〜体感:フランス・ブルゴーニュの日常〜
私にとって初めてのフランスの旅におけるブルゴーニュ観光2日目は、ユネスコ世界遺産として登録されている「ヴェズレーの教会と丘(Vézelay, Church and Hill/Basilique et colline de Vézelay)」からスタートしました。
(前回の記述はこちら↓)
ヴェズレーの丘を登り、世界遺産として保存されている教会「サント・マドレーヌ・バジリカ聖堂 (Basilique Ste-Madelaine)」の内外を散策して2時間ほどのところで、既に午後1時を回っていたので昼食をとることに。
散策中はそれほど人を見かけなかったのですが、こぢんまりとした村のそもそも数少ない飲食店に、ちょうどお昼時とあって割とどこもいっぱいで、丘の頂上からどんどん下り、最終的に、丘の麓にある「ル ルレ デュ モルヴァン(Le Relais du Morvan)」という可愛らしいホテルのレストランに入ってみました。
当然ながら、フランス語によるメニューは、私にはチンプンカンプン。
でも今回の旅は、フランスに10年以上在住の心強い友達の存在があり、メニューについて一つ一つ丁寧に教えてもらい、ブルゴーニュの郷土料理ということで、私がチョイスしたのはこちら。
ガーリックトーストにポーチドエッグが乗った赤ワイン煮込み「ウフ・アン・ムレット(Œufs en meurette)」。
前日の夜に友達が手作りしてくれたブルゴーニュ伝統料理も、赤ワインのボトル1本を丸々使用された「コック・オ・ヴァン(Coq au vin)」という鶏肉の赤ワイン煮込みで、それと似た感じの料理と教えてもらったのですが、あえての選択。
確かに、前日いただいた料理と似た風味。でも具材が異なるし、こちらの方が酸味が強く、前夜のコックリ濃厚な食感に比べ、スープのようなサラサラ感。
いずれにせよ、私にとっては初めての味でしたし、料理の素材の一部となっている赤ワインをしっかりと感じることができ、フランスのワイン名産地ブルゴーニュに来たのだということを改めて実感しました。
対して、友達が選んだ料理はというと、チーズが練り込まれたシュー生地「グジェール(Gougère)」。
こちらもまたブルゴーニュ郷土料理です。
日本ではシューといえば、クリームがたっぷり入ったシュークリームですが、こちらはデザートではなくお食事。
そもそも「シュー」はフランス語で「キャベツ」の意味なのだそうです。
確かに、日本でよく見るシュークリームより大きくて、キャベツに似た形というのがよくわかる!
そしてシューの中は空洞という、その出立ちを初めて拝見した私は驚きました。
さらに、味見せていただき、初めて体験する味に、甘いクリームが詰まったものだけがシューではないのね!と感動。
私自身がチーズ好きであるからかもしれませんが、誰か、日本にこれを持ち込んでみては?!と感じた次第です。
もしかしたら、探せば日本にも、これに近い料理を出すお店もどこかにあるのかなぁ・・・?
(この書き込みを見てご存知の方がいらっしゃれば是非ご連絡くださいませ)
そして、この次にメイン料理として出てきたのは、想像していた以上にがっつりのお肉。
これもまた私にとって初体験となる鴨のステーキ「マグレ・ド・カナール(Magret de Canard)」。
見た目にも美しく、美味しい。
…のだけれども、お肉は分厚く歯応えあり、ポテトもたっぷり添えられていて、素朴なりにも豪華、栄養もあるでしょうし育ち盛りのお子さん等には絶対に良いと思うのですが、私には食べ応えがありすぎ、全部平らげるには困難を要しました・・・
ちなみに、飛び込みで入ったレストランだったので事前情報なしでしたが、このブログを残すためにこのお店のサイトを後に拝見したところ、私が前菜に選んだムレットはこちらの名物料理だったということを知りました。
ル ルレ デュ モルヴァン
Le Relais du Morvan
住所:45 Pl. du Champ de Foire, 89450 Vézelay, France
Webサイト:https://www.relais-du-morvan-vezelay.fr/index.html
そうそうそれから、初めメニューを決める時に、「ごめん、私一人でも、せっかくだからワインもいただくね」と、この日運転手をしてくれた友達に断ったところ、「うん、私も一杯飲むよ」とさらりと言い返され、「そうだった、ここはフランス、少しくらいなら飲酒運転も許されるのだな」と思い出したのですが、「とはいえ、ワインってグラス一杯だけでも結構な度数よね、この後運転するの、ほんとに大丈夫?」と、実はちょっとだけ思ってしまったのでした。
日本の在り方になんやかんやと時々不満言いつつも、実際には完全日本人の自分であることを否めません・・・
しかしながら、そんなカルチャーショックも面白いのが海外旅だよね、と、ブルゴーニュの郷土料理に舌鼓を打ちつつブルゴーニュで生活する友達との会話をゆっくりと楽しんで、その後、訪れたのはヴェズレービール工房(Vezelay Brewery, Brasserie de Vezelay)。
こちらでは工場見学が可能という事前情報を受け立ち寄ったものの、残念ながらこの日は開催されておらずでしたが、赤ワインを使ったビールを試飲させていただくことができました。
もちろん、ここでも運転手を担ってくれた友達は普通に飲みましたよ。笑
