パリの美術館巡り3 元駅舎のオルセー美術館

〜建築物の美しさにも酔いしれるパリ3大美術館の一つ〜


海外女一人旅、地元の仙台空港から出国し台湾経由でたどり着いたフランス、パリ美術館巡りの初日、印象派の巨匠クロード・モネの「睡蓮」シリーズが展示されていることで有名なオランジュリー美術館(Musée de l’Orangerie)の次に向かうのは、オルセー美術館(Musée d’Orsay)です。

セーヌ川の右岸に位置するオランジュリー美術館に対し、オルセー美術館はセーヌ川の左岸に位置します。
オランジュリー美術館の正面玄関前に広がるコンコルド広場(Place de la Concorde)から対岸へと架けられた、コンコルド橋(Pont de la Concorde)を渡って向かうこととしました。

コンコルド橋
Pont de la Concorde

住所:Pont de la Concorde, 75007 Paris, France


コンコルド橋から眺めるエッフェル塔も風情あり。


コンコルド橋を渡った先に幽玄と佇み、まるでギリシャ神殿を思わせる建物は、ブルボン宮殿(Assemblée nationale – Palais Bourbon)


ブルボン宮殿は、フランス国民議会(Assemblée nationale)の議事堂として使用されている歴史的な建物です。


1722年にルイ14世の孫娘であるルイーズ・フランソワーズ・ド・ブルボンによって建設され、フランス革命後、1795年にフランス政府に接収されて、1798年から国民議会の議事堂として使用されるようになりました。

ブルボン宮殿
Assemblée nationale – Palais Bourbon

住所:126 Rue de l’Université, 75007 Paris, France
Webサイト:https://www.assemblee-nationale.fr/


コンコルド橋を渡り、ブルボン宮殿に向かって左折した先に見えてくるのが、私にとってこの日2番目のメイン目的地であるオルセー美術館(Musée d’Orsay)


パリの3大美術館の一つとされているオルセー美術館は、建物自体がアートの一部です。
その素晴らしい建築物のシンボルである大時計が見えてきて、胸が高鳴ります。


オルセー美術館の建物が、元々1900年のパリ万博のために建てられた駅舎(旧オルセー駅/Gare du Quai d’Orsay)だったことは、この美術館を語る上では外せない重要な話。

かつての駅の時代に旅人に正確な時間を知らせるために機能していたこの時計塔は、現在では、美術館の歴史と現代の文化的役割を象徴しています。
クラシックなデザインは時代を超えた優美さを保ち、その存在はまるで、時間の流れとともに変化してきたオルセー美術館のストーリーを語っているかのよう。


と、建物の外観を眺めるだけでもうっとりし夢見心地な気分になりますが、一旦現実に戻って、入場を待つ人の列に並びます。

時間が限られている旅行で、パリの主要美術館を訪れるなら、チケットの事前購入は必須です。
時間が読めなかったことと、少し割高になるので入館時間の予約まではしていなかったのですが、ミュージアムパスを利用したことで、比較的すんなり入場できました。


今回の旅で重宝したパリミュージアムパスについてはこちら↓に記述しています。


さて、入館セキュリティーを通過し、さらに次の扉へと進みます。


扉を抜けて、目の前に広がる景色に圧倒されました。
まさに駅舎であったことを窺い知ることができるその風貌。


旧オルセー駅は、1900年5月に運行を開始しましたが、1939年に長距離列車の運行を停止しました。
これは、ホームの長さが新しく登場した列車の長大化には不足していたためなのだそう。
以降、オルセー駅は主にパリ近郊の列車用の駅として使用されましたが、次第にその役割も縮小し、駅としての機能を徐々に失っていきました。

その後、駅は様々な用途に利用されましたが、次第に放置されるようになり、1970年代には取り壊しの計画もあったとのこと。
しかし、歴史的建造物としての価値が見直され、最終的に美術館として生まれ変わることが決定されました。
そして、1986年にオルセー美術館として正式に開館したのです。

かつてのプラットフォームだったメインホールは、その広がりと空間の高さが際立ち、ガラス屋根からの自然光が内部に満ちています。
鉄骨のフレームやガラス張りの屋根が印象的な建物のデザインは、この時代特有のアール・ヌーヴォーの影響によるもの。
線路が敷かれていた場所が現在では彫刻ギャラリーとなり、その両脇のプラットフォームであった場所は絵画などの展示スペースとなっています。


このメインホールにも、駅の名残を思わせる大時計が輝いています。
建物の外壁の時計も内部にあるこちらの時計も、修繕や整備はされてきましたが、旧オルセー駅当時からのものなのだそうです。


素晴らしい装飾が施された時計に釘付けになる私の頭の中に「おーおーきなのっぽの古時計〜♪」の歌がよぎりました。
しかし、この歌詞にある100年休まず動いてきた古時計は最後には動かなくなってしまうわけですが、オルセー美術館のシンボルであるこれらの大時計はゆうに100年を超え、今もなお時を刻み続けているのです。

金色に輝く時計の圧倒的な存在感と美しさに見惚れつつ、嬉しいことも悲しいことも、いろいろ見てきたんだろうなぁ、と感慨にふけってしまいました。

この歴史的建造物として価値あるオルセー美術館の建物自体は6階建ですが、作品が展示されているスペースは地上階(0階)、中階(2階)、最上階(5階)の3フロアで構成されています。
建物の両端にはエスカレーターが設置されていて、好きな所どこからでも見て回れるようになっています。

私はまず最上階まで行ってから降りてゆく形で美術作品を見ることにしました。

エスカレーターを上り切った所の通路は静かなものだったのですが・・・


通路を出た先にあるカフェのなんと賑やかなこと!

最上階(5階)にあるカフェ カンパナ(Café Campana)は外壁に設置された大時計の場所に位置していることもあり、私が通りかかった時間がお昼時ということもあったのかも分かりませんが、とても人気のようです。


このカフェの先に続くのが、マネモネルノワールシスレースーラなどなどの、主に印象派の作品の展示。
相変わらず人は多い中ですが、素晴らしい作品の数々に感動のため息が出ます。


さぁ、このまま進んで辿り着いたこの建物の逆サイド。
こちら側にはカフェはなく、大時計だけを堪能できる素敵スポットがあります。

とはいえ、現代のSNS社会において、そこは要するにまさに”映える”場所。
ここはここで、人が絶えない・・・


それでも私もなんとか少しでも絵になる写真を撮りたい!

人のいない静かな情景を撮影することが願望でしたが、この状況では致し方なく、これで我慢。


人混みが苦手な私は、相変わらず増え続ける人の波に押され、中階(2階)へと移動しました。

さてこちらは、オルセー美術館の建築様式にも影響を与えたアール・ヌーヴォーをテーマとした展示室。


先ほどまでの状況から一転し、怖くなるほど人がいない静かな場所でしたが、おかげで素晴らしい展示品を静寂の中で堪能することができました。

と、私はここで喧騒に逃れたことは嬉しかったものの、反面、ここはこの美術館の歴史的な建築要素が見られる場所であるのにこの静けさ、やはりほとんどの人は流行りだとかSNSによる情報に流されやすいということなのだろうか・・・となんだか寂しくも感じたりした瞬間でもありました。

…が、そんなことを想いつつもこの中階(2階)のテラスに出れば、光がさんさんと降り注ぐ魅惑的な空間に、大勢の人々の姿に圧倒されつつも、厳かな情景に感動を覚えます。


パリ3大美術館の一つオルセー美術館は、その壮大な建築と豊富なコレクションにより、パリを訪れる芸術愛好家にとって必見のスポットであることに違いありません。

歴史と芸術が融合したこの素晴らしい空間で、19世紀から20世紀の美術の変遷を感じながら、優雅な時間を過ごすことができるものと思います。

オルセー美術館
Musée d’Orsay

住所:1Esplanade Valéry Giscard d’Estaing, 75007 Paris, France
Webサイト:https://www.musee-orsay.fr/fr


あなたは
建築物の役目の返還について
考えたことがありますか?

オランジュリー美術館(Orangerie Museum/Musée de l'Orangerie)

パリの美術館巡り2 オランジュリー美術館

〜元オレンジ温室で堪能するモネの大作『睡蓮』〜


アート好き女子一人旅で訪れた、初めてのパリ滞在での美術館巡りの初日は、オランジュリー美術館(Orangerie Museum/Musée de l’Orangerie)からスタートしました。


こちらがオランジュリー美術館の正面玄関です。
この角度から見た限りでは、中世のお城をイメージするかもしれませんが・・・


次の視点から見た感じ、お城にしてはちょっと地味な感じがしませんか?


オレンジはフランス語でオランジュ、そしてオランジュリーとはオレンジ畑オレンジ温室を意味するのですが、オランジュリー美術館はその名の通り、オレンジの木を保護するための温室だったのだそうです。


次の視点からだと、確かに温室っぽい!と感じていただけるのではないでしょうか?


19世紀にナポレオン3世によって造られた大きなオレンジ温室は、その後、資材置き場や試験会場、召集兵士宿舎などとして使われたり、スポーツや音楽、国家行事などの多目的施設としての経緯を経て、1921年に美術行政に割当てられ、政治家でクロード・モネの友人でもあったジュルジュ・クレマンソーの提案によってモネの作品『睡蓮』が収められることとなり、改修工事ののち、1927年オランジュリー美術館としてオープンしたとのこと。

更にその後、6年間にも及ぶ改修工事を経て2006年にリニューアル・オープンし、モダンな美術館へと変貌しました。


天井から自然光がさんさんと降り注ぐ楕円形の白い空間の2室は、いずれもモネの大作『睡蓮』のための展示室となっていて、これを見るために訪れる人が絶えません。
もちろん私も、この部屋に足を踏み入れることをずっと切望していました。


壁いっぱいに広がる幻想的な絵画によって得られる没入感。


そして、モネのタッチによるマチエールに魅了され。

素晴らしいアートにうっとりするこの感覚。
いつもブログを見てくださる皆さまに少しでも伝えられたらな、という思いで撮影してはいるのですが、私めなどの写真による画像では伝えきれないのがもどかしい・・・
アートは、やはり実物を体感するのが一番ですね。


ちょうど私が訪れた時は「Modigliani : un peintre et son marchand(モディリアーニ:画家とそのディーラー)」と題してモディリアーニ展が開催されていたのも嬉しいポイントでした。


オランジュリー美術館ではモディリアーニの作品は、下図の『ポール・ギヨームの肖像』など5点所蔵していますが、それ以外の絵画に加え素描や彫刻なども展示されており、見応えがありました。

