映画館で感動体験♪映画音楽の巨匠ハンス・ジマーのライブ✖️ドキュメンタリー

〜特別料金にも納得!映画『ハンス・ジマー&フレンズ:ダイアモンド・イン・ザ・デザート』〜


TOHOシネマズ仙台にて、映画館ではたったの1週間のみの(2025年7月11日(金)〜17日(木))限定公開である映画『ハンス・ジマー&フレンズ:ダイアモンド・イン・ザ・デザート』(原題『Hans Zimmer & Friends: Diamond in the Desert』)を観てきました。

映画『ハンス・ジマー&フレンズ:ダイアモンド・イン・ザ・デザート』公式ホームページ:https://www.culture-ville.jp/hanszimmer

それはまさに、期待をはるかに超える感動体験でした。
決して大袈裟に言っているわけではなく、映画、音楽、アート全般を愛する私にとっては、本当に価値ある映画だと心底感じ、ぜひ記録しておきたいと思ったので、今こうして綴っています。

なおこの映画は、残念ながらパンフレットが制作されていません。
そんなこともあり、私なりにしっかり記録しておきたく、以下から少々詳しめの内容(ネタバレ)になるかと思います。
私自身は初見の映画は、事前にはあまり余計な情報を入れないで観て楽しみたいタイプなので、申し添えておきますが、映画をまだご覧になっていない方は、その点ご留意くださいね。

映画『ハンス・ジマー&フレンズ:ダイアモンド・イン・ザ・デザート』のチラシ
(画像をクリックするとPDF画面が開き、拡大できます)

さて、この映画、一般 2,700円という特別料金。
TOHOシネマズでIMAXでもDOLBY ATMOSでもないのにこの料金で、いかなる割引も適用不可とのこと。

それで、私としては、過日のハンス・ジマー 初来日公演「Hans Zimmer Live in Japan(2025年5月、横浜および名古屋にて開催)に行けなかったけれども、これで大好きな映画音楽をライブ映像として映画館の大画面と大音量で楽しめるのであれば良いだろう、特別料金なのもそれなりの理由があるのだろうし…くらいの気持ちで映画館へ足を運んだのでした。

が、しかし、これは単なるコンサートフィルムではありませんでした。

ハンス・ジマー(Hans Zimmer)という稀代の作曲家が、いかにしてあの壮大な音楽を生み出しているのかに迫る、深遠なドキュメンタリー映画と言えます。
彼の音楽に対する情熱、創作のプロセス、そして彼を支える素晴らしいアーティストたちとの揺るぎない絆が、スクリーンからひしひしと伝わってくるのです。

まさしく、『ハンス・ジマー&フレンズ:ダイアモンド・イン・ザ・デザート』というタイトル通り。
ハンス・ジマーと彼の素晴らしいフレンズたちが織りなすサウンドとストーリーは、まるで砂漠の中に突如現れきらめくダイヤモンドのように、私の心に深く響き渡りました。
(ちなみに、デザートは食べるデザート(dessert)ではなく、砂漠のデザート(desert)ですよ。笑)

次の動画はこの映画の予告編です。

映画『ハンス・ジマー&フレンズ:ダイアモンド・イン・ザ・デザート』予告編

先ほど、単なるコンサートフィルムではないと述べましたが、ライブ会場ではなくとも、スクリーンによって観客が十分に楽しめるような映画として、構成をとても考えられた作品だと感じました。

映画は、タイトルを象徴した砂漠の砂丘で歌うロワール・コトラー(Loire Cotler)によって幕が切られます。
そう、砂漠といえば、ハンス・ジマーが生んだ名曲を代表する『DUNE/デューン 砂の惑星』(原題『Dune』)を想像するのに難くないでしょう。

映画『DUNE/デューン 砂の惑星(Part 1)』予告編


また、演奏される音楽の間には、ハンス・ジマーと彼に関わる映画監督、俳優、ミュージシャンといったアーティスト達との対談が組み込まれていて、ハンス・ジマーが創り出してきた楽曲のバックグラウンドを知ることができます。