なるほど、確かに赤褐色の色目に、赤ワインが効いた独特のお味で、ワインの産地ブルゴーニュ!ならではのものを感じるというか、これはこれで面白く、話題性はあるかもとは思いつつも、美味しい!好き!と言う人はどれだけいるのか?という感想を持ったのも正直なところでしたが、私たちが滞在している時にこちらのビールを大量に購入していくグループがあったので、それなりに好評なのだろうなと思います。
ヴェズレービール工房
Vezelay Brewery, Brasserie de Vezelay
住所:Rue du Gravier, 89450 Saint-Père, France
Webサイト:http://www.brasseriedevezelay.com/
ワインを様々な角度から楽しめるブルゴーニュ。
そんなこんなの体験に引き続き、連れて行ってもらったのが、ここ。
ヴェズレーのお隣の町アヴァロン (Avallon)にある「オーシャン(Auchan)」という大型スーパーです。
フランスのハイパーマーケットチェーンの一つで、国外にも展開されていて、ヨーロッパでは有名なスーパーなのだそう。
写真は撮り損ねましたが、電化製品などの日用品も取り扱われていて、私が思うに、日本で言えばイオンやイトーヨーカドーみたいなところでしょうか。
とは言え、野菜や果物の陳列状態や、これぞフランスパン!が大量に並べられた風景を目の当たりにし、フランスの日常をまざまざと感じることができる場所でした。
チーズのコーナーも想像していた以上。
乳製品好きの私には夢のような空間でした。
(ただ、今回のフランスでのスーパー体験を通して、フロマージュブランの日本における存在の薄さが残念に感じたので、後日改めて記事にできればと思っています)
有名な観光地を巡るのも良いけれど、その地の日常を垣間見るのも興味深いのでは?と気を利かせてくれた友達に大感謝です。
ちなみに、このスーパーで私自身、前日訪れたお店で見たマスタードや、名産塩など、お土産になるものもお得に購入することができました♪
オーシャン アヴァロン店
Auchan Hypermarché Avallon
住所:Route De Tonnerre, 89200 Avallon, France
Webサイト:https://www.auchan.fr/magasins/avallon/sl-185
そんなブルゴーニュの今を感じた次に案内していただいたのは、同じくアヴァロン(Avallon)の古き良き界隈。
こちらには、先ほどまで過ごしていた近代的な雰囲気から一変、再び歴史を感じる静かな情景が広がっていました。
こちらがアヴァロン市庁舎(Mairie d’Avallon)。
メイン通り沿いに佇んでます。
オフシーズンということもあったようですが、人の姿はあまりなく、人混みが苦手な私にはありがたかったです。
市庁舎前の広場も、喧騒が全くありません。
ここアヴァロン (Avallon)は一般的に日本人が参考にする旅行本にはほとんど取り上げられておらず、ブルゴーニュに住む友達のおかげで立ち寄ることができたレアな場所です。
その歴史的風景が印象に残ったので、帰国してからこの地について改めて調べていたら、なんとびっくり、わが国日本の長野県佐久市の姉妹都市なのだということを知りました。
以下に、佐久市のHPから一部抜粋させていただきます。
昭和48年10月にスイスにおいて、開催されたヨーロッパ禅大会に出席した、貞祥寺(市内前山)住職に、佐久市長が、フランスに佐久市と見合う市があったら紹介していただきたい旨依頼したところ、ヨーロッパ禅協会の会長であり、ヨーロッパで禅を布教している「弟子丸氏」より、佐久市と自然環境などがよく似ているアバロン市が紹介された。
https://www.city.saku.nagano.jp/shisei/profile/shimaiyukokoryu/shimaiyukoyukari/kokugai/france-avallon/france.html
よって、是非とも佐久市へと行ってみたいと思い、私自身の日本国内の行ってみたい場所リストに加えたところです。
そのメインストリートを進み、くぐり抜けることができる素敵な時計台が、この地のシンボルかと思われます。
そしてこの地もまた、いかにも十字軍の基地であったことを知ることができる城壁が残っています。
先に訪れたヴェズレーを見渡すことができる高台にあり、正に中世の城塞都市を感じることのできる情緒的な町でした。
アヴァロン市庁舎
Mairie d’Avallon
住所:37 Gd Rue Aristide Briand, 89200 Avallon, France
Webサイト:http://www.ville-avallon.fr/
この日、盛りだくさんなブルゴーニュ観光を経て、友達のお宅へと戻ったのは午後6時過ぎ。
陽が落ちてきた頃の、年季ある石造りのお家から漏れる灯りの、なんたる素敵な趣きでしょう。
(友達の旦那さまが、室内を暖かくし、明かりを灯してくれていました。感謝です★)
その夜もまた、ブルゴーニュに住む友達夫妻と共に過ごすディナーの時間にて、この地ならではのチーズを楽しませていただきました。
フランスに到着してから2日目が終わる。明日にはもうブルゴーニュを発って再びパリへと向かうのね・・・
と嬉しい反面寂しい気持ちで眠りについたものの、快適な翌朝を迎えることができたのは言うまでもありません。