挿絵画家としての佐藤忠良

宮城県美術館で開催中の「生誕110年 傑作誕生・佐藤忠良」展も終盤につき


丸一ヶ月ぶりのブログ更新なので、まずは私事ですが近況報告。
2023年も明けたと思ったらもう3月後半に差し掛かりました。
2022年度も終盤を迎え、私が勤める保育園も卒園と入園(保育園は卒園式後も卒園児が通います)、新たな職員体制、そして法人における予算決めやら役員の入れ替わりなどで、とーってもバタバタしております。
現在の職につくまでは毎年必ず行っていた地元の東日本大震災追悼も、昨年同様、今年も仕事のため行けずで(涙)。
各SNSもログアウト状態にし、仕事に集中しておりました。
貴重な自分の時間はというと、我が家をリノベーション購入したことで確定申告して節税せねばと必要書類の収集やら申告手続きなどで時間を割かねばならず。

ブログ更新されてない、SNSログインもされてない、で、気にかけていただいた皆さま、ご心配おかけし申し訳ありませんでした。
ちゃんと生きてます。

さて、前回記録したのは、ここ宮城県の出身で、日本を代表する彫刻家の一人である佐藤忠良氏の展覧会についてでした。

後期展覧も行くと述べていたのですが、あっという間に終了日(2023年3月26日)近付いてきてしまい、行けるかどうかの瀬戸際に・・・
皆さまはもう行かれましたでしょうか?

本当は後期展覧には3月上旬には行こうと思っていて、そうしたら改めて記事にしようと思っていたのですが、未だ行けておりませんので取り急ぎ、インスグラムへのポストをアーカイブしておくとともに、佐藤忠良氏の絵本挿絵画家としての側面と、同氏が挿し絵された、知る人ぞ知るかもしれないおすすめ文庫をご紹介したいと思います。

佐藤忠良氏の彫刻作品は、アート好きでも特別そうでなくとも、宮城県民の方は何気に目にしてご存知と思うのですが、しかし、その彫刻家さんが、日本人ならほとんどの方が知る絵本の名作「おおきなかぶ」の挿絵をされていたということについては、まだまだ知らない方もいらっしゃるようなので、ここでしっかり言及しておきたいと思いました。

インスタへもポストした通り「おおきなかぶ 」の挿絵原画は、今回の特別展で公開されていますので、是非多くの方々に、素晴らしい佐藤忠良氏の彫刻作品とともに楽しんでいただけたらなと思います。

その想いを込めまして、次にポストしたのがこちら。

小さな町の風景」は、主に児童図書の出版を手がける「偕成社」による文庫で、佐藤忠良氏が挿絵されている一冊なのですが、今回の美術展では取り上げられていませんし、杉みきこ氏による美しい文章の一部は多くの方が知るであろうものの、この文庫本に佐藤忠良氏が挿絵されていることはあまり知られていないだろうと思い、インスタグラムへポストさせていただきました。

それでは最後に、杉みきこ氏による美しい文章の一部を振り返ってみましょう。

「小さな町の風景」ー 第1章「坂のある風景」より
『あの坂をのぼれば』

—あの坂をのぼれば、海が見える。
少年は、朝から歩いていた。草いきれがむっとたちこめる山道である。
顔も背すじも汗にまみれ、休まず歩く息づかいがあらい。

中略

—あの坂をのぼれば、海が見える。
のぼりきるまで、あと数歩。なかばかけだすようにして、少年はその頂に立つ。
しかし、見下ろすゆくては、またも波のように、くだってのぼって、そのさきの見えない、長い長い山道だった。

少年は、がくがくする足をふみしめて、もういちど気力を奮い起こす。

中略

—あの坂をのぼれば、海が見える。
少年はもういちど、力をこめてつぶやく。
しかし、そうでなくともよかった。
いまはたとえ、このあと三つの坂、四つの坂をこえることになろうとも、かならず海に行き着くことができる、行きついてみせる。
白い小さな羽根をてのひらにしっかりとくるんで、ゆっくりと坂をのぼってゆく少年の耳に —あるいは心の奥にか— かすかなしおざいのひびきが聞こえはじめていた。

「小さな町の風景」(偕成社出版/杉みき子著)p.18-21より


「おおきなかぶ」で内田莉莎子さんが表現された「うんとこしょ、どっこいしょ」のリズムの心地よさ同様に、反復される「あの坂をのぼれば、海が見える」の響き、記憶のある方は少なくないと思います。

私は、佐藤忠良さんを深掘りしている時に、杉みきこさんのこの文庫本の存在を知り、さらに懐かしくも美しい文章に触れ、喜びを感じました。
イメージをきっかけに素敵なテキストに出会うという感覚が私は好きです。
アートや文学を楽しむメソッドのひとつとしてもオススメです。


あなたは
絵本についての
記憶がありますか?

