誰でもできるモダンテクニックで楽しむアート

臨床美術士がすヽめるおうち時間の過ごし方


臨床美術士の資格を持つ私ですが、今年は臨床美術の活動に力を入れる!と発言したものの、相変わらずのコロナ禍で、ほとんど何もできていません。
握手から始まり、人と人との肌と心の触れ合いを大切にする臨床美術ボランティア活動は停止中で、申し込んでいた臨床美術プログラムの研修も、非常事態宣言が出されていたため、長いこと延期になっています。

臨床美術についての詳細は、カテゴリー臨床美術」をご参照ください

ですが、臨床美術士には、アートで人々の心を豊かにしたいと、様々な工夫をしてくださっている方々がいらっしゃいます。
何度かこのブログでもご紹介している古瀬先生もその一人。
今回は、古瀬先生をはじめとした東北福祉大学・元気塾の臨床美術(クリニカルアート)講座のスタッフさん方によって企画された、オウチde元気塾クリニカルアート編「『色』を楽しもう!」をやってみました。
(臨床美術士の資格は、東北では、東北福祉大学で行われる講座で取得することができます。東京拠点の通信講座もあります)

こちら、ちょうどGW前に送られてきたお便りです。
不要不急の外出を自粛せざるを得ない中、自宅でもアートを楽しんで脳や心に心地よい刺激をという心配りのサービス。


今回は、少しでも気軽に取り組めるようにと、ご丁寧に、画用紙にロウソクのかけらをセットにして送ってくださいました。
あとは自分で絵の具(または手作りの色水)などを準備すればいいだけです。ありがたいですね。


準備はこれだけ。


まずは、画用紙にロウソクで線を描きます。
「絵」を描け、と言われたら構えちゃうけど、描くのは、ただの「線」でいいんです。
とはいえ、「線??そんなこといきなり言われても・・・」と思ったら、「ふわふわ」「にょろにょろ」などなどの思い浮かんだ擬態語をイメージして描いてみるのです。


私は、今日はBGMに自然の海の音を中心にしたネオクラシックを流していたので、その感覚を描いていきました。

・・・ロウで白い紙に書いてるので、何も見えませんが・・・

ロウで線を描いた後は、水彩絵の具を使います。
気分的な色を数色、少しだけ出して、絵筆に水を多めに含ませて色を塗っていきます。


まずは、縦に横にとあえて規則性を持たせてやってみることにしました。


画面いっぱいに塗っていって、色と色が混じり合ったり、滲んだり、そして、絵の具をはじいてロウの白い線が浮かびあってくる、その過程を楽しみます。


準備時間や乾かす時間含めても1時間かからずに完成。
こんな感じになりました。


カメラで画面いっぱいに撮影してみると、それなりのアートに見えなくもない(笑)


これ、いわゆる、はじき絵と言われる技法ですね。
小学校や中学校の図工や美術、場合によっては保育園や幼稚園で、誰もが一度はやったことがあるかもしれない、モダンテクニック(美術技法)の一つで、バチック(Batik)とも呼ばれるものです。

私も、久々にやりました。
というか、大人になって初めて。こんな技法があるってことも、すっかり忘れてました。
モダンテクニックって、いくつかあるけど、実はどれも、身近なもので誰でもできるものばかり。
アート系を専門に仕事をする人だけでなく、もっと大人も誰でも、子どもの頃のようにアートを楽しむ機会があったらいいのにって思います。


さて、結構サクサクできるので、さらに作成してみました。

なんとなく、海か、虹か、そんなイメージを抱きつつも、描いているときは、うーん、イマイチかなーと思いながら進めていたのですが、乾いたところを遠目に見てみると、意外にもこちらの方がインテリア性があるように感じたので、フォトフレームに収めてみることにしました。
(フォトフレームとの相性を考えるのも、楽しみの一つ)


悪くないじゃん♪
自画自賛するも、それは自己肯定感を養うことにもつながる、休日のひと時。

深いことはあまり考えないで、純粋に、描くことを楽しむ。
普段は使わない部分の脳を刺激してみる。
しかもそれが世界に一つだけのインテリアにもなったりして。
こんな良い時間の過ごし方、今回も提供していただき、感謝です☆



あなたは
有意義なおうち時間を
過ごせていますか?

