五感で秋の味覚さつまいもを描く

臨床美術で創作に没頭する時間を持ってリフレッシュ


久々の2連休を得ましたが、ちょっと最近お疲れ気味の私は、人に会わず、静かに自分の時間を持ちたいのが正直なところでした。

そんな時に思いたつのが「臨床美術」です。

ちょうど、立派なさつまいもをいただいたところでもあったので、臨床美術プログラムの一つ「さつまいもの量感画」をすることにしました。

さつまいも

さつまいもの量感画」を実施するにあたって、準備するのはこちら。
臨床美術の基本画材、オイルパステルを活用します。

さつまいもの量感画

さて、この中に、薄クリーム色と墨色の用紙がありますが、いざさつまいもを描くとなったら、あなただったら、どちらの用紙に描きこみますか?

実はこのプログラムでは、墨色の用紙に描いていくのです。
これが面白びっくりなところですね。臨床美術の醍醐味です。

そして、ここからは以前ご紹介した「りんごの量感画」と同じような流れとなります。

臨床美術「りんごの量感画」

以前ご紹介した「りんごの量感画」の記事はこちら↓
臨床美術それは誰でもできるアナログアート/お友達を呼んでプチワークショップ♪

まず、さつまいもを手に持ってみて、その独特の形状と重さを感じ、そして、中身の色を観察して、自分が「これ!」と感じた色味で描いていきます。

さつまいも

さつまいもを育てるような気持ちで、中身から描いていく。
ちょっと不思議な感覚を楽しみます。

さつまいもの量感画

次に、改めてさつまいもの外側である皮を観察して、発見できた色を、オイルパステルの中から3色以上選び、かぶせていきます。

さつまいもの量感画

ヒゲや、窪みなども見えるから、引っかき傷を入れてみたり、パステルをトントン打ってみたり、リズムを感じて進めるのも、このプログラムの面白さ。

さつまいもの量感画

納得の行くところまで描けたら、仕上げに魔法の粉(女性なら知っている(?)アノお粉☆)をふりかけツヤツヤにして色留めしたら、いよいよ、収穫(笑)!ハサミを入れてカットします。

さつまいもの量感画

そして終盤にさしかかり、ようやくクリーム色の用紙が出てきます。
こちらは実は、描いたさつまいもを貼り付ける台紙でした。
さつまいもの中身の色と似ているところがミソ。
黒い紙の中ではなんだかボヤッと見えたさつまいもが、切り出し、この用紙の上に乗せると、しっかり浮き上がってきます。

さつまいもの量感画

さて、最後。
台紙に切りだしたさつまいもと、和紙などの端材を置いてみて、どう仕立てたら自分の描いたさつまいもが素敵に見えるかを考え、位置決めしたら貼り付け、固定します。
この構成が実は一番の悩みどころだったりもします。

さつまいもの量感画

普段生活していて、さつまいもの形は愚か、中身の色までしげしげと見ることなんてないですよね。
今ここ、さつまいもに集中することで、いつもは見過ごしていることに気がつく。
食物の神秘さ、面白さを再発見する。
普段は使わない画材や道具を使って、創作することに集中する。
日常生活で忘れかけていることを体験することで、脳が活性化される、ポジティブで自由な時間です。

さつまいもの量感画

臨床美術は、もともと絵を描くことが好きなかたには新たな発見をしていただけると思いますし、美術なんて苦手というかたにも1時間程度で気軽に楽しんでいただけるプログラムが豊富です。

臨床美術には様々なプログラムがあり、お子さんからお年寄りまで老若男女、ご病気や障害をお持ちのかたから健常者まで、どなたでもできるものですが、特に、疲れている多くの現代の皆さま、リフレッシュしたい皆さまに、是非お試しいただきたいなーと思っています。


あなたは
上手に気分転換
できていますか?

音楽のみならず『音』そのものにスポットをあてた映画!

ドキュメンタリー「ようこそ映画音響の世界へ」


全くノーマークでいたのですが、先日「海の上のピアニスト イタリア完全版」を観に行った際に、「ようこそ映画音響の世界へ」というドキュメンタリー映画が上映されていることを知りました。

先月(2020年8月)、映画『音楽』にスポットをあてた「すばらしき映画音楽たち」というドキュメンタリー映画が再上映(初公開は2017年)されていましたが、今度は、映画に使われる『音』そのものに焦点をあてるという、今まで取り上げられたことのないテーマ、是非とも観たい!と思い、早速観て参りました。

関連記事:
映画や音楽好き必見 ‘映画音楽 ’にスポットをあてた貴重な映画/これまでにないドキュメンタリー「すばらしき映画音楽たち」
名作復活上映「海の上のピアニスト」/20年の時を経て上映される完全版

映画「ようこそ映画音響の世界へ」チラシ(表)

こちらのチラシに並ぶ数々の名作映画のタイトル。
それらの名作たる所以には“音”の効果が計り知れなく、その“音”を作り出すためには、職人さん達による、知られざる創意工夫と労力が注がれているのだということを知ることができる映画です。

この映画では、同じ映像でも、音がない場合とある場合とを対比して見せてくれる場面があったり、映画を表現する上での音には声、効果音、音楽という種類があり、それぞれがどのような手法で取り込まれ、そしてどんな効果を生み出しているのか、名作のワンシーンと共に、巨匠や職人さん達の貴重なインタビューを交えながら、とても興味深い映画音響の世界を紹介してくれます。