DUNE/デューン 砂の惑星』の監督であるドゥニ・ヴィルヌーヴ(Denis Villeneuve)、主演のティモシー・シャラメ(Timothée Hal Chalamet)ゼンデイヤ(Zendaya Maree Stoermer Coleman)との対談もあり、それぞれが非常に興味深かったです。
個人的には、今年観た映画『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』で、ティモシー・シャラメが伝説のシンガーであるボブ・ディランとして素晴らしい演技を披露したのも、この対談を観て妙に頷けました。

そして、コンサートツアーの会場からこの映画用に使われたのは、アラブ首長国連邦ドバイコカ・コーラ・アリーナでのライブ風景。
アラビアの豪華なスポットの一つだからということもあるでしょうけれど、やはり砂漠に面することも理由にあるのではと。

オープニングに続いての音楽と映像は、ドバイコカ・コーラ・アリーナで演奏された『インセプション』(原題『Inception』)の曲でした。

映画『インセプション』予告編


今や鬼才として映画界に君臨する方をこんな風に言うのも恐れ多いことですが、私はこの作品で、監督を務めたクリストファー・ノーラン(Sir Christopher Nolan)の名をしっかりと覚え意識するようになったと記憶してます。
もちろんクリストファー・ノーランの作品はそれ以前のものも観たし、どれも面白いのですが、私には『インセプション』がとりわけ衝撃的だったのです。
その世界観が大好きで、DVDでも繰り返し観ているので、この音楽が映画館の大音量で楽しめて大興奮しました。

さてその次は、『ワンダーウーマン 1984』(原題『Wonder Woman 1984』)です。
強く美しくかっこいい女性に憧れる私は、当然この『ワンダーウーマン』シリーズも大好きなので、興奮冷めやらず。

映画『ワンダーウーマン 1984』予告編


ちなみに、『ワンダーウーマン』は2017年に1作目が公開されていて、『ワンダーウーマン 1984』はシリーズの2作目です。
いずれも監督はパティ・ジェンキンスですが、ハンス・ジマーが音楽を担当したのは『ワンダーウーマン 1984』の方。
シリーズものの映画は、監督や俳優が変われば、作風にも違いが現れますが、音楽も然りで。
観る人の好みによっても変わってくるわけですが、その辺の違いも比べてみるのも、映画の面白さですよね。

次は『マン・オブ・スティール』(原題『Man of Steel』)の曲でした。
スーパーマン』シリーズの一つですが、私は今のところ、これが一番好き♡
音楽がハンス・ジマーであるところに、前述したクリストファー・ノーランが製作・原案を担当し、好きな俳優の一人であるヘンリー・カヴィルが主人公のクラーク/スーパーマンを演じたこと、そして実話をもとにした名作で私も感銘を受けた『アンタッチャブル』(原題:The Untouchables)で主演を務めたケビン・コスナーがクラークの父親を演じた点で私には特に響いているのだろうと思います。

映画『マン・オブ・スティール』予告編


ところで、このブログにはハンス・ジマーが請け負った映画がどんなものだったかを把握していただけるように、その映画予告をYouTubeより転載させていただいてますが、映画『ハンス・ジマー&フレンズ:ダイアモンド・イン・ザ・デザート』では単純にそれらの映像が映し出されるというものではありません。

先に述べたように、ドバイコカ・コーラ・アリーナでのライブ風景が軸とはなっていますが、曲間には別撮りした対談の様子があったり、ロケ撮影による演奏風景などと共に構成されています。
しかし、ここに挙げている動画のような、それぞれの映画のシーンと感動が、ハンス・ジマーとその素晴らしい仲間たちによる壮大なパフォーマンス興味深いトークよって新たな感動として呼び起こされるのです。

マン・オブ・スティール』演奏直前にも対談が組み込まれていたのですが、そこでハンス・ジマーが「スーパーマンに相応しいのは見栄えのいいグランドピアノなんかじゃない。ヒーローである一方で、孤独で農場での生活を営む彼のイメージには素朴なアップライトピアノがいい。」といったことを話し、その後場面が切り替わり、コンサート会場のステージ上で中央に置かれたアンティークなアップライトピアノによる演奏が始まったシーンは印象的でした。

