最後に、オランジュリー美術館の場所について、世界遺産情報と共に補足します。 前回の記事(https://calm-smile-chain.com/paris-museum-1/)にも記した通り、オランジュリー美術館はルーブル宮殿(Palais du Louvre)の敷地西側に広がるチュイルリー庭園(Jardin des Tuileries)の西端にあります。
設立年については、フォントネー修道院(Abbaye de Fontenay)の公式HP(https://www.abbayedefontenay.com/ja/)によると1118年とされているので、この1年の違いがなんなのかよくわかりませんが、いずれにせよ、現存する世界で最古のシトー会修道士の大修道院なのだそうです。
さて、お気づきでしょうか? ここでも出てきましたね、聖ベルナール(St Bernard)。 前日に訪れた世界遺産「ヴェズレーの教会と丘(Vézelay, Church and Hill/Basilique et colline de Vézelay)」に関わった人物で、ユネスコHPでも説明されていた聖人の名前です。 (ブログにも記載したのでこちらも併せてどうぞ→https://calm-smile-chain.com/heritage-vezelay/ )
ベルナールは、1112年、23歳の時に自身にとって理想的であったシトー会へ入門を果たすことができました。 そして、1118年にこのフォントネー修道院(Abbaye de Fontenay)を創設したのです。 (もしかしたら、ベルナールがこの修道院を作ることに着手したのが1118年で、正式に完成したのが1119年ということでしょうか…)
ブルゴーニュ観光の1日目に訪れた、世界遺産「ブルゴーニュのブドウ畑のクリマ(The Climats, terroirs of Burgundy/Les Climats du vignoble de Bourgogne)」の構成資産地域内にある「シャトー・デュ・クロ・ド・ヴージョ(Château du Clos de Vougeot)」もシトー会によるもので、そちらはワインが修道院の財源でしたが(https://calm-smile-chain.com/climats-burgundy/)、ここフォントネー修道院では、近隣で採れる鉱物を用いた冶金業が重要な財源だったのだそう。
ディジョン ヴィル駅 Gare de Dijon-Ville 住所:Cr de la gare, 21000 Dijon, France
そして早速、ブルゴーニュ観光のスタート。 ユネスコ世界遺産として登録されている「ブルゴーニュのブドウ畑のクリマ(The Climats, terroirs of Burgundy/Les Climats du vignoble de Bourgogne)」の、構成資産であるディジョン歴史地区へと向かいます。
さて、細い通りを抜けると、突如大きな広場が。 そこは、現在は市庁舎と美術館となっている旧ブルゴーニュ大公宮殿(Palais des Ducs et des États de Bourgogne)正面の、リベラシオン広場(Place de la Libération)でした。
この宮殿と広場は、こちらもまたフランスの世界遺産「ヴェルサイユ宮殿と庭園(Palace and Park of Versailles/Palais et parc de Versailles)」の設計を担当した一人であるジュール・アルドゥアン=マンサール(Jules Hardouin-Mansart、1646-1708)というフランス古典主義を大成した建築家による設計とのこと。 訪れた瞬間に独特の美しさを感じたのも納得でした。
ディジョン市庁舎 Hôtel de Ville de Dijon 住所:Pl. de la Libération, 21000 Dijon, France Webサイト:http://www.dijon.fr/
その後、旧市街を出て、少し歩きます。
ディジョンに2022年にできてまもない新しいスポット「ディジョン国際美食館(Cité Internationale de la Gastronomie et du Vin)」にちょっとだけ立ち寄りました。 2010年に「フランスの美食術」がユネスコ世界無形遺産に登録されたことがきっかけで建てられた施設だそうです。
ここの敷地内にあるカフェのジェラートを食べ喉を潤してから、友達の旦那さんと再び合流。 世界遺産「ブルゴーニュのブドウ畑のクリマ」のブドウ畑内をドライブし、構成資産でもある「シャトー・デュ・クロ・ド・ヴィージョ(Château du Clos de Vougeot)」へと向かっていただきました。
