目からウロコのピアノ練習方法

悩める奏者に嬉しい、春畑セロリさんの本「ピアノのお悩み解決クリニック」


以前の投稿「私のピアノ人生」にて、音楽家 春畑(はるはた)セロリさんによる本「ピアノのお悩み解決クリニック 練習向上編」を紹介しますと述べてから、だいぶたってしまいました。ごめんなさい。
最近、“ピアノ習ってます、練習頑張ってます”というお子さんによく出会うので、是非とも、ご紹介しておきたいと思います。

春畑セロリさんは、舞台、映像、イベント、出版のための音楽制作、作編曲、演奏、執筆、音楽プロデュースなどでご活躍されていますが、その公式のプロフィールでは自らを「さすらいのお気楽者」とおっしゃっていて、執筆される本の内容も、頭でっかちじゃないところがとても好きです。

春畑さんのオフィシャルウェブサイトもそのお人柄を感じる、すごく楽しげな雰囲気♪

春畑セロリさんの公式WEBサイト
http://www.trigo.co.jp/

さて、「ピアノのお悩み解決クリニック 練習向上編」は、初心者から上級者まで、また、子どもから大人までの、ピアノ練習者が抱える50のお悩みを、Q&A方式で紹介されている本です。

ピアノ演奏発展途上のお子さんから、初めてピアノにトライする人や、私のように過去に経験はあるけどブランクがあって自信喪失気味のタイプの大人まで、今更聞けないようなお悩みに、春畑さんが明快に回答してくれます。

例えば、
・一度ブランクを作ったら、あせらず初心にかえる
・ピアノは音楽なんだから、楽しく弾くのが大事
・趣味のピアノにルールはありません
・魅力を感じる教材や、好きな曲が載っている曲集を選ぶ
・その曲に執着してもいいから、とりあえず先へ行く
というように、気持ちが軽やかになるアドバイスが盛りだくさんです。

もう少し具体的に、一部を抜粋させていただきますと、
Q「大人になってからピアノを始めるのは、指が固まっているから絶対無理などと言われたが、かっこよく弾けるようになりたい」
という30歳の女性に対して、
A「大人には大人のピアノがある。あなたにあった練習方法を」
というご回答。
「大人は、『初心者』だけど『幼児』ではないのだから、最初から芸術、アートとしての音楽を楽しむことができる。指が動かないことなんかへのかっぱ。動かない指を楽しもう」そして「教則本なんかブッとばせ。好きな曲を徹底的に引きましょう」とも述べられています。

「アートとしての音楽を楽しむ」
子供の頃、基礎が大切だからと教則本に従ってひたすらやってきたタイプにも、目からウロコな指南です。

さらに個人的にとても共感できたのはこちら。
Q「大きくなったらピアニストかピアノの先生になりたい。1日どれくらい練習すればいい?」
という12歳の女の子に対して、
A「問題は練習の量じゃない。もっと大切なことにも目を向けて」
というご回答。
「音楽だけじゃなくて、美しい絵を見たり、本や詩を読んだり、歴史をひもといたり、お芝居や映画を観たりして、いろいろな芸術に親しむことも価値あること。あなたの心が豊かになればなるほど、あなたの演奏も豊かになるのですから」

日頃から様々な芸術や文化に触れて、感性を磨くことで、表現力が豊かになり、自然と演奏の技術も磨かれて、さらには心の豊かさもますますアップする。好循環ですね♪
こういったことは、本来、大人から子どもに、伝えるべきとても大事な事柄ではないかと思います。

ピアノに限らずですが、音楽に親しむというのは、人生を豊かにする生業の一つなのだから、それなりに弾けるようになったとしても、それが、強制によるものだったり、苦痛ばかり伴うようなものでは、ちょっと違うと思います。
また、楽しむことが大事、とはいえ、楽しくできる方法を必死で探してまで続けようとするのも無理があって、何か違うような気がします。

自分の心がそれを好きと本当に思っているかどうか。
結局、それが一番大事で、好きならば、楽しく♪
そういうことなのかな、と思います。


あなたの
心から好きと思える
趣味はなんですか?


ピアノのお悩み解決クリニック 練習向上編