この次は、『グラディエーター』(原題『Gladiator』)より。
古代ローマを舞台にした歴史アクション映画で、アカデミー賞では作品賞など5部門を受賞し、ゴールデングローブ賞では最優秀作品賞を受賞した名作で、ハンス・ジマーが担当した音楽も、ゴールデングローブ賞では最優秀作曲賞を受賞し、アカデミー賞ではノミネートを果たしています。

映画『グラディエーター』予告編


これも砂漠(モロッコ)でロケが行われている作品でしたが、『ハンス・ジマー&フレンズ:ダイアモンド・イン・ザ・デザート』でも、『グラディエーター』のパートは砂漠でのロケ撮影によるものでした。

今までハンス・ジマーの音楽は幾度と耳にしても、彼自身が演奏したり語る姿はほとんど目にしたことがなかったので知りませんでしたが、この映画を観て、ハンス・ジマーは瞳がとってもキレイな人なんだと気がつきまして。
特に、この『グラディエーター』の演奏風景では、目の輝き度合いが半端なくて、本当に音楽を愛してる人なんだろうな、こんな少年みたいで情熱的な人だから、こんな素晴らしい音楽を生み出すのだろうな、と感じました。

そして次の、『パイレーツ・オブ・カリビアン』(原題『Pirates of the Caribbean』)では、あの誰もが聞き覚えある曲の部分で、コンサート会場の盛り上がりも最高潮に。
こちらは、映画『ハンス・ジマー&フレンズ:ダイアモンド・イン・ザ・デザート』の公式ホームページにもアップされている動画をシェアさせていただきますね。

映画『ハンス・ジマー&フレンズ:ダイアモンド・イン・ザ・デザート』より「パイレーツ・オブ・カリビアン」演奏シーン

映画『ハンス・ジマー&フレンズ:ダイアモンド・イン・ザ・デザート』公式ホームページ:https://www.culture-ville.jp/hanszimmer


で、この高揚感ある盛り上がりの後は『ダークナイト』(原題『The Dark Knight』)ときまして。
これは、光と闇の音のコントラストとでも言えるでしょうか…

映画『ダークナイト』予告編


パイレーツ・オブ・カリビアン』に打って変わって漂う、深く暗い緊張感。
あの重厚な低音と、心臓を叩かれるかのような不穏なリズムは、聴く者の心をざわつかせ、まるでゴッサムシティの暗闇に迷い込んだかのような感覚に陥れられます。
ライブで迫ってくるその鋭利で研ぎ澄まされた音の塊が、単純な盛り上がりとは違う、ゾクゾクするような興奮と、静かに心を揺さぶられる美しさを伴うものでした。

そんなダークな楽曲に続くのは『X-MEN:ダーク・フェニックス』(原題『Dark Phoenix』)。

映画『X-MEN:ダーク・フェニックス』予告編

マーベル・コミックスの『X-MEN』もシリーズ化されている映画ですが、実は私、『X-MEN』といえばウルヴァリン、そしてそれを演じるヒュー・ジャックマンと思っていたため、彼がが出ていないこの『X-MEN:ダーク・フェニックス』は未見でして。

でもこの『ハンス・ジマー&フレンズ:ダイアモンド・イン・ザ・デザート』でのハンス・ジマーらのパフォーマンスを見たことをきっかけにこの予告編を観たら、もう気になってしょうがない。
こんな理由からでも、この映画も絶対観たい!って気持ちにさせるミュージシャンの存在って、本当にすごい。

そしてこの後も、『ダンケルク』(原題『Dunkirk』)とダークな感じが続きます。

映画『ダンケルク』予告編


ダンケルク』は、第二次世界大戦のダンケルク大撤退を描いた映画で、これまでハンス・ジマーとタッグを組んで数々の名作を産んできたクリストファー・ノーランにとっては初の実話に基づいた映画。
第90回アカデミー賞では作品賞、監督賞、美術賞、撮影賞、編集賞、音響編集賞、録音賞、作曲賞の8部門にノミネートされ、編集賞、録音賞、音響編集賞を受賞した名作です。

