忠実さと、人間のふれあいを忘れない心を

不安な現代にこそ多くの人に知ってほしいマザー・テレサの言葉


先日、栃木に行って来ました。
過去に勤めていた職場で自ら命を絶ってしまった人がいて、その人のご実家が栃木のため、それから毎年必ず、お焼香をしに訪れるようにしているためです。

私も、兄であり父のような存在だった叔父が、震災で心を病んで命を絶ってしまったこともあって、元職場で亡くなったかたのご両親とは心が通ずるところもあり、悲しいきっかけではあるのですが、同胞のような良い関係を築いています。

このご夫婦の亡くなった息子さんにしろ、私の叔父にしろ、亡くなってから数年の月日は経っていますが、その悲しみは、消えることはありません。

確かに、時間が癒してくれている部分はあります。
「運命ということなのかもしれない、起きてしまったことは仕方がないし、残された私はその死を無駄にしないような生き方をして行こう」と、嘆いてばかりいられないことを、私たちは悟ることができています。

しかしやはり、「なぜ死んでしまったの、あなたが突然いなくなってしまったことはあまりにも悲しすぎる」という気持ちは、ずっと残っています。
この気持ちが消えることはないでしょう。
平常時は考えないようにしていても、ふと考え始めれば、涙は勝手に溢れてきます。

今、コロナの問題によって、世界で自殺者が急増しているといいます。
特に、この日本ではその数が多く、コロナの感染によって招かれる死亡者数以上であることが、海外からも驚かれているほどとのことですね。
そもそもとして日本は、裕福で平和な国と言われながらも、メンタルヘルスの大きな問題を抱えていることが、この悲しい現実に繋がっているという見方もあります。

自分の心に抱える苦悩を人に言えない重圧な環境、そして、そんな本来であれば違和感のある環境を、当たり前と感じてしまっている人々・・・

このような時代だからこそ、自分たちの感覚がおかしくないか、人としての感情とはどういったものであるかを、思い直す必要があるのではないかと感じています。

そんな中で、一人でも多くのかたに今一度触れてほしいと思うのが、マザー・テレサの言葉です。

マザー・テレサを知らない人の方が少ないでしょうけれども、改まって触れたことがあるという人はあまりいないのではと思いますので、ここで少しご紹介したいと思います。

人間のほほえみ、人間のふれあいを

忘れた人がいます。


これはとても大きな貧困です。


先に述べた日本の抱える「メンタルヘルスの問題」というのは、マザー・テレサの言葉を借りて言えば、「心の貧しさ」ではないでしょうか。

心からの楽しさや嬉しい気持ち、幸せな気持ち、感謝の気持ちで笑顔になれているか、うわべだけでない本当の心の触れ合いを持てているか。

一人ひとりが心から笑える日々を送り、損得なしで人間関係を育くんでいくことで、本当の豊かな社会に繋がっていくのではないかと思います。

神が私に望んでいらっしゃるのは、
事業を成功させることではなく、
忠実に生きることなのです。

神と相対して生きているとき、
大切なのは結果ではなく、
忠実さなのです


小さな事に忠実でありなさい。

小さな事の中に

あなたの強さが宿るのですから


ここでマザーの言う『忠実でいる』ってどういうことでしょう?
私は、正直に生きるとか、自分の信念をブレさせないこと、等身大の自分を大切にする、心を込めて物事に取り組むとか、そういうことかなと思っています。

小さなことにも忠実に、そして人としてのあたたかい感情を失わないように生きていきたいです。

なお、マザー・テレサに関しては、報道写真家の沖守弘氏の著作「マザー・テレサ あふれる愛(講談社青い鳥文庫)」について述べた記事もありますので、よろしければ、こちらも併せてご覧いただけましたら幸いです。

愛の人 マザー・テレサ その1/マザー・テレサを取材し続けた沖守弘氏
愛の人 マザー・テレサ その2/マザー・テレサを取り巻く人々

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