運動が脳に及ぼす影響を説いた本
新型コロナも一応の収束に向かってはいますが、外出自粛が続いて、ちゃんと意識しないと、体が運動不足になる一方ですね。
今回も、脳に関わるお話ではあるのですが、ここまで、芸術とか、どちらかというとインドア的なお話を綴ってきましたので、そろそろ、人間にとって大事な活動の一つである、運動についても考えようと思います。
そこでご紹介するのは、スェーデンの精神科医 アンダース・ハンセン氏(御船由美子氏訳)による「一流の頭脳」という本です。
スウェーデンでは発売前から話題だったそうで大ベストセラーとなり、日本では2018年に出版され、ベストセラーとなりました。
この本のタイトルについては、スェーデン語だと全くわからないので、そこは置いておいて、英語では「BRAIN -How To Train Your Brain According To Best And Latest Neuroscience-」とされており、直訳して「脳 -最良かつ最新の神経科学によって脳を訓練する方法-」といった感じです。
タイトルと表紙のイメージでは、頭をよくするための勉強法でも書かれているのかと思ってしまいますが、さにあらず 。
運動が脳にあたえる影響を紹介した本で、脳にとって最も大切なことは運動することだ!ということを延々と述べられています。
なので、私もそうなんですけど、運動が得意ではない人にとっては、ちょっとキツイ内容ではあるかもしれません。
逆に、普段からよく運動をする人には朗報ですし、確かに!と納得することも多いと思います。
運動がストレスを取り払うことに効果的、ということは誰もが知っていることだとは思いますが、この本では、そういったことに始まり、そして、簡単にまとめると、効率よく学習するには、まず運動。楽器を弾いたり、芸術的な創造性を高めるにも、まず運動。普段からよく運動することが、脳の機能を高め、あらゆることに効果的、しかも脳の老化に歯止めをかけるということが書かれています。
言い方を変えると、頭良くなりたいなら運動しよう、ヒラメキを得たいなら運動しようということのようです。
また、この本に書かれていることで、へーっと思ったのは、「『脳トレ』では頭はよくならない」というお話でした。
「コンピューターゲームやアプリが提供する様々な認知トレーニングは、確かにゲームそのものは上達しても、とくに知能が高くなったり、集中力や創造性が改善されたり、あるいは記憶力が向上したりといった効果はないことがわかったのである。単に、そのゲームがうまくなるだけだ。」
これはクロスワードパズルなども同様で、パズルが得意になるだけで、それ以上の効果はない、とのこと。
だそうですが、私は、頭はよくならないにしても、何もしないよりはいいでしょう?と思うので、否定的にならなくて良いと考えています。
何事も、ものは考えようですし、エビデンス、エビデンス言っても、なんでもいろんな説がありますから、自分が納得できることを、自分の生活に良い形で取り込むのが一番かと思いますので。
※エビデンス:evidence/証拠、根拠、裏付け、科学的根拠
(科学者がよく使う言葉ですが、確かに大事なことではあるんですけど、個人的には、エビデンスだけではわからないことも世にはたくさんあるでしょーと言いたい時もあります…)
運動をすることが心身に良いことはわかっていることだし、加えて頭も良くなるのであれば、やっぱり運動しようという気持ちになりますね。
ところで、運動がなぜ脳の機能をアップさせるのに効果的なのか。
その辺の理由など、個人的に興味深いと感じた点については、またの機会に書きたいと思います。