青い鳥 クリスマスにもおすすめの絵本

クリスマス・イブを舞台にした不朽の名作 チルチルとミチルの物語


チルチル・ミチル。
誰もが知る響きだとは思いますが、それがなんの話だったか、意外と詳しくは知らない人も多いようですね。

チルチルとミチルは、ベルギーの詩人で劇作家のモーリス・メーテルリンク作「青い鳥」に出てくる主人公兄妹の名前です。

貧しい木こりの子、チルチルとミチルが、魔法使いに頼まれて、クリスマス・イブに、幸せの象徴である「青い鳥」を探しに出かけるお話。
動物や、身の回りのモノをお供におとぎの国を冒険する、結構ハラハラドキドキで、子どもから大人まで興味をそそられる物語ですが、テーマ性がシビア。『幸福とは何か』について考えさせられるとても深い内容です。


人生いかに生きたらいいのか」という探求の哲学を持っていたというメーテルリンク
青い鳥」の主題も『死と生命の意味』で、ノーベル文学賞を受賞し、世界の名作として、映画や舞台化されたり、児童以上向けに文庫本として出されているものもあれば、小さな子ども向けに絵本として出されているものまで、様々なバージョンがあります。

私は、子どもの頃、こんな感じ(下図)の絵本を持っていて、自分と同じ年頃の兄妹が不思議な冒険をするという物語が想像力を掻き立てれ、気に入って、なんども繰り返して読んだことを覚えています。


ただ、クリスマスの時のお話だったということは、大人になって改めてこちらの本を見るまでは全く記憶になく・・・


こちらは、世界文化社出版の1969年刊「世界の名作」という絵本シリーズのもので、文は高田敏子さん、絵はいわさきちひろさんによるものです。

青い鳥」については、以前ご紹介した日野原重明先生のご著書(テンダー・ラブ―それは愛の最高の表現です。)に取り上げられていたことをきっかけに、改めて読んでみたいと思いまして、どれにするか悩んだのですが、いわさきちひろさんの絵が素敵だな〜と感じて購入したものです。


先に示したアニメ風のコンパクトな絵本に比べ、こちらは字数もページ数も多く、いわさきちひろさんによる挿絵が美しく、絵本の中でも、大人も十分に楽しめる内容となっています。


付録として、メーテルリンクについての裏話や、子どもに読み聞かせるためのポイントなどが、解説として掲載されている点も気に入ってます。

日野原先生の本にしても、こちらもそうなのですが、私がお気に入りの本は絶版となってしまっているものが多く、できればこれからも多くの人に触れていただきたいのですが、そうもいかないようなのが残念です・・・
ご興味のあるかたは、古本もしくは図書館で、ご覧くださいませ。

でも、私は持っていないのですが、いわさきちひろさんの絵による「青い鳥(あおいとり)」は、文章は立原えりかさんで、講談社から出されているものもあり、こちらはまだ新品で手に入れることができます。


もし、いわさきちひろさんの絵がお好きであれば、こちらも良いかもしれません。

2020年の締めくくりに、自分へのクリスマスプレゼントとして、本当の幸せについて考える本「青い鳥」を、手に取ってみるのはいかがでしょう・・・?

関連記事
愛とは、誰かの心に 希望の灯をともすこと/心に留めておきたい、愛の医師 日野原重明先生からのメッセージ


あなたの
青い鳥は
どこにいますか?


忠実さと、人間のふれあいを忘れない心を

不安な現代にこそ多くの人に知ってほしいマザー・テレサの言葉


先日、栃木に行って来ました。
過去に勤めていた職場で自ら命を絶ってしまった人がいて、その人のご実家が栃木のため、それから毎年必ず、お焼香をしに訪れるようにしているためです。

私も、兄であり父のような存在だった叔父が、震災で心を病んで命を絶ってしまったこともあって、元職場で亡くなったかたのご両親とは心が通ずるところもあり、悲しいきっかけではあるのですが、同胞のような良い関係を築いています。

このご夫婦の亡くなった息子さんにしろ、私の叔父にしろ、亡くなってから数年の月日は経っていますが、その悲しみは、消えることはありません。

確かに、時間が癒してくれている部分はあります。
「運命ということなのかもしれない、起きてしまったことは仕方がないし、残された私はその死を無駄にしないような生き方をして行こう」と、嘆いてばかりいられないことを、私たちは悟ることができています。

しかしやはり、「なぜ死んでしまったの、あなたが突然いなくなってしまったことはあまりにも悲しすぎる」という気持ちは、ずっと残っています。
この気持ちが消えることはないでしょう。
平常時は考えないようにしていても、ふと考え始めれば、涙は勝手に溢れてきます。