「生誕110年 傑作誕生・佐藤忠良」展

宮城県美術館にて待望の開催


先日訪れた今年初の宮城県美術館


待ちわびていた「生誕110年 傑作誕生・佐藤忠良」展が開催中です。
”待ちわびていた”ことにはいつもより特別な理由があります。
なぜなら、この特別展は、本来は昨年(2022年)の春に開催されるはずだったから。
昨年3月16日に起きた震度6強の福島県沖地震によって、宮城県での開催は延期となり、ようやく今年(2023年)2月4日(土)より開催されています。

それにしてもね。
昨年の秋に宮城県美術館で開催された「ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展」の混み具合とは打って変わっての静けさ・・・

アート好きとしては、人けのないギャラリーでゆったりじっくりと作品を見ることができるのは嬉しいことではあるのですが、日本を代表する彫刻家の一人であり、宮城県出身の誇れるアーティストの一人である佐藤忠良氏の特別展、宮城県民の皆さんには是非見て欲しいなぁとしみじみ思います。

宮城県美術館生誕110年 傑作誕生・佐藤忠良」展 チラシ(表)

例えば前述の激混みだった「ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展」の場合、その話題性に飛びついて見に行った人が多かったようで、”フェルメールと聞いて見に行ったけどよく知らない作家の作品が多くて微妙だった”という声も聞きました。
アートに深い興味がない方の意見かと思いますが、そんな人にこそ、現在開催中の「生誕110年 傑作誕生・佐藤忠良」展を是非見てみて欲しい!

(「ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展」はもちろん私も見に行ったし、実際大変興味深かったけれども、あまりの人気ぶりで、レアなものに価値を感じてしまう私は、これはブログには綴らなくてもいいかなという気持ちになり、記録せずでした。。。)

宮城県美術館生誕110年 傑作誕生・佐藤忠良」展 チラシ(裏)

佐藤忠良氏の彫刻作品は馴染みがあるからこそ、見れば見るほど彫刻の面白さを感じやすいのではないかと思うし、絵本挿絵画家としての佐藤忠良氏については有名なことだけど、意外と知らない人もいらっしゃるかと思うので、この機会に誰もが知る絵本の名作「おおきなかぶ」の原画の美しさに触れてほしい。

おおきなかぶ」と言えば、私は今回初めてそのレリーフを拝見し、感銘を受けました。
”レリーフ”とは浮き彫り細工のことで、絵本「おおきなかぶ」の名場面がブロンズ彫刻として制作されたもので、普段は佐川美術館に所蔵されている貴重な作品、大変見応えがありました。


特別展のチケットで、宮城県美術館併設の佐藤忠良記念館も観覧できるので、普段はそちらまで周らない方もこれを機にハシゴして、佐藤忠良の世界に浸るのはいかがでしょう。
記念館の方には動物の彫刻などもあり、親子で楽しめるギャラリーであることも知る人ぞ知るポイントだったりします。

また、美術館屋外にも佐藤忠良氏の作品はいくつかあるので、少しずつ春の訪れも感じる今日この頃、ゆっくりと散歩してみるのも良きです。
屋外だと、彫刻作品と、自然の光によって映し出される影とのコントラストを楽しむことができるのでオススメです♪

最後に、以下の写真は宮城県美術館の敷地内屋外で私もお気に入りな場所の一つ。
佐藤忠良氏と切磋琢磨の友であったと言われる舟越保武氏「りんごを持つ少年」が佇む一角です。


奥深い彫刻、美術の世界に浸る時間。
私にとっては、静かに心豊かになれるひととき。
混沌とした現世でも、生かしていただき、平和な時間を持つことができることに、深く、感謝します。


あなたは
カタチの面白さに
触れたことがありますか?


ランス美術館収蔵品と日本皇室の美が一度で楽しめる贅沢@仙台

宮城県美術館で見応えある特別展が同時開催!


この秋、絶対に行きたいと思っていた宮城県美術館での特別展。
9月18日(土)から「ランス美術館コレクション 風景画のはじまり コローから印象派へ」と「宮内庁三の丸尚蔵館所蔵 皇室の名品展 皇室の美-東北ゆかりの品々」という2大特別展が宮城県美術館において開催されています。
しかも「ランス美術館展」のチケットの購入のみで「皇室の美展」も見ることができるというありがたさ。

この展示予定を知った時点で、芸術の秋にふさわしい展覧会!絶対行く!!と決めていたものの、気がついたら終了目前でした。
いずれも、11月7日(日)が最終日です。

朝の静かな西公園の広瀬川沿いです。宮城県美術館への道すがら。
宮城県美術館前の看板
宮城県美術館の正面入り口

文化の日(2021年11月3日)にギリギリ滑り込みで行ってきたのですが、お客さん、結構いらっしゃいました。
チッケト購入窓口には時々長い列もできていて、私も比較的すいていた時でしたが数分並んだので、前売券買っておけばよかったとちょっと悔やみました。

