浅野紫露(本名:浅野四郎)作品集

震災を越えて残したかった祖父の日本画作品

〜 仙台に生まれ閖上を故郷として愛した画家 浅野紫露 〜


祖父 浅野紫露(本名:浅野四郎)は、仙台に生まれ、名取市閖上(ゆりあげ)を故郷として愛しながら日本画を描き続けた画家でした。

私は子どもの頃から祖父の作品に触れて過ごしてきましたが、その存在を改めて強く意識するようになったのは、東日本大震災の後だったかもしれません。
閖上は津波によって大きな被害を受け、実家も流されてしまったので、保管されていた祖父の作品の多くも失われました。
作品そのものだけでなく、それらに込められていた時間や記憶もまた、失われてしまったように感じていました。

そんな中、幸いにも残されていた祖父の作品が掲載されたカレンダー。
2001年に祖父が亡くなった数年後、作品集という意味も込めてカレンダーを作成し、その当時、親しい方々にお配りしましたものです。
もちろん実家にも在庫はあったものの、それらも2011年に起きた震災で失われてしまったのですが、


↑ 過去に記事にした通り、そのカレンダーを友人が保管していてくれて、私の元に送ってくれたのです。
それは2021年のこと。祖父のカレンダーは2004年のものなので、それから17年もの間、友人は大切にとっておいてくれたのでした。

そしてその2021年から今日まで、さらに5年以上。
私は当時「祖父の絵を探すことを私自身のライフワークに加えたい」と思っていたものの、それから仕事に追われる生活となり、果てには心身を病んでしまい、そういった活動はできなくなってしまっていました。
せっかく友人が送ってくれたカレンダーも仕舞い込んでしまい・・・

しかし、ようやく本来の自分を取り戻しつつある今、私は再び、その祖父の作品集とも言えるカレンダーを手に取ったのです。
もちろんそれは原画ではありませんが、そこには祖父が描いた花々や風景、そして白鷺たちの姿が確かに残されていました。
「今度こそ、今できる形で残しておきたい」
そんな思いから、カレンダーを高解像度でデータ化し、このたび作品ギャラリーとして公開することにしました。

祖父は仙台市に生まれましたが、祖母との結婚を機に閖上の浅野家に入り、その地を故郷として生きました。
作品には白鷺がたびたび登場します。
私にとって白鷺は、祖父の絵を象徴する存在です。
閖上の風景の中で見られた白鷺を、祖父は生涯にわたり描き続けました。
その作品の一つは後に内閣総理大臣賞を受賞することにもなります。

▼祖父母の物語
遠距離結婚を貫いた画家と美容師 その1/おしんのような経験を持つ美容師
遠距離結婚を貫いた画家と美容師 その2/ずっと秘密にされてきた二人の馴れ初め
遠距離結婚を貫いた画家と美容師 その3/家庭を持っても単身生活を続けた画家

今回公開したギャラリーには、カレンダーに残されていた作品を中心に掲載しています。
現存していない作品も多くありますが、それでも祖父が見つめていた自然や季節の美しさ、その眼差しの一端を感じていただけたら嬉しく思います。

▼作品ギャラリーのページはこちら
https://calm-smile-chain.com/works-by-shiro-asano/


祖父の作品を整理しながら感じたのは、作品を残すことは単に過去を保存することではない、ということでした。
絵は描いた人がいなくなっても、見る人の中で新しい物語を生み続けます。

祖父が愛した風景や季節が、どこかで誰かの心に届くことを願っています。




あなたには
未来へ渡したい記憶が
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