オランジュリー美術館所蔵品:アメデオ・モディリアーニポール・ギヨームの肖像』(Amedeo ModiglianiPaul Guillaume.Nova Pilota

最後に、オランジュリー美術館の場所について、世界遺産情報と共に補足します。
前回の記事(https://calm-smile-chain.com/paris-museum-1/)にも記した通り、オランジュリー美術館ルーブル宮殿(Palais du Louvre)の敷地西側に広がるチュイルリー庭園(Jardin des Tuileries)の西端にあります。

オランジュリー美術館
Musée de l’Orangerie

住所:Jardin des Tuileries, 75001 Paris, France
Webサイト:https://www.musee-orangerie.fr/


そのすぐ西隣にある広場がコンコルド広場(Place de la Concorde)
こちらも世界遺産パリのセーヌ河岸(Paris, Banks of the Seine)」の構成資産の一つです。

フランス語でコンコルド(Concorde)協調共和という意味ですが、フランス革命時代(1789〜1799年)には「革命広場」と呼ばれたこの場所で、ルイ16世やマリー・アントワネットなど貴族や一般庶民たちがギロチン台で処刑されたという、暗い過去を持つ場所。
そんな陰惨な記憶を払拭するため、後にコンコルド広場との名称がついたのだそうです。

コンコルド広場の中心部には、1836年にエジプト政府からフランスへの親善の証として寄贈されたルクソール神殿(エジプトの世界遺産「古代都市テーベとその墓地遺跡」)のオベリスク(四角柱)が堂々とそびえ立っているのですが、この周辺は開催が迫っている2024年パリオリンピックの会場の一つとなるため、私が訪れた時にはその準備が進められていました。

中央に見える塔がルクソール神殿のオベリスク

厳かな歴史を持つこの場所が、なんだかゴタゴタした様子になりつつあるのが個人的にはちょっと残念な感じもしましたが、オリンピックで盛り上がるのも、世界人類共通の楽しみの一つですものね。
このために尽力してる方々がいるんだなと思うと、頭が下がります。

コンコルド広場
Place de la Concorde

住所:〒75008 Paris, France
Webサイト:https://parisjetaime.com/transport/place-de-la-concorde-p1981


そしてこの場所からだと、こちらもまた世界遺産パリのセーヌ河岸」の構成資産であるエッフェル塔もこのくらい見えて、改めて、パリにいるんだなぁー、と感慨深い気持ちになりました。


私にとって初めての貴重なパリ滞在。
このままここで感慨に浸っていたかったものの、残された時間はわずかなので、次の目的地であるオルセー美術館へと足早に向かいます。


あなたは
美術館における建築の歴史に
興味はありますか?


セーヌ川とエッフェル塔

パリの美術館巡り1 翌朝も再びセーヌ川へと向かって

〜パリ3大美術館などについて〜


いよいよパリでの美術館巡り開始。
2023年10月下旬、朝が遅いフランス、まだ薄暗い朝7時、平日の人がほとんどいないホテルのレストランにて、まずはしっかり腹ごしらえ。


私は普段、仕事は事務作業が中心でそれほど体力を使わないこともあり、朝はお腹がすいたとしっかり感じない限りはコーヒーくらいで済ますことが多いのですが、旅先ではあちこちを歩き回り、食べることよりも見たいという欲求が強くなるため、朝食だけはガッツリ取るようにしています。
もちろん、本当は食べることも好きなので、一人ではない旅路では食事の時間も重視しますが、限られた時間をどう使うかとなってくると、一緒にいる人を気にしなくても良い時は、食べることが優先順位ではなくなるということなのです。
水分だけはしっかりと取るようにし、脱水症状などをおこして元も子もなくならないように配慮して動くようにしています。

さて、お腹を満たし、8時過ぎにホテルを出て、10時からの見学を予約しているオランジュリー美術館へと向かいます。

その道すがらに撮影した建物。

ポンピドゥー・センター/国立近代美術館


こちらは、ポンピドゥー・センター(Centre Pompidou)
1977年に開館し、奇抜な外観で話題となった総合文化芸術センターです。
写真はルナール通り(Rue du Renard)沿いで、センターの裏口側にあたります。

この5・6・7階に、パリ3大美術館の一つである国立近代美術館(Musée National d’Art Moderne)が入っているので、もちろん立ち寄りたい場所でしたが、私に残っているパリでの時間は二日間のみ。
初めてのパリで絶対に行きたいところとして私自身が考えていた優先順位から、今回は国立近代美術館に入館することは諦めていたので、せめてもと、目的地へ行くための経由地に組み込むだけにとどめ、外観だけを眺めてきました。

次の写真が、先ほどの写真の逆サイド側です。
こちらが正面玄関で、国立現代美術館へは建物の外にむき出しになっているチューブ状のエスカレーターを上がっていくのだそう。

ポンピドゥー・センター/国立近代美術館

国立近代美術館は有料ですが、センターへは無料で入館できます。
せめて1階のミュージアムショップだけでも入りたかったけれど、開館は11時から。
10時に予約済みのオランジュリー美術館へと向かわなければ。

ポンピドゥー・センター/国立近代美術館
Centre Pompidou/ Musée National d’Art Moderne

住所:Place Georges-Pompidou, 75004 Paris, France
Webサイト:https://www.centrepompidou.fr/fr/


ちなみに、パリ3大美術館と言われる残り二つは、ルーヴル美術館(Musée du Louvre)オルセー美術館(Musée d’Orsay)です。

初めてパリを訪れた私は、近現代アートよりもまずはゴールデンエイジのアートを、と考えていたので、国立近代美術館は諦めても、ルーヴルオルセーは外さなかったのですが、ポンピドゥー・センターのオフィシャルサイトにちょっと面白い動画がありまして。


私は、帰国してからこの動画を見て、パリ3大美術館の一つである国立近代美術館が入ったポンピドゥー・センターでも、意外と知らない人は多いようだということを知り、私にはそれがむしろ貴重に感じ、やはり入ってみたかったと悔やんでしまったというのが、後日談です・・・

・・・気を取り直して、先へ進みましょう。

前夜にも通ったパリ市庁舎(Hôtel de Ville)前へと再び。

パリ市庁舎


正面には五輪モニュメントが掲げられ、きたるパリ2024オリンピックを大々的にアピールしていました。

パリ市庁舎
Hôtel de Ville

住所:Pl. de l’Hôtel de Ville, 75004 Paris, France
Webサイト:https://www.paris.fr/


そして、朝のセーヌ川(la Seine)

セーヌ川


夜の風景も良かったですが、朝方の静かな情景もやはり良いですね。


運河に囲まれた都市は、そこここに架かる橋を見比べるのも楽しいです。

エッフェル塔を背景に見える橋は、歩行者専用の橋の一つでパリで最初の鉄橋として知られるポン・デ・ザール橋(Pont des Arts)、日本語に訳して芸術橋

セーヌ川とエッフェル塔


セーヌ川左岸にある芸術アカデミー(Académie des Beaux-Arts)と右岸の芸術の宮殿(Palais des Arts)とも呼ばれたルーヴル宮を結ぶ橋であったことからあったことからこの名が付けられたそうです。

ポンデザール橋
Pont des Arts

住所:Pont des Arts, 75006 Paris, France


次は、ポン・デ・ザール橋(Pont des Arts)のたもとから見たルーヴル宮(Palais du Louvre)


この場所から向こう岸に見えるのが、フランス学士院 (Institut de France) の一つである芸術アカデミー(Académie des Beaux-Arts)です。

フランス学士院/芸術アカデミー

芸術アカデミー
Académie des Beaux-Arts
住所:23 Quai de Conti, 75006 Paris, France
Webサイト:http://www.academiedesbeauxarts.fr/


しばしセーヌ川の風景を楽しんだ後、ルーヴルの敷地内に入りました。


ルーブルの西側に広がるチュイルリー庭園(Jardin des Tuileries)です。


この美しい庭園の設計は、ヴェルサイユ宮殿(Palais de Versailles)の庭園をも担当し、フランス式庭園の様式を完成させた造園家アンドレ・ル・ノートル(André Le Nôtre、1613- 1700)によるものとのことです。


そのチュイルリー庭園(Jardin des Tuileries)の西端にオランジュリー美術館(Musée de l’Orangerie)はあります。

オランジュリー美術館


オランジュリー美術館といえば、印象派の巨匠クロード・モネの代表作「睡蓮」。

などなど、こうなってくると、また長くなりそうなので、続きは次回に。

オランジュリー美術館
Musée de l’Orangerie

住所:Jardin des Tuileries, 75001 Paris, France
Webサイト:https://www.musee-orangerie.fr/


パリのような街の風景
夜と朝とでは
あなたはどちらがお好きですか?


美しい大時計がシンボルとして有名なオルセー美術館(Musée d'Orsay)

アート好き必携 “パリミュージアムパス”の備忘録

〜買って良かったパリのアートスポット観光パス〜


2023年10月25日(水)、パリ滞在初日は、夜のパリを1人で2時間ほど歩き回りました。


そして20時半ごろホテルに戻り、ブルゴーニュからドタバタの移動の後でもあったので、すぐに寝てしまいたいくらいの疲れもありましたが、私には眠る前にしなければならないことがありました。

それはパリで巡りたいアートスポットの入館予約。

旅先ではアートをテーマに観光する私にとって、パリ市内・郊外にある50以上の美術館・博物館に入場することができる観光パス「パリミュージアムパス(Paris Museum Pass)」は必須のアイテムと考え、この2日(48時間)券を、日本を出る前にネットで抜かりなくゲット済みでしたが、このパスで訪れることができるいくつかの施設は予め入館時間を予約しなければならないのです。

と、そのような制約は多少ありますが、「パリミュージアムパス」を実際に購入して使用してみて大正解、買って良かった!と思えたので、このパスについて簡単に記録しておきます。

下図が、「パリミュージアムパス」のオフィシャルサイトで購入後、メールで届けられたパスです。


これを、紙に印刷したものか、スマホやタブレットの画面で表示させ、入場可能な施設の入り口で提示すれば、現地での支払い手続きなく入館することができます。

パスには、2日(48時間)、4日(96時間)、6日(144時間)券の3つがあり、例えば私が選択した2日券の場合、最初にパスのバーコードをスキャンされて入場した時から48時間が有効ということになります。

各チケットの料金は以下の通りです(2024年3月末日現在)。
■2日券(48時間):€62(10,141.46円)
■4日券(96時間):€77(12,595.04円)
■6日券(144時間):€92(15,048.62円)

また、インターネットで購入する場合は手数料もかかり、その金額はチケットの種類と枚数によって変わってきます。
2日券1枚の場合の手数料は、2.48ユーロで、この金額は私が購入した時(2023年10月15日)と変わりありません。
が、私が使用したパスの画像でお気づきかと思いますが、手数料込みで57.48ユーロ、パス自体は55ユーロでした。
値上がりしてます!
しかも、2024年3月末日現在の1ユーロは163.57円!!

