精製された白い食品は控えめに

五穀たっぷりクラッカーのすすめ

前田製菓の製品「五穀たっぷりクラッカー」
・全粒粉5.3%、玄米2.6%、胡麻1.6%、きび0.5%、あわ0.5%
・砂糖は使用しておりませんが、大麦麦芽由来の麦芽糖を使用しております。
・五穀(小麦全粒粉・玄米・黒胡麻・きび・あわ)を使用し、穀物の風味が特徴です。

と記載されています。

先日カルディで見つけ、108円というお手頃価格だったので、購入してみました。
この製品自体は特に目新しいものではないのですが、ちょうどホワイトシチューの粉が残っていたのを思い出して、シチューの付け合わせに、一般的なクラッカーより体に良さそう、と思ってのことだったのですが、買って大正解な食品でした。

一口食べたら、素朴ながら香ばしくて、今まで食べたことのないクラッカー、日本製品ならではの美味しさ!と感動してしまいました。もっと早く買っておくべきだったとさえ思いました。次はまとめ買いするかもしれません。

シチューがカロリー高めなので、バランスが大事☆ そして腹8分目◎

私は、ご飯を炊く場合は、基本的にそのままではなく、もち麦だったり、五穀だとか十穀だとかをブレンドして食べるのが習慣です。雑穀好きなので、とても自分に合いました。

ここ数年でよく知られるようになったことですが、一般的に、パンやご飯、砂糖など、精製されていない白い食品はよろしくないと言われています。人間の体は、自然で純粋な食材を分解する酵素しか持っておらず、精製された白い食品は、食物繊維やビタミン、ミネラルが抜けた状態なので、体内に急激に取り込まれ、血糖値を一気に上昇させてしまうのだそうです。血糖値が一気に上がると肝臓からインスリンというホルモンを放出することとなり、低血糖を招きます。それは、危険な血糖値の変動であり、健康と美容に多大なダメージをもたらすということなんですね。

例えば、パンを食べるなら天然酵母で発酵させたもの、さらに精製された小麦粉ではなく全粒粉でつくられたものが理想的全粒粉にはビタミンやミネラル、食物繊維が多く残っていて、栄養的にもベターということです。

…とは言いましても、個人的には、神経質になりすぎず、食べたいと思うものを美味しく味わって食べるのが一番だと思います。人が勧めるものでも、自分が美味しいと感じなければストレスですから。
生涯、食べることを楽んで生きたいですね♪

それから、料理は、ぼけ防止に最適なのだそうです。
理由は、メニューを考え、上手に段取りを踏みながら調理するには、かなりの頭を使うから。

私も、料理は色々考えること、作ることが楽しくて、リフレッシュの効果があると感じています。私の中では、料理は何も立派なものではなくとも、行為そのものが創作活動で、アートの一種という感覚です。
でもこれが、いつも美しく、ちゃんと作ろうとか、義務になっちゃったりすると、嫌になるのかもしれません。

食材の栄養を考えることも、料理することも、なんでも、あまり気を張らないこと。
そして食事は、家でも外でも、食べるだけでも、食べてもらう時でも、食べさせてもらえてありがたい気持ち、食べてもらえて嬉しいという気持ちを、大切にしていきたいと思います。


あなたは料理を楽しみ
美味しく健やかな食生活を
送っていらっしゃいますか?



〜 今回 参考にした2冊 〜

医者が教える食事術 最強の教科書――20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68
結構過激なことも書かれていますが、そこが面白いです。この本には実践編も出されています。
著書の牧田善二医師には著作が多く、TVにも出て有名です。

世界一の美女になるダイエットバイブル
世界一の美女になるダイエット」の実践編として出された本です。
かなり恥ずかしいタイトルで、手に取るのも気が引けますが、写真やイラスト豊富で視覚的にも面白く、ダイエットに関わらず、色々と参考になります。



宮沢賢治の名作 銀河鉄道の夜

猫を擬人化したアニメ映画

最近、臨床美術つながりで知り合った真紀さんとの話題に、宮沢賢治の話があがりました。

宮沢賢治といったら、あなたは何を思い浮かべるでしょうか?

