やさしい気持ちになれる「ぼく モグラ キツネ 馬」
ここ日本では、先月(2021年3月17日)発売され、ちまたで話題となっている絵本「ぼく モグラ キツネ 馬(飛鳥新社出版)」は、もうご覧になりましたか?
作者はCharlie Mackesy(チャーリー・マッケジー)氏、和訳は川村元気(かわむらげんき)氏によるもの。
作者のチャーリー・マッケジーさんはイギリスのイラストレーターで、2018年からこの本に出てくる少年と動物たちをインスタグラムにアップしていったところ、それが大人気となり、2019年10月22日に’The Boy, The Mole, The Fox and The Horse‘という一冊の本として出版され、2020年イギリスで最も売れた本となったばかりでなく、アメリカでも販売冊数は100万部を超え、数々のランキングを総なめにし、世界各国でベストセラーとなっている話題のアート絵本です。
この本の前書きでマッケジーさん自身が「この本はだれでも楽しめる。あなたが8歳でも80歳でも。」と述べているように、老若男女、誰もが親しめる内容となっています。
一人の男の子と、ケーキが大好物のモグラ、無口なキツネ、ちょっとした秘密を持つ馬との出会いと冒険の物語を通して、読者は、友情や愛、人生について考えさせられますが、それは、なにか難しいことではなくて、ただとてもやさしい気持ちになれる、そんな一冊です。
ちなみにこちらの作品、「絵本」ではありますが、結構分厚い(B5サイズ、128ページ)です。
でも、やはり絵本ですから、文章はシンプルで、大人であれば、本好きじゃなくとも、あっという間に読めます。
この絵本の素敵な言葉の一部を、以下に抜粋させていただきます。
”おおきくなったら、なにになりたい?”
モグラにきかれたので、ぼくはこたえた。
”やさしくなりたい”
“What do you want to be when you grow up?”
“Kind” said the boy.
”成功するって、どういうことかな?”
ぼくがたずねると、モグラはこたえた。
“そりゃあ、だれかをすきになることだよ”
“What do you think success is?” asked the boy.
“To love” said the mole.
”いちばんの時間のむだって、なんだとおもう?”
ぼくがたずねると、モグラはこたえる。
”じぶんをだれかとくらべることだね”
“What do you think is the biggest waste of time?
“Comparing yourself to others.” said the mole.
”とてもきれいなものを、みのがすな”
“So much beauty we need to look after.”
”やさしさに勝るものはない”馬がいった。
”すべてのうえに、しずかに存在している”
“Nothing beats kindness”, said the horse.
“It sits quietly beyond all things.”
「ぼく モグラ キツネ 馬」ならびに‘The Boy, The Mole, The Fox and The Horse’より引用
そしてお次は、イギリスのボイスアーティスト※であるTim Uffindell(ティム・ウフィンデル)さんによって製作された‘The Boy, The Mole, The Fox and The Horse’の読み聞かせYouTube動画です。
※ボイスアーティスト(voice artist):ボイスオーバータレント(voice over talent)ともいい、ナレーターや声優を生業とする人
絵本なら、子どもから大人まで、英語学習ツールとしても良いですよね。
最後に、下図はインスタグラムへのマッケジーさんによる最近の投稿で、絵本には挿入されていないものです。
ペンで描かれたイラストと味のある文字、素敵ですよね。
少年と動物たちのアナザーストーリーは続いています。。。
自分は自分のままでいい、愛の溢れる世界に感謝して、シンプルに生きていこう、そう思えるとともに、誰かにやさしくしたくなる、そんな気持ちになれるアート作品のご紹介でした。
支えられて生きている、という事が分かること…….かなぁ。
なるほど。
そうだね、支えられていると思えることは、尊いことだよね。
深いわ・・・
ゆみこらしいコメント、嬉しいです。ありがとう!