私がパリへ行った時は、1ユーロは158円台でした。
その時でも、ユーロ高すぎ、フランス何もかもが高すぎ(涙)と思っていましたが、昨年のうちに行っておいて、本当に良かった・・・

この「パリミュージアムパス(Paris Museum Pass)」を購入できるオフィシャルサイトはこちらです。
https://www.parismuseumpass.fr/
(オフィシャルサイト以外にも、日本人向けの購入サイトもいくつかありますが、どれも割高になるのでここでは省きます。それらはキャンペーンなどで一見お得に見える時もありますが、最終的にはやはりオフィシャルサイトが一番と感じています。)

私は現地での時間を節約できるだろうと思いネットで購入しておきましたが、パリで購入することもできますし、その場合は手数料もかかりません。

パリミュージアムパス」の販売店は以下の通り(2024年3月末日現在)。
■パリの各美術館
■パリ シャルル・ド・ゴール空港、パリ オルリー空港内の観光案内所
■ギャラリー・ラファイエット(パリの人気百貨店)の観光案内所
■ディズニーランド・パリの観光案内所

奥に見える建物がフランスの老舗百貨店「ギャラリー・ラファイエット(Galeries Lafayette)」
奥に見える建物がフランスの老舗百貨店「ギャラリー・ラファイエット(Galeries Lafayette)


そして話は戻りますが、「パリミュージアムパス」で訪れることができる施設の中でも、予め入館時間を予約しなければならない所がいくつかあります。
予約必須施設は、以下の8施設です(2024年3月末日現在)。
シテ建築遺産博物館(Cité de l’architecture et du patrimoine)
コンシェルジュリー(Conciergerie)
オテル・ドゥ・ラ・マリーヌ(Hôtel de la Marine)
ユダヤ歴史美術館(usée d’art et d’histoire du Judaïsme)
オランジュリー美術館(Musée de l’Orangerie)
ルーヴル美術館(Musée du Louvre)
サント・シャペル教会(Sainte-Chapelle)
ヴェルサイユ宮殿(Châteaux de Versailles et de Trianon)

この中から私は、オランジュリー美術館ルーヴル美術館サント・シャペル教会ヴェルサイユ宮殿は必ず予定に組み込みたいと思っていました。
それで翌日の朝イチで、パリ最古で最も美しいステンドグラスで知られるサント・シャペル教会へ行こうと考えていたのですが、いざネットで予約しようと試みると、どの時間もすでに予約がいっぱいで取ることができませんでした(泣)。
前日の予約でも、平日だし大丈夫だろうと、たかをくくっていたのが甘かった・・・

サント・シャペル教会(Sainte-Chapelle)に並ぶ長蛇の列
その翌日に私が実際に見たサント・シャペル教会(Sainte-Chapelle)に並ぶ長蛇の列


焦って、他の施設をチェック。
翌日(パリ2日目)の朝イチに訪れるのはオランジュリー美術館へと計画変更し、3日目には、元々考えていた通り、ヴェルサイユ宮殿ルーヴル美術館を無事予約することができました。

ヴェルサイユ宮殿ルーヴル美術館を同日にする?!と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、この日はちょうど金曜日でして。
ルーヴル美術館の開館時間は通常9時〜18時ですが、金曜のみ21時45分まで開館しているので、朝にホテルを出てヴェルサイユへ行き、夕方にパリへ戻ってきて夜にかけてルーヴル美術館を見学しようと考え、体力を要するのは覚悟の上で、そのような計画を立てたのです。

さて、これらの通常の入館料を確認してみましょう。
オランジュリー美術館:€12.5
ルーヴル美術館:€15
ヴェルサイユ宮殿:€24

以上で合計51.5ユーロです(それぞれネット購入すればさらに手数料がかかります)。
私は、加えて、オランジュリー美術館の後に、オルセー美術館(Musée d’Orsay)に行くことを計画していまして、こちらが14ユーロなので、合計65.6ユーロ。

美しい大時計がシンボルとして有名なオルセー美術館(Musée d'Orsay)
美しい大時計がシンボルとして有名なオルセー美術館(Musée d’Orsay)


というわけで、「パリミュージアムパス(Paris Museum Pass)」の元がしっかりと取れました〜♪

実を言うと、お高いユーロの昨今、ちょっとでも経費削減しようかとパリでのパス購入を検討した時もありましたが、経費削減と言ってもネット購入手数料は2.48ユーロ(400円くらい)、現地での時間節約の点も含めて結果的に、オフィシャルサイトからインターネット購入しておいて良かったと思っています。

なお、「パリミュージアムパス」を利用して、予約済みの施設に入館する時は、パスと、施設の予約チケットの両方を提示する必要があります。
なので私は、パスを印刷した用紙と、予約した施設はスマホの画面で、一緒に提示するという方法を取り、スムーズに通過することができたので、その点においても満足してます。

というわけで、「パリミュージアムパス」については、結論として、買って良かったと思えたということなのですが、パリ滞在初日のホテルで、このパリアート巡りのための検索と予約作業をしていたらあっという間に23時を回ってしまい、翌日に備え体力を温存しなければと、慌ててシャワーを浴び、ベッドに滑り込んだのでした。





当ブログをご覧になってくださっている皆さまへ。
いつも当サイトを訪問してくださり、本当にありがとうございます。
言い訳になってしまいますが、現在、過渡期にある保育園のマネジメントを担う私の、今ここで果たすべき使命がありまして、ブログアップのタイムラグが増して申し訳なく感じています。
しかしながら、そんな現実を過ごす私にとって、旅の記録は豊かな人生を歩む糧の一つなので、続けていきたいと思っています。
次回こそ、写真と共にパリでのアート巡りをアップしますので、よろしければ引き続きお付き合いいただけましたら幸いです。
相変わらず牛歩ですが、どうぞよろしくお願いいたします。


あなたが旅行地で重宝する
⚪︎⚪︎パスには
どんなものがありますか?

2023 フランス ブルゴーニュから(ハプニング続きで)パリへ

〜初めてのパリ滞在1日目、そしてその夜の風景〜


2023年10月末フランスの旅、友達の住むブルゴーニュで充実の3日間を過ごさせていただき、いよいよパリへと向かう時がやってきました。

一人旅にて日本仙台から出国し、フランスブルゴーニュで友達と再会した駅はディジョン(Dijon)でしたが、お別れの地点は世界遺産「フォントネーのシトー会修道院」の最寄り駅であるモンバール(Monbard)


ちょうど「フォントネーのシトー会修道院」の見学を楽しんだ後だったから幸いではあったのですが、雨が激しく降ってきてしまい、モンバール駅(Gare de Montbard)付近は全く写真が撮れずでした。
天候のせいもあったのだろうと思いますが、ここも喧騒がなく静かな街。

せめて、友達が気を利かせてエスプレッソをいただくのに立ち寄ってくれたカフェくらい撮影できれば良かったのにと悔やまれますが、賑やかな場所が苦手な私には、また天気の良い時に改めて行ってみたいと思える所で、この地域に聖人ベルナールが過ごしたシトー会修道院があるのもうなずける気がしました。
ベルナールについては前回記事をご参照ください→https://calm-smile-chain.com/abbey-fontenay/

モンバール
Gare de Montbard

住所:21500 Montbard, France


さて、モンバール駅は、パリディジョン駅を結ぶ沿線上の途中にある駅です。
日本仙台空港台湾桃園空港→フランスパリ=スシャルル・ド・ゴール国際空港という経路によってフランスを初めて訪れ、その初日にブルゴーニュへと向かった私が、再びブルゴーニュからパリを目指す経路も、ブルゴーニュ到着時同様に、高速列車TGVを利用しました。


ちなみに、位置関係は下図の通りです。

TGVにて、モンバール(Monbard)からパリの終点地リヨン(Paris Gare de Lyon)駅までは、途中停車駅なしで1時間ほどです。

SNCF(フランス国鉄)アプリのTGVチケット予約済画面

この電車に乗る直前まで友達が一緒にいてくれて、列車時刻の電光掲示板を見た友達が遅れてるみたいと教えてくれ、待合室でのんびりとしていたら、なんと、ほぼ定刻に列車が来る雰囲気が伝わってきて、慌ててホームへ。
「遅れてるんじゃないの?本当にこの電車で良いの?!」と慌てる私に、友達は「いいからもうここで乗って!確かめてくるから!」と言い、私は予約していた車両よりも何両も先の場所で列車へ乗り込み友達を待つも、ドアは閉まってしまいました。
しかし、動きだした列車の外で友達が私の方に向かって、笑顔でグッドポーズをしてくれ、どうやら問題ないらしいことがわかりました。
(改札がない駅のため誰でもホームまで行けます。チケットは列車の中で車掌さんにチェックされます)

遅れそうになって重いスーツケースを持って構内を走った上、TGV車両はその独特な2階建の構造によって車両を移動するには階段を登り降りする必要があり、ヘトヘトになりながら車内を歩く途中で車掌さんに出会い、フランス語で(多分)チケットを見せてと言われ、少しドキドキしながら携帯のチケット画面を出しQRコードを読み取ってもらうと、「OK、英語はわかりますか?あなたの席はあちらですよ」と親切に英語で教えていただけ、ホッとしたのも束の間、ようやくその車両へと辿り着いたと思ったら、予約したはずの席には女性が座っている・・・
またしてもここで、少しドキドキしながら「Excuse me, but…」と声をかけるとその女性は自身のチケットを確認する仕草をしてから、席を離れてくれました。
その女性は私の席の後ろに元々荷物を置いていたので、確信犯だったのでしょうけど(苦笑)。

そんなこんなで、いつまた会えるかわからない高校時代の同級生というかけがえのない友人との、しんみりお別れを惜しむこともできないというハプニングの後でしたが、無事、リヨン(Paris Gare de Lyon)駅へ、定刻通り到着しました。


発着駅の、2階建車両の並ぶ風景は、こんな感じ。


往路の時と変わらず、駅舎内はたくさんの人。


でも、何度見ても、建物の佇まいはやっぱり素敵。
ブルゴーニュでは雨に見舞われましたが、こちらでは青空も見えてラッキーでした。


そして、ここから宿泊するホテルへ向かうために、次は地下鉄を乗り継ぐ必要がありました。
駅の外観の写真を撮ってから、再びリヨン(Paris Gare de Lyon)駅内へ戻ります。