今、コロナの問題によって、世界で自殺者が急増しているといいます。
特に、この日本ではその数が多く、コロナの感染によって招かれる死亡者数以上であることが、海外からも驚かれているほどとのことですね。
そもそもとして日本は、裕福で平和な国と言われながらも、メンタルヘルスの大きな問題を抱えていることが、この悲しい現実に繋がっているという見方もあります。

自分の心に抱える苦悩を人に言えない重圧な環境、そして、そんな本来であれば違和感のある環境を、当たり前と感じてしまっている人々・・・

このような時代だからこそ、自分たちの感覚がおかしくないか、人としての感情とはどういったものであるかを、思い直す必要があるのではないかと感じています。

そんな中で、一人でも多くのかたに今一度触れてほしいと思うのが、マザー・テレサの言葉です。

マザー・テレサを知らない人の方が少ないでしょうけれども、改まって触れたことがあるという人はあまりいないのではと思いますので、ここで少しご紹介したいと思います。

人間のほほえみ、人間のふれあいを

忘れた人がいます。


これはとても大きな貧困です。


先に述べた日本の抱える「メンタルヘルスの問題」というのは、マザー・テレサの言葉を借りて言えば、「心の貧しさ」ではないでしょうか。

心からの楽しさや嬉しい気持ち、幸せな気持ち、感謝の気持ちで笑顔になれているか、うわべだけでない本当の心の触れ合いを持てているか。

一人ひとりが心から笑える日々を送り、損得なしで人間関係を育くんでいくことで、本当の豊かな社会に繋がっていくのではないかと思います。

神が私に望んでいらっしゃるのは、
事業を成功させることではなく、
忠実に生きることなのです。

神と相対して生きているとき、
大切なのは結果ではなく、
忠実さなのです


小さな事に忠実でありなさい。

小さな事の中に

あなたの強さが宿るのですから


ここでマザーの言う『忠実でいる』ってどういうことでしょう?
私は、正直に生きるとか、自分の信念をブレさせないこと、等身大の自分を大切にする、心を込めて物事に取り組むとか、そういうことかなと思っています。

小さなことにも忠実に、そして人としてのあたたかい感情を失わないように生きていきたいです。

なお、マザー・テレサに関しては、報道写真家の沖守弘氏の著作「マザー・テレサ あふれる愛(講談社青い鳥文庫)」について述べた記事もありますので、よろしければ、こちらも併せてご覧いただけましたら幸いです。

愛の人 マザー・テレサ その1/マザー・テレサを取材し続けた沖守弘氏
愛の人 マザー・テレサ その2/マザー・テレサを取り巻く人々

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叔母の愛とクロネコヤマトさん/私が生活できている理由


あなたは
日々に違和感を
感じていませんか?

心を健やかで穏やかに保つヒント集「上手な心の守り方」

枡野俊明住職による禅的心のセルフケア
「上手な心の守り方: 不安、悩み、怒りをこじらせない、99のヒント」枡野俊明(著) 知的生きかた文庫

先日、尊敬するかたとしてご紹介させていただいた枡野俊明ご住職による本
上手な心の守り方 〜不安、悩み、怒りをこじらせない、99のヒント〜
ですが、既に希少なようですね・・・
これも、ストレス社会と言われる現代のあらわれかと思います。

先日の記事↓
本当の幸せに繋がる枡野俊明住職の教え/まずは「上手な心の守り方」からご紹介




こちらの本は、全章において、右側のページに文言が一言書かれて、左側のページにその解説がなされ、見開き1ページで一つのポイントに絞られているので、活字が苦手なかたでも触れやすく、万人にとても親しみやすいものとして構成されています。
本好きなかたなら、スラスラ、一晩で読み終えてしまうと思います。

私の場合、本を読む時は、感銘を受けた部分や、自分の中で大切にしたいと感じた部分には、線を引いたり、付箋をつけたり、少なくとも端っこを折ったりして、後から見直した時にも印象に残った部分であったことをわかるようにしているのですが、この「上手な心の守り方」はこんな感じで、だいぶ折り目がついてしまっています。
この本を購入した時はまさに心が弱っている時だったので、なおさらだったのだろうと思います。

現在の私は回復しているので、今ならこれほど印はつかないと思いますが、調子がそれなりに良い時こそ、忘れてはならないなと感じる部分もたくさんあったりします。


さて今回は、頑張ってもうまくいかない自分に落ち込む時や、自分以外のできない誰かの言行にイライラしてしまうような時に、思い出したいメッセージからピックアップして、ご紹介させていただきますね。

