まずは「上手な心の守り方」からご紹介
「柔軟心」という言葉をご存知ですか?
柔軟な心?なんだか素敵な響き♪
この言葉、実は禅語で、正しい読み方は「にゅうなんしん」というのだそうです。
“「柔軟心」とはつまり、決まった形のない心のこと。
物事に対する考え方が「こうあるべき」「こうあらねばならない」と一つに固定されておらず、状況や相手に応じて自由自在に変わっていくことを意味します。
心はどんなに「強く」したところで、このストレス社会においては、傷ついてしまうし、折れてしまうからです。
自分の心をどんなに固く分厚い殻で覆ったところで、それがすべてのストレスを跳ね返してくれるシェルターにはなりえないのです。
むしろ不安や悩み、迷い、怒りをこじらせてしまうことになりかねません。
もちろん、ときにはストレスを「跳ね返す」心の強さも必要です。
しかし、ときにはストレスを上手に「受け入れる」ことや、上手に「受け流す」ことも必要になってきます。
たとえるなら、空に浮かぶ雲のような柔軟さで。”
知的生きかた文庫「上手な心の守り方: 不安、悩み、怒りをこじらせない、99のヒント」p.3-4より
このように記された前書きによって始まる、枡野俊明さんのご著書「上手な心の守り方: 不安、悩み、怒りをこじらせない、99のヒント」は、私自身、心が折れかかっている時に読んで、とても励みになった本の一つです。
〜「上手な心の守り方: 不安、悩み、怒りをこじらせない、99のヒント」目次 〜
1章 まず、自分を嫌わない
「心を守る」ための絶対のルール
2章 絶対、無理をしない
「自分を大切にする」とはこういうこと
3章 すぐに、人と競わない
「自分の物差し」でしっかり生きる
4章 ささいなことで、怒らない
心をすり減らさないためのコツ
5章 いつまでも、クヨクヨしない
落ち込んでもいい、でも早く立ち直ろう
この本の中で特に私の心に響いたヒントについては、また改めてお伝えさせていただくとして、まずは、枡野俊明さんについてのエピソードを簡単にご紹介させてください。
枡野俊明(ますのしゅんみょう)氏。曹洞宗徳雄山建功寺住職で、作庭家でもいらっしゃいます。
僧侶でありながら作庭家、いわゆる庭のデザイナーとして高い評価を得られ、数々の賞を受賞し、多摩美術大学やブリティッシュコロンビア大学で教鞭を執られるほか、禅の教えをわかりやすくかつ多方面から解いた本を数多く出され、平成18年(2006年)には、ニューズウィーク日本版において『世界が尊敬する日本人 100人』にも選出されました。
そんな素晴らしいかたに、数年前、私はお会いする機会に恵まれました。
たまたま仕事で枡野俊明さんの講演会の企画にたずさわることができたのです。
実は私、その講演会の企画が上がる前からすでに枡野俊明さんの本を何冊も読み、大ファンだったので、その企画が現実となる時にはもう天にも登るほどの思いでした。
講演当日にお会いしたご住職は、常に誰に対しても、物腰が柔らかく、穏やかな表情をたたえ、漂うおおらかさに、ファンである私は舞い上がりつつも、大きな安心感を覚えました。
ご講演は当然のことながら、素晴らしい。
僧侶さんですからご発声も良いので、聞き取りやすく、聴講者の様子に気配りされながら進められるお話は、あっという間に感じました。
そして、講演会の後にはこちらからお礼をお送りしたのですが、それに対して、ご丁寧にもご本人からお手紙とお電話とでお礼をくださったのです。
手紙と電話で、ダブルで、ですよ。
講演の依頼をしたのはこちらですし、わざわざお礼のお手紙をくださるだけでもありがたいことなのに、いち担当者の私に直接電話までくださるなんて。こんなスゴイかたがこれほど謙虚とは!と驚くとともに、尊敬の念が増したことは言うまでもありません。
さて、この、私が心から尊敬してやまない枡野俊明さん、結構な勢いで本を書かれていらっしゃいます。
私が持っているだけでも10冊です。
確かに、これだけ本を出されていると、時々購入者レビューにもあるように、かぶる内容もあり、低評価を下すかたもいらっしゃいますが、枡野俊明さんのようなかたがおっしゃるような事柄には、繰り返し触れることで、私たちの心身の豊かさが持続されるのではないでしょうか。
今後、時々、枡野俊明住職の教えをここで記していくことで、心と生活の平穏を保っていきたいと思います。
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