まずはリヨン(Paris Gare de Lyon)駅から地下鉄1番線ラ・デファンス=グランダルシュ(La Défense – Grande Arche)駅行きに乗り、バスティーユ(Bastille)で下車。

ここまでは良かった・・・


ここで地下鉄の8番線に乗り換える必要がありました。
フランスの地下鉄はたくさん番線がありますが、目的地へ行くための番線さえわかっていれば、その番号を頼りに構内を移動すれば良いので大して難しくはないのですが、バスティーユ(Bastille)駅内では無駄に重いスーツケースを持っていた私には、想像以上に階段の上り下りと移動距離が長く感じて、汗だくになり体力をかなり消耗してしまっており、8番線の乗車口に着いたものの、なんとうっかり・・・

バラール(Balard)駅方面へ乗らなければいけないのに、逆方面であるクレテイユ(Créteil)駅行きに乗ってしまったのです。

↓これが証拠写真。


私が立っていたホームの案内板にクレテイユ(Créteil)と行き先がしっかり写ってますが、ヘトヘトになりながらなんとなく写真を撮ったので、本当は対面側のホームに行かなければならないのに、間違っているとこの時点では気がついておらず、しかも間も無く電車が来たと思ったら、それがめちゃくちゃ混んでいる!
こんなの乗りたくないけど仕方がないと乗り込み、ギューギュー詰めの電車の中、さらに思考能力低下・・・

混雑した車内では、157cmほどの身長の私には、行き先の掲示案内も見るに見えない。
バスティーユ(Bastille)駅から7駅目が目的地のグラン・ブールヴァール(Grands Boulevards)駅ということを疲れながらもしっかり記憶していたので、ちゃんと数えていたつもりだったものの、多分次あたりかなというタイミングでもアナウンスではそうとは聞き取れないし、停車した駅の表示も明らかにグラン・ブールヴァール(Grands Boulevards)ではない・・・

私が行きたいはずのグラン・ブールヴァール(Grands Boulevards)駅はどこ?!

携帯電話で調べようにも電車はどんどん進むので、このままどこまでも行ってしまったらまずいと何箇所か目の駅で降りたのですが、その駅がどこだったのかはもう覚えていません。
もちろん写真撮る余裕もなく。
その時は若干パニクってて単純に逆方面に乗ってしまったということにすぐに気が付かず、ここはどこ??私の犯したミスは何??私は一体どうしたらいいの??状態。

でも、どこだかわからない地下鉄駅の椅子にかけて、「冷静になれ、私。」と自分に言い聞かせ、数分考えたところで、「バスティーユ(Bastille)8番線まで行ったのは間違いないはず。けど、そこで行き先をちゃんと確認していない。疲れてて単に手前のホームに下りてしまった。それが逆方面だったんだ。だから、単純にここで対面側のホームへ移動して来た電車に乗ればバスティーユ(Bastille)に戻れるし、そしてバスティーユ(Bastille)では降りずにそのままそこから7駅目のグラン・ブールヴァール(Grands Boulevards)までいけば良いのだ。」と自分の過ちと改善方法に気がつきました。
そこで改めて対面側のホームを見ると本来向かうべきバラール(Balard)行きとしっかり表示されていて、そっちに乗ればいいだけのことだと分かり、ほっと一安心、今度こそ無事にグラン・ブールヴァール(Grands Boulevards)駅に着くことができました。

そして、ようやく目的地の地上に出てくることができて、ホッとしてパシャリした写真がこちら↓(苦笑)



グラン・ブールヴァール(地下鉄駅)
Grands Boulevards
住所:75002 Paris, France
Webサイト:https://www.sortiesdumetro.fr/grands-boulevards.php


予約していたホテルはグラン・ブールヴァール(Grands Boulevards)駅から徒歩5分程度のところで、そちらへは迷うことなく辿り着き、チェックインも問題なく、でしたが、想定外のハプニングで体力を消耗し切っていたことと、そこから3泊する部屋に入った際に、カードで支払い済みのホテル料金の額に対してこれ??と正直思ってしまった現在のフランスのホテル事情に、精神も疲れ果て、ホテルの部屋でしばらく動けなくなってしまいました。

そんな状態でしばらくボーッとしていたら、外がすっかり暗くなっていることに気がつきまして。
今私はパリにいるんだ!これじゃ勿体無い!
と、気を取り直して、夜のセーヌ川を見ることを目標に、外へと繰り出しました。

暗い中で撮った写真なので画像はよくありませんが、せっかくなので道中の一部を以下に残しておこうと思います。

まずは、事前情報なしに、素敵な外観に目を惹かれ思わず撮影した建物は「ブルス・ド・コメルス・ピノー・コレクション(Bourse de Commerce – Pinault Collection)」、我が国日本を誇る建築家 安藤忠雄氏が、パリの歴史的建造物を美術館として再生するための設計を担当され、2021年にオープンしたばかりの名所でした。



ブルス・ド・コメルス・ピノー・コレクション
Bourse de Commerce – Pinault Collection
住所:2 Rue de Viarmes, 75001 Paris, France
Webサイト:https://www.pinaultcollection.com/fr/boursedecommerce



その同じ通り沿いにある「サン ジェルマン ロクセロワ教会(Saint-Germain-l’Auxerrois)」の、美しいゴシック様式の佇まい。



サン ジェルマン ロクセロワ教会
Saint-Germain-l’Auxerrois

住所:2 Pl. du Louvre, 75001 Paris, France
Webサイト:https://saintgermainlauxerrois.fr/



ここでおよそ宿泊先のホテルから歩くこと30分程。
セーヌ川(la Seine)の向こうに、夜に輝くパリのシンボルエッフェル塔(La tour Eiffel)を望む風景。


セーヌ川も越えてみようと、セーヌ川に浮かぶシテ島(Île de la Cité)へと渡り、パリ最古のステンドグラスで知られるサント・シャペル(Sainte-Chapelle)の門前へ。



サント・シャペル
Sainte-Chapelle

住所:10 Bd du Palais, 75001 Paris, France
Webサイト:https://www.sainte-chapelle.fr/


再びセーヌ川を戻り、ライトアップされたパリ市庁舎(Hôtel de Ville)を拝みます。



パリ市庁舎
Hôtel de Ville

住所:Pl. de l’Hôtel de Ville, 75004 Paris, France
Webサイト:https://www.paris.fr/


そしてパリ市庁舎からセーヌ川を越えシテ島に渡るための最寄の橋アルコル橋Pont d’Arcole)と、その先に見えるノートルダム大聖堂


記憶にもまだ新しい2019年に起きたあの忌まわしい惨事により、ノートルダム大聖堂は修復中のため、工事用のクレーンもうっすら見えます。

アルコル橋
Pont d’Arcole


セーヌ川にかかるシャンジュ橋(Pont au Change)とゴシック様式の建物は死の牢獄と言われるコンシェルジュリー(Conciergerie)、そしてその奥で空に光を放っているのがエッフェル塔



シャンジュ橋
Pont au Change


そろそろホテルへ戻ろうと辿った経路にてでくわしたサン・ドニ門(Porte Saint-Denis)
パリに残る凱旋門(軍事的勝利をもたらした将軍らが凱旋式を行う記念のために作られた門)のうちの一つです。



サン・ドニ門
Porte Saint-Denis
住所:Boulevard St Denis, 75010 Paris, France


初めてのパリの夜を一人でフラフラしつつも、午後8時半頃、無事ホテルへ帰還。


翌日の美術館巡りの計画に想いを馳せつつ、眠りにつきました・・・


あなたの
思い出に残る
夜の風景はどこですか?

2023 フランスブルゴーニュ 1日目 その1

〜パリ シャルル・ド・ゴール国際空港からブルゴーニュへ向かった初日〜


10月末、台湾を経由してフランスへ行って参りました。
無事日本へと戻って来てからの日常は、相変わらず職場のごたごたが絶えないのが現実で、休日はただただ何も考えたくなくなり、ブログを記述するペースも遅くてタイムラグが大きくなる一方ですが、私自身、次回のより良き旅へと活かしたいので、牛の歩みなりでも記録しておこうと思います。

まずは、フランスでの1日目から。


…その前に。飛行機の乗り継ぎについてよく聞かれるので、補足しておきます。
私が今回往路で乗った便の、台湾台北の桃園国際空港からフランスパリのシャルル・ド・ゴール国際空港への乗り継ぎ時間は4 時間 45 分ですが、割とあっという間でした。

”世界の素晴らしい空港ランキング”では上位には上がらないものの、桃園国際空港は大きくて、保安検査を通った後のショッピング&フードエリアも広くラウンジ等の設備も充実しており、空き時間を有意義に過ごすことができます。

記載した写真は検査通過後に撮影したものですが、制限エリア外も盛り沢山です。
もし時間的に余裕があったら、乗り継ぎにもっと時間をとっても良いくらいだと思えました。

桃園国際空港 第2ターミナル 3・4階(制限エリア)

さていよいよ、台北からパリへと向かうわけですが、出発の時刻が予定よりも大幅に遅れ、飛行機へと乗り込むまで、何もない搭乗ゲートの待合室で1時間近く待機することに。

そして、ようやく乗った飛行機での移動時間はおよそ15時間。

それだけでかなりのパワーを消耗するとともに、無事シャルル・ド・ゴール国際空港へ到着したものの、今度は、友達との待合せ場所へ向かうための高速列車に間に合うだろうかとの焦りが。

シャルル・ド・ゴール国際空港 第1ターミナル 1階

いつもだと空港の写真も多少撮りますが、全くその余裕なく。
なので実は、上の写真は帰りに撮ったものです。

とはいえ、余裕がなかったのは、この全く初めての海外の場所で、時間的余裕のない状況で、電車の乗り換えをし、予約済みの高速列車に間に合うだろうかという私の気持ち的なもので、実際は、もともとゆとりを持って予定を立てていたので、余裕というほどの余裕は無くなったものの、落ち着いて動けば時間的には問題ないだろうという状況でした。

というわけで、冷静な心を保ちつつ(写真撮る余裕はないけど)、スタッフの方々に行き方を尋ねつつ、無事、目的の電車に乗ることができました。

電車の席に座れてホッと一息ついたところで、ようやくカメラをバッグから取り出して、フランスに降り立ってからから初めて撮った写真がこれ(笑)。

RER B線(シャルル・ド・ゴール国際空港とパリ市中心部を結ぶ高速郊外鉄道)車内

シャルル・ド・ゴール国際空港
Aéroport de Paris-Charles de Gaulle

住所:95700 Roissy-en-France, France
Webサイト:https://www.parisaeroport.fr/roissy-charles-de-gaulle