映画「ようこそ映画音響の世界へ」チラシ(裏)

日本における『映画』という言葉、映画の『映』は『映像』と『画像』で表すように、私たちは一般に、映画は、映し出された動画を通して楽しむものだと思っていますが、実は、そこには音という聴覚的な効果が絶大だったんですね。
ともすると、音の方が映像以上に効果を発揮していることもある・・・

この映画、音響楽しめる映画館で観て大正解でした。
音をあちこちに移動させる「5.1chサラウンドシステム」について具体的に紹介してくれる場面もあって、その説明映像と映画館のそれぞれに配置されたスピーカーからの音で、改めてその効果を実感できるのは特に面白かったです。

ちなみに、この映画の原題は「Making Waves(メイキングウェーブス)」。
映画館ではまさに、この音のウェーブ(波・波長)を感じることができます。

また、例えば、誰もが知る「スターウォーズ」が公開された時のエピソードでは、オープニングで宇宙船が大画面に迫力の登場をするシーン、その圧巻の映像と音響で、観客達が驚き興奮しますが、私も改めてその感覚を得ました。

携帯電話やタブレット、パソコンなどで、手軽に配信映画を視聴できる現代ではありますが、これを観て、映画はやはりまずは映画館で観るべきだなと思いました。


そしてつくづく、視覚・聴覚を通して映画を楽しめる五体満足な体を持つ自分は幸せだなーと感じました。
素晴らしい映画クリエイターの方々へと、与えられた体で映画を十分に楽しめることに感謝して、今後も少しでも多くの映画を観て、たくさんの感動を得させていただき、感性豊かになる時間を送っていきたいと思います。

「ようこそ映画音響の世界へ」公式サイト
フォーラム仙台・チネ・ラヴィータのHP


あなたの
聴覚に訴える映画は
なんですか?

スポーツ的♪音楽

スカッとする映画 ドラムライン


明後日(2020年6月21日)は、父の日ですね。
DVDを整理してましたら、ふと目にとまった、「ドラムライン」。
これには、ちょっとした父との思い出があります。

ドラムライン」は2002年のアメリカ映画で、大学のマーチング・バンドの天才ドラマーを主人公にした、青春ものです。

これは、私から、生前の父に勧めた最後の映画です。
若い頃バンドマンだった私の父は、ギターが趣味でしたが、時々お箸をドラムのスティック代わりにカチカチやっている時もあるような音楽好きな人でした。
このDVDを観た父から、「これ、すごく良かったよ。スカッとした。久々にいい青春映画観たよ」と笑顔で言われ、とても嬉しかったのを覚えています。

私も、久々に、スカッとしてみるか、と思い、数年ぶりでこの映画を観てみました。

この映画は、主人公のデヴォンが、高校の卒業式で、ドラムを先生の指揮に従わずに演奏するところから始まります。
型にはまった演奏ではなく、ノリノリな雰囲気は、映画の中の生徒たちだけではなく、映画を見ている私達をも楽しませてくれます。
でも、実はこれが、これからの大学生活において、自らを陥れることになるデヴォンの自意識過剰さを表す布石なんですね。

さて、この映画のキャッチコピーは、

五感を震わす興奮と感動!

予告編はこちらです。
Youtubeにアップされている、公開当時の日本版は、画像がよろしくないので、海外版にて。
ファンのかたが製作したもので、英語がわからなくても、しっかり雰囲気は感じられるように作られています。

この映画は、親子の愛情に始まり、友達や先輩との友情、人生を歩む上で大切なきっかけになる恋愛や、教師との師弟愛といった、様々な愛をテーマにしています。

人間にとって最も重要な愛を物語るための題材として、大学のマーチングバンドを取り上げられており、さらに、人間の原始的な五感を最も刺激するドラムというリズム音楽に視点をあてた、とても見応えのある映画となっています。

最後には、ライバル校とのドラムライン対決があるのですが、これぞクライマックス!
何度でも繰り返して見たくなるシーンです。

日本映画では「ウォーターボーイズ」や「スウィングガールズ」にコンセプトが近いものとして、人気を博しています。

スウィングガールズ」個人的には東北の地・山形を舞台とされているので、愛着があります。


ところで、これらの映画では、音楽を奏でる上では、センスある音感に加え、スポーツ選手並みの体力と運動神経を必要とされるようなことが描かれていますが、運動と音楽って何かしらの相互関係があるのかな?
そう思ってネットで記事を検索してみましたら、アシックスのwebサイトの記事が目にとまりました。

音楽は運動に効果的? 「脳科学からみる運動と音楽の関係」

https://www.asics.com/

こちらの記事の、ラジオ体操の例が分かりやすいと思いました。
音楽なしでいきなり3番目の動きは?と言われると難しいですが、ラジオ体操の音楽を聞くと、自然と動きを思い出しますよね。
脳研究者である東京大学薬学部教授・池谷裕二先生によると、
「音楽は動きを暗記したり、いつもと同じことを繰り返すためにはすごく良いツールになる」
のだそうですよ。

また、音楽によって、
「報酬系・快楽系の神経が活動することで、本来であれば辛いランニングや腕立て伏せを楽に行うことができる。負担の軽減という意味でも、運動における音楽は有効に作用し、長続きさせる効果をもたらしてくれる」
ということです。

五感を震わす音楽と体験、積極的に日常生活に取り入れていきたいと思います。


あなたは
五感を震わす体験
していますか?