臨床美術それは誰でもできるアナログアート

お友達を呼んでプチワークショップ♪


本日、友達にお越しいただいて、臨床美術のまったりワークショップ(体験型講座)を行いました♪

実施したプログラムは、「りんごの量感画」です。

まず自分のモデルに選んだりんごをよく見て、次はなでなでしたり、りんごを触ってその肌を感じ、今度は、ヘタを摘んで持ってみて、その重さを感じ、そして、りんごを切った時の切り口の形や中の色味をじっくり見て、匂いも感じて、さらには食べて味わう・・・

普段は馴染み深くて、あるのが当たり前すぎるりんご。
それを普段、ここまで、改まって感じるということはなかなかありませんよね。

十分に、りんごを五感で感じたら、いよいよ描き始めます。

使う画材はオイルパステル 。
臨床美術オリジナルのオイルパステル は、クレヨンのようでパステルのような、タッチがとても心地よい画材で、色が美しく、描きやすい、体にもやさしい素材でできたものです。
色は16色のみですが、混色が容易で、扱いになれると、これだけで様々な表現ができるようになります。


臨床美術における造形は、平面に描くものから立体を作るものまで様々で、かつそのアプローチも独特で色々なパターンがあるのですが、この「りんごの量感画」も描き方に特徴があります。

まず、果肉の色・匂いに近いと感じる色のオイルパステル を選んで、紙の中心からグリグリと描いていきます。

りんごの量感画
中心にポツリ、りんごの実が生まれました
りんごの量感画
グリグリ、大きく育てていきます
りんごの量感画
感じた重みを思い出して、中身を詰めていく感じ

こうして量感が出来上がったら、皮の色をかぶせていきます。
りんごをよく見ると、単純な赤だけではないことが分かりますので、たくさんの色を使って、オイルパステル を立てたり、寝かせたり、時には色をのせた部分を指でこすったりして、表情を出していきます。

りんごの量感画
ダイナミックに描いちゃって全然OK!

割り箸ペン(割り箸の先を鉛筆のように削ったもの)でスクラッチ(引っかき)を入れたり、なぞったり、白色のオイルパステル を加えて輝きをプラスして、描き上がったら、パウダーを馴染ませて、ハサミで切り抜き、色画用紙と構成して仕上げます。

りんごの量感画で使う道具と材料

出来上がるとこんな感じ。
製作開始から、1時間程度で出来上がります。

りんごの量感画


今日、初体験していただいた友達の作品はこちら。
そのままでも十分素敵ですが、持ち帰って是非お家で飾っていただきたいので、百円ショップのものですが、好きな色の額縁に入れてもらいました。

りんごの量感画
yukikoさんの作品
ツヤ感がよく表現され、構成も大胆で素敵です。
なんだか、水に流れているような、空に浮かんでるような、そんな情景のようにも見えてきて楽しいですね♪
(左下の白い線は光の反射で入ったものです)
りんごの量感画
海さんの作品
意外な色ですが、印象に残ったという香りと味を表現してくれました。
また、用紙の素材感を残したやさしいタッチ、全体的に淡くて爽やかな色味でまとめられていて素敵です♪

遠くから眺めて見ると、印象がまた変わるんです。

りんごの量感画
飾ってみると、そこは、もう、アートギャラリー♪

同じプロセスで制作したにも関わらず、個性があって、面白いですね。

「好きなように描いて」と丸投げされるわけではなく、一定のプロセスが案内されることで、誰にでも楽しんでいただけるのが、臨床美術のプログラムです。

また、プロセスの案内はしますが、それは絶対の決まりではありません。
「こういうやり方を試したい」というかたがいれば、その気持ちを尊重します。

アートに、決まりはない。
自由に楽しめるのが、本来のアートだろうと思います。

ところで、お二人とも、制作中は無言で、集中していました。
ひたすら無心になれたとのこと。
これが臨床美術で感じることのできる「ココロの解放」です♪


あなたは最近
無心になれたことありますか?