真紀さんは、宮沢賢治の暮らしに憧れるのだそうです。
農業してお勤めもして創作もして、という形ですね。素敵ですよね。
ちなみに、真紀さんはアーティストとしての才能をお持ちです。またの機会に改めてご紹介させていただきたいと思っています♪

真紀さんの素敵な作品たち

さて、私の場合、宮沢賢治の名ではじめに連想するのは、繰り返し見ている、猫を擬人化したアニメ映画の「銀河鉄道の夜」といったところです。

このアニメ映画「銀河鉄道の夜」は、1985年に公開された映画です。
宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」は、様々な形で映画化や舞台化がされていますが、これが最も一般的に知られているのではないでしょうか。
アマゾンの評価をみても、高評価でファンが多いのがわかりますね。

私は、小学6年生くらいの頃に、父が買ってきてくれたビデオ(VHS)で観たのが初めてです。
当時の私にとっての宮沢賢治といえば、国語の教科書に載っている「注文の多い料理店」と「雨ニモマケズ」で、「銀河鉄道の夜」については、興味はあったけどなんとなく子供の頃の自分には難しくて読みきれずにいたので、アニメ映画、しかも可愛いらしい猫で表現されている、ということで、喜んで観たことを覚えています。

そして、一度観て、この幻想的で何か例えようのない切ない物語に完全に魅了されました。

主人公は、病気の母と暮らし、帰らない父を待つ少年ジョバンニ。孤独な彼が、星祭りの夜にただ一人の親友であるカムパネルラと、不思議な鉄道の旅をする物語です。


テーマにされているのは、友情と自己犠牲、人間と死、そして本当の幸せ

文字で表すと、子供には難しいテーマのようですが、この映画による表現は、子供ながらの感性にスッと入ってくる感じだったのだと思います。
大好きになって何度も繰り返して観ました。

そして今から3年くらい前。どうしてもまた観たくなって、ブルーレイを購入しました。
静かな気持ちになりたいときなどには最適な作品です。

物語に出てくる言葉には、ところどころ胸に刺さる部分があります。子供の頃はあまり意識しなかったとは思うのですが、今、心に響くのは、カムパネルラとジョバンニが鉄道の旅で出会った青年の言葉でしょうか。宮沢賢治の原作と一緒です。

「なにがしあわせかわからないです。ほんとうにどんなつらいことでもそれがただしいみちを進む中でのできごとなら峠とうげの上りも下りもみんなほんとうの幸福に近づく一あしずつですから。」

「ああそうです。ただいちばんのさいわいに至るためにいろいろのかなしみもみんなおぼしめしです。」


原作にはない部分としては、物語の後半、ジョバンニがカムパネルラの名を叫ぶくだりが、何とも胸を締め付けられます。見たことのない人にはネタバレになってしまうので詳しくは書きませんが、切ない気持ちになる映画を見たい時はお勧めです。

また、このアニメの良さですが、ジョバンニ達の猫の手や尻尾のある丸いお尻がにゃんとも可愛くて、顔が緩んじゃうんですよね。大人の心が優しくなれるポイントが満載だと思います。

それから、物語やキャラクター設定以外の点で、私がこの映画で好きなところはもう一つ、音楽です。
私の父は、映画に加え音楽も好きな人で、音響にもこだわる人でしたから、この映画も大音量で観させてもらったのが効果的だったのでしょう。
まずオープニングで流れた音楽に心を掴まれ、それ以降も流れるこの映画にマッチした幻想的なサウンドに、私は引き込まれました。

というわけで、私はこの映画のサントラCDも持っているのですが、そのことについては、また改めて、音楽のカテゴリーでご紹介したいと思います。


子供のあなたに感動を与えた物語
覚えていらっしゃいますか?

愛の人 マザー・テレサ その1

マザー・テレサを取材し続けた沖守弘氏

私は本が好きなのですが、保管場所も限られているので、定期的に本棚を整理し、手放す本を考えることにしています。
先日も、その作業をしていたのですが、この本は絶対手放さないぞ!と改めて心に誓った本がありますので、ご紹介したいと思います。

それは、沖 守弘(おき もりひろ)氏による「マザー・テレサ あふれる愛」(講談社 青い鳥文庫)です。
アマゾンでの評価が高いのも、納得できます。良書です!

