で、これまでハンス・ジマーとタッグを組んで数々の名作を産んできたクリストファー・ノーランにとっては初の実話に基づいた映画。
第90回アカデミー賞では作品賞、監督賞、美術賞、撮影賞、編集賞、音響編集賞、録音賞、作曲賞の8部門にノミネートされ、編集賞、録音賞、音響編集賞を受賞した名作です。

映画『ハンス・ジマー&フレンズ:ダイアモンド・イン・ザ・デザート』では、クリストファー・ノーランの姿がなかなか出てこなかったのでいつ出てくるんだろうと思っていましたが、クライマックスに差し掛かる後半で、彼らの含蓄ある対談シーンがありました。
名監督クリストファー・ノーランと名音楽家のハンス・ジマーがタッグを組んだ映画から、彼らはまさに、単なる仕事上のパートナーシップを超えて深い信頼と友情で結ばれている、そんなことを感じつつありましたが、この『ハンス・ジマー&フレンズ:ダイアモンド・イン・ザ・デザート』を鑑賞して、それを確信。

そして次も、彼らがタッグして創られた素晴らしい作品の代表作の一つ『インターステラー』(原題『Interstellar』)の楽曲。

映画『インターステラー』予告編


神秘に満ちた宇宙を描いた『インターステラー』の曲を、世界最大の360度プロジェクションドームとしての機能を持つアル・ワスル・プラザ・ドームエキスポ・シティ・ドバイ内)にて演奏収録された映像は、私たちが未知の、美しく壮大な世界観が表現されていて、もううっとり。

こちらも、映画『ハンス・ジマー&フレンズ:ダイアモンド・イン・ザ・デザート』の公式ホームページにライブ風景がアップされていますので、シェアさせていただきます。

映画『ハンス・ジマー&フレンズ:ダイアモンド・イン・ザ・デザート』より「インターステラー」演奏シーン

映画『ハンス・ジマー&フレンズ:ダイアモンド・イン・ザ・デザート』公式ホームページ:https://www.culture-ville.jp/hanszimmer

そんな神秘に包まれた後に続いたのは『ライオン・キング』(原題『The Lion King』)。
終盤にこれを持ってきたのは、1994年に、音楽部門でアカデミー賞、ゴールデングローブ賞、グラミー賞受賞を受賞した、ハンス・ジマーにとっても非常に輝かしい作品の一つだからゆえでしょう。

映画『ライオン・キング(1994)』予告編


なんと、この作品が公開されたのは、30年以上も前になるんですね。
実は、私の手元には、このサウンドトラックCDがあるのですが、今は亡き父が購入していたものを、勝手に奪った代物でして。
女優ゼンデイヤとの対談で、ハンス・ジマーが「6才の頃に父を亡くした自分が、娘のためにこの映画への参画を決めた」ということを語っていたシーンでは、私の映画や音楽好きは父の影響もあるので、思いもがけず、涙してしまいました。

このCDもずっと聴いていませんでしたが、思い出して、いそいそとiTunesにアップロードしています。


こんな私の個人的な思い出はどうでもいいでしょうが(私のブログなのでお許しくださいませ)、映画『ハンス・ジマー&フレンズ:ダイアモンド・イン・ザ・デザート』での『ライオン・キング』ライブ風景は、また凄かったです。
会場中に太鼓隊が現れて、ハンス・ジマーら演奏者とともにパフォーマンスを繰り広げるのです。
あの場に自分もいることができたら、どんなに楽しかったか…
コンサートに行った方を羨む気持ちもありますが、大画面と大音量の映画館でこの映画を観たことで、その臨場感を味わうことができたので、本当に良かったです。

さてここまで、相当長くなってしまいましたので、この他にも演奏、対談があるのですが、自分の想いも含めて記述しているとキリがないので、この辺で。
いずれにせよ、映画『ハンス・ジマー&フレンズ:ダイアモンド・イン・ザ・デザート』は歴史に残る作品となるだろうなと感じています。

TOHOシネマズ仙台では、通常会場で特別料金2,700円での上映でしたが、そこに追加料金払ってでもいいからDOLBY ATMOS(+200円)で観たかった!と思える素晴らしい映画でした。

ハンス・ジマーファンはもちろんのこと、映画音楽に興味がある方、ライブパフォーマンスの素晴らしさを体験したい方、そしてアートが持つ力に触れたいすべての人におすすめしたい作品です。


あなたが得た
感動体験って
どんなものですか?