1章 まず、自分を嫌わない
 〜「心を守る」ための絶対のルール
 より


不完全でよしとする



「完璧」なんて、世の中にない


すぐに「自分の努力不足のせい」にするのをやめよう


上手な心の守り方 p.20-21


禅では「完璧」「完全」という概念を否定する。
西洋では、寸分も狂いなく左右対称、これ以上の入れようがない形を「完全な美」とするのに対し、禅に立脚した美意識を持つ日本では、その完全を一度壊して、自身の思いや人間性などを加えていく。たとえば抹茶茶碗の形のゆがみや色ムラなどのあるものが「不完全の美」として尊重される。

「物事にはすべて完全・完璧はない

「どこまで行っても、その先に努力の世界が開けている」

努力に終わりはないのだから、常に努力が不足していて当たり前。
何かうまくいかないことがあるから「努力不足」なのではなく、うまくいこうがいくまいが、さらに努力する余地がある、ということ。
うまくいかないからと自分の努力不足のせいにして落ち込むことに意味はないと考え、「不完全の完全」を目指すことこそが尊いのだ。

そのように、枡野俊明ご住職は教えてくださっています。
努力に終わりはないのだから、常に努力が不足していて当たり前」という発想、目から鱗ですね。
そして、「不完全の美」から「不完全の完全」とは、深い哲学ですが、この禅的思考は素敵ですし、心の拠り所としたいです。


あなたは
完璧だけを
求めていませんか?


「上手な心の守り方: 不安、悩み、怒りをこじらせない、99のヒント」枡野俊明(著) 知的生きかた文庫
「上手な心の守り方: 不安、悩み、怒りをこじらせない、99のヒント」枡野俊明(著) 知的生きかた文庫

創作造形活動の効能は誰にも有効

臨床美術は難しいものではないのです♪


時々このブログでも述べさせていただいている「臨床美術」についてですが、気になるけど「臨床」ってことは患者さん向けなの?とか、なんだか難しそうという声もお聞きする、今日この頃です。

以前ちょとだけご紹介しました「改訂新版 臨床美術」という本、こちらは臨床美術を知っていただくものとして、一般向けに刊行されている大変オススメのものではありますが、サブタイトルに「認知症治療としてのアートセラピー」とされていることもあり、万人向けではないような印象を持たれるかたも多いようです。

過去の記事↓
臨床美術を初体験した時の感動 その3/デジタル画とアナログ画 そして臨床美術のアートプログラム

臨床美術」は、この本の編集者である金子健二先生(宮城県出身の彫刻家)が、ご自身の親御さんの認知症改善に美術が有効ではないか?ということを経験を持って考え始めたことをきっかけに開発されたものなのです。
この本の中に、その興味深い経緯が詳しく書かれていますが、元々認知症改善へ向けて生み出されたものが、開発されてから数年、認知症改善だけでなく、介護予防や、働く人のストレス緩和、子どもの感性育成などへの効果があるとして、普及していきました。

金子先生はこの本の中で、次のように述べられています。

臨床美術において、また美術教育において、作品に優劣をつけることは危険であり、私は反対です。

学校教育では当たり前のようにしている「評価」ですが、美術作品というものは本来「心の叫び」です。

上手、下手などどいった「評価」は左脳世界のすることであって、右脳世界の美術では意味のないことです。

まして臨床美術では、そのような優劣の価値判断は禁物です。
ですから、「うまいですね」というほめ言葉は使いません。
具体的に良いところを見つけて励まし、ほめることが大切です。

改訂新版 臨床美術」p.37

上手・下手という言葉で「評価」しないで、触れる聞くほめるのが「臨床美術」であり、それが本来の美術教育でもあるということですね。

というわけで、難しい響きに感じられてしまうこともある「臨床美術」ではありますが、勝ち負けのないアート、誰にでも楽しんでいただけるものであり、変化の激しい時代において不安を感じて生きる人が多い昨今では、ますます必要とされていくものと思います。

臨床美術チラシ

また、この本には、私の尊敬する人として既にご紹介した関根一夫先生による考察文もありまして、ここでは「ファミリーケア」の重要性について述べられています。

例えば、対象となる患者さんとそのご家族の関係性であったり、実はご家族自身が心の問題を持っているだとか、そういったことに目を向けることの必要性を説かれています。

臨床美術の一環として、家族が安心して愚痴をこぼせたり、どういうふうに患者さんと接したら良いのかを一緒に考える「ファミリーケア」の役割がいかに大きいかということがよくわかる内容です。