なお、この本には「青い鳥文庫」バージョンではないものもありますが、「青い鳥文庫」は小学中級以上向けに作られていますので、分かりやすく、写真も豊富で、老若男女どなたにも読んでいただけるので、お勧めです。
(完全にルビが入っているので、返って読みづらいと感じる方もいるかもしれませんが…)

また、マザー生誕100年の2010年に出版されましたので、記念本でもあるような形ですね。
著書の沖氏の活動により、マザーの来日が実現したということはあまり知られていないことだと思いますが、この本を読めばその理由が分かります。

沖守弘氏は、マザー・テレサを撮り続けた写真家として有名な人です。
1950年から社会的テーマを題材とした報道写真家として活躍し、1974年からマザー・テレサを撮り始め、彼女が1997年87歳で亡くなるまで追い続けます。そして、2018年89歳で、その生涯を閉じました。

この本によると、沖氏は、マザー・テレサを取材始めた初期の頃は、悲惨な状況を収めることにフォーカスをあて、陰惨で目を背けたくなるようなカットに異常に執着していたそうです。報道写真家ですから無理もないと思いますが、沖氏自身が、途中でそれが間違いであることに気がついたと言います。

「正直に言って、マザーの<死を待つ人の家>をみたとき、ぼくは、これはとくダネだ、くいついて撮りつづけていけばモノになるぞと、功名心にかられていた。一種の現世欲から、この仕事は始まったのだ。」

「ぼくは、あきらかに間違っていたのだ。ぼくが会ったマザー・テレサは、明るくて強くてラジカルで、だけどやさしく、不退転の意思と自分の進んでいる方向に絶対の確信をもった女性である。およそ悲壮感とは対極にある人である。それをぼくは、まったく逆にとらえ、しかも自分は正しいのだと傲慢にもきめこんでいたのだ。」

この沖氏の思いには、写真家でなくとも共感を覚える方が多いのではないのでしょうか?
現代は、不用意に人を不安に陥れる情報が多すぎます。
現実を知ることはもちろん大切ですが、自分のエゴや、人の関心を集めるための手段として発信されているのではないかとさえ感じることがあります。
一人でも多くが、あえて悲壮感に向かうような行為はせずに、少しでも穏やかに過ごすための選択ができるようになれば良いなと思います。

マザー・テレサは、1974年にノーベル平和賞を受賞しました。マザーの日本の息子と言われた沖氏でも、受賞によって多忙となり、体調を崩してしまったマザーにはすぐ会えなかったそうです。受賞の1年後に再会できた時、沖氏は、マザーに平和賞のメダルをつけた写真を撮らせてとお願いします。

しかし、
「受賞はね、もう過去のこと。メダルはしまってあるからここにはないの。オキ、わたしはね、ノーベル平和賞をもらうために、この活動をしているわけではないのよ。名誉とか勲章とか、わたしにはそんなに意味のあるものと思えないのよ。あなたは、わかってくれてるでしょうけどね。」
と、やさしくそしてキッパリと断られたそうです。

私は研究機関に勤めていたことがありますが、正直なことを言うと、研究が、人のためではなく、名誉のためになされているのではないかと思ってしまうことがありました(もちろん大体が人と世のためにされているということを書き添えておきます)。
現代は、ノーベル賞に限らず、様々な賞、勲章があり、人々が称えられますが、その受賞の裏には暗い世界がないことを願うばかりです。

また、エピローグの前の章、最後の頁では、このように締められています。

「マザーには、ノーベル平和賞受賞インタビューでの有名なエピソードがある。
『世界平和のために、わたしたちはどんなことをしたらいいですか?』と記者にたずねられ、ひとこと、こう答えたという。

『いますぐ家に帰って、家族を大切にしてください。』

平和は、愛は、まずわたしたちのまわりからはじまる、いや、はじめなければならないのだ。」

この本に関しては、ご紹介したい部分が山ほどあります。
楽しいエピソードもたくさんあって、心がほっこりすること請け合いです。
是非、一人でも多くの方に読んでいただけたら嬉しいです。

今回の私からの紹介は、沖守弘氏を中心としたお話になりましたが、この本では、マザー・テレサだけでなく、彼女を取り囲む素晴らしい人々についても述べられていますので、それらも交えて、また次回(カテゴリー:心の師匠)にご紹介したいと思います。

関連記事
愛の人 マザー・テレサ その2/マザー・テレサを取り巻く人々


あなたの心をあたたかくするのは
どんな本ですか? 