☆セーヌ川(Seine River) フランス北部を流れ、首都パリを通過してイギリス海峡に注ぐ河川。 フランス国内で最も重要な河川の一つで、パリ市内にはセーヌ川に架かる美しい橋や観光名所が点在し、「パリのセーヌ河岸(Paris, Banks of the Seine)」として世界遺産に登録されています。
☆ロワール川(Loire River) フランス最長の河川で、フランス中部を流れています。 美しい自然が広がる風景と多くの歴史的な城が点在しており、「シュリー=シュル=ロワールとシャロンヌ間のロワール渓谷(The Loire Valley between Sully-sur-Loire and Chalonnes)」として世界遺産に登録され、ブドウ畑が広がる地域です。
☆ガロンヌ川(Garonne River) フランス南部を流れ、ピレネー山脈に源を発して大西洋に注ぎます。 フランス南西部の中心都市である港町で世界的なワインの産地ボルドーや、赤レンガ造りの建物が並び「バラ色の街」とも呼ばれるトゥールーズなどの都市がこの川の流域に位置し、商業や農業に利用されています。 ボルドー・リューヌ港(Bordeaux, Port of the Moon)もまた世界遺産として登録されており、この港の名「リューヌ」は、湾曲するガロンヌ河岸に発達した町の形状に由来し、フランス語で「月」を意味します。
私が取り上げたのは、一般的にもよく知られている、「プエルト・プリンセサ地下河川国立公園(Puerto Princesa Subterranean River National Park)」と「フィリピン・コルディリェーラの棚田群(Rice Terraces of the Philippine Cordilleras)」。
パワラン島中央部の港町プエルト・プリセンサの北にセント・ポール山地があり、その地下を流れるのがプエルト・プリンセサ地下河川。 自然の宝庫としての価値を持つ世界遺産として1999年に登録された「プエルト・プリンセサ地下河川国立公園(Puerto Princesa Subterranean River National Park)」は、8.2mにも渡る世界最大の地下河川を有し、壮大な石灰岩の洞窟内を流れる清澄な水で満たされ、天井から吊り下げられた美しい鍾乳石や岩の形状が、訪れる人々を魅了するのだそうです。
次に、世界遺産として1995年に登録された「フィリピン・コルディリェーラの棚田群(Rice Terraces of the Philippine Cordilleras)」について。 こちらは、首都マニラを抱えるフィリピン諸島最大の島であるルソン島の北部に位置するバナウェ村から広がる美しい棚田で、その景観は「天国への階段」とも呼ばれています。 地元の農耕山岳民族イフガオ族(Ifugao)によって約2,000年以上にわたって築かれてきたこの棚田を伸ばしたら、なんと地球半周分の長さになるほどだそうで、棚田地帯の規模は世界最大級を誇ると言います。
一つは、世界遺産として1999年に登録された「ビガンの歴史地区(Historic City of Vigan)」。 フィリピンのルソン島北部に位置する都市ビガンは、スペイン植民地時代からの歴史的な建築物と美しい街並みが広がる魅力的な場所で、「カレサ」と呼ばれる馬車に乗って、石畳の道やバロック様式、ネオゴシック様式など、多様な建築様式を持つ建物が点在する歴史的な通りを巡ることができるのだそうです。
9.イタリア:ローマ歴史地区と教皇領、サン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂(Repubblica Italiana:Historic Centre of Rome, the Properties of the Holy See in that City Enjoying Extraterritorial Rights and San Paolo Fuori le Mura) [文化遺産として1980年に登録/1990年に範囲拡大および2015年に範囲変更]
オランダの首都アムステルダムは、水路が街の中にはりめぐらされた運河の街。 この運河地区は「アムステルダムの中心部:ジンフェルグラハト内部の17世紀の環状運河地区」(Seventeenth-century canal ring area of Amsterdam inside the Singelgracht)という名称で2010年に世界遺産として登録されました。