どうやら、11月3日(水・祝)は宮城県美術館の開館記念日とういうことで常設展無料観覧日だった模様(知らなかった〜)。
故に、常設展示場を使われていた「皇室の美展」が無料となっていたことも、混んでいた理由の一つかもしれません。

ランス美術館コレクション 風景画のはじまり コローから印象派へ」の当日券料金は、一般 1600円、学生 1400円、小・中・高校生800円です。
これがあれば「皇室の美展」及び「常設展」も観られます☆

さて、その日の私の巡り方は、庭の散策→「皇室の美展」→カフェでランチ→「ランス美術館展」→ミュージアムショップ物色という流れ。

予めチケットを購入して、まずは庭の散策へ。
宮城県美術館の庭にあるおなじみの彫刻作品たちも、秋色に染まった背景の中で見ると、他の季節の時とまた違った趣を感じます。

秋の宮城県美術館庭園を堪能したのちに館内へ戻り、宮内庁三の丸尚蔵館所蔵 皇室の名品展 皇室の美-東北ゆかりの品々」を観覧しました。

宮内庁三の丸尚蔵館所蔵 皇室の名品展 皇室の美-東北ゆかりの品々」は、1階の常設展示場が会場です。
でもこちら、いわゆる「常設展」ではないわけで。
(宮城県美術館所蔵作品による常設展もこの特別展に続いて見ることができるように配置されていました)
展示数は多くはありませんが、かなり貴重な展示がされていて、ランス美術館のチケットさえ購入していれば見られるというのはお得すぎる内容でした。

前期と後期で展示内容が一部変わっていたそうで、早めにチケット購入して前期を見ておいて、後期を文化の日に無料で観覧する方法が良かったのだろうなと思いました(後の祭りだけど・・・(涙))。

宮内庁三の丸尚蔵館所蔵 皇室の名品展 皇室の美-東北ゆかりの品々」のチラシ
(画像をクリックするとPDF画面が開き、拡大できます)

驚いたことに、この展示では、入場者全員にパンフレットが配られていました。
A4サイズで、上質な用紙に、23ページオールカラー。
こんな冊子を無料で配布するなんて!!
今まで様々な展覧会を見てきましたが、これまでにない経験。さすが宮内庁、太っ腹。

でも、やはり、実物を観るに勝るものはない・・・
例えば、チラシ(表面)にも掲載されている、大島如雲(オオシマジョウン)の「菊折枝置物」は、画像ではピンときませんが、実物は、蝋型鋳造でこんな作品を生み出すなんて!と目を見張るものでした。
銅による鋳造作品で、驚きの精巧さと量感、菊の花でありながら黒一色なのに、とても美しい。

東山魁夷の「平成度 悠紀地方風俗歌屛風」(チラシの裏面に記載あり)も、感動でした。
前期では右隻、後期では左隻が展示されたもので、私が観ることができたのは左隻のみ。
パンフレットには並べて記載されていて、これこそ実物を両隻とも並べられたものを観ることができたら!と思いましたが、片方だけでも観る価値超大。

数々の”皇室の美”の中でも、今回は、ここ仙台での開催にちなんで「東北ゆかりの品々」の展示とされていますが、東北地方と皇室の関わりは、明治天皇が東北地方巡行したことに始まるということを、当時の写真によって紹介されていたのも興味深かったです。
当時はまだ新しい技術であった写真の活用、明治天皇に随行して撮影した写真師長谷川吉次郎という人のことを知ったのも、写真好きとしては嬉しい知見。

皇室の東北地方にゆかりのある素晴らしい品々を展示していただけたことは、東北人としてありがたいことでした。

ミュージアムショップに隣接したカフェ「café mozart Figaro /カフェ モーツァルト・フィガロ

館内のカフェでは、「ランス美術館コレクション」にちなんだ特別展限定メニューが♪
ランチメニューの提供は11時からということで、「皇室の美展」を観てからちょうど良い時間、私は朝食もそこそこで出てきたので、ブランチとしていただくことにしました。

特別展限定メニュー♪ 贅沢にキャビアとホタテ、サーモンを乗せたオレキエッテのクリームパスタ

お腹が満たされたら、ランス美術館コレクション 風景画のはじまり コローから印象派への観覧へ。
おなじみ、2階の特別展示場にて。

ランスはフランスの北部に位置し、シャンパーニュ(シャンパン)の産地としても知られる歴史ある都市です。
その中心部にある「ランス美術館」が大規模拡張のためリニューアル工事をすることとなり、その休館中に貴重な所蔵品を日本で展示する運びとなって、印象派による風景画のコレクションを中心に企画された「ランス美術館展」が2021年4月名古屋市美術館での開催を皮切りに始まりました。