マザー・テレサ あふれる愛 講談社青い鳥文庫 / 沖守弘 【新書】

当サイトの背景画像について

誰でも手軽に楽しめる♪ 塩を使った水彩技法

当サイトの背景に使用している画像について、紹介させていただきます。

使用しているのは、こちら↓↓です。

塩を使った水彩技法

白い画用紙に、水彩絵の具と塩を用いて描いた、抽象画です。

臨床美術を通じて仲良くなった、画家でもいらっしゃる郁子さんのお宅にお邪魔した際に教えていただき、やってみた時の作品です。

雪の結晶のような独特の模様ができるのですが、深いことは考えずに楽しんで作業できます。準備から後片付けまで1時間あれば十分、誰にでも気軽にできますので、その方法について、ご案内しますね。

準備するもの
1)画用紙(表面がツルツルのものではなく、凹凸のある水彩紙が良いです)
2)透明水彩絵具
3)お塩(なんでも良いですが、天然塩がお勧めです)
4)その他、絵筆・パレット・水・ティッシュ・作業するために敷く新聞紙など

手順

1)パレットに、好みの色の絵の具を出す。
* 分量は、描きたい範囲にもよりますが、まずは少量で、進めながら必要に応じて足せば良いと思います。
* 色は、もちろんその時のインスピレーションで選ぶでも良いですし、迷うときには、今日の天気とか、見た夢のイメージとか、自分なりのテーマを決めてからだと選択しやすく、楽しさも増しますよ♪

2)水を多めに含ませた筆で、絵の具を溶き、紙に塗る。
*色の混色や、にじみも楽しんでみてください♪

3)塗ったところが乾く前に、塩をパラパラとふりかける。
* 水の加減や乾き具合、塩の分量で表情が変わってきますので、色々試してお好みを探してみてください♪

* ティッシュで、適度に水を吸わせたり、軽くポンポン叩いて部分的に白抜きしてみたり、模様をつけても良いですね。
* 描く範囲が広い時や、複数の色を使って描くときは、一度に全体に絵の具を塗ってからではなくて、部分的に色を塗って塩、また空いているところに色を塗って塩、の作業を繰り返すと良いかもしれません。が、決まりはないので、自由にどうぞ♪

4)絵の具が完全に乾いたら、塩をはらい落とす。

工程は以上です。簡単ですね。

さらに、自分で気に入った部分を切り取って額縁に入れると、立派なアート作品に見えますよ♪

額縁は百均のものでOK!

抽象画は配置で印象が変わります

塩水彩、いかがでしたか?
興味が湧きましたら、是非やってみてくださいね。
お手軽だし、ちょっとした気分転換になるので、お勧めです。

ところで、この技法を教えてくださった臨床美術士仲間の郁子さんのことについては、また改めてご紹介させていただきたいと思います。とても優しくて温かい絵を描かれる画家さんです。

あなたが無心で取り組めることは
なんですか?

トップの写真について

心が温まるチューリップの季節♪

当サイトのトップに掲載中の写真について、紹介させていただきます。
チューリップを背景にした鴨のいる風景、こちらは、オランダに行った時の写真です。
オランダと言えば、風車や歴史地区の世界遺産、ゴッホやフェルメールらによる名画、そして最も人気なのが、チューリップ。
特に4〜5月はチューリップの季節で、オランダで花のテーマパークとして有名なキューケンホフ公園では、国のシンボルであるチューリップを中心に、色とりどりの花々が咲きほこります。

開園を待つ大勢の人
園内にある風車の展望台

さて、私もお花は大好きですが、私の旅行のテーマは、主に「美術と世界遺産などの芸術に触れること」と決めています。そんな私にとって、優先順位を決めた時、限られた旅行時間の中で「花のテーマパーク」は上位に来ません。
なのですが、ちょうどこの時は、オランダ旅行へ行く予定にした時期が5月だったので、せっかくだからキューケンホフへも行ってみようと思ったのでした。

実際のところ、とても美しい広大な花の公園に、私は夢中になってしまいました。
写真が趣味の人間にはたまらない快晴のお天気に恵まれたこともあり、絶え間なくシャッターを切り、瞬く間に時間が過ぎてしまいました。
トップに記載の写真は、その時、輝くチューリップと気持ち良さそうに池に浮かぶ鴨が可愛らしくて撮影したものです。この写真もそうですが、敷地内にはたくさんの水辺があって、そこに草花が反射するのがまた素敵なんです。

園内中央の大ききな池の周辺
トップ写真の別バージョン

オランダの花のテーマパーク「キューケンホフ公園」、お花好きにはもちろん、そうでない人にもとってもお勧めの場所です!
とは言っても、新型コロナで当分海外になんて行けませんね・・・
けど、チューリップが美しい季節は日本も同じです。