リバイバル映画『はじまりの歌』で感じる、音楽と人生の輝き

〜そしてあの歌声の正体にも驚き、感動〜


映画好き!と言いながらも、昨年は仕事でぐったりで、気がつけば、なんと一度も映画館へ行くことができませんでした。
しかし、昨年末に仕事を辞め、年明けには基本自由の身となり、今は、少なくとも週に1回以上は映画館へ足を運ぶことができてます(しかも人が少ない平日に行けるから尚のこと幸せ)♪
なので、本当は観てきた映画について全て記録しておきたい気持ちは山々なのですが、今年はこれまで諦めてきたあらゆる学び直しや、やりたかったこと、加えてしっかり自分を労ることに時間を使っているため、およそ半年間、無職ながらも、毎日が充実していてあっという間です。

そんな中でも、先日、フォーラム仙台でリバイバル上映されていた『はじまりの歌』(原題『Begin Again』)を観てきて、これが素敵な映画で、まさに心が震える体験となりまして。

映画『はじまりのうた』のチラシ
(画像をクリックするとPDF画面が開き、拡大できます)

この作品、日本では2015年に公開されて以来、音楽好きの間ではもちろん、多くの方々の心をつかんできた名作とされています。
しかしながら、私、恥ずかしながら今までこの映画を観ずにおりまして、今回10周年記念のリバイバル上映ということで、これは見逃せない!と劇場へ足を運んだのでした。

そして、なぜ今、再びこの映画がスクリーンにかかるのか、観終わった後にその理由がよーく分かった気がしたのです。

・・・大好きな音楽が、人生を変える・・・

音楽にこだわるジョン・カーニー(John Carney監督の作品ですし、これがこの映画のテーマなのだろうと思いますが、音楽に限らず、自分が好きなことをしてこそ幸せな人生を歩めるのだ、ということを体現している作品なのではないかと、私には感じられました。

ところで、映画館では、時々ノベルティーなるものをいただける時がありますが、今回、今ではほとんど見ることがなくなった生写真のような加工が施されたこちらのカードをいただけて、写真好きの私には嬉しいサプライズも。


カードの下部に印字されている英文は、この映画の主人公の一人であるダンが言ったセリフです。

That’s what I love about music.
One of the most banal scenes is suddenly invested with so much meaning, you know?
音楽の魔法だ。
陳腐でつまらない景色が美しく輝く真珠になる。

(直訳したら、「それが俺の音楽の好きなところ。ありきたりなシーンが、突然、こんなにも深い意味を持つようになるんだ。わかる?」てなところを、本映画の日本語字幕ではこのように素敵に翻訳されていました)

映画『はじまりのうた』(原題『Begin Again』)は、一言でまとめると、ニューヨークを舞台に、シンガーソングライターの主人公グレタ(キーラ・ナイトレイ(Keira Christina Knightley))と、落ち目の音楽プロデューサー、ダン(マーク・ラファロ(Mark Alan Ruffalo))が出会い、共に音楽を創り上げていく物語で、登場人物それぞれが抱える葛藤や、人生の転機が、音楽を通じて繊細に、そして力強く描かれていきます。

特に印象的だったのは、ニューヨークの街中でゲリラ的にレコーディングしていくシーン。
街の喧騒や自然の音さえも音楽の一部として取り込み、そこから生まれるサウンドは、まるで魔法のよう。
彼らが音楽に情熱を傾ける姿を見ていると、観ている私たちも「何か新しいことを始めてみようかな」「もっと自由に生きてみようかな」と、そっと背中を押されるような気持ちになります。

そして、音楽をテーマにしているので当然と言えばそうかもしれませんが、何と言っても、音楽が最高!
劇中で生まれる楽曲はどれも心に響き、観終わった後もずっと頭の中でリフレインしています。
私もすっかり魅了されてしまい、思わずサウンドトラックのCDを購入してしまいました(笑)。
ここ最近は音楽をゆったり聴くという時間もほとんどなかったし、あったとしてもストリーミングで聴くくらいだったのですが、この映画をきっかけに、改めてじっくりと音楽と向き合う時間を持てたことが、個人的にはとても嬉しかったです。

映画『はじまりのうた』のパンフレットとサウンドトラックCD

さて、私自身がこの映画で体験した「あの歌声の正体」にまつわる、驚きと感動の再発見についても、是非シェアさせていただきたいと思います。

まず、主人公グレタを演じたキーラ・ナイトレイ
正直なところ、私は彼女が歌を歌うイメージがほとんどありませんでした。
あの『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズでの凛とした演技が印象的だったので、まさかこんなにも心に響く歌声の持ち主だったとは・・・!

