細野晴臣ver.と久石譲ver.
先日、映画のカテゴリーで「銀河鉄道の夜」のアニメ映画について書き、最後に、そのサウンドトラックのCDを持っていることについて触れました。
実は、このサントラCDを得るまでには、結構な時間がかかりました。
先の記事で書いた通り、この映画(VHS)を観たのは小6くらいの頃です。
その後、何度か繰り返して観るごとに、バックグラウンドに流れる音楽がますます気になっていって、サントラが欲しい!と思うようになりました。
しかし、当時は、今のようにインターネットという便利なものはありませんでした。
CDショップに行っても見つけられず、アニメグッズ専門のお店にも行ってみましたが置いておらず、サウンドトラックCDは作られていないのだろうかと、一度諦めました。
成長するにつれて、ジャンル問わず音楽が好きになっていき、CDショップにも頻繁に足を運ぶようになりました。
それである時、またふと思い出して、探してみたんです。
そうしたら「銀河鉄道の夜/久石譲」というタイトルのCDを発見。
あれ?久石譲?
でもあの映画の音楽は、久石譲って感じではない気がする・・・
皆さんもご存知、久石譲氏はジブリ音楽で有名ですね。
その独特な音楽感は、思い描くことができる人が多いのではないかと思います。
銀河鉄道の夜アニメ映画のサウンドトラックは、久石譲氏の作風には思えなかったのですが、
でも、これしかないし、ジャケットの絵が素敵だから、ま、買ってみよ♪
と思って購入してみたのでした。
家に帰って、ワクワクしつつも、半分は、なんか違う気がする・・・と思いつつ、CDプレイヤーにセットし、いざ、聴いてみましたら・・・
やっぱり、久石譲は、久石譲でした。とってもジブリな雰囲気♪♪
ガックリはしたのですが、全曲ピアノが主体となっていたこともあり、中学までピアノを習っていた私は、ピアノ音楽は大好きですので、これはこれで、OKでした。
恐らくこの音楽感は、特に、エレクトーンをされるかたには人気だと思います。
そしてそれからまたある日、再びふと思い出して、今度はインターネットで探たところ、今度こそ、それらしいCDを発見しました。
こちらはジャケットの雰囲気が、アニメ映画を観ていた私には、それっぽくない気がして、当時は表示画面に詳しい説明書きもなく、また不安になったのですが、
細野晴臣さんて知らないけど、オリジナル・サウンド・トラックってちゃんと書いてあるし・・・
ということで、購入しました。
CDが届いて、
今度こそだね、やっとだね♪
とワクワクしてCDプレイヤーにセットしたところ、聴こえてきたのは、間違いなく、求めていたものでした。
しっかり重低音を効かせて聴くのが心地良いです♪♪
現代は、CD屋さんも減ってしまって、音楽はダウンロードするのが当たり前となりましたが、私は、モノにもよるのですが、基本的に『媒体』を持っていたい派です。
ジャケットのデザインを観察したり、冊子に書かれていることを読むのが好きだからです。
アマゾンで見てもわかるのですが、サウンドトラックの方は、ファンが多くて、2018年に完全版(特別版)というのが出され、私が購入した時より、近年の方が価値が上がっているようです。
私の持っているものには残念ながら入っていないのですが、個人的には、完全版じゃないと聞けないエンドテーマのピアノバージョンをゆったりと聴いてみたいです。
久石譲氏の方は、冊子の挿絵に、「宮沢賢治絵童話集」シリーズで出されている本と同じイラストが起用されていて、絵本ダイジェスト版みたいな感じが良かったりもします。
ところで、その「宮沢賢治絵童話集」というのは、くもん出版から出されていて、宮沢賢治の童話が、それぞれ、異なるイラストレーターの方々によって、素敵な挿絵がなされているシリーズです。
このシリーズの「銀河鉄道の夜」は、東逸子(あずまいつこ)さんの幻想的で素敵なイラストによって、読む人の想像力をさらに掻き立てることと思います。
ちなみに、「銀河鉄道の夜」の音楽アルバムに関しては、さらにもう一つ、ちまたではよく知られているものがあります。
「銀河鉄道の夜 サウンドトラック」というタイトルなので、一瞬、映画のサントラかと思ってしまいそうですが、全国のプラネタリウムで放映されるプログラムのサウンドトラックで、加賀谷玲氏制作によるものです。
加賀谷氏の作品はヒーリング系な感じが特徴で、TV番組、CMなどでもよく採用されています。
こんな風に、たった一つの物語に、インスピレーションを受ける人がたくさんいて、そしてそれぞれのオマージュを表現し、さらにそれを受け止めた人がまた、様々な思いを持てることが、私はとても面白く感じます。
好き嫌いがあるのは人間として当然のことではありますが、批判的な捉え方をするのではなくて、こういう見方もあるのだなーと感じることができると、自分の視野も広がりそうな気がします。