オリビア・ハッセー主演による2003年公開の映画
こんな不安な時代だからこそ改めて知っていただきたいマザー・テレサについて、これまでは報道写真家の沖守弘氏による本(マザー・テレサ あふれる愛)を中心に述べてきましたが、今回はマザーのことを知るのにオススメの映画をご紹介させていただきたいと思います。
マザー・テレサに関しての映画はいくつかありますが、まずご覧いただきたいと思うのがこちらです。
日本の歌手 布施明と結婚していたことでも知られるイギリス女優 オリビア・ハッセー(Olivia Hussey)がマザー・テレサ役を演じた伝記ドラマ「マザー・テレサ(Madre Teresa/Mother Teresa)」。
2003年にイタリア・イギリスで製作され、2005年に日本で公開されました。
マザー・テレサが87歳で生涯に幕を閉じたのは1997年ですので、その6年後に作られたということになります。
マザーを演じたオリビア・ハッセーは、マザーと活動を共にしていたシスターにこの映画の感想を尋ねたところ、「まるでマザーを見ている様だった」っと好評だったそうですよ。
このことは、以下の映画の予告編の後半で見ることができるオリビア・ハッセーのインタビューでも言われていて、興味深く感じていただけるかと思いますので、よろしければご覧になってみてください。
私も、マザー・テレサのニュースやドキュメンタリーの映像で見ていた生前の姿、また沖守弘氏をはじめとする方々の記事などで読んでいるイメージにも、かなり近いと感じました。
1時間50分でマザーの50年間を語る映画ですので、かなりギュッっとまとめられてしまってますが、多くの困難の中でも自分の使命を果たすためだけに、上手に周りを巻き込みつつも信念を貫いた、強くあたたかな女性としてのマザー・テレサがわかりやすく描かれていると思います。
また、現代社会のあり方にも訴えるようなシーンもありました。
「組織」は持ちたくないというマザーでしたが、支援を集めるためには戦略も必要だと言う神父の進めで協会が設立されます。もちろん、人助けに戦略なんていらないと言うマザーでしたが・・・
そして、この映画の終盤で、ニューヨークで行われている協会の経営会議、いわゆる現代の会社でよく見かける場面ではあるのですが、そこで会議の進行者が「来年の予算は増額が必要だが歳入の見込みがない」と話しているところ、マザーはテーブルに並べれらているミネラルウォーターの値段を給仕に尋ね「3ドルもあれば子どもが1年学校に通える」と呟き、そして「今日からこの協会は存在しません」と言って席をたってしまいます。
組織であれば当然といえば当然のよくあるギスギスした経営会議。
計画だ戦略だ、効率的な運営うんぬん言って突き進むことだけを考えていると、本来の大事なことを見失ってしまうこともある。
マザーが組織を持ちたくないと言っていたのはこういうことなんだなと、私もお金を得るために働いてはいるけれど、それが人の喜びに繋がってこそ幸せなんだという心を忘れないようにしようと、改めて考えさせられました。
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