臨床美術を初体験した時の感動 その2

臨床美術との出会い 〜左脳と右脳〜


このウェブサイトを開設して一番初めに投稿した記事「臨床美術を初体験した時の感動 その1 臨床美術に出会うまで 〜東日本大震災というきっかけ〜」の続きです。

東日本大震災のあった翌年の1月に、心を病んだ叔父が亡くなりました。
私は、震災時に勤めていた会社では、パワハラがあり苦痛な状況でしたので、叔父の死後、自分の生を無駄にしたくないと思い、仕事を辞める決意をしました。

その頃に、
私って、なんで生きてるんだっけ?
私って、なにをしてる時が幸せなんだっけ?

と、自分を見つめ直し、考えた先にあったのが、美術に対しての思いでした。

小さい頃は、みんなが外で一斉に遊んでいる時でも、一人で黙々と絵を描いているような子供で、小学、中学では、図工や美術、写生会といった時間が大好きでした。

そんな
子どもの頃には大好きだったのに、成長するにつれて忘れてしまったこと
それがなぜだかとても大事であるような気がして、再び美術に目覚たのでした。

今さら自分なんかが美術の世界で食べていけるとは思えない。
でも、美術に関することで、なにか、私にできることはないか

と考え、インターネットで「美術・趣味・仕事・ボランティア」などの単語で検索をかけ、情報を探していたところ、ある日、「臨床美術」の文字が目に留まりました。

初めに記事を見たのは、臨床美術協会」が運営しているホームページでした。

「臨床美術は、絵やオブジェなどの作品を楽しみながら作ることによって脳を活性化させ、高齢者の介護予防や認知症の予防・症状改善、働く人のストレス緩和、子どもの感性教育などに効果が期待できる芸術療法(アートセラピー)の一つです。」

これなら私にもできるんじゃない?!
そう思って、調べていくと、東北福祉大学で「臨床美術のワークショップ(体験会)が受けられることを知り、仙台で受けられるのなら、受けない手はない!と思って、早速、ワークショップ参加の申し込みをしました。

さて、「臨床美術」初体験の日。
東北福祉大学の国見キャンパス(当時はまだ仙台駅東口キャンパスはありませんでした)を訪れ、少し緊張しながら、ワークショップ会場に入ると、あたたかい笑顔で先生が出迎えてくださいました。

私以外の参加者は、小学生の女の子とそのお母さん。
島になった机にみんなで向かい合って座る形。
机の上には、オイルパステルや工作道具。
教室の中には、いろいろな美術作品が並んでいて、それだけでワクワクしていました。

ワークショップは、まず、臨床美術を理解するための導入として、左脳モード右脳モードのお話から始まりました。

左脳右脳の違いというのは、一般的にも知られていますね。

左脳は、言語象徴時間理論など、
それに対して、
右脳は、非言語具体非時間非理性直感といった働きをします。

よく、ひとことでは、それぞれ、
左脳言語脳
右脳イメージ脳
と表現されます。

また、
面倒なことが嫌いな脳で、時間が経つのが遅いと感じるのは左脳モード
対して、
夢中になっている時など、楽しくて時間を忘れる感覚の時右脳モード
であるとも言われます。

さて、それでは、「デジタル画(シンボル画)」と「アナログ画」、
それぞれ、どちらが左脳モードで、どちらが右脳モードで描かれる絵でしょうか?

・・・と言いましても、デジタル画アナログ画ってなに?ってことになりますでしょうか。

それでは、今回は、ここまでにして、次回に、デジタル画アナログ画についてと、今度こそ本題の臨床美術の実践についてご紹介しますので、引き続き、どうぞよろしくお願いいたします☆

この記事の続きは、こちらです↓
臨床美術を初体験した時の感動 その3


あなたには
子どもの頃は好きだったのに
忘れてしまった
なにかが、ありませんか?