巡回は、名古屋に始まり、SOMPO美術館(東京)→ここ宮城(宮城県美術館)→静岡市美術館→茨城県近代美術館と続きます。

ランス美術館コレクション 風景画のはじまり コローから印象派へ」のチラシ
(画像をクリックするとPDF画面が開き、拡大できます)

印象派といえば、力強い筆のストローク、光や空気の質感、斬新な描画アングルなどによって表現されるのが特徴。

風景画を描き続け、印象派へ影響を与えたカミーユ・コローの作品に始まり、“空の王者”と賞賛されたウジェーヌ・ブーダン、印象派の巨匠として誰もが知るオーギュスト・ルノワールクロード・モネらなどの名作の数々が一堂に展示されていました。

今回の展示での私にとっての収穫の一つは、好きなアーティストが増えたこと。
それは、アンリ=ジョセフ・アルピニー
父の工場勤務や旅商人を経て20代後半で画家となったフランス人で、「穏やかな田園と樹のミケランジェロ」とも讃えられたそうです。
季節感の表し方や光線の処理、一日の様々な時間をどう描くかといったことを重視していたということですが、個人的にはアルピニーが切り取った構図に、色彩感覚、力強くも優しさを感じられるタッチと質感が好みです。

今回購入したハガキ。
額縁に入れてみたのが、アルピニーの「夜明け」。右がコローの「小川、ボーヴェ近郊」、左下がフェリクス・ジエムの「コンスタンティノープル(イスタンブール)」
ランス美術館コレクション 風景画のはじまり コローから印象派へ」の図録は、A4変形、ソフトカバーで厚すぎず(150ページほど)、私にはちょうど良いサイズ感♪

日本の精巧なアートに、フランスの印象派によるアートという、趣向が全く違う作品の数々を一度に見ることができ、静寂の空間の中にありながらも刺激的で贅沢な展覧会でした。

貴重なこの2大特別展は、明日(2021年11月7日)終了してしまいますが、良い感じに紅葉してて情緒ある宮城県美術館庭園の散策だけでも、心もゆったり和むので、オススメです。

カフェの外側は中庭となっています。お天気が良い日はテラス席も人気。
宮城県美術館の裏(北)庭。秋ですね。

あなたは
日本美術と印象派の作品
どちらがお好みですか?

情動感じる造形 香月泰男のマチエール

生誕110年 香月泰男展 @宮城県美術館


前回(2021年8月15日)投稿した「るーぷる仙台で2大ミュージアムを巡る!まずは『古代エジプト展』」に続き、仙台市博物館の次に訪れた宮城県美術館で開催中の特別展についてを、本日は紹介させていただきます。


その日、仙台の観光バスるーぷる仙台にて巡ったのは、「ライデン国立古代博物館所蔵 古代エジプト展」が開催されている仙台市博物館、そして「生誕110年 香月泰男展」が開催中の宮城県美術館です。

るーぷる仙台宮城県美術館を訪れる際に降車する停留所は「国際センター駅・宮城県美術館前」。
ここから歩いて2分ほどで宮城県美術館に到着します。


しかしながら、再び、ここ宮城も独自の緊急事態宣言が発令されました。期間は8月20日(金)より9月12日(日)まで。
「混雑した場所への外出半減、不要不急の外出を自粛するように」とのことで、飲食店や施設等の時短要請などは出ていますが、るーぷる仙台は運行を停止しておらず、展覧会も中止はされていません。

今回私が訪れたのは平日で宣言前でしたが、仙台市博物館は、平日にもかかわらず、多くの人が訪れていました。
「エジプト展」というテーマ、夏休みということもありお子さん連れが多く、土日祝日なら完全に密な状態になるかもしれないと想像します。
宣言が出された今は、入場はある程度制限されているかもしれません。

さてしかし、私が博物館を訪れた日と同日、宮城県美術館の方はといえば、とっても静かでした・・・


夏は緑が生い茂り、空気がみずみずしく感じて、お天気の日は美術館付近を散歩するのもとても気持ちが良いのですが・・・


話題の展覧会が開催されると、宮城県美術館のカフェはいつも人がいるのですが、この日は人けもなく・・・


私にとっては絶対に見たいと思っていた特別展だったので、ゆったりじっくり観覧することができそうだと、嬉しくはあるのですけれども。


2021年7月3日(土)から9月5日(日)まで、宮城県美術館で開催されいるのは生誕110年 香月泰男展」です。
この静けさ、香月泰男(かづきやすお)の名を知る人は多くはないということなのかもしれませんね。


香月泰男(かづきやすお)は、1911年10月25日、山口県大津郡三隅村(現在の山口県長門市三隅)に生まれ、62歳でその故郷において生涯を閉じるまで、独自の創作活動を貫き、20世紀中頃の美術界に大きな足跡を残した画家です。
今年、生誕110年を記念して、ここ仙台を皮切りに、大規模な巡回展が始まりました。
(宮城県での本展覧終了後は、神奈川県立近代美術館新潟市美術館練馬区立美術館足利市立美術館と巡回する予定とのことです)

