シンプルな文とイラストで綴られた感動の世界
あなたは「しあわせ」について、考えることがありますか?
本日ご紹介しますのは、スウェーデンの作家 レイフ・クリスチャンソン氏の文による「あなたへ」シリーズより、No.5「しあわせ」という小さな絵本です。
レイフ・クリスチャンソン氏は、元は社会科教師で、こころの問題をテーマにした作品を多数残しています。
挿絵は、ヨーロッパ各地の新聞にユーモア溢れる風刺画を寄稿し、フリーのイラストレーターとして活躍していたディック・ステンベリ氏、日本語訳は、大阪教育大学教授の二文字理明(にもんじまさあき)氏によるものです。
この本のカバー表紙の折り返し部分に記しされた、二文字氏のメッセージは下記の通りです。
この本はスウェーデンで
生まれました。
日々の暮らしの中のささやかな
ちいさなちいさな感動を
見逃すことなく伝えてくれる
そんな本です。
生きることがつらい時
そっと手にとってください。
愛と希望と勇気と夢が
あなたの中に
ふくらんでいきますように。
レイフ氏による文章はとっても短くシンプルなもので、あっという間に読み終えてしまいますが、「しあわせってなに」というフレーズで始まる各ページにおいて、例えば、「欲しい物を手に入れる」/「欲しい物を探し求める」など、相反する概念をかわりばんこに示された表現は秀逸で、ハッと大切なことに気づかされます。
どの対比もこころにジーンとくるのですが、私が最もお気に入りなのはこちらです。
しあわせってなに
人気者になること
それとも
ひとりぼっちで悲しいときに
だれかが気づいて
心配してくれることだろうか
そして、 この本の最終頁で閉じられる文章は本当に素敵です。
5分もしないで読めてしまう、こころあたたまるこの一冊、是非、添えられた可愛らしいイラストともに、味わっていただけましたら幸いです。