映画『ハンス・ジマー&フレンズ:ダイアモンド・イン・ザ・デザート』では、クリストファー・ノーランの姿がなかなか出てこなかったのでいつ出てくるんだろうと思っていましたが、クライマックスに差し掛かる後半で、彼らの含蓄ある対談シーンがありました。
名監督クリストファー・ノーランと名音楽家のハンス・ジマーがタッグを組んだ映画から、彼らはまさに、単なる仕事上のパートナーシップを超えて深い信頼と友情で結ばれている、そんなことを感じつつありましたが、この『ハンス・ジマー&フレンズ:ダイアモンド・イン・ザ・デザート』を鑑賞して、それを確信。

そして次も、彼らがタッグして創られた素晴らしい作品の代表作の一つ『インターステラー』(原題『Interstellar』)の楽曲。

映画『インターステラー』予告編


神秘に満ちた宇宙を描いた『インターステラー』の曲を、世界最大の360度プロジェクションドームとしての機能を持つアル・ワスル・プラザ・ドームエキスポ・シティ・ドバイ内)にて演奏収録された映像は、私たちが未知の、美しく壮大な世界観が表現されていて、もううっとり。

こちらも、映画『ハンス・ジマー&フレンズ:ダイアモンド・イン・ザ・デザート』の公式ホームページにライブ風景がアップされていますので、シェアさせていただきます。

映画『ハンス・ジマー&フレンズ:ダイアモンド・イン・ザ・デザート』より「インターステラー」演奏シーン

映画『ハンス・ジマー&フレンズ:ダイアモンド・イン・ザ・デザート』公式ホームページ:https://www.culture-ville.jp/hanszimmer

そんな神秘に包まれた後に続いたのは『ライオン・キング』(原題『The Lion King』)。
終盤にこれを持ってきたのは、1994年に、音楽部門でアカデミー賞、ゴールデングローブ賞、グラミー賞受賞を受賞した、ハンス・ジマーにとっても非常に輝かしい作品の一つだからゆえでしょう。

映画『ライオン・キング(1994)』予告編


なんと、この作品が公開されたのは、30年以上も前になるんですね。
実は、私の手元には、このサウンドトラックCDがあるのですが、今は亡き父が購入していたものを、勝手に奪った代物でして。
女優ゼンデイヤとの対談で、ハンス・ジマーが「6才の頃に父を亡くした自分が、娘のためにこの映画への参画を決めた」ということを語っていたシーンでは、私の映画や音楽好きは父の影響もあるので、思いもがけず、涙してしまいました。

このCDもずっと聴いていませんでしたが、思い出して、いそいそとiTunesにアップロードしています。


こんな私の個人的な思い出はどうでもいいでしょうが(私のブログなのでお許しくださいませ)、映画『ハンス・ジマー&フレンズ:ダイアモンド・イン・ザ・デザート』での『ライオン・キング』ライブ風景は、また凄かったです。
会場中に太鼓隊が現れて、ハンス・ジマーら演奏者とともにパフォーマンスを繰り広げるのです。
あの場に自分もいることができたら、どんなに楽しかったか…
コンサートに行った方を羨む気持ちもありますが、大画面と大音量の映画館でこの映画を観たことで、その臨場感を味わうことができたので、本当に良かったです。

さてここまで、相当長くなってしまいましたので、この他にも演奏、対談があるのですが、自分の想いも含めて記述しているとキリがないので、この辺で。
いずれにせよ、映画『ハンス・ジマー&フレンズ:ダイアモンド・イン・ザ・デザート』は歴史に残る作品となるだろうなと感じています。

TOHOシネマズ仙台では、通常会場で特別料金2,700円での上映でしたが、そこに追加料金払ってでもいいからDOLBY ATMOS(+200円)で観たかった!と思える素晴らしい映画でした。

ハンス・ジマーファンはもちろんのこと、映画音楽に興味がある方、ライブパフォーマンスの素晴らしさを体験したい方、そしてアートが持つ力に触れたいすべての人におすすめしたい作品です。


あなたが得た
感動体験って
どんなものですか?