香月泰男は幼少の頃から紙さえあれば何かを描き、無口でおとなしく、友だちと遊ぶよりひとりで裏山に登って風景を描く方が楽しいという人物だったそうです。
幼くして両親と離別し兄弟もいないという寂しい過去を持つ香月泰男にとって、絵を描くことは自分だけの世界を創ることであり生きる喜びであったのかもしれません。

1936年に東京美術学校(現在の東京藝大)を卒業したのちは、美術教師として教鞭をとる傍ら、独自の制作にも意欲的で、文部省美術展覧会で特選となるなど、名が知られるようになります。
しかし戦時のこと、1939年には第二次世界大戦が勃発し、1942年に香月も召集令状を受け、4年半の戦争とシベリア抑留により画業を中断することとなります。

死をも覚悟した画家が生み出す作品には、静かながらも情動がみなぎっており、見る者の心を捉えます。

宮城県美術館で開催の「生誕110年 香月泰男展」のチラシ
(画像をクリックするとPDF画面が開き拡大できます)


生誕110年 香月泰男展」のキャッチフレーズのようにもなっている香月泰男による名言、

生きることは、私には絵を描くことでしかない。

香月は他にも数々の含蓄ある言葉を残しており、今回の展示会でも、それらの言葉が造形作品とともに掲示されています。

展覧会では、主要な展示物には説明書きが付けられるものですが、作品を生み出した作家本人の言葉というものが添えられるのは、他人がつけた解説よりもずっと興味深く、味わいが増します。
今回の展示会の面白さは、そこにもあると思います。

次の画像は、1998年に出版された香月泰男の画文集の表紙です。


「画文集」とされている通り、造形物の写真の他、香月泰男による言葉がたくさん掲載されています。
香月婦美子婦人によって語られた「夫・香月泰男の思い出」というページもあり、現在では絶版の貴重な冊子で、私はこれがどうしても欲しくてしばらく前に中古で購入したものです。いかにも古本という匂いが漂うのですが(苦笑)、この中身はちょと他にはない逸品で、私の宝物の一つとなっています。

この本の表紙を開くと、カバーのそでに書かれている一文。
これには誰もが惹きつけられるのではないかと思います。

“ 生きることも捨て身でかからなければならぬ。
 愛することも捨て身でかからなければならぬ。
 芸術を生むことも。
 恋人を愛することも。”


彼が造形した作品の数々は当然のこと、寂しい幼少期やシベリア抑留という辛い過去とともに、だからこそ得られたであろう描く喜びや愛を知った香月泰男が残した言葉に、深い感動を覚えます。

最後に、今回の展示会生誕110年 香月泰男展」の図録は、こちらです。
表紙の作品は「公園雪」というタイトル。


展覧会では、私以外に来ていた二人組の女の子が、この作品(公園雪)を見て「わーっ」と声をあげていて、私も横で「わかる、その感動」と心の中で呟いていました(笑)
静かな冬の公園に表現された人の足跡、まるで、雪の上をサクサクと歩く足音が聞こえてきそうなこのマチエールは、是非とも実物を見ていただきたいです。

ところで、マチエールとは、matière、フランス語で材料や材質、素材を意味し、英語だとマテリアル(material )の意ですが、美術用語として、作品の素材感を指すために使われます。

様々な画材を混ぜるなどして技法の研究に熱心だった香月泰男の独特な表現、そのマチエールを感じるには、間近で、時には離れて、実物を鑑賞するに限ります。

なお、香月泰男は石、木、紙、缶などで創ったおもちゃや彫刻作品も残しており、今回の展覧会では少しですがそれらの立体物も展示されています。
人間愛と平和をテーマに創作を続けた香月泰男の貴重な作品の数々と出会える機会、感染予防をしっかりとして、足をお運びくださいませ。


あなたは
どんなマチエールが
お好きですか?

一見の価値ある作品集結!足立美術館展@仙台

日本一の庭園美術館が誇る名品をこの目で


2019年に挙がった宮城県美術館の移転案。
宮城県の最も貴重な建築物の一つである宮城県美術館を失うという意味の発案に、開いた口が塞がらない思いでしたが、県の決定に反対し、存続を求める市民団体の方々の努力が実り、昨年(2020年)11月、移転はせず、現地改修を行うということに最終決定しました。
私は撤回を求める署名をしたくらいでしたが、そのような活動を率先してくださった方々には、心から感謝です。本当に良かった。