フランスでの初日は、今回の旅の目的の一つである友人との再会です。
彼女が住むのはブルゴーニュ(Bourgogne)で、待ち合わせ場所としたディジョン(Dijon)へと向かうルートは以下の通り。

  1. シャルル・ド・ゴール国際空港 第1ターミナル
    *ターミナル間は無料の無人電車CDGVALで移動
    ・まずはエレベーターでCDGVAL乗り場の2階へ
    ↓ ターミナル1〜3は5分程度
  2. シャルル・ド・ゴール国際空港 第3ターミナル
    ↓ 構内を徒歩で数分
  3. 高速郊外鉄道RER シャルル・ド・ゴール空港Aéroport Charles de Gaulle)駅にてB線乗車
    ・切符自動券売機でパリ行きのチケットを購入
    ・パリ市内であれば下車駅全て料金は同じ
    (2023年10月時点€11.45)
    ↓ 主要駅停車便で約40分
    (直行は30分、各駅停車の場合は50分)
  4. RER シャトレ・レ・アール(Chatelet Les Halles)駅にてA線乗車
    *B線を降りたホームのすぐ隣がA線

    ↓ 約2分(1駅)
  5. RER リヨン(Gare de Lyon)駅(地下)
    リヨン駅は広いので徒歩移動の為の時間的余裕が必要

    ↓ 構内を徒歩で数分
  6. 高速列車TGV リヨン(Gare de Lyon)駅(地上階 Hall2)11:56発

    ↓ 1時間35分(停車駅なし)
  7. TGV Dijon駅 13:31着

ドキドキオロオロもしたけれど、無事に予定通り、待ち合わせ場所のディジョン(Dijon)駅に到着できました。

ディジョン駅 構内

特になぜそんなにドキドキしたかというと、先に述べた通り、高速列車のチケットを予約済みだったからです。
フランスの国鉄SNCFが運営する高速列車TGV(ティー・ジェー・ヴェー)は、日本で言えば新幹線のようなもの。
と言えば想像がつきますよね?
そうです。それなりのお値段!
全席指定席で、1等席と2等席の二つの値段設定による車両があり、1等は空いてる席の中から希望する席を選ぶことができますが*、2等は詳細な席の指定ができません**。また、1等席は高い分、1名席がゆったり広めかつ防犯上の安心感があるということで、私は初めての1時間半の道のり、安心感を優先させました。

SNCFでの直接の予約であればこの選択ができますが、各国の言語に対応する交通・旅行情報検索サービス(Omio(オミオ)やKlook(クルック)といったものなど)からの予約では1等席でも自分で席を選択することはできない上、手数料が発生します。

**2等席は、通路側か窓側かという指定のみで、1等席のようにシートマップによりピンポイントで指定することができません。

そのお値段98ユーロ。日本円にしておよそ1万6千円。
今の日本人にとっては色々と何かとお高いフランス、ユーロ!絶対に乗り遅れたくない!!
もちろん、待ち合わせしてる友達にも迷惑かけるし(そこが本来はとても重要…)。

ちなみに、新幹線と同様に取る時期などによって変動するので、もっと早く取っていればもう少し安かったのでしょう…

SNCFアプリのTGVチケット予約済画面。既に使用後なので消えていますが、利用時は駅員さんが読み取るためのQRコードが表示されます。

実は今回、日本出発の直前までは、シャルル・ド・ゴール国際空港からパリ市内までの移動は、エアポートバスを利用しようかと思っていたのです。
理由は単純に、海外の初めての場所でいきなり電車の乗り継ぎは手間取るかもしれないから、市内までは直行のバスに乗ってしまった方が良いだろうと考えていたから。
それに、日本のサイトで検索すると「空港〜パリ市内移動はバスが良い」という書き込みが多いので、自分もそうするべきかな、と。

でも念の為、会う約束をしていた友人に伺ってみたら、バス到着地のオペラ(Opera)からリヨン駅までの移動も考えるとこっちの方が早いし移動しやすいのではと今回のルートを勧めていただきまして。
「RERの治安を心配しているの?」とのことでしたが、私自身は特にそういうわけでもなかったですし。
列車によるルートは私もチェックはしていて、早いこともわかってはいたけど、日本サイトでのバスによるルートの強調度合いに押され、いまいち考えが及ばなかっただけのこと。
友人から伺ったことで、なんか列車のみのプランで行けそうかも、と思うことができ計画を変更しました。

往路で私が乗ったTGVはこれと同タイプ。外観はどっしり重厚感がありますが、車内については、正直、新幹線の方がずっと綺麗で、その点では我が国に軍配を上げたい。

結果的に、今回は飛行機が遅れたこともあり、エアポートバスの場合では直行といっても限られた本数で時間もかかるので、往路は全て鉄道で予定を組んで正解でした。

もちろん、私の今回の予定がブルゴーニュまで行くからということもあったろうし、海外での個人旅行はある程度は慣れていないと、ということもあるかもしれませんが、誰かの、特に日本人だけの「絶対これがいい」的な話は、鵜呑みにするべきではないのだろうなと改めて感じました。
インターネット上で多く見かけるお話は参考にしつつも、何事も広い視野を持って、自分なりのやり方というものを模索することを楽しみつつ、豊かさにつながる行動をしてゆきたいです。

左手がフランスの主要駅の一つリヨン駅。大きな時計塔がシンボルとなっている駅舎のなんと美しいこと…(復路にて撮影)

リヨン駅
Gare de Lyon

住所:Pl. Louis Armand, 75012 Paris, France
Webサイト:https://www.gares-sncf.com/fr/gare/frply/paris-gare-lyon


毎回『改めて』何かを感じる海外一人旅。
そんなこんなで、今日も移動の話で長くなってしまいましたので、良きフランスを感じた体験についてはまた次回に…


あなたは
駅舎に感動することは
ありますか?

映画「ミッドナイト・イン・パリ」で巡る名所旧跡

名作映画で知るパリの名所 ーそれは世界遺産やアートの学び


アート好き、そして、SF映画(特にタイムトラベル系)が好きな私にとって、愛してやまない名作映画「ミッドナイト・イン・パリ(Midnight in Paris)」。

2回にわたってその概要と登場する偉大なアーティスト達についてレポートしてきましたが、念願だったフランスへの一人旅を目前に、最後は、主人公ギルが立ち寄った名所について、ほんの少しの雑学を交えつつ記述しておきたいと思います。

モネの家と庭園(Maison et jardins Claude Monet)

フランスのノルマンディー地方、パリから西へ70kmほどのジヴェルニー(Giverny)という小さな村にモネの家と庭園があります。
印象派の巨匠クロード・モネ(Claude Monet、1840-1926)はここで43歳から86歳で亡くなる時までを過ごし、大作「睡蓮(Les Nymphéas)」を生み出しました。
映画「ミッドナイト・イン・パリ」は、舞台のほとんどがフランスの首都パリですが、パリ郊外も一部登場します。
先のブログ(https://calm-smile-chain.com/midnight-in-paris/)で概要を記述した通り、映画はジャズ名曲「Si Tu Vois Ma Mère」に乗せて流れる現代の何気ないパリの日常の映像というオープニングで始まるのですが、曲の終了と同時に、物語はこの美しいモネの庭を舞台に幕を開けます。

エッフェル塔(Tour Eiffel)

パリといえばコレ、ですね。
行ったことがなくても、興味がなくても、知らない人はほとんどいないでしょう。
世界遺産「パリのセーヌ河岸(Paris, Banks of the Seine)」の構成資産の一つでもあります。
324mもの高さを誇るこの巨大で芸術的な鉄の塔が、パリの象徴として映画に幾度も現れます。

シャンゼリゼ通り(Champs-Élysées)

シャンゼリゼ通りもまた世界遺産「パリのセーヌ河岸」の構成資産の一つで、その名称は誰もが知るであろう有名な大通り。
エトワール凱旋門(Arc de triomphe de l’Étoile)からコンコルド広場(Place de la Concorde)まで全長約2.5kmに渡る緩やかな坂道の美しいマロニエ並木からなる通りで、老舗ブティックやレストラン、カフェなどで賑わっています。
なお、コンコルド広場は世界遺産「パリのセーヌ河岸」の構成資産であるものの、エトワール凱旋門は構成資産となっていません。
凱旋門”といえば、エトワール凱旋門からコンコルド広場を挟んで対極に位置するカルーゼル凱旋門(Arc de triomphe du Carrousel)が「パリのセーヌ河岸」の構成資産となっています。

ヴェルサイユ宮殿(Château de Versailles)

パリから約20km南西に位置するフランス北部のイル=ド=フランス地域圏(Île-de-France)のコミューン(基礎自治体)であるヴェルサイユにある壮麗な宮殿で、世界遺産「ヴェルサイユの宮殿と庭園(Palace and Park of Versailles)」として登録されています。
映画の前半で、主人公のギルとフィアンセのイネズ、そしてたまたまパリで会った友人夫婦が、4人で連れ立ってヴェルサイユ宮殿の庭園を歩くシーンがあり、その広大さと美しさを見て取ることができます。

ロダン美術館 (Musée Rodin)

その名の通り、かの有名な彫刻家オーギュスト・ロダン(Auguste Rodin、1840-1917)の作品を一堂に展示している美術館で、ロダンが1908年から亡くなる1917年までを過ごしたという館でもあります。
誰もが知る名作のブロンズ像「考える人(Le Penseur)」が置かれた庭園はバラの名所としても知られており、映画ではギルたちがその美しい庭園を散策するシーンなどが撮影されています。

サンテティエンヌ・デュ・モン教会(Église Saint-Étienne-du-Mont)

セーヌ川を背にパリ5区に位置する聖ジュヌヴィエーヴの丘(Montagne Sainte-Geneviève)に建つ、ゴシック様式とルネサンス様式の要素が組み合った教会。
特に美しい装飾が施されたファサードが印象的で、パリのランドマークであるとともに、静寂で神聖な雰囲気に包まれた内部は、訪れる人々に穏やかな安らぎをもたらします。
映画ではこの場所がギルがタイムスリップするための起点となっているのですが、聖ジュヌヴィエーヴパリの守護聖女だそうで、彼女の墓を収めたのがこの教会とのことで、なんだか優しく守ってくれそうな気配が、物語も映画の観客である私たちも幸せになれそうな予感がしますね。

ポリドール (Polidor)

