脳卒中に倒れた脳科学者が語る、左脳と右脳
以前の投稿「驚異と感動の実話 奇跡の脳 その1」では、アメリカの脳科学者ジル・ボルト・テイラー氏による自叙伝の概要を紹介させていただきました。
テイラーさんは、自らが脳卒中という病に倒れ、左脳の機能を欠いたことで知ることができた、右脳の素晴らしさと、左脳も含めた脳機能の神秘についてを、この本で語っています。
今回は、そのテイラーさん自身が語る、左脳と右脳について、興味深いと思った点を、ご紹介いたします。
まず、左脳、右脳のそれぞれのユニークな特徴について、この本に書かれているほんの一部を抜粋し、箇条書きにしますね。
左脳と右脳のユニークな特徴
そして、テイラーさんは、このように述べています。
右脳と左脳はそれぞれユニークな特徴を持っており、ちがったやり方で情報を処理するわけですから、それが別々の価値体系となってあらわれ、結果的に非常に異なる人格が生じるのは、あたりまえかもしれません。
二つの性格のあいだの健全なバランスを生み出すことによって、初めて、変化に対して柔軟に対応できる(右脳)認知能力を持ちながら、同時に道を踏み外さず具体的に行動できるようになります。
与えられた認知能力を100パーセント大切にし、うまく使うことにより、まさに『生命の傑作』とも言えるわたしたちに見合った人生への道が開けます。
決意さえすれば、慈愛に満ちた世界を作つくることが可能なのです。
テイラーさんは、脳卒中に襲われたことで、頑固で傲慢で皮肉屋で、嫉妬深い性格が、傷ついた左脳の自我(エゴ)の中枢に存在することを知り、新しく発見した右脳マインドの純粋さを台無しにしないようにしようと考えたのだそうです。
何事もバランスが大事ですので、脳だって、左脳と右脳、バランス良く機能するに越したことはないでしょうけれども、実際は、どちらかに偏ってしまうのが現実でしょうか・・・?
自分がどっちよりなのか自覚して、うまくバランスをとっていくと、より生きやすくなるのかなと思います。
また、左脳と右脳の機能について知ることは、人を理解する上での助けにもなるかと思います。
なお、左脳と右脳については、臨床美術の記事でも書かせていただいております。ご興味のあるかたには、ご覧になっていただけましたら幸です。