料理本 親に作って届けたい、つくりおき
今日は、2020年5月10日、第2日曜日、母の日ですね。
私は、「はじめに」と「臨床美術を初体験した時の感動 その1」でも触れましたが、父が亡くなった後、母は出ていきましたので、母とは、10年以上、まともに会っていません。まともに、というのは、身内のお葬式の場とか震災追悼式の会場で顔を見ることや、突然押しかけられたりで、これまで3度くらい軽く出くわすようなことはあったということです。
母について書くとなると、おそらく本ができてしまうほどだと思うので、ここでは書きませんが、色々あって、母は、母自身の実家も含め身内とは一切の縁を切るという形で出ていきました。
私の義妹(弟の奥さん)は、一番そのことでは苦労しているので、恐らく母のことは一生許さないと思います。
私の父の妹である叔母も、自分の母親(私の祖母)を見捨てられたことになるので、一生許さないと思います。
また、私の母にも、許されないことをしたんだという自覚はあると思います。
私も、一生許されることではないと思っていました。
ですが、私の中ではもうとっくに許してるんです。
私の、母なので。
なんで私なんか産んだのと恨んだこともあります。
喧嘩した時には、母から「あんたが勝手に生まれてきた」と言われたこともありましたし。
でも、やっぱり今は、産んでくれたことに感謝してます。
血を分けた、たった一人の母なので。
世の中には、母親の顔を知らない人もいます。
だから、やっぱり私は恵まれてます。
そんなわけで、私の場合は母には会いませんが、日本国民にとって、母の日は、やっぱり大事な日かなあと思います。
そこで、今日は一冊の本をご紹介したいと思います。
「介護じゃないけど、やっぱり心配だから 親に作って届けたい、つくりおき」という料理本です。
著者は、料理研究家である林幸子氏です。
なぜ、現状、親がいないに等しい私がこの本を持っているかというと、もともと料理本が好きということと、この本のレシピがシンプルなものばかりで、各ページのデザインも綺麗でわかりやすくまとめれているので、親に作ってあげるわけじゃなくても、役に立ちそうと単純に思ったからです。
この本で、モットーにされているのは
「作る人は無理なく! 食べる人は気兼ねなく!」
で、林さんが考案された「『親つく』を笑顔で続けるためのコツ」というのが、とても良いんです♪
そしてこの本、2018年に発刊されて、2019年には7刷となっているくらい、人気です。
林さんの親御さんに対する愛情が、自然に、結果として、全ての人の日々の生活にやさしい形になっていったんだろうなと思います。
今回はこのレシピの中から、一品だけご紹介しますね。
「豚肉とごぼうのポン酢煮」です。
先日、そら豆の記事でも、食材に取り上げましたが、今はちょうど新ごぼうの季節です。
このレシピページに載っている林さんの「知っ得メモ」によると、
「ごぼうは皮をむく必要も水にさらす必要もなし。香りとうま味は表皮の下にあるので皮をピーラーでむいたり、こそげたりしないこと。泥つきならたわしでこすり洗いを、洗いごぼうならざっと水で洗えばよい。ごぼうから出る色はアクではなくポリフェノールだから、白く仕上げたい場合以外はざっと洗えば栄養的にもOK。」
まさに、目からウロコでした♪
調理法としては、ポン酢しょうゆをからめたしゃぶしゃぶ用豚肉をレンジ加熱し、そこにささがきにして軽く洗って水気を切ったごぼうを散らして、出汁を加え、再びチンするだけという手軽さ。
このほかのレシピもこんな感じで、2〜4ステップでまとめられており、保存期間や保存の仕方、食べ方など、また付録として防災についての豆知識も記載されていたりして、私たちの暮らしに寄り添った、とても素敵な本だと思います。