1845年にオープンした歴史のあるレストランで、作家アーネスト・ヘミングウェイ(Ernest Hemingway、1899-1961)が通った店としても知られています。
映画の中では、ギルが過去にタイムスリップしてヘミングウェイと出会う場所で、ギルが現代に戻るとコインランドリーになってしまいます。
しかし実際(映画ではない私たちの現実世界)は、今も昔から変わらぬ所で、ヘミングウェイに愛された時と同様、19世紀半ばの世界を思わせる雰囲気のままに営業している人気のレストランで、フランスの家庭料理を味わうことができるのだそうですよ。

サン・トゥアンの蚤の市(Marché aux Puces de Saint-Ouen クリニャンクールの蚤の市)

100年以上の歴史を持つパリ最大級のアンティークマーケットで、掘り出し物の宝庫と言われ、世界各地からスタイリストやデザイナーなど、インテリアの業界人が大勢訪れています。
映画では、広大なマーケットの敷地を散策していたギルが、聴こえてきたコール・ポーター(Cole Porter、1891-1964)の音楽に魅かれて入った骨董品店で、物語の鍵の一人である女性ガブリエルと出会うことになります。

オランジュリー美術館 (Musée de l’Orangerie)

モネセザンヌルノワールマティスピカソモディリアーニなどの、印象派やポスト印象派の作品で知らる美術館。
「オランジュリー」とは、フランス語で「オレンジ畑」「オレンジ温室」の意味で、もともとはチュイルリー宮殿(かつてルーヴルの西側にあった宮殿で、その庭が現在は「チュイルリー公園(Jardin des Tuileries)」として人々の憩いの場となっている)のオレンジ温室だったことから名付けられました。
モネの名作「睡蓮」が所蔵されていることでも有名で別名として「モネ美術館」とも呼ばれています。
映画の中では、ギルとイネズその友人夫婦が一緒に、その大作が掲げられている大きな円形の展示室を訪れる場面が描かれています。
なお、ここも世界遺産「パリのセーヌ河岸」の構成資産です。

縁日博物館(Musée des Arts Forains

19世紀の当初はワインの貯蔵庫として使用されていましたが、その後、所有者のジャン=ポール・ファヴァン(Jean-Paul Favand)氏によってコレクションされたメリーゴーランドの乗り物やアーケードゲームなど、遊園地のオブジェを集めた私立博物館としてオープンしました。
映画ではギルが過去の時代へと3度目にタイムスリップする場所で、F・スコット・フィッツジェラルド(F. Scott Fitzgerald、1896-1940)が主催するパーティー会場として描かれていますが、今も見学可能で100年以上前の遊具を体験することができるという大人も遊んで楽しめる博物館です。

サクレ・クール寺院(Sacré-Cœur Basilica)

モンマルトルの丘の頂上に位置し、パリの美しい景色を一望することができるロマネスク様式とビサンチン様式が融合した白亜の美しい教会です。
映画では、この寺院の裏手の階段を、ギルが過去の世界で一目惚れしたアドリアナと語り合いながら降りるシーンがあります。

セーヌ川(La Seine)

フランスを代表する美しい川で、全長777キロメートルに及び首都パリを流れます。
セーヌ川の河岸のうち、シュリー橋(Pont de Sully)からイエナ橋(Pont d’Iéna)までのおよそ8kmほどが、すでに述べている通りの世界遺産「パリのセーヌ河岸(Paris, Banks of the Seine)」として登録対象とされています。
映画には何度も登場するのですが、パリの美しい街並みを反映する鏡のような存在であるこの河岸が、映画の終盤で夜にライトアップされて映し出された景色が特に幻想的です。

ラ・トゥルネル通り(Quai de la Tournelle)

セーヌ川の南岸に位置し、パリ5区と12区の境界に沿った通り。
映画ではこの河岸のブキニスト(セーヌ河岸に沿って屋台のスタイルで営業する古本屋)で、ギルがアドリアナが書いた日記を購入します。

ノートルダム寺院(Cathédrale Notre-Dame de Paris)

“パリ発祥の地”とも称されるシテ島(Île de la Cité)に建つゴシック様式の大聖堂で、その美しい建築や彫刻、ステンドグラスなどから美術史上でも重要な位置付けとされています。
世界遺産「パリのセーヌ河岸(Paris, Banks of the Seine)」の構成資産の一つでもありますが、2019年の4月に火災が発生し尖塔が焼け落ちた事件は記憶に新しく、今も修復が続けられています。
映画「ミッドナイト・イン・パリ」が制作されたのは2011年のこと。当時の姿を拝見してみたかったものです。

ジャン23世公園(Square Jean XXIII)

その名称は、教皇ヨハネ23世Jean XXIII)の名にちなんでつけられ、シテ島の上流部分、ノートルダム大聖堂裏手にある公園で、訪れる人々に癒しとくつろぎを与える空間です。
映画では、ギルがロダン美術館で出会ったガイドとこの公園のベンチで腰掛け、アドリアナがフランス語で書いた日記を英語へ翻訳して聞かせてもらいます。

デロール(Deyrolle)

1831年に創業し、昆虫や貝殻、あらゆる種類の動物の立派な標本や剥製が並ぶ専門店で、今も多くの人が訪れる場所。
映画では、1920年代のパリのこの場所でパーティが行われており、ギルがアドリアナと再会し連れ出します。

ムーラン・ルージュ(Moulin Rouge)

ムーラン・ルージュはフランス語で「赤い風車」という意味で、パリ北部のモンマルトルにある世界的に有名なカバレット劇場(キャバレー)です。
1889年に開業し、特にモダンなカンカンダンスのショーで知られ、見事なエンターテイメントで多くの人々を魅了してきました。
映画では、ギルがアドリアナと一緒に1920年代からさらにさかのぼってベル・エッポクの時代へとタイムスリップすることとなり、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック(Henri de Toulouse-Lautrec、1864-1901)とここで出会います。

シェイクスピア・アンド・カンパニー書店(Shakespeare and Company)

1919年に創設され、パリにおける英米文学とモダニズム文学の殿堂として由緒ある書店。
映画にも登場したアーネスト・ヘミングウェイスコット・フィッツジェラルドガートルード・スタインマン・レイなどもこの書店で多くの時を過ごしたといいます。
映画の終盤で、主人公のギルがこの書店から出るシーンがあります。

アレクサンドル3世橋(Pont Alexandre III)

1900年のパリ万国博覧会に際して建設されたセーヌ川に架かる橋で、世界遺産「パリのセーヌ河岸(Paris, Banks of the Seine)」の構成資産の一つです。
映画のラストシーンで登場するのがこの橋で、ギルがとある女性と再会します。
雨が滴りキラキラと輝く情緒あるパリの風景、物語の流れにも思わず頷いてしまうシチュエーションで、ホッと和むエンディングに静かで穏やかな感動を覚えます。

ここまでざっと挙げてみましたが、正確には、映画「ミッドナイト・イン・パリ(Midnight in Paris)」ロケーションとなった場所は他にもあるんですよね・・・


そして、私にとっては初のフランスへの一人旅、念願のパリ滞在、といってもほんの短時間。
ここに挙げたどれだけを訪れることができるのか。

次は、自分で撮影する写真とともに、さらに楽しんでレポートしたいと思っています。

サラリーウーマンでありながら、自由とは言い切れないこのご時世に、ほんの数日とはいえ日本から海外へ旅に出られることに心から感謝して・・・
本当に、ありがとうございます。
行ってまいります。


あなたが愛する
パリのスポットは
どこですか?

映画「ミッドナイト・イン・パリ」に登場する偉大なアーティスト

名作映画で知る歴史に名を残した芸術家たち


前回は、大大大好きな映画「ミッドナイト・イン・パリMidnight in Paris)」について簡単にご紹介させていただきました。

この映画は、主人公であるハリウッドの売れっ子脚本家ギルが、2010年の夏、婚約者と訪れた憧れの街パリで、現代から黄金時代(ゴールデンエイジ)の1920年代へとタイムスリップし、当時のアーティスト達と夢のような時間を過ごして…という言わば大人のためのおとぎ話です。

尊敬する歴史上の偉大なアーティストに会えることができたら。。。
そんなことを夢見るのは、この映画の主人公ギルに限ったことではなく、私もそうですし、このブログを読んでくださっているあなたもそうかもしれませんね。

真夜中のパリ、午前0時を知らせる鐘の音とともに現れたクラシックカーに乗り込み、過去へとタイムスリップしてしまったギルでしたが、さまよいこんだのは芸術や文化が開花し、活気にあふれた1920年代のパリの社交場。
続々と登場する当時のアーティスト。
初めは困惑するも、脚本家から本格的な小説家への転身を願っていたギルにとって、敬愛してやまないアーティスト達との夢のような時間なわけで。
興奮しつつその幸せに素直に身を任せる彼の姿には共感できます。


さて、映画「ミッドナイト・イン・パリ」にはいかなる歴史的アーティストが登場するのか。
その人物達を登場順にご紹介します。
(なお、ポートレイトは全てWikipediaから転載させていただいています。写真をクリックするとWikipediaのページにリンクしますので、ご活用くださいませ)


コール・ポーター(Cole Porter、1891-1964)

アメリカの作曲家・作詞家で、1910年代後半から1920年代後半にかけてパリに在住していました。彼の曲は数多くのミュージカルや映画で使われ、ジャズのスタンダードとしても愛されています。
映画では、主人公ギルがタイムスリップしたばかりの場面で訪れたパーティー会場で、コール・ポーターがピアノを弾きながら名曲「Let’s Do it, Let’s Fall in Love」披露しています。

Cole Porter – Let’s Do It.(by renato reyes

ゼルダ・フィッツジェラルド(Zelda Fitzgerald、1900-1948)

アメリカアラバマ州生まれで、ハイスクールを卒業後、スコット・フィッツジェラルドと1920年に結婚。彼の作品に影響を与えたことで知られています。彼女自身も小説やエッセイを書いており、独自の創作活動を行い、自由奔放ながらも壮絶な人生を送りました。
映画では、ゼルダが困惑した表情のギルに「迷子みたいね」と声をかけます。英語で話しかけられたギルは同じアメリカ人かと安心し、自己紹介し作家であることを伝えたところで、夫のスコット・フィッツジェラルドに紹介されます。

F・スコット・フィッツジェラルド(F. Scott Fitzgerald、1896-1940)

