ハムレット舞台で世界遺産クロンボー城への一人旅

〜 今でも心に残る旅の回顧録 〜


先日、映画『ハムネット』について記事を書きながら、私はある場所のことを思い出していました。
ウィリアム・シェイクスピアが描いた「ハムレット」の舞台として知られるデンマーク・エルシノア(Elsinore, Denmark)。

シェイクスピアの時代には「エルシノア」と呼ばれていたこの町、現在のヘルシンオアまたはヘルシンゲルに、実在するお城で、世界遺産として登録されているクロンボー城(Kronborg Castle)があります。
この地を私は数年前に一人旅にて訪れました。

*デンマークの都市、ヘルシンゲル(Helsingør)について
Wikipediaによる説明「ヘルシンゲル」

当時はただ「いつか行ってみたかった場所」として足を運んだその城が、今になって、まったく違う輪郭を帯びて思い出されてきました。


その地を訪れたのはこのブログサイトを開設する前のことでもあったので、今回は、そんなクロンボー城での記憶を、撮りためた写真とともに思い出巡りしてみたいと思います。



その日、私は滞在していたコペンハーゲン中央駅そばのホテルを朝早く出発し、電車にてヘルシンゲルへと向かいました。

コペンハーゲン中央駅(正面入口)
コペンハーゲン中央駅(プラットホーム)

Googleマップでの日本語表記はヘルシングボリとされる場所がここでいうヘルシンゲルです。

コペンハーゲン中央駅から電車に揺られ、およそ50分ほどでヘルシンゲルへ到着。

ヘルシンゲル駅(駅舎内)
ヘルシンゲル駅(正面入口)

ここは、デンマークの首都コペンハーゲンの北に約44km先のところにある港町。
ヘルシンゲル駅を出ると静かで美しい景色が広がります。

ヘルシンゲル駅前のフェリー乗り場スンドブスン・ターミナル(Sundbusserne Terminal)
町の中心にそびえる大聖堂聖オーライ教会(St. Olaf’s Church)
中世の修道院に付属していた、落ち着いた佇まいの聖マリア教会(St. Mary’s Church)
閑静な住宅街の間から見えるのがクロンボー城

クロンボー城手前の波止場には、一際目を引く海のゴミで作られた魚のオブジェが設置されていました。

公共アート作品:Garbage Fish(ガーベッジ・フィッシュ)

海洋プラスチックごみ問題への関心を喚起するために制作された巨大な魚型の彫刻作品で、訪れた時はただ印象的な作品だと感じただけでしたが、帰国してから調べて、日本のアーティスト「淀川テクニック」によるものだと知り驚きました。

遠く離れたデンマークの港で、思いがけず日本とつながった瞬間があったのだなと、不思議な感覚を得たのを今でも覚えています。

そんな印象深いオブジェの前にどっしりと佇む建物もまた奇抜でした。

Kulturværftet(カルチャーヴァーフテ/文化施設)

旧造船所(værftet:ヴァーフト)をリノベーションして建てられた、図書館+文化施設+展示スペースが一体化した施設です。

さらに進むと、旧造船所のドックをそのまま活かし、地中に潜るようにして造られたデンマーク海事博物館(M/S Maritime Museum of Denmark)があります。

海事博物館は地下なのでその建物は地上にありませんが、その先に、クロンボー城が姿を現します。

デンマーク海事博物館(手前に見える階段を下って入館)とクロンボー城

さて、いよいよクロンボー城の敷地内へ。
(工事中でしたが)まるでおとぎ話の世界にでも入り込むような入り口でした。

クロンボー城敷地内への入り口
クロンボー城は海に囲まれているため橋を渡らなければならない
さらに堀に囲まれた城壁
敷地内にはゲートがいくつもある

ここまでは無料ですが、お城の内部に入るためには入場料を払う必要があります。

城内部へと繋がる重厚な門(ここで入場料を支払う)

なお、デンマーク観光者には便利なコペンハーゲンカード(Copenhagen Card)というものがあります。
コペンハーゲンカードは、コペンハーゲン市内および周辺の80以上の観光名所への無料入場と、公共交通機関の乗り放題がセットになったもので、24時間〜120時間の有効期間から選べ、観光スポットを効率よく巡る際に便利なパスです。

私が行った年は2019年だったので、現地の旅行会社等でコペンハーゲンカードを購入する必要がありましたが、今はスマホのアプリになっているので、現地行かずとも準備可能です。
本当に海外旅行するにも便利な時代になりました…


クロンボー城への入場料金については、2026年4月現在で、大人150DKK*ほどで、季節によって変動があったり、オンライン購入の場合の割引があったりもするようです。
コペンハーゲンカード利用可能状態であれば、無料になります。

DKK:デンマーク通貨クローネ。2026年4月18日現在で1クローネ24.97 円です。私が行った時より1.5倍くらいになっちゃってます…

さあ、それでは城内へと向かいましょう。

中庭へと繋がるアーチから見上げた景色
中庭

建物の中の部屋はたくさんあって、限られた時間内ではとても見切れませんが、どこを巡っても「宮廷と言えば豪華絢爛」というイメージが覆されるものでした。

居住部屋
大広間(ボールルーム)

屋上に登ることもできました。

屋上に出るための螺旋状の階段

屋上に登ると、360度パノラマの素晴らしい景色が一望できます。

エーレスンド海峡(Oresund)の向こうは、もうスウェーデンです。
この城がただの宮殿ではなく、“境界を見張る場所”だったことを実感します。

屋上からの眺め(向こう岸に見えるのがスウェーデン

一方で、視線をずらすと、城の向こうに広がるのは、小さな港町の穏やかな日常。
尖塔を伸ばす聖オーライ教会が、この街の時間を静かに見守っています。

屋上からの眺め(ヘルシンゲルの街並み、フェリースウェーデン行き)

クロンボー城は宮殿であると同時に要塞でもあり、華やかさよりも防御や機能が重視された場所でした。

対岸に向かって設置されている大砲

そして、その大砲が向けられていた先に目を向けると──

クロンボー城前に広がる海(エーレスンド海峡

そこには静かな海が広がっていました。
けれどこの場所は、かつて“境界”だったのです。

見張るために築かれた城と、その向こうにある、もうひとつの国。
その距離の近さが、この場所に独特の緊張と静けさを与えているのかもしれません。

デンマークスウェーデンを繋ぐ、国境の船が絶え間なく行き交う海の玄関口

そしてこの風景は、やはりハムレットの世界とも重なって見えるのです。

境界に立つということ、その内側と外側で揺れる心。
けれど今、この海は人を隔てるものではなく、行き来するための穏やかな道になっている。

かつての緊張を知っているからこそ、この静けさを、尊く感じられるのでしょうか・・・

デンマークの世界遺産クロンボー城

この度、映画『ハムネット』を観たことをきっかけに、尊い記憶を呼び起こすことができ、豊かな気持ちに浸っています。
デンマークで訪れた他の場所についても、いずれまた記録として残せればいいなと考えています。

ちなみに、アート好きな私は旅をするときは、美術館や世界遺産など芸術を巡ることをテーマとしておりまして、世界遺産検定公式HPをよく参考にさせていただいております。

世界遺産であるクロンボー城については、世界遺産検定公式YouTnbeチャンネルのこちらの動画が参考になるかと思いますので、ご興味のある方はご覧になってみてください。



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