さて、その宮城県美術館では、2021年4月24日(土)から6月6日(日)まで、「足立美術館展 〜横山大観、竹内栖鳳、華やかなる名品たち〜」が開催されています。
コロナ禍で未だ気軽に外出できない中ですが、気がつけば、もうすぐせっかくの企画展が終わってしまう!
というわけで、慌てて行ってきました。

宮城県美術館にて開催の「足立美術館展」のチラシ(表)
宮城県美術館にて開催の「足立美術館展」のチラシ(裏)
クリックするとPDF画面が開きます

実は正直なところ、行かなくてもいいかなあという気持ちも少なからずあって、出遅れたということもあるんです。
なぜなら、足立美術館(島根県安来市)は庭園ランキング1位を18年連続で獲得している美術館!(アメリカの日本庭園専門誌「数寄屋リビングマガジン/ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング(Sukiya Living Magazine: The Journal of Japanese Gardening)」による)
なのに、ずっと行きたくて行けていない美術館の一つで、だからこそ、絶対に近いうちに行く!!と決めているから、どうせ見るなら現地で見るべきでは??なんていう思いがちょっとあったりしたのです。

でも、県外の美術館や博物館に定期的に出かけないと気が済まなかった私、コロナ禍になってから全くそれができていないわけで、芸術品に触れる機会も激減して、フラストレーションが溜まっているので、やはり地元でも貴重な展覧会、行かないわけにはいきません。


実際のところ、今回の展覧会、行って大正解でした。
会場では、もう何度、心の中で、「美しい・・・欲しい・・・」と呟いたことか。
日本を誇るそうそうたる名画の作品の集結。
近代日本画の巨匠横山大観をはじめとした、東西の日本画壇で活躍した35人の画家による66点の作品は、バラエティーに富んでいて、とても楽しめました。
やはり、本物をナマで間近で見るに越したことはないですね。
どれもこれも素晴らしいものばかりで、大満足。

ただ、今回は、この展覧会に特化した図録は作られていなかったのが残念。
図録がない分、ハガキをたくさん購入してしまいました(笑)

私の祖父が師事した川端龍子の「春雪譜」(展示会案内チラシの裏面に掲載あり)のハガキはなくて残念…

足立美術館についての冊子は販売されていましたが、その本には今回の展示作品が網羅されていないので、そういう意味でも、この企画展に足を運ぶことはとても貴重だと思います。
足利美術館に行けたとしても、その時に展示されてないであろう作品もあるわけですしね。

販売されていた冊子
(今回の特別展に特化したものではない)

足立美術館の館長 足立隆則氏が河北新報のインタビューで述べられているように、是非とも多くの方に“自分の感性で作品見て”ほしい、そんな素晴らしい日本の名品の数々、この機会に堪能することができ、とても良い時間を過ごせました。

「足立美術館展」のチケットと会場で無料配布されている河北新報による案内

なお、今回の「足立美術館展」、宮城県美術館での会期終了後は、6月26日(土)から8月1日(日)まで岩手県立美術館で開催されるのだそうです。
足立美術館の移動展は各地で行われていますが、東北での巡回は今回が初めてとのことですよ
東北人にとって、嬉しいことですね。


きっとそう遠くない日に、日本一の庭園と称される足立美術館(島根県安来(やすぎ)市)へも行くことができますように⛧彡
ますます思いは募るけれど、いつかは叶えたいことがあること、楽しみがあることって、幸せなことだなって思います♪



あなたの
お気に入りの庭園は
どこですか?





静けさに包まれる東山魁夷の大壁画展@宮城県美術館

年に数日しか公開されることのない唐招提寺御影堂障壁画の一挙展示!


ただ今(2020年10月15日現在)、宮城県美術館において、日本画家の巨匠、東山魁夷の集大成であるふすま絵が一挙に公開されています。

宮城県美術館敷地入り口付近

この特別展のタイトルは「東日本大震災復興祈念 東山魁夷 唐招提寺御影堂障壁画展」。

東日本大震災の復興を願って企画されたもので、とても貴重な展示を、今期はここ宮城と岩手を限定して開催されるということで、東北人として大変ありがたいことです。

宮城県美術館入り口

しかも、今はコロナ渦の中。気軽に遠出もできません。
そんなさなか、このような素晴らしい企画を掲げ、開催してくださった関係者の皆さまには心から感謝をお伝えしたいです。

今回の展示、何が素晴らしいかと言いますと、奈良県にある唐招提寺御影堂(とうしょうだいじみえいどう)の、年に数日しか公開されることのない全68枚にも渡る障壁画が、ここ東北の地で、初めて、ドドーンと一挙に公開されているところです。

東日本大震災復興祈念 東山魁夷 唐招提寺御影堂障壁画展」チラシ(表)
東日本大震災復興祈念 東山魁夷 唐招提寺御影堂障壁画展」チラシ(裏)

御影堂5部屋に並ぶふすま絵と壁面をつなぎ合わせると、全長83mにもなるのだそうです。
それをここに運んできて展示してくださっているのです!