関根一夫先生についての過去の記事はこちら
いてくれてありがとう/いつも忘れずにいたい素敵な言葉

改訂新版 臨床美術」は「臨床美術」が開発されて間もない頃に編集された本なので、主に認知症の患者さんを対象に述べられてはいますが、家族の中での問題や人間関係での問題という点では、何もご病気のかたがいらっしゃるところだけでの話ではないですよね。
人間関係の問題というのは、人の心の問題があって発生するもの。
その心の問題の改善に「臨床美術」は効果が期待できるので、是非とも多くのかたにお試しいただきたいと思うのです。

ちなみに、特に問題などはないという方々にとっては、日々の生活に彩りが増す、そんな効果があります。
例えば、写真を撮ることが好きなかたは、何気なく歩いている時でも道端の花に目が行くとか、空が美しいなとかしみじみ感じるのではないかと思いますが、その感覚と似ています。
何か趣味を持ちたいな、という人にもうってつけだと思いますよ♪


あなたにとって
美術とはどういうもの
でしょうか?

改訂新版 臨床美術

本当の幸せに繋がる枡野俊明住職の教え

まずは「上手な心の守り方」からご紹介


「柔軟心」という言葉をご存知ですか?
柔軟な心?なんだか素敵な響き♪
この言葉、実は禅語で、正しい読み方は「にゅうなんしん」というのだそうです。

“「柔軟心」とはつまり、決まった形のない心のこと。
物事に対する考え方が「こうあるべき」「こうあらねばならない」と一つに固定されておらず、状況や相手に応じて自由自在に変わっていくことを意味します。

心はどんなに「強く」したところで、このストレス社会においては、傷ついてしまうし、折れてしまうからです。

自分の心をどんなに固く分厚い殻で覆ったところで、それがすべてのストレスを跳ね返してくれるシェルターにはなりえないのです。
むしろ不安や悩み、迷い、怒りをこじらせてしまうことになりかねません。

もちろん、ときにはストレスを「跳ね返す」心の強さも必要です。

しかし、ときにはストレスを上手に「受け入れる」ことや、上手に「受け流す」ことも必要になってきます。
たとえるなら、空に浮かぶ雲のような柔軟さで。”

知的生きかた文庫「上手な心の守り方: 不安、悩み、怒りをこじらせない、99のヒント」p.3-4より

このように記された前書きによって始まる、枡野俊明さんのご著書「上手な心の守り方: 不安、悩み、怒りをこじらせない、99のヒント」は、私自身、心が折れかかっている時に読んで、とても励みになった本の一つです。

上手な心の守り方: 不安、悩み、怒りをこじらせない、99のヒント」目次

1章 まず、自分を嫌わない
 「心を守る」ための絶対のルール
2章 絶対、無理をしない
 「自分を大切にする」とはこういうこと
3章 すぐに、人と競わない
 「自分の物差し」でしっかり生きる
4章 ささいなことで、怒らない
 心をすり減らさないためのコツ
5章 いつまでも、クヨクヨしない
 落ち込んでもいい、でも早く立ち直ろう


この本の中で特に私の心に響いたヒントについては、また改めてお伝えさせていただくとして、まずは、枡野俊明さんについてのエピソードを簡単にご紹介させてください。

枡野俊明(ますのしゅんみょう)氏。曹洞宗徳雄山建功寺住職で、作庭家でもいらっしゃいます。
僧侶でありながら作庭家、いわゆる庭のデザイナーとして高い評価を得られ、数々の賞を受賞し、多摩美術大学やブリティッシュコロンビア大学で教鞭を執られるほか、禅の教えをわかりやすくかつ多方面から解いた本を数多く出され、平成18年(2006年)には、ニューズウィーク日本版において『世界が尊敬する日本人 100人』にも選出されました。

ニューズウィーク日本版 Newsweek Japan 2006/10/18号


そんな素晴らしいかたに、数年前、私はお会いする機会に恵まれました。
たまたま仕事で枡野俊明さんの講演会の企画にたずさわることができたのです。

実は私、その講演会の企画が上がる前からすでに枡野俊明さんの本を何冊も読み、大ファンだったので、その企画が現実となる時にはもう天にも登るほどの思いでした。
講演当日にお会いしたご住職は、常に誰に対しても、物腰が柔らかく、穏やかな表情をたたえ、漂うおおらかさに、ファンである私は舞い上がりつつも、大きな安心感を覚えました。

ご講演は当然のことながら、素晴らしい。
僧侶さんですからご発声も良いので、聞き取りやすく、聴講者の様子に気配りされながら進められるお話は、あっという間に感じました。

そして、講演会の後にはこちらからお礼をお送りしたのですが、それに対して、ご丁寧にもご本人からお手紙とお電話とでお礼をくださったのです。
手紙と電話で、ダブルで、ですよ。
講演の依頼をしたのはこちらですし、わざわざお礼のお手紙をくださるだけでもありがたいことなのに、いち担当者の私に直接電話までくださるなんて。こんなスゴイかたがこれほど謙虚とは!と驚くとともに、尊敬の念が増したことは言うまでもありません。


