愛とは、誰かの心に 希望の灯をともすこと

心に留めておきたい、愛の医師 日野原重明先生からのメッセージ


少し前になってしまうのですが、「人間が人間を愛したり尊敬したりするあたりまえの心を狂わせてはならない」と愛を訴える、心あたたかな医師、日野原重明先生の著書「テンダー・ラブ tender love」について、概要のみを紹介させていただきました。

過去の投稿「テンダー・ラブ tender love/日野原重明先生の愛すべき名著


この本について、その後、興味を持たれた方からリクエストをいただきましたので、私がお気に入りの一部を、抜粋にて紹介させていただきたいと思います。

愛には、与える愛と受ける愛とがあり、愛はその二つの思いと行動のバランスのなかに成り立つものです。
コップに水を注ぐことなくしてコップに水を受けることばかりしておれば、容器はだんだんひからびたものになってしまいます。
クリスタル・ガラスのように透明だった心の器も、不透明な重い陶器のようになって、あなた自身にも自分の心が透けて見えなくなります。

あなたが愛に飢えてやるせない気持ちになったとき、もう一度あなた自身、すなわち内なるあなたのなかで会話をしてみてください。

どんな日常の仕事や家庭内の雑事で忙しい思いを持つ方でも、朝、目覚めたひととき、または夜のひととき、床のなかで眼をつむったまま、深い息を数回繰り返してから内なる自分に問いかけてみてください。

自分は本当に愛を相手に注いでいたかと。

自分は、愛の息吹で相手の心を満たすことよりも、受けることばかりを考えてはいなかったかと。 


これは、文庫「テンダー・ラブ tender love」より、第二章「愛とは、誰かの心に希望の灯(ひ)をともすこと」の中の小タイトル「愛を感じられなくなった夫婦へ」の前半部(p42〜43)の内容ですが、夫婦間だけのことではなく、どんな関係性でも大事にすべきことではないかと思います。

夫婦、兄弟、友人、仕事仲間・・・
人は支え合って生きているのだから、相手に求めるような言動ばかりしていては、人は離れ、孤独になっていくばかり。

また、忙しい日々に追われていると、周りのことだけでなく、自分の心さえも見失いがちで、心はどんどん曇ったものになっていってしまいます。
そうならないためにも、「自分に語りかけをする時間をまず持つことが大切」と日野原先生はおっしゃいます。


そして同じく、この第二章の中の小タイトル「テンダー・ラビング」(p54〜58)において、テンダー・ラビング・ケア(tender loving care)について、教えてくださいます。

「テンダー」とは、愛を形容する最高の表現であり、自分に何ができるかをまず考えること
さらに、「テンダー・ラブ(ハート)」というと、それは人間の幸福とは何かということを考えることでもある。ということです。

人間は、だれでも幸福になりたいという気持ちをもっていますが、本当の幸福は求めても得られるものではありません。

メーテルリンク作の『青い鳥』のチルチルとミチルは、青い鳥を探し求めて旅に出ますが、どこにもいません。何日か旅をして帰ってきたら、家のなかにその青い鳥、つまり幸福があったという話ですが、この作品に示唆されているように、幸福は外にあるのではなく、人の心のなかにあるのです。
そして自分が幸福になるだけではなく、希望を失っている人に、小さくてもよいから希望の灯を届けてあげるのが、本当の愛の行為です。
私は何もできないという人がいますが、何もできない人はいません。
悲しみ、悩んでいる人がいたら、そばに行って希望の灯をともしてあげてください。

人間には欲望という厄介なものがあります。
しかし、私たちは誰もが裸で生まれてきたと同じように、地位や財産などの欲望を持って死ぬことはできません。
ささやかなことでも、人の心に希望の灯をともしてあげてこそ、結果として幸福がもたらされるのです。

(「テンダー・ラブ tender love」p56〜57)

実は私もここ最近、仕事に追い立てられてあまり余裕のない日々を送り、ちょっとした壁にもぶち当たっているところでしたが、本日、心あたたかな二人の友人と食事を共にすることができ、癒しと愛を与えてもらえ、まさに、くすみかけていた心に希望の灯がともりました。

まだ、これから乗り越えなくてはならない壁はあるのですが、きっと大丈夫って思えます。

心から、感謝。
本当に、ありがとう。

感謝の心、愛の心、失うことのないように、歩んでいきたいと思います。



あなたの心にも
希望の灯は
ともっていますか?

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