その上、これらの制作に至るスケッチや下図など、東山魁夷が勢力を尽くした10年以上にわたる制作の過程にも触れることができます。

宮城県美術館の特別展示室はお馴染み2階でございます♪

「魁夷」といえば、群青と緑青の微妙な濃淡で作られる「東山ブルー」。
多くの人々が、この色に魅せられていますね。

長野県茅野市の御射鹿池(みしゃかいけ)。
東山魁夷がこの地を作品にしたことでよく知られています。

その東山ブルーに加え、モノクロで表現された水墨画にもお目にかかることができます。

ここ最近、水墨画の魅力にもハマりつつある私には、今回の展示で、東山魁夷の墨画による障壁画やスケッチを見ることができ、かなりの充実感を味わえました。

ところで、当然ながら、一般人には展示室内の写真の撮影は許可されていませんので、これ以上は写真で紹介できないのが残念ですが、展示室入って程なくのコーナーで、作品名が「濤声(とうせい)」というエメラルドグリーンの初夏の海のふすま絵がいきなりドーンと目の前に広がります。
迫力を感じるとともに、静かな波の音が聴こえてきそうな感覚に陥りました。

・・・今、写真で紹介できないのが残念とは申し上げましたが、いやこれは、この素晴らしさは写真ではわからない、実物をやはり見るべきです。

「東日本大震災復興祈念 東山魁夷 唐招提寺御影堂障壁画展」河北新報の記事とチケット

さて、ここで歴史で学んだことを、思い出してみましょう。
唐招提寺」は、仏教の戒律を伝えるために5度の失敗と失明を乗り越えて来日を果たした中国唐時代の高僧「鑑真」が安置されているお寺です。
今回の展示作品は、この鑑真に捧げられた障壁画なのです。

日本仏教の発展に尽力した鑑真の心を表現するため、東山は全国各地を取材旅行し、これらの作品が完成したのだということです。
ここ東北の地では、宮城は蔵王、岩手は浄土ヶ浜など、青森は浅虫、秋田は男鹿半島、山形は温海と、各地を歩かれたそうです。

東山魁夷による理想の心象風景。
これらの大きなふすま絵が並んだ空間にいると、荘厳な自然の中に佇んでいるような、とても静かな気持ちになり、心が落ち着きます・・・

繰り返しますが、これは写真などではわからない、実際に足を運んで、その空間に身を置いてナマの作品に触れなければ、得られない感覚です。

ちなみに、いつもは2階の特別展示会場外のスペースでグッズ販売がされますが、今回の宮城県美術館での特別展では、1階ロビーの片隅に出店されていました。

宮城県美術館1階ロビーにて、東山魁夷のアートプリント等々の品定めをしている人々

今回の展示会のオリジナルグッズは少なめでしたが、どなたでも立ち寄れるため、これを機に、東山魁夷のアートプリントを購入している人が結構いらっしゃるように見受けられました。

私はもちろん、図録を購入。
今回は、大物の展示品が多い分、全体の作品数が少ないので、図録も100ページ程度と薄めで、幅の取られる冊子ではなかったこと、とはいえ、ページ数少ないながらも、折り込みが数ページあって見応えあり、かつ内容が的を絞られているので、ありがたかったです。

図録、何冊も買ってますが、正直、読み切れることはほとんどないですし、本棚のスペースも減る一方なので、私にはこのくらいの分量だと助かります(苦笑)。

なお、本特別展は、
宮城県美術館での展示期間は2020年9月19日(土)から2020年11月1日(日)まで
となっており、その後は
岩手県立美術館において、2020年11月14日(土)から2020年12月27日(日)まで
開催される予定です。

宮城県で見逃したかたは、岩手県へのご旅行の行程に加えるのも一つではないでしょうか。
私も、このコロナ渦に定着しつつある「ステイケーション」として、隣県の岩手へ出かけて、異なる美術館で再びあの静けさに浸るのもいいかなぁなんて考えている次第です。

ステイケーション:「Stay(滞在)」と「Vacation(休暇)」を組み合わせて作られたアメリカ発の造語。遠出をして楽しむ旅行を指す「Vacation/バケーション」に対し、自宅または近場に滞在(Stay/ステイ)して、気軽に楽しむ休暇のこと。

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宮城県美術館で開催されている「ヨーロッパの宝石箱 リヒテンシュタイン侯爵家の至宝展」に行ってきました。

宮城県美術館外側に設置された看板
宮城県美術館の正面入口

本展覧会の開催期間は、2020年7月14日(火)~9月6日(日)です。

ヨーロッパの宝石箱 リヒテンシュタイン侯爵家の至宝展 チラシ(表)

