これまでにないドキュメンタリー「すばらしき映画音楽たち」
今年(2020年)7月6日、映画音楽の巨匠として知られるイタリアの作曲家エンニオ・モリコーネ氏が91年の生涯に幕を閉じたことに因んで、ただ今、映画館フォーラム仙台では、「エンニオ・モリコーネ追悼特集」として、同氏に関係する映画が再上映されています。
エンニオ・モリコーネ氏は、約50年間で500本以上の長編映画の音楽を手がけたとされ、多くの映画音楽ファンの支持を集める作曲家です。
映画音楽作曲家としては史上2人目となる「アカデミー名誉賞」を獲得したことでも知られています。
ピンと来ないかたには、以下の音楽をお聴きいただければ「あー、これか」とお分りいただけると思います。
フォーラム仙台では、元々「海の上のピアニスト 4Kデジタル修復版」の上映を予定していたところ、エンニオ・モリコーネ氏の訃報に接し、急遽、この追悼特集を企画したのだそうです。
さて、この度、私が観て参りました「すばらしき映画音楽たち」は、映画音楽の巨匠たちの仕事にスポットをあてたドキュメンタリー映画で、「エンニオ・モリコーネ追悼特集」の『番外編』として、フォーラム仙台で上映されています。
原題は「Score: A Film Music Documentary」で、2016年に公開されました。
フォーラム仙台におけるこの度の上映は、8月20日までです。
映画の名シーンって、映像と共にその背景に流れる音楽も一緒に思い出されますよね。
そんな、私たちがよく知る映画音楽たちがどのようにして生まれるのかといったことや、作曲家たちの意外な想いなど、知られざる舞台裏を垣間見ることができる、これまでにはなかったドキュメンタリーです。
映画の冒頭部分では、映画にまだ音がなかった時代、映画の上映と共に演奏されるオルガンの映像が出てきたりして、そんな時代を知らない私たち世代にはもちろん、その頃を知る先輩方にとっても、大変貴重な映画だと思います。
映画音楽の、昔からのクラシカルな制作過程から、現代のデジタルテクノロジーを駆使した制作まで、余すことなく語られていて、誰もが関心を持って観ることができます。
様々な有名映画の映像&音楽と共にお話は進むので、映画ファンにはたまらないです。
また、人間の五感に訴える音楽の効果について科学的に示される場面などもちょっとあって、様々な観点から興味深く観られる映画でした。
ところで、今回の「エンニオ・モリコーネ追悼特集」後半に上映される「海の上のピアニスト」は、「ニュー・シネマ・パラダイス」のジュゼッペ・トルナトーレ監督とエンニオ・モリコーネがタッグを組んだ、豪華客船で生活するピアニストの物語で、全編に渡って美しい音楽が堪能できる、感動の名作です。
「海の上のピアニスト」日本版は1999年に公開されたのですが、まもなく上映されるイタリア完全版は50分あまりもシーンが増えているのだそうです。
ちなみに私は、日本初上映当時は映画館では観なかったのですが、およそ1年後に父が借りてきてくれたビデオで観て、音楽に感動し、その後すぐにサントラCDを購入し、そのアルバムは今でもお気に入りの一つとなっています。
「海の上のピアニスト イタリア完全版」、フォーラム仙台での上映は、2020年9月18日〜24日を予定されています。→10月1日までに延長されました(9/25追記)
映画館の大きな画面での映像と、大音量で聴ける映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネによる音楽、楽しみです。