映画や音楽好き必見 ‘映画音楽 ’にスポットをあてた貴重な映画

これまでにないドキュメンタリー「すばらしき映画音楽たち」


今年(2020年)7月6日、映画音楽の巨匠として知られるイタリアの作曲家エンニオ・モリコーネ氏が91年の生涯に幕を閉じたことに因んで、ただ今、映画館フォーラム仙台では、「エンニオ・モリコーネ追悼特集」として、同氏に関係する映画が再上映されています。

エンニオ・モリコーネ氏は、約50年間で500本以上の長編映画の音楽を手がけたとされ、多くの映画音楽ファンの支持を集める作曲家です。
映画音楽作曲家としては史上2人目となる「アカデミー名誉賞」を獲得したことでも知られています。

ピンと来ないかたには、以下の音楽をお聴きいただければ「あー、これか」とお分りいただけると思います。

フォーラム仙台では、元々「海の上のピアニスト 4Kデジタル修復版」の上映を予定していたところ、エンニオ・モリコーネ氏の訃報に接し、急遽、この追悼特集を企画したのだそうです。

フォラーラム仙台における「エンニオ・モリコーネ追悼特集」は2020年7/31(金)〜9/24(木)

さて、この度、私が観て参りました「すばらしき映画音楽たち」は、映画音楽の巨匠たちの仕事にスポットをあてたドキュメンタリー映画で、「エンニオ・モリコーネ追悼特集」の『番外編』として、フォーラム仙台で上映されています。

原題は「Score: A Film Music Documentary」で、2016年に公開されました。
フォーラム仙台におけるこの度の上映は、8月20日までです。

「すばらしき映画音楽たち」のパンフレット(表紙)

映画の名シーンって、映像と共にその背景に流れる音楽も一緒に思い出されますよね。
そんな、私たちがよく知る映画音楽たちがどのようにして生まれるのかといったことや、作曲家たちの意外な想いなど、知られざる舞台裏を垣間見ることができる、これまでにはなかったドキュメンタリーです。

「すばらしき映画音楽たち」のパンフレット(裏表紙)

映画の冒頭部分では、映画にまだ音がなかった時代、映画の上映と共に演奏されるオルガンの映像が出てきたりして、そんな時代を知らない私たち世代にはもちろん、その頃を知る先輩方にとっても、大変貴重な映画だと思います。

映画音楽の、昔からのクラシカルな制作過程から、現代のデジタルテクノロジーを駆使した制作まで、余すことなく語られていて、誰もが関心を持って観ることができます。

様々な有名映画の映像&音楽と共にお話は進むので、映画ファンにはたまらないです。

また、人間の五感に訴える音楽の効果について科学的に示される場面などもちょっとあって、様々な観点から興味深く観られる映画でした。

フォラーラム仙台「エンニオ・モリコーネ追悼特集」のチラシ(裏)

ところで、今回の「エンニオ・モリコーネ追悼特集」後半に上映される「海の上のピアニスト」は、「ニュー・シネマ・パラダイス」のジュゼッペ・トルナトーレ監督とエンニオ・モリコーネがタッグを組んだ、豪華客船で生活するピアニストの物語で、全編に渡って美しい音楽が堪能できる、感動の名作です。

「海の上のピアニスト 4Kデジタル修復版&イタリア完全版」チラシ

「海の上のピアニスト」日本版は1999年に公開されたのですが、まもなく上映されるイタリア完全版は50分あまりもシーンが増えているのだそうです。

ちなみに私は、日本初上映当時は映画館では観なかったのですが、およそ1年後に父が借りてきてくれたビデオで観て、音楽に感動し、その後すぐにサントラCDを購入し、そのアルバムは今でもお気に入りの一つとなっています。

「海の上のピアニスト イタリア完全版」、フォーラム仙台での上映は、2020年9月18日〜24日を予定されています。→10月1日までに延長されました(9/25追記)
映画館の大きな画面での映像と、大音量で聴ける映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネによる音楽、楽しみです。


あなたは
映画音楽制作の裏話
ご存知でしたか?