当日券料金は1,500円(一般)で、私は先日東北歴史博物館にて開催されている「GIGA・MANGA 江戸戯画から近代漫画へ 」行って参りましたので、その半券提示で、100円が割引されました。

GIGA・MANGA 江戸戯画から近代漫画へ 」についての投稿はこちら↓
世界に誇れる日本のアート GIGA・MANGA@東北歴史博物館/江戸戯画(GIGA)から近代漫画(MANGA)までをたどる漫画の歴史展覧会

宮城県美術館のWebサイト

リヒテンシュタイン侯爵家について、まず初めて知った時に驚いたのは、君主のその家名が国名となっていて、世界唯一であるという点です。
リヒテンシュタイン公国、かつて神聖ローマ帝国に支えたリヒテンシュタイン侯爵家が統合し、昨年2019年に建国300年を迎えた、中央ヨーロッパに位置する立憲君主制国家です。

欧州の名門ハプスブルク家に支え、1719年に建国された公国において、侯爵家の歴代当主たちが集めたコレクションは約3万展にも及び、「農夫から銀行家へ」と称されるほどに目覚ましい経済発展を遂げてきたリヒテンシュタイン公国は、小国でありながら、最もリッチな国として知られています。

ヨーロッパの宝石箱 リヒテンシュタイン侯爵家の至宝展 チラシ(裏)

ところで、リヒテンシュタイン侯爵家コレクションの展覧会が日本で開催されるのは、これで2回目です。
日本で初めて取り上げられたのは2012年国立新美術館で巡回展が始まり、「リヒテンシュタイン華麗なる侯爵家の秘宝」というタイトルで、2013年には高知県立美術館、京都市美術館にて展覧されました。

2012・13年開催時の朝日新聞Webサイト

私は、当時、国立新美術館での展覧会を拝見し、世界屈指のルーベンスコレクションを中心とした、約5世紀に渡って収集されたその素晴らしいコレクションを目の当たりにし、とても感動したのを覚えています。

2012年国立新美術館で開催された「リヒテンシュタイン華麗なる侯爵家の秘宝」の展覧会図録とチケット
(画像をクリックすると、目次のページを拡大できる画面が開きます)

日本ではまだ2回目のリヒテンシュタイン展。
前回は、侯爵家の収集の歴史と壮麗なバロック芸術が主要なテーマであったのに対し、今回はコレクション品の繊細さや技巧が焦点となっていています。

ちなみに、展覧会に行くと大抵は図録を購入する私でも、過去に行ったことのある作家やテーマをモチーフとされた展覧の際には、内容がカブるのでかさばる図録は買いません。

なので、正直なところ、今回の展示を観る前は「以前もリヒテンシュタイン展は観たし、図録は前回買ったから今回は買わない。」と思っていたのですが、実際に観ましたら、前回とコンセプトが異なっていて、また違う面白さがあったので、結局、図録を購入してしまいました。

ヨーロッパの宝石箱 リヒテンシュタイン侯爵家の至宝展」の展覧会図録とチケット
今回の図録はスクエア型で黒を基調とされていて、前回と異なるデザインが気に入った点も、購入の決め手でした。

前回はただただ圧倒されるという部分が強かったですが、今回は、中国や日本の磁器が公国へと辿った道筋にもスポットを当てられていて、親近感も湧き、しみじみと作品を味わうという感覚が濃く、リヒテンシュタインについて深掘りすることができて楽しかったです。

リヒテンシュタイン侯爵家の
珍しいもので、良いもの、かつ美しく上品な事物にお金を費やすことは永遠かつ偉大で、最大の記念となろう
という家訓は現在も受け継がれ、今も美しいコレクションは増え続けているのだそうです。
また数年後も、私たちの心を豊かにしてくれる、素晴らしいコレクションを見させてくれることでしょう。

特設ショップではミニチュア陶器が販売されていて、きらめくリアルな可愛さに思わず購入。他にも種類はあったのですが、私が行った時、このセットは最後でした。追加されたかな…

宮城県における「ヨーロッパの宝石箱 リヒテンシュタイン侯爵家の至宝展」は間も無く終了です(2020年8月22日現在)。
貴重な機会ですので、ヨーロッパの偉大な小国リヒテンシュタインへの擬似トリップ、よろしければ、お出かけくださいませ☆

なお、宮城県美術館の次の巡回先は、広島県立美術館で、2020年9月18日(金)から2020年11月29日(日)までとなっており、こちらが今回の日本での巡回最終地となります。

そして、宮城県美術館で次に予定されている展覧会は東山魁夷 唐招提寺御影堂障壁画展(2020年9月19日(土)〜11月1日(日))です。
こちらも見逃せないです。

コロナで県外へは気軽に行けないご時世ではありますが、自分の住まいである宮城県では、今年は見応えのある企画展示が多く開催され、とてもありがたいです。
このような企画の主催者様や関わる皆様方へ、心から感謝いたします。

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