フランスのノルマンディー地方、パリから西へ70kmほどのジヴェルニー(Giverny)という小さな村にモネの家と庭園があります。 印象派の巨匠クロード・モネ(Claude Monet、1840-1926)はここで43歳から86歳で亡くなる時までを過ごし、大作「睡蓮(Les Nymphéas)」を生み出しました。 映画「ミッドナイト・イン・パリ」は、舞台のほとんどがフランスの首都パリですが、パリ郊外も一部登場します。 先のブログ(https://calm-smile-chain.com/midnight-in-paris/)で概要を記述した通り、映画はジャズ名曲「Si Tu Vois Ma Mère」に乗せて流れる現代の何気ないパリの日常の映像というオープニングで始まるのですが、曲の終了と同時に、物語はこの美しいモネの庭を舞台に幕を開けます。
パリといえばコレ、ですね。 行ったことがなくても、興味がなくても、知らない人はほとんどいないでしょう。 世界遺産「パリのセーヌ河岸(Paris, Banks of the Seine)」の構成資産の一つでもあります。 324mもの高さを誇るこの巨大で芸術的な鉄の塔が、パリの象徴として映画に幾度も現れます。
シャンゼリゼ通りもまた世界遺産「パリのセーヌ河岸」の構成資産の一つで、その名称は誰もが知るであろう有名な大通り。 エトワール凱旋門(Arc de triomphe de l’Étoile)からコンコルド広場(Place de la Concorde)まで全長約2.5kmに渡る緩やかな坂道の美しいマロニエ並木からなる通りで、老舗ブティックやレストラン、カフェなどで賑わっています。 なお、コンコルド広場は世界遺産「パリのセーヌ河岸」の構成資産であるものの、エトワール凱旋門は構成資産となっていません。 ”凱旋門”といえば、エトワール凱旋門からコンコルド広場を挟んで対極に位置するカルーゼル凱旋門(Arc de triomphe du Carrousel)が「パリのセーヌ河岸」の構成資産となっています。
パリから約20km南西に位置するフランス北部のイル=ド=フランス地域圏(Île-de-France)のコミューン(基礎自治体)であるヴェルサイユにある壮麗な宮殿で、世界遺産「ヴェルサイユの宮殿と庭園(Palace and Park of Versailles)」として登録されています。 映画の前半で、主人公のギルとフィアンセのイネズ、そしてたまたまパリで会った友人夫婦が、4人で連れ立ってヴェルサイユ宮殿の庭園を歩くシーンがあり、その広大さと美しさを見て取ることができます。
19世紀の当初はワインの貯蔵庫として使用されていましたが、その後、所有者のジャン=ポール・ファヴァン(Jean-Paul Favand)氏によってコレクションされたメリーゴーランドの乗り物やアーケードゲームなど、遊園地のオブジェを集めた私立博物館としてオープンしました。 映画ではギルが過去の時代へと3度目にタイムスリップする場所で、F・スコット・フィッツジェラルド(F. Scott Fitzgerald、1896-1940)が主催するパーティー会場として描かれていますが、今も見学可能で100年以上前の遊具を体験することができるという大人も遊んで楽しめる博物館です。
フランスを代表する美しい川で、全長777キロメートルに及び首都パリを流れます。 セーヌ川の河岸のうち、シュリー橋(Pont de Sully)からイエナ橋(Pont d’Iéna)までのおよそ8kmほどが、すでに述べている通りの世界遺産「パリのセーヌ河岸(Paris, Banks of the Seine)」として登録対象とされています。 映画には何度も登場するのですが、パリの美しい街並みを反映する鏡のような存在であるこの河岸が、映画の終盤で夜にライトアップされて映し出された景色が特に幻想的です。
“パリ発祥の地”とも称されるシテ島(Île de la Cité)に建つゴシック様式の大聖堂で、その美しい建築や彫刻、ステンドグラスなどから美術史上でも重要な位置付けとされています。 世界遺産「パリのセーヌ河岸(Paris, Banks of the Seine)」の構成資産の一つでもありますが、2019年の4月に火災が発生し尖塔が焼け落ちた事件は記憶に新しく、今も修復が続けられています。 映画「ミッドナイト・イン・パリ」が制作されたのは2011年のこと。当時の姿を拝見してみたかったものです。