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感動のドキュメンタリー「花のあとさき ムツばあさんの歩いた道」

日本の素晴らしい四季の移ろいをムツおばあちゃんと共に


只今(2020年7月21日現在)、映画館フォーラム仙台/チネ・ラヴィータ では、「『今、特に観てほしいドキュメンタリー』連続公開」というフェスタが開催されています。

この中から、7/17~7/23公開の花のあとさき ムツばあさんの歩いた道」を観て参りました。
とっても素敵な映画でしたので、ご紹介させていただきたいと思います。

2020年6月12日(金)~7月30日(木):フォーラム仙台/チネ・ラヴィータ の「今、特に観てほしいドキュメンタリー」連続公開

花のあとさき ムツばあさんの歩いた道」は、2002年から放送されたNHKのドキュメンタリーシリーズ「秩父山中 花のあとさき」が映画化されたもので、 秩父の山深い村に暮らす小林ムツさんとご主人の公一さん、そして同じ集落に住むわずかな村民と家族の方々の18年間に及ぶなんの飾り気もない、そのまんまの物語です。

この映画に寄せられた瀬戸内寂聴さんのコメント
「涙があふれて、私はゲクゲク泣き続けました。
丸顔のあどけない顔つきが年と共に美しくいきいきしてきたのは、彼女の暮らしが、花のいのちと共にあったからでしょう」

に、私も心から同感しました。

ムツさんも、ムツさんを取り巻く人々も、なんて優しく愛情深い、素敵なお顔立ちなんだろう。
花や自然を愛し、そして村を訪れる人への思いやりの心を持ち、なんの贅沢もなく、毎日を大切に生きている、きっとその生き様が、お顔に現れているんだろうなと思いました。

映画のチラシ

畑仕事に毎日休みなく生きるムツおばあちゃん。
80前後の年齢で、山の急斜面でも作業し、重い荷物も運び、時には家の屋根にも登ったり、そのたくましい姿に、「かわいいのに、かっこいい!私も頑張らねば!」と力をもらえました。

ちなみに私は、映画を観ると同時にパンフレットも必ず購入します。
映画には出てこなかった写真や、ムツおばあちゃん達の詳しいプロフィールなんかも掲載されていて、とても貴重な冊子です。

映画のパンフレット

ムツおばあちゃん達からは数々の素敵な言葉が発せられていたので、映画を見ている最中、「忘れちゃう前に書き留めておきたい!」と思ったのですが、パンフレットには語録のページがあったので、ありがたかったです。

パンフレットにも掲載されていますし、予告編でも出てくるのですが、ムツおばあちゃんのこの語らいがとっても素敵で、心が温まりました。

花が咲くと何にも忘れるがね
かわいいなぁと思って
花って

香りがそれぞれ違うし
色も違うし
みんなが器量一杯に咲いてくれるから
かわいいよ〜

そう語るムツおばあちゃんの話し方がすごく可愛らしくて、『花のことをかわいいよーて愛(め)でるそんなあなたがかわいいです!』と突っ込みたくなるほどです(笑)

映画を観る前は、単に「かわいいおばあちゃんだなー」程度だった想いが、映画を観ると親近感が湧いてしまって、その後はこの予告編を見る度に「ムツおばあちゃーん」と泣けてきてしまいます。

NHK(カメラマン百崎満晴氏)がこの村で映像を取り始めたのは2002年、その時点で村に住む人々の平均年齢は73歳、撮り続けた18年でどうなるかは、想像がつきますよね・・・

以下は、後半ご主人がなくなった後の、ムツおばあちゃんの言葉です。

(おじいさん)どこに行ってしまったんだか。
なんとなくなあ

寂しくも恐ろしくもないんだけど
つい涙もろくなっちゃった。
人生なんてほんとにあっけねぇもんだが。
83歳になったけども

ほんと、あっという間で過ぎたよ〜

たくましく生きたムツおばあちゃんから出たこの言葉は、なんだか深くて重いです。

日本の山の美しい季節の移ろいにも、心が洗われます。
自然に感謝して、自分のいのちも大切に生きよう・・・
そんな穏やかな気持ちになれる本当に素敵なドキュメンタリー映画でした。


あなたの
故郷の様子は
いかがですか?