さて、この、私が心から尊敬してやまない枡野俊明さん、結構な勢いで本を書かれていらっしゃいます。
私が持っているだけでも10冊です。
確かに、これだけ本を出されていると、時々購入者レビューにもあるように、かぶる内容もあり、低評価を下すかたもいらっしゃいますが、枡野俊明さんのようなかたがおっしゃるような事柄には、繰り返し触れることで、私たちの心身の豊かさが持続されるのではないでしょうか。

今後、時々、枡野俊明住職の教えをここで記していくことで、心と生活の平穏を保っていきたいと思います。

関連記事
心を健やかで穏やかに保つヒント集「上手な心の守り方」/枡野俊明住職による禅的心のセルフケア


あなたは
心のセルフケア
できていますか?


「上手な心の守り方: 不安、悩み、怒りをこじらせない、99のヒント」枡野俊明(著) 知的生きかた文庫
「上手な心の守り方: 不安、悩み、怒りをこじらせない、99のヒント」枡野俊明(著) 知的生きかた文庫

「さあ、本当の自分に戻り幸せになろう」を読んで軌道修正

人生は、いつからでも、新しいスタートを切ることができる


ここほんの数ヶ月ですが、「なんでそんなにバカなんだ」「イライラする」「気が利かねー奴だな」「役立たず」そんな罵声を浴びせられています・・・

おそらく、そういう言葉がけによる人材教育方法という、その人独特の美学みたいなのがあってなのだと思いますが、こういうやり方で指導されて、モチベーションが上がる人って一体どれだけいるのでしょう?

確かに私に不備があるから言われるわけで、私が完璧になればいいのかもしれないけれど、もうこんなことに耐えられん!と思ってしまうのは、私だけでしょうか・・・?

耐えられんと言いつつも、私の場合、これまでいろいろ辛い厳しい経験はしてきている分、いい意味でも悪い意味でも鍛えられているので、「コンチクショー」的な気持ちでムキになって頑張ることはできなくはないのです。
でもそれは、「モチベーションが上がって」頑張るのとは、全く意味が違う訳で。

こんなの、精神衛生上いいはずがない。
どんな間柄であろうと、相手に罵声を浴びせることを平気でするような人を尊敬することもできない。
そういう人と限られた時間を共ににするのは無駄ではないか?
しかし、そう考える私の方が甘いのか?

そんなことを思って心がすさんでいきつつある矢先、本屋さんでふと目につき、購入して一気に読み終えた本がこちら↓

さあ、本当の自分に戻り幸せになろう」( ディスカヴァー・トゥエンティワン出版)

さあ、本当の自分に戻り幸せになろう」はNYタイムズ・ベストセラーというわけで、著者は、マーク&エンジェル・チャーノフ(Marc Chernoff and Angel Chernoff )さんというアメリカのご夫婦です。
お二人による、毎月200万PVのアクセス数を誇るブログ “Marc & Angel Hack Life” を書籍化されたものが、今年(2020年)7月に日本でも発刊されベストセラーとなっています。

本書より、私の気持ちがとてもラクになったのはこの部分↓

他人のネガティブな感情に振り回されない



人から粗末に扱われても、自分らしさを貫いてください。
他人の恨みに引きづられて、自分を変えてはいけません。
代わりに、その相手を反面教師にして、自分の熱意と集中力を保ってください。

とくに、自分を不十分だと言う相手に好印象を与えるためだけに自分を変えてはなりません。
何をしても、どんなにきちんとやり遂げても、陰口をたたく人はいます。
何かを強く信じているなら、そのために闘うことを恐れてはなりません。

(「さあ、本当の自分に戻り幸せになろう」p.193)

あなたは、1年前、1カ月前、1週間前のあなたと同じではありません。」と、「人生は、いつからでも、新しいスタートを切ることができる」のだと、この本は教えてくれます。
自分の気持ちに正直になることを後押しされ、幸せだと感じるための行動を起こすことに前向きになれました。

私は心のあたたかい人たちと繋がって、穏やかで安らぎのある世界に生きたいんだった。
これだけは、もう絶対ブレさせたくない。

そう、改めて思いました。

そして、捨てる神あれば拾う神ありで、ちょうどこのタイミングで、心が広く愛の活動に勤しんでいらっしゃる尊敬するかたからお声がけされたもので、「尊敬するかたから私が必要だと言われた。私などはあなたにとっては役立たずで申し訳ないので、そのかたに付いて行き、一からやり直したい」と、前出の罵声の主サマへは伝え、再び新たなスタートを切ることになりました。

今の淀んだ環境から抜け出せるとはいえ、再び新しい環境に臨まなくてはならなくなることには、正直、とても大きな不安もあり、悩みましたが、人生には限りがあるわけで、騙しだましで不毛な時間を過ごして、後から後悔するようなことにはなりたくないのです。

どこに行っても試練はつきもの。
その遭遇した壁は乗り越えることに意味があるのかどうか、本当の自分の幸せに繋がるのかどうかを見極め、時には無理に壁を超えようとせず、回避することも必要ではないでしょうか?