外出が自粛されているので、不必要には出歩いていませんが、体がなまってしまうので、私は朝早起きして、時たま付近をちょっとだけ散歩しています。もちろん、人との距離を保つことに注意を払って。
今朝も6時頃、近くの公園へ行きました。その公園は、先日までは桜が美しかったですし、花壇も、いつも温かい方々の手によって整備されていて、とっても綺麗なんです。
まさに今はチューリップが咲いてきたところで、可愛らしく美しい景色に心が和まされます。
それに、チューリップに限らずとも、至る所で春の草花が見られます。必要最低限の買い物に出かけるような短時間でも、自然の美しさに感動することはできますよね。

開くのが楽しみなチューリップのツボミたち
小さなパンジーの目線

ちなみに、チューリップの花言葉は、恋の告白、片思い、博愛、思いやり。

花は、季節を感じるとともに、花言葉を知るのも、楽しいですよね。

なお、本記事には、いつも花を知るポケットブックとして利用している『花屋さんの「花」図鑑』を参考にしました(絶版のため現在は古本か電子書籍のみのようです)。お花屋さんにある最低限知っておくと良いお花について、花言葉付きでコンパクトにまとめられているので、重宝してます。

あなたは草花に心があたたまる
という感覚忘れていませんか?

知っておきたい221種 最新版 花屋さんの「花」図鑑 『花時間』特別編集

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臨床美術を初体験した時の感動 その1

臨床美術に出会うまで 〜東日本大震災というきっかけ〜

2011(H23)年3月11日(金)14時46分18秒、東日本大震災(総務省消防庁の記録写真)が起きました。
誰もがショックを受けた大事件でしたが、私自身も直接的なダメージを受けるとは、本当に信じられないことでした。

私は、赤貝で知られる港町、名取市閖上(なとりしゆりあげ)の出身です。
震災当時は、実家を離れ、名取駅そばに住み、仙台市の職場に通っていました。
実家は、毎朝競りの声が響く港のすぐ近く。子供の頃から、地震の時は津波が来たらどうしようと怯えたものでしたから、大地震が起きたその日は、実家や家族がどうなってしまうかとそれまで感じたことのない恐怖に襲われました。

幸いにも、当時住んでいた祖母と弟夫婦一家は無事でしたが、実家は根こそぎ流され、身内では、母方の祖母が津波により亡くなりました。
そして、その翌年の1月には、震災で心を病んだ叔父が自死しました。

叔父は、私のことを常に気にかけてくれていて、父が癌で亡くなり、その後母が家を出ていった後も、誰より私を支えてくれた、私にとって兄であり父のような存在でした。人望もあり、常にリーダーシップを取って、周りを盛り上げるような人でした。そんな叔父が精神を病み、見た目まで小さくなっていく姿は、見ていてとても辛かったのですが、私は、何もできませんでした。

この頃、私は命について深く深く考えました。

なんでみんな死んでいってしまうの?
私は良い歳して独り身で、そのくせ大したこともしていない、私みたいな人間のほうが生きているのに相応しくないのに。
なんで私なんかが生きているんだろう?
私なんか、生きている意味ない・・・

はじめに」でも触れました通り、震災以前から、生きているのが辛いと感じていたような私には、そんな思いが長いこと強かったのですが、ある時、私は生かされているんだという気持ちになりました。

地元で震災があったにも関わらず無事だった自分に比べれば、もっとずっとひどい思いをしている人がたくさんいることや、私自身何度も体験している身近な人を失った時の悲しみを考えると、こんな私でも、死んだりしたら、誰かは悲しんだり、少なくとも人に迷惑をかけてしまう、といったことを改めて考え、気持ちが変わってきたのです。

「与えられた命を全うし、世の役に立ちなさい」と神様仏様に言われているのではないか?
そうとらえて生きていこう、と思えるようになったのでした。

そんな時に出会ったのが臨床美術です。
臨床美術に、私は魂が震えるような感覚を得て、自分自身の心の中にも周りにもあたたかい世界を広げる可能性を感じることができたのです。

…ここまでのお話が長くなってしまいました。お読みいただき、ありがとうございました。
短くまとめるつもりだったのですが、やっぱりこの経緯とかきっかけとかが今の自分にとって大切であるように感じるので、記しておくことにします。

また次回に、本題の臨床美術の初体験について書かせていただきます。
ご興味持っていただけるようでしたら、続けてご覧いただけましたら嬉しいです。


この記事の続きは、こちらです↓
臨床美術を初体験した時の感動 その2


あなたは与えられた命を
大切に生きていらっしゃいますか・・・?