ムーラン・ルージュはフランス語で「赤い風車」という意味で、パリ北部のモンマルトルにある世界的に有名なカバレット劇場(キャバレー)です。 1889年に開業し、特にモダンなカンカンダンスのショーで知られ、見事なエンターテイメントで多くの人々を魅了してきました。 映画では、ギルがアドリアナと一緒に1920年代からさらにさかのぼってベル・エッポクの時代へとタイムスリップすることとなり、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック(Henri de Toulouse-Lautrec、1864-1901)とここで出会います。
1900年のパリ万国博覧会に際して建設されたセーヌ川に架かる橋で、世界遺産「パリのセーヌ河岸(Paris, Banks of the Seine)」の構成資産の一つです。 映画のラストシーンで登場するのがこの橋で、ギルがとある女性と再会します。 雨が滴りキラキラと輝く情緒あるパリの風景、物語の流れにも思わず頷いてしまうシチュエーションで、ホッと和むエンディングに静かで穏やかな感動を覚えます。
コール・ポーター(Cole Porter、1891-1964) アメリカの作曲家・作詞家で、1910年代後半から1920年代後半にかけてパリに在住していました。彼の曲は数多くのミュージカルや映画で使われ、ジャズのスタンダードとしても愛されています。 映画では、主人公ギルがタイムスリップしたばかりの場面で訪れたパーティー会場で、コール・ポーターがピアノを弾きながら名曲「Let’s Do it, Let’s Fall in Love」披露しています。
F・スコット・フィッツジェラルド(F. Scott Fitzgerald、1896-1940) アメリカ文学の象徴的な作家で、ゼルダと結婚した同年の1920年に処女長編「楽園のこちら側」が全米ベストセラーになったことや、1974年にロバート・レッドフォード主演、2013年にはレオナルド・ディカプリオが主演で映画化された「華麗なるギャツビー」などの作品で知られています。1924年から1930年まで、ゼルダと娘とともにフランスに移住しました。 映画では、過去にタイムスリップしてしまったことにまだ気がつけていないギルが、F・スコット・フィッツジェラルドから「このパーティーのホストはジャンコ・クトーだ」と聞き、「冗談がきつい」と返すのですが、フィッツジェラルド夫妻はギルがつまらながっていると勘違いし、他の場所へと連れ出します。
本日取り上げますのは映画「ミッドナイト・イン・パリ(原題:Midnight in Paris)」。 映画界の巨匠ウディ・アレンが脚本と監督を務め、2011年に全編パリで撮影されました。 2012年のアカデミー賞とゴールデングローブ賞でどちらも最優秀脚本賞を受賞し、その他の数々の賞にもノミネートし受賞しています。
さて話がそれましたが、映画「ミッドナイト・イン・パリ」はオープニングがまた良いのです。 シドニー・ベシェのジャズ名曲「Si Tu Vois Ma Mère」をBGMに、現代の何気ないパリの日常の映像が映し出されます。 何気ないといっても、そこはパリ。 美しい名所の数々をおよそ3分の曲分いっぱい堪能することができます。
まず、「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(原題:Avatar: The Way of Water)」。 現代の映画界の巨匠ジェームズ・キャメロンによる超大作「アバター」の一作目を観た時は、「マトリックス(一作目)」を観た時の衝撃に近かったですね。 それからおよそ10年後の続編、観ないわけにはいかない。 こういった類の作品は内容というより、単純にVFXの世界を楽しむだけでも良いと思うのですが、やはり続編ともなると、その物語にも力を入れられているのを感じます。
「マトリックス」第1作目が日本で公開された1999年といえば、マイクロソフト社によってWindows NT 4.0の後継として開発されたWindows2000がリリースされた年で「2000年問題」も話題だった時代、まだ社会人になってまもない私でしたが、当時、この先IT(Information Technology/情報技術)への理解が絶対重要になると感じていた私には、「マトリックス」のテーマ性にかなり惹かれました。