ご参考までに、『パイレーツ・オブ・カリビアン』序章の予告編動画をあげておきます。

パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち 予告編
凛として強く美しきキーラ・ナイトレイ(エリザベス・スワン役)をご覧あれ!


映画『はじまりのうた』で彼女が歌い上げる楽曲はどれもが素敵で、透き通るような歌声と、感情のこもった表現にすっかり引き込まれてしまいました。
「え、彼女ってこんな歌声だったの!?」と、良い意味で衝撃を受けたのです。
彼女にとって本格的に歌声を披露したのはこの映画が初めてだったとか。
女優としての才能はもちろんのこと、新たな一面を知ることができて、ますます彼女が好きになりました。
映画のサントラを聴けば、あの感動がいつでも蘇ってきます。

そしてもう一つ、映画を観ていて鳥肌が立ったのが、グレタの彼氏・デイヴ役の歌声です。
彼の歌うシーンで「あれ?この高音が成せる歌声、どこかで聴いたことがあるような…?でも、誰だっけ?」と感じて。

映画を観終わってパンフレットを開いてみたら…なんと!
デイヴ役を演じていたのは、あの世界的ロックバンドMaroon 5(マルーン5)のリードボーカル、アダム・レヴィーン(Adam Levine)だったのです!
これには驚きました。
以下の予告編動画には明記されていますが、私自身はこれを事前に見ておらず、彼が映画に出演していること自体知らなかったもので・・・
(チラシにもよくよく読めば書いてあるのですが、こちらも事前にはしっかり読まず。そして情報過多の現代ですが、あまり多くを知らずのまま映画を観に行くのも楽しみの一つだから。結果そうして良かったです😆)

はじまりのうた 予告編
先に記述したダンのThat’s what〜のセリフもこの動画内で聞くことができます☆


実のところ、私、この映画で使われている曲も収録されているマルーン5のアルバム『V』をリリース時(2014年)に購入していたんです。
しばらく聴いていなかったので忘れてしまっていましたが、彼の歌声に聞き覚えがあったのは当然のことでした。
映画を観て自宅へ帰ってから、持っているCDの中から探し出し、改めて『V』を聴き直してみると、映画で感じた彼の歌声の魅力がより深く、そして鮮明に胸に響いてきました。
点と点が線で繋がるような、不思議で感動的な体験でした。


これは、音楽が繋ぐ、新たな発見と喜びとでも言えるでしょうか。
キーラ・ナイトレイアダム・レヴィーン、二人の歌声が織りなす音楽は、この映画の大きな魅力の一つです。
彼らの歌声が、物語の感情を一層豊かにし、観る者の心に深く刻まれます。

私のように「今まで知らなかったけれど、観てみたらとんでもなく素晴らしい出会いがあった!」という方はきっと少なくないはずです。
今回のリバイバル上映は、まさにそんな音楽と人との新たな繋がりを再確認させてくれる、貴重な機会だと感じました。

もしこれから『はじまりの歌』をご覧になる方がいらっしゃったら、ぜひキーラ・ナイトレイアダム・レヴィーンの歌声にも注目してみてください。
あなただけの特別な「発見」があるかもしれません。

そして、
もし、あなたが「最近、何か感動する作品に出会っていないな」と感じているなら。
もし、「音楽の力って、すごいな」と改めて感じたいなら。
そして、「新しい一歩を踏み出す勇気がほしい」と思っているなら。

この『はじまりの歌』は、あなたの心に温かい光を灯してくれるでしょう。
音楽が持つ力、人との出会いがもたらす奇跡、そして人生の再生。
観終わった後には、前向きな気持ちになれるのではないでしょうか。

残念ながら、フォーラム仙台での上映は6月26日(木)までですが、機会があればぜひ、DVDや配信などでご覧になってみてください。

私もこの感動を胸に、これからも音楽のある生活そして自分を生きる人生を大切にしていきたいと思います。



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