アメリカ文学の象徴的な作家で、ゼルダと結婚した同年の1920年に処女長編「楽園のこちら側」が全米ベストセラーになったことや、1974年にロバート・レッドフォード主演、2013年にはレオナルド・ディカプリオが主演で映画化された「華麗なるギャツビー」などの作品で知られています。1924年から1930年まで、ゼルダと娘とともにフランスに移住しました。
映画では、過去にタイムスリップしてしまったことにまだ気がつけていないギルが、F・スコット・フィッツジェラルドから「このパーティーのホストはジャンコ・クトーだ」と聞き、「冗談がきつい」と返すのですが、フィッツジェラルド夫妻はギルがつまらながっていると勘違いし、他の場所へと連れ出します。


ちなみに、ジャン・コクトーJean Cocteau、1889-1963)は映画監督、劇作家、詩人、小説家、画家として、フランスの多才な芸術家でした。
この映画ではここで名前が出てくるのみですが、彼が20世紀の芸術界で偉大な存在であるがゆえ、ギルが冗談かと思うのも頷けます。

ジョセフィン・ベイカー(Josephine Baker、1906-1975)

アメリカ出身のダンサー、歌手、女優で、パリのミュージックホール「フォリー・ベルジュール」の看板スターとなり、フランスで人気を博した黒人アーティスト。
映画では、ギルがフィッツジェラルド夫妻らとともに訪れたバーで、ジョセフィン・ベイカーによるルンバ曲「La Conga Blicoti」のパフォーマンスを前に、初め驚きつつも次第に表情が和み、過去の時代に来てしまったということを徐々に受け入れていくさまが見て取れます。

Josephine Baker – La Conga Blicoti(by Roman Nep /Scene from “Midnight in Paris”)


アーネスト・ヘミングウェイ(Ernest Hemingway、1899-1961)

20世紀のアメリカ文学の巨星とも言われるほどの小説家で、1954年にノーベル文学賞を受賞しました。
1921年から1928年までパリに住み、文学的なサークルで多くの作家や芸術家と交流し、その体験が彼の創作に大きな影響を与えたとのことです。代表作としては「老人と海」「日はまた昇る」「武器よさらば」「誰がために鐘は鳴る」など。
映画では、ジョセフィン・ベイカーが歌い踊るバーを出た後、フィッツジェラルド夫妻はギルをレストラン「ポリドール」に連れて行き、ヘミングウェイに紹介します。ギルは彼に大ファンだと言い、自分の作品を評価してもらうことを熱望します。


ファン・ベルモンテ(Juan Belmonte、1892−1962)

スペイン生まれの闘牛士で、20世紀初頭のスペインで最も偉大な闘牛士の一人とされています。闘牛技術の革新者であり、伝統的な闘牛のスタイルを大きく変えたことで有名です。ヘミングウェイとは親友で、「日はまた昇る」に実名で登場しています。
映画では、フィッツジェラルド夫妻ヘミングウェイとパリで楽しむ様子が描かれていますが、実際はパリに住んでいたことはなかったようです(この映画のように、旅行など短期滞在していた可能性はあるかもですね!)。

ガートルード・スタイン(Gertrude Stein1874-1946)

アメリカの作家であり詩人で、パリの文学界に影響を与えた女性。パリでサロンを主宰し、多くの芸術家や作家と交流した、近代芸術の擁護者的存在でした。ヘミングウェイにも文章指導をしており「言葉の料理人」と言われた人物です。
映画では、ギルから小説の評価を頼まれたヘミングウェイが作家はライバル同士だからとガートルード・スタインを紹介します。

パブロ・ピカソ(Pablo Picasso、1881-1973)

スペイン出身の画家でフランスに定住しました。フランスの画家ジョルジュ・ブラックらとキュビスムを創始し、その後もシュルレアリスム、抽象表現主義など、さまざまな芸術運動に影響を与えました。代表作には「ゲルニカ」や「アヴィニョンの娘たち」「海辺を走る二人の女」があります。
映画では、ヘミングウェイがギルを連れて行ったガートルード・スタインのサロンで登場します。ギルは美術的な視点からもインスピレーションを受けることになります。

ジューナ・バーンズ(Djuna Barnes、1892-1982)

アメリカの作家で、モダニズム文学の一翼を担った女性。彼女の代表作「夜の森」の出版にあたっては詩人のT.S.エリオットが多大な尽力をしたといいます。
映画では、遊園地で開かれたパーティーでギルとジューナ・バーンズが一緒にダンスしている様子が描かれています。


サルバドール・ダリ(Salvador Dalí、1904-1989)

スペインのシュルレアリスムを代表する画家で映画制作者。常識を破壊し新しいアートを創造した芸術家で、「偏執狂的批判的方法(ダブルイメージ、二重影像)」という技法でだまし絵的幻想画を描きました。パリでの滞在では多彩なアーティスト達と活動を共にしています。
映画では、ギルが3度目に訪れた1920年代のパリのレストランで、サルバドール・ダリに声をかけられ、ダリの作品のモチーフの一つでもあるサイについてやたらと語られるのが笑えます。

ルイス・ブニュエル(Luis Buñuel、1900-1983)

スペイン出身の映画監督で、シュルレアリスム運動の一員として知られています。ダリと共同でパリで制作した映画「アンダルシアの犬(Un Chien Andalou)」で注目されるようになりました。
映画では、ダリとギルが話しているところににルイス・ブニュエルと写真家のマン・レイが連れ立って現れます。脚本家であるギルが彼らとの出会いを喜ぶのは当然ですね。

マン・レイ(Man Ray、1890-1976)

アメリカの写真家で、画家や彫刻家としても活動している、シュルレアリストを代表する芸術家。フランスを代表するダダイストであるマルセル・デュシャンに感化されパリに渡り、ニューヨーク・ダダとヨーロッパのダダを同時並行的に進めました。
映画では、サルバドール・ダリルイス・ブニュエルそしてマン・レイという奇抜なアーティスト達を前に思わずギルが「自分は未来から来た」と打ち明けるのですが、マン・レイは「理にかなっている。君は2つの世界の住人。何ら不思議はない。」と疑問を抱かずで、ギルは「あなたはシュルレアリストだから」と納得しつつ身の上を話します。

T.S.エリオット(T.S. Eliot、1888-1965)

アメリカ生まれのイギリスの詩人で、モダニズム運動の代表的な人物の一人。ハーバード大学進学後、パリに留学しました。詩集「荒地」などが有名で、詩の中で精緻な言葉遊びを展開し、1948年にノーベル文学賞を受賞しました。また、子供向けの詩集である「キャッツ – ポッサムおじさんの猫とつき合う法」はミュージカル「キャッツ」の原作となっています。
映画では、ギルが4度目の過去へのトリップを図った際に現れた車に搭乗していたのがT.S.エリオットで、ギルはそこでエリオットの処女詩集「プルーフロックその他の観察」は自分の経典だと本人に伝えます。


アンリ・マティス(Henri Matisse、1869-1954)

フランスの画家で、印象派とフォーヴィズムの要素を取り入れた画風で知られています。色彩感覚と抽象的なアプローチが際立っており「色彩の魔術師」と言われました。
映画では、ガートルード・スタインのサロンを再訪したギルが、マティスの新作をスタインが500フランで買い取ろうとしているところに遭遇。現在500フランはおよそ82,000円。それは普通に考えれば一般人にとって大金ですが、マティスの本物の作品を現代で買うには安すぎなのでギルは自分も欲しいと言い放ちます。


さてここまでが、1920年代の場面でギルが出会ったアーティスト達ですが、物語ではさらなる展開があり、時代をさらに遡り、ギルは1890年代のパリまで旅することになります。
そこで出会うのが以下のアーティスト。

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック(Henri de Toulouse-Lautrec、1864-1901)

フランスの画家で、ポスターアートの先駆者として知られ、モンマルトルのナイトライフやキャバレーのシーンを描きました。
映画では、ギルが1920年代のパリで出会った美しい女性アドリアナとともに、さらに過去のベル・エポック(良き時代、美しき時代)と言われる1890年代へとトリップし、訪れたモンマルトルのダンスホール「ムーラン・ルージュ」で2人はロートレックに出会い、声をかけます。
ちなみに、アドリアナはこの映画のヒロインの一人で架空の人物です。

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックムーラン・ルージュの舞踏会Bal au Moulin Rouge 1890年)」

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック ポスター「ムーラン・ルージュのラ・グリュMoulin Rouge – La Goulue 1891年)」

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックフィンセント・ファン・ゴッホVincent van Gogh 1887年)」

(引用元:Wikipedia


ポール・ゴーギャン(Paul Gauguin、1848-1903)

フランスの後期印象派で象徴主義の画家。南太平洋での滞在中に独自のスタイルを開発しました。彼の作品にはタヒチの風景やポリネシアの文化が描かれています。
映画では、ギルとアドリアナがロートレックと話している席にゴーギャンドガが共に現れます。ゴーギャンは、オートクチュールを職業にしているというアドリアナに、ドガの友人が新作バレエの衣装係を探していることを教えます。

ポール・ゴーギャンブルターニュの羊飼いLa bergère bretonne 1886年)」

ポール・ゴーギャン「タヒチの女(浜辺にて)(Femmes de Tahiti 1891年)」

ゴッホが描いた「ポール・ゴーギャン(赤いベレー帽の男)portrait of Paul Gauguin (Man in a Red Beret) 1888年)」

(引用元:Wikipedia

エドガー・ドガ(Edgar Degas、1834-1917)

フランスの印象派の画家で、特にバレエやダンサーをテーマにした作品で知られています。彼の描写は動きや瞬間を捉えたもので、美術史に重要な存在とされており、彫刻作品も秀逸です。
映画では、このベル・エポック期こそ黄金時代だと言うアドリアナに対し、ゴーギャンとともに「今よりルネサンス期こそが良い時代だ」と主張します。

エドガー・ドガ踊りの花形(エトワール、あるいは舞台の踊り子とも呼ばれる)(L’étoile de la danse (L’étoile ou danseuse sur scène) 1878年頃)」

エドガー・ドガ14歳の小さな踊り子(La Petite Danseuse de Quatorze Ans 1881年)」

エドガー・ドガオペラ座のオーケストラ(L’Orchestre de l’Opéra 1870年)」

(引用元:Wikipedia


以上が、映画「ミッドナイト・イン・パリ」で主人公のギル・ペンダーが出会ってきた歴史に名を残す偉大なアーティストたちです。

ここでは書ききれませんが、映画に登場したアーティスト達について、現実の世界でも実際に語られている姿が、本作内でも外見や言動からよく表現されていて、本当に面白い。
名優揃いの配役とはいえ、いかに俳優さんたちが努力をされたかということがうかがい知れます。
(是非このページに記載した実在したアーティスト達のポートレイトと、映画で演じる俳優さんたちの姿を見比べてみてください!!)