より良い人生を送るためにも、軌道修正は早い方が良い。
自分に嘘はつかずに生きて、幸せを取り戻していきたいと思います。


あなたは
本当の自分
を生きていますか?

さあ、本当の自分に戻り幸せになろう 人生をシンプルに正しい軌道に戻す9つの習慣

愛とは、誰かの心に 希望の灯をともすこと

心に留めておきたい、愛の医師 日野原重明先生からのメッセージ


少し前になってしまうのですが、「人間が人間を愛したり尊敬したりするあたりまえの心を狂わせてはならない」と愛を訴える、心あたたかな医師、日野原重明先生の著書「テンダー・ラブ tender love」について、概要のみを紹介させていただきました。

過去の投稿「テンダー・ラブ tender love/日野原重明先生の愛すべき名著


この本について、その後、興味を持たれた方からリクエストをいただきましたので、私がお気に入りの一部を、抜粋にて紹介させていただきたいと思います。

愛には、与える愛と受ける愛とがあり、愛はその二つの思いと行動のバランスのなかに成り立つものです。
コップに水を注ぐことなくしてコップに水を受けることばかりしておれば、容器はだんだんひからびたものになってしまいます。
クリスタル・ガラスのように透明だった心の器も、不透明な重い陶器のようになって、あなた自身にも自分の心が透けて見えなくなります。

あなたが愛に飢えてやるせない気持ちになったとき、もう一度あなた自身、すなわち内なるあなたのなかで会話をしてみてください。

どんな日常の仕事や家庭内の雑事で忙しい思いを持つ方でも、朝、目覚めたひととき、または夜のひととき、床のなかで眼をつむったまま、深い息を数回繰り返してから内なる自分に問いかけてみてください。

自分は本当に愛を相手に注いでいたかと。

自分は、愛の息吹で相手の心を満たすことよりも、受けることばかりを考えてはいなかったかと。 


これは、文庫「テンダー・ラブ tender love」より、第二章「愛とは、誰かの心に希望の灯(ひ)をともすこと」の中の小タイトル「愛を感じられなくなった夫婦へ」の前半部(p42〜43)の内容ですが、夫婦間だけのことではなく、どんな関係性でも大事にすべきことではないかと思います。

夫婦、兄弟、友人、仕事仲間・・・
人は支え合って生きているのだから、相手に求めるような言動ばかりしていては、人は離れ、孤独になっていくばかり。

また、忙しい日々に追われていると、周りのことだけでなく、自分の心さえも見失いがちで、心はどんどん曇ったものになっていってしまいます。
そうならないためにも、「自分に語りかけをする時間をまず持つことが大切」と日野原先生はおっしゃいます。


そして同じく、この第二章の中の小タイトル「テンダー・ラビング」(p54〜58)において、テンダー・ラビング・ケア(tender loving care)について、教えてくださいます。

「テンダー」とは、愛を形容する最高の表現であり、自分に何ができるかをまず考えること
さらに、「テンダー・ラブ(ハート)」というと、それは人間の幸福とは何かということを考えることでもある。ということです。

人間は、だれでも幸福になりたいという気持ちをもっていますが、本当の幸福は求めても得られるものではありません。

メーテルリンク作の『青い鳥』のチルチルとミチルは、青い鳥を探し求めて旅に出ますが、どこにもいません。何日か旅をして帰ってきたら、家のなかにその青い鳥、つまり幸福があったという話ですが、この作品に示唆されているように、幸福は外にあるのではなく、人の心のなかにあるのです。
そして自分が幸福になるだけではなく、希望を失っている人に、小さくてもよいから希望の灯を届けてあげるのが、本当の愛の行為です。
私は何もできないという人がいますが、何もできない人はいません。
悲しみ、悩んでいる人がいたら、そばに行って希望の灯をともしてあげてください。

人間には欲望という厄介なものがあります。
しかし、私たちは誰もが裸で生まれてきたと同じように、地位や財産などの欲望を持って死ぬことはできません。
ささやかなことでも、人の心に希望の灯をともしてあげてこそ、結果として幸福がもたらされるのです。

(「テンダー・ラブ tender love」p56〜57)

実は私もここ最近、仕事に追い立てられてあまり余裕のない日々を送り、ちょっとした壁にもぶち当たっているところでしたが、本日、心あたたかな二人の友人と食事を共にすることができ、癒しと愛を与えてもらえ、まさに、くすみかけていた心に希望の灯がともりました。

まだ、これから乗り越えなくてはならない壁はあるのですが、きっと大丈夫って思えます。

心から、感謝。
本当に、ありがとう。

感謝の心、愛の心、失うことのないように、歩んでいきたいと思います。



あなたの心にも
希望の灯は
ともっていますか?

想像力や創作性がアップする☆大人にもオススメの絵本

大人が見ても楽しい五味太郎さんの仕掛け絵本で感性を育もう


「絵本」という響きに、あなたが思うのはどういったことでしょうか?

子どもの頃に読んだもの、お子さんに読ませてあげるもの、一般的にはそのように考えられていますが、大人の凝り固まった頭と心をほぐすのにも効果を発揮します。
少しでも多くの大人のみなさまに親しんでもらえたら、あたたかくて幸せな世界が広がるのではないかと思っています。

そこでまずご紹介するのは、絵本好きなら誰もが知っている「月刊MOE (モエ) 」という雑誌について。

MOEは絵本のある暮らしを提案する月刊誌で、人気の作家さんや絵本・人気キャラクターをテーマとした特集から、アート・映画・旅・ハンドメイド雑貨・スイーツなど、生活が豊かになる旬の情報が満載です。

月刊MOEのWebサイト

ちなみに、MOEが大人向けであるのに対し、「kodomoe(コドモエ)」という、親子で楽しめる、子どもが喜ぶ付録付きの雑誌(隔月発刊)もあります。
子ども向けとはいえ、こちらも、可愛くて楽しい内容なので、大人だけでも楽しめちゃったりします。

さて、MOE2020年7・8合併号の特集は、「100万冊売れた絵本」でした。
MOEでは、人気の絵本がたくさん紹介されるこういった特集が定期的に組まれます。

売れる絵本特集となると、必ずあがる名作家の一人、五味太郎さん。
今は絵本から遠ざかった人でも、五味太郎さんの絵本は読んだという人は多いかと思います。
今回の特集では、その五味太郎さんのロングインタビューが掲載されていました。

「僕にとって絵本を描くのは仕事じゃない。」
「絵本は『言い切れない』ことの面白さみたいなのがあるんだよ。
文芸は言葉で説明しないと次に話が進まないけど、絵本ていうのは決定事項がないんだ。
僕は、揺れながら進んでいけるメディアとして、絵本を発見したんだよ。」

MOE 2020年7・8合併号 P12、P14より)
そんなことが語られていて、とても興味深く読みました。

表紙のイラストは五味太郎さんの超人気作「きんぎょがにげた
特別付録が素敵だったのもポイント。
クリアファイルは中身が透けて見えるものが使い勝手がよくてgood!
きんぎょがにげたグッズはいろいろ販売されていますが、これは一般販売されていないのです☆

インタビューには、五味太郎さんの代表作である、しかけ絵本シリーズについても取り上げられていました。

五味太郎さんのしかけ絵本は、私も大好きです!
お話の流れに、しかけのデザイン性、それらのアイディアはいったいどうやって生まれてくるのでしょう・・・

私もお気に入り五味太郎さんのしかけ絵本とうさん まいご

「穴からのぞかせたり、しかけを考えていくのは面白いし、僕がつくるのはみんな、基本は自分がほしいと思う絵本。申し訳ないけど、読者は二の次でいいんだよね(笑)」
MOE 2020年7・8合併号 P14より)
そういう思いで作られた絵本は、本当に楽しいです。

ちょっと分かりづらいかもしれませんが、こんな風に部分的に切り抜かれたページを開閉することで前後のページの絵を利用した楽しいお話が展開されます。

面白くて素晴らしいアイディアに、ただただ感心させられるばかりです。
是非、お手に取って見ていただきたいです。

凝り固まった頭と心を柔らかくして、豊かな世界を広げてくれる、絵本。
今後も時々ご紹介していきたいと思います。


あなたの
思い出の絵本は
なんですか?

とうさんまいご (五味太郎・しかけ絵本 (2))

「しあわせ」大切なことに気づける絵本

シンプルな文とイラストで綴られた感動の世界


あなたは「しあわせ」について、考えることがありますか?