なお、この映画のDVDやチラシ等にはゴッホの名作「星月夜」が使われていますが、ゴッホは映画には登場しません。
パリを愛したアーティストとしてゴッホを外すわけにはいきませんよね。
しかしながら、フィンセント・ファン・ゴッホVincent van Goghがこの現実世界に生きたのは1853年から1890年で、「星月夜」が描かれたのは1889年、フランスのサン・レミ・ド・プロヴァンスにあるサン・ポール・ド・モゾル修道院病院で精神科治療を受けていたときのこと。
というわけで、この映画がフィクションであるものの、ギルが訪れた時代設定を考えるとゴッホ自身を登場させるのは難しかったからゆえと思いますが、名画だけでも登場させるというのが、また素敵です。

ゴッホ「星月夜」(引用元:Wikipedia


さて、ここまでだいぶネタバレ的なことを書いてしまいましたが、ウディ・アレンの脚本はさすがで、BGMは始終ゆったりしているものの、展開からは目を離せず、中身の濃いあっという間な鑑賞時間に充実感を覚えます。


というわけで、登場人物だけでまた長くなってしまいましたので、映画「ミッドナイト・イン・パリ」で主人公ギルが訪れたパリの名所については次回に。


あなたが尊敬する
歴史上の人物は
誰ですか?

アート好きにはたまらないラブコメ「ミッドナイト・イン・パリ」

2012年アカデミー賞&ゴールデン・グローブ賞 最優秀脚本賞W受賞の名作


本日取り上げますのは映画「ミッドナイト・イン・パリ(原題:Midnight in Paris)」。
映画界の巨匠ウディ・アレンが脚本と監督を務め、2011年に全編パリで撮影されました。
2012年のアカデミー賞ゴールデングローブ賞でどちらも最優秀脚本賞を受賞し、その他の数々の賞にもノミネートし受賞しています。

もう、私も大大大好きな映画です!
2012年に日本で公開された当初は映画館で観て、期待していた以上の面白さに感動し、DVDも即買いしました。

映画「ミッドナイト・イン・パリ」のパフレットとDVD


ブログを綴り始めた頃はこの映画について必ず書こうと思っていたのですが、大大大好きだと言いながらも、そのうちすっかり失念。
しかし、初めてのフランス旅を目前に、今こそ綴っておかなければと思い出しました。

ミッドナイト・イン・パリ」のDVDのジャケットおよびチラシのイメージを見て、アート好きならもちろん、そうでなくとも多くの人がアートに関わる映画なのかな?と察しがつくかと思います。

そう、このイメージに使われているのは、天才画家ゴッホによって描かれた名画「星月夜」。
アーティスティックな映画であることを予感できますよね。

映画「ミッドナイト・イン・パリ」のチラシ(表)
(画像をクリックするとPDF画面が開き、拡大できます)

映画「ミッドナイト・イン・パリ」のチラシ(裏)

更には、この映画のキャッチフレーズに

天才ウディ・アレンが真夜中のパリに魔法をかけた!
誰しもをめくるめくおとぎ話の世界へトリップさせる至福のロマンティック・コメディ

とあるように、ラブコメ要素あり、SFファンタジー要素もありで、見応え抜群です。

映画『ミッドナイト・イン・パリ』予告編(by 映画配給会社ロングライド


この映画の内容について私流に一文でまとめると、
あまたのアーティストたちが愛し、誰もが憧れてやまない魅惑の都市パリへ、お嬢様育ちの婚約者との婚前旅行にやってきた、ハリウッドの売れっ子脚本家から本格的な小説家への転身を夢見る主人公ギル・ペンダー(オーウェル・ウィルソン)が、パリの黄金時代へとタイムスリップし、当時のアーティストたちと出会い夢のような時間を過ごす中で、自分の内面に気がつき、言い換えれば、現実と向き合い本当の自分に戻り、そして最終的に自分にとって本当に必要な人に巡り会う物語、
という感じでしょうか。

私事ですが、この映画を観た前年は2011年、東日本大震災で私自身も大きなダメージを受けた年です。
震災後という点で初めて映画館で観たのがこの「ミッドナイト・イン・パリ」でした。

過去のブログにも書きましたが、私は震災のおかげで、命のありがたさを感じ、それまで忘れかけていたアートへの想いが復活したので、そのタイミングでこの素晴らしい映画を観ることができたのには因縁のようなものを感じましたし、映画館で映画を観ることができる幸せを噛みしめ、大好きなアートに関連する物語で楽しく現実逃避しつつも、命ある現実に感謝する気持ちになれたこの映画は私の宝物の一つです。

さて話がそれましたが、映画「ミッドナイト・イン・パリ」はオープニングがまた良いのです。
シドニー・ベシェのジャズ名曲「Si Tu Vois Ma Mère」をBGMに、現代の何気ないパリの日常の映像が映し出されます。
何気ないといっても、そこはパリ。
美しい名所の数々をおよそ3分の曲分いっぱい堪能することができます。

この部分では全く俳優さんたちは出てきませんし、なんの装飾もされていないパリの日常風景の記録動画という感じですので、何も知らないでこれだけを見ると、まさかロマンティック・コメディ映画の一部とは気がつかないかもしれません。
けど、そんなオープニングで始まる映画だからこそ、むしろこのシンプルさが、パリというそれだけで素晴らしい空間で、素敵な物語が展開されるのかもと胸が高鳴るのです。

なんと!その、映画「ミッドナイト・イン・パリ」のオープニングだけを切り取られた動画がYouTubeで観ることができますので、こちらも是非♪

Si Tu Vois Ma Mère – Midnight in Paris (2011)(by Alex Wang


ちなみに、このゆったりした曲を奏でるシドニー・ベシェ(Sidney Bechet、1897年5月14日 – 1959年5月14日)は、アメリカ・ルイジアナ州ニューオーリンズ出身のクラリネットおよびソプラノ・サックスのジャズ・ミュージシャンで、フランスへは1949年に移住したそうです。

曲名の「Si Tu Vois Ma Mère」はフランス語で、「もしもあなたが私の母を見たら」という意味で、1930年代にフランスの歌手Lucienne Delyleによって歌われ、その後も多くのアーティストによってカバーされてきました。

この曲が映画「ミッドナイト・イン・パリ」にピッタリなのも納得ですね。
他にも、古き良き時代の名曲によって心地よく物語が展開されます。

以上、ここまで簡単にまとめましたが、フランス・パリへの一人旅を控えている私なので、本当は、この映画に登場する歴史上のアーティストや舞台になった観光スポットも述べたかったのです。
しかしながら、それでは長くなってしまいそうですので、それらについてはまたの機会に投稿しようと思います。


あなたの好きな
アカデミー賞受賞作といえば
なんですか?

2023年秋のフランス旅行計画

〜仙台から出国そして旅のテーマは世界遺産〜


幾度となく告げてきたフランス旅への想い・・・


その実現も間近です。
実は、先月(7月)は私の誕生日だったので、自分へのプレゼントに!という理由付けで、今年の秋にフランス旅行することを決断し、航空チケットの購入を済ませました。

地球の歩き方「パリ&近郊の町」とそれをもじったコンビニ菓子
(普段コンビニ菓子はほとんど買わない私ですが、その航空チケットを取った日にたまたまコンビニに寄ったら、地球の歩き方「パリ&近郊の町」をもじったコンビニ菓子を発見し、引き寄せを感じて思わず購入)

今回は、ヨーロッパへ行く経路としては初めて、仙台から出国し、台北経由でパリへと向かう飛行機を選択。

日本在住の人がヨーロッパへ行くとなると、一般的には成田空港や羽田空港からの出国かと思いますが、仙台市民の場合、東京までの交通費がかかるし、飛行機の時間によっては、空港近隣で一泊する必要があったりと、出国以前に時間も費用もかかってしまうので、仙台空港からダイレクトに出国して、経由地を挟みつつでもパリに行けるというのは、仙台市民としてはとてもありがたいです。

とは言え、国内での飛行機さえ、コロナ禍以降一度も乗っていない私。
飛行機の乗り方ってどんなだったっけなんて感覚の上、一人旅でいきなり仙台から出国するのはかなり緊張感あり・・・

仙台空港 展望デッキ
仙台空港 展望デッキ(2019年12月撮影)

でも、飛行機は大好きだし、ワクワク感の方が優っているので、楽しみでなりません。

というわけで、航空チケットは取ってしまったので、今、具体的な訪問先の計画を練っています。
行き当たりばったりの旅を楽しむ人も多いと思いますし、私自身も本当はそういった形に憧れはあるのですが、どうしても仕事の休みが限られている私には、旅行日数も短くなってしまうので、予め予定を立てるのは絶対に必要な作業。
ですが、これもまた楽しくて。
このワクワクな気持ちで練っている楽しい旅の計画を、備忘録として、綴っておこうと思います。


さて、アート好き世界遺産検定2級保持者である私の旅のテーマは自ずと決まってきます。

フランスには世界遺産2023年8月時点で49件も登録されていて、パリだけに限っても世界遺産としての見所は沢山あります。

私のたった数日の滞在期間のみでは、全てを回るのはどうしても不可能なので、まずはパリで押さえておきたいのは、文化遺産として1991年に登録された「パリのセーヌ河岸Paris, Banks of the Seine)」の構成資産に含まれる以下のスポット。

ルーブル美術館Musée du Louvre

グラン・パレGrand Palais *リニューアル工事中とのことだけど、外観だけでも!)

プティ・パレPetit Palais パリ市立美術館

オルセー美術館Musée d’Orsay

シャイヨー宮Palais de Chaillot

サン・ルイ島île Saint-Louis

2000年の歴史都市として栄えてきたセーヌ河畔に広がる数々の構成資産の中から、ざっと一部抜粋しただけでも、こんなに。
ああ、想像するだけでもうっとりする世界遺産パリのセーヌ河岸Paris, Banks of the Seine)」。

でも、パリをご存知の方からは、逆にこれだけで良いの?と突っ込まれるかもしれませんね。
しかしながら、私、今回のパリ滞在は2・3日程度の予定なもので・・・
ルーブル美術館だけでも数日かかっても見切れないのはわかっていますが、大好きな美術館でも2時間程度までと時間制限をかけてまわるしかありません。

そして何より、向かうはフランス
世界遺産の構成資産となっていない場所でももちろん、素敵スポットはあるわけで。

それに今回の旅の目的の一つは、フランスモルヴァン自然公園に住む友達との再会でもあるので。

計画に組み込みたいことは他にも沢山。
その辺りについては、また次回メモります。


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