本日ご紹介しますのは、スウェーデンの作家 レイフ・クリスチャンソン氏の文による「あなたへ」シリーズより、No.5「しあわせ」という小さな絵本です。

レイフ・クリスチャンソン氏は、元は社会科教師で、こころの問題をテーマにした作品を多数残しています。

挿絵は、ヨーロッパ各地の新聞にユーモア溢れる風刺画を寄稿し、フリーのイラストレーターとして活躍していたディック・ステンベリ氏、日本語訳は、大阪教育大学教授の二文字理明(にもんじまさあき)氏によるものです。

この本のカバー表紙の折り返し部分に記しされた、二文字氏のメッセージは下記の通りです。

この本はスウェーデンで

生まれました。

日々の暮らしの中のささやかな


ちいさなちいさな感動を


見逃すことなく伝えてくれる


そんな本です。


生きることがつらい時


そっと手にとってください。


愛と希望と勇気と夢が


あなたの中に


ふくらんでいきますように。


レイフ氏による文章はとっても短くシンプルなもので、あっという間に読み終えてしまいますが、「しあわせってなに」というフレーズで始まる各ページにおいて、例えば、「欲しい物を手に入れる」/「欲しい物を探し求める」など、相反する概念をかわりばんこに示された表現は秀逸で、ハッと大切なことに気づかされます。

どの対比もこころにジーンとくるのですが、私が最もお気に入りなのはこちらです。

しあわせってなに

人気者になること



それとも

ひとりぼっちで悲しいときに

だれかが気づいて

心配してくれることだろうか


そして、 この本の最終頁で閉じられる文章は本当に素敵です。
5分もしないで読めてしまう、こころあたたまるこの一冊、是非、添えられた可愛らしいイラストともに、味わっていただけましたら幸いです。


あなたにとって
「しあわせ」とは
どんな状態の時ですか?

しあわせ (あなたへ5)

愛が溢れる本「あなたがいてくれて、ありがとう」

たくさんの「ありがとう」が詰まった、心があたたかくなる、異色の詩集


本日は、瞑想家でエッセイストの宝彩有菜さん作、挿絵はとっても優しいイラストを描かれる石村紗貴子さんによる、「あなたがいてくれて、ありがとう」という素敵な一冊の詩集を紹介させていただきます。


さて、こちらのタイトル「あなたがいてくれて、ありがとう」の「あなた」の対象は、普通に考えれば「人」だと思うのですが、宝彩有菜さんの素晴らしいところは、さにあらず、日常におけるあらゆるモノ・コトに対して、感謝を捧げるというところです。

以下は、宝彩さんによる、この本の『あとがき』です。

朝、元気な太陽が昇ってくるのを見たり、夜、涼やかな満点の星を眺めたりしていると、私は、この大きな宇宙に浮かんでいる「地球」と一緒に宇宙を航行しているのだなあと思います。
たしかに「宇宙船地球号」に乗っているんだなあと。

こんな「宇宙船」があるってことがとても奇跡に思えますし、その宇宙船に同時にみんな乗り合わせてるっていうのも、それもまたまたものすごい奇跡だと思うんです。

そして、そのことを「すごいね、すごいね」って喜び合えるって、本当に、涙が出るほど、嬉しいですし、本当にありがたいことだなあと思います。


そうおっしゃる宝彩さんの詩は、どれも、対象とされるモノ・コトの発想が素晴らしく、全てが愛情深くて心があたたかくなるので、どれか一つだけを選び出すのは苦難なのですが、この中から、一編を抜粋にてご紹介させていただきますね。

ちなみに、全てが英訳されていて、英語の学習にも繋がりますし、素敵なフレーズは真似させていただいたりして、とても重宝しています♪


あなたがいてくれて、ありがとう。
あなたの姿は見えないけれど、
いつもそばに感じている。
そして、あなたを通して、
私は世界につながっている。
一人じゃないんだって、ちょっと涙ぐむ。

Wind
Thank you for being there.
Although I can’t see you.
I always feel you nearby
And through you,
I am connected to the world.
I’m not alone, I think
– and my eyes mist a little.


この本を読み進めるうちに、当たり前の日常がとても愛おしくなって、生きていられることへの感謝の気持ちが湧いてきます。


なお、この「あなたがいてくれて、ありがとう」は、残念ながら、現在では絶版となっており、あっても中古のみという、大変レアな本です。
私も中古で手に入れ、手放したくはない貴重な一冊です。
個人的には、石村紗貴子さんによる挿絵がカラーだったらもっと良かったのにと思ったりしています。
カラーイラストで再販されたら、間違いなく購入しますね☆


あなたの日常で
「ありがとう」を伝えたいのは
[何 ]ですか?

↓その後チェックしたところ、2022年3月時点、(中の挿絵はカラーではないとは思いますが